- 英
- Susac syndrome
- 同
- スーザック症候群、Susac症候群
- 関
- [[]]
概念
- 原因不明の微小循環障害による脳症、視覚、聴覚障害が特徴
- 病因が不明のまれな疾患。脳、蝸牛、網膜の微小血管障害による脳症、変動性難聴、失明が三徴である。(2)
- 1979年に、John Susacが2人の女性について記載した;その女性らは脳の微小血管障害を示唆する人格の変化、paranoid psychosis、難聴、進行性神経機能不全、両眼性の多枝網膜動脈分枝閉塞を来していた。(2)
疫学
症候および検査所見(2)
- ほとんどの患者で発症時に伝統的な臨床的三徴はそろわない。
- 初期には脳の症状が最もよく見られ、時間の経過と共に三徴がそろう。
神経系(2)
- 神経症状の原因は脳の急性・亜急性、多巣性の微小血管障害である。
- 脳に器質的な変化が現れる数ヶ月前に、前駆症状として片頭痛様の頭痛を来すのが特徴的。
- 最終的にはほとんどの患者で様々な程度の器質的脳障害が起こる;認知機能や記憶の障害、混乱、behavioral disturbance、失行、錐体路障害
- 25%の症例で、数週間にわたって人間性や精神の変化(personality and mental changes)が起こってくる。
- CSF
- 蛋白質上昇、リンパ球増多
- オリゴクローナルバンドは認められない → 多発性硬化症は否定的
- びまん性の活動性の低下 → 多巣性の脳の微小血管障害を示唆。
- 時にてんかんの活動性(seizure activity)がみとめられる
- 病気の進行期(during attacks)には、ガドリニウム造影によるT2強調画像で、多発性の高強度部位が上側頭葉と下側頭葉の皮質と灰白質見られる。
- この病変は白質で最も顕著であり、多発性硬化症と誤診することがある
- 通常は正常。場合によっては小血管に病変が明らかになることがある
難聴(2)
- 急性、両側性、非対称性、感音性。低~中間の周波数で感音性聴力が低下(時に、高音域も影響を受ける)。語音弁別能は低下(with poor speech understanding)。
- 急性期での難聴の進展速度や聴力の可逆性は症例によってさまざま。
- 随伴症状は、耳鳴、めまい、悪心、不安定歩行(unsteady gait)
- 難聴の原因は加重の先端部(頭頂部)における微小梗塞が示唆されている → だから低音域~中音域が障害される
- 聴性脳幹誘発反応 auditory braintem evoked response
- 蝸牛神経や脳幹は正常という報告もあるし、蝸牛神経機能が異常と報告もある
- 蝸電図検査:(ホント?)噂によれば、スザック病患者では正常である
- 前庭症状(めまい、失行、歩行障害)は末梢か中枢の関与が考えられる。著明な眼振が見られ、これはおそらく膜迷路の微小梗塞と関連している。
網膜(2)
- 多発性、両側性のbranch retinal arteriolar occlusion → 分節性の視野欠損
- 失明(visual loss)は閉塞した血管の数と部位によって広範に及んだり、わずかだったりする。特に黄斑の血管における後極の病変は深刻な失明を引き起こすことがあるが、辺縁の血管が冒された場合は無症候性である。患者の中にはvisual lossを訴えない患者もいるが、眼底検査では典型的な網膜細動脈の閉塞がみられる。末梢の非常に小さい細動脈が冒される場合には眼底検査泥状は見られないかもしれない。網膜のふるおろせ員血管造影検査では動脈の狭小化や、閉塞した血管に血液が充満されないのが見えることがある。ときに、閉塞していない網膜細動脈で高度に血管壁が造影されうるが、これは活動性の病変を示唆し、またこれらの部位で閉塞が差し迫っていること(impending occlusion)を示唆している。
検査
- MRI
- フルオレセイン蛍光眼底造影検査:多発性の微小血管閉塞(2)
診断
- 症候(脳、網膜、内耳) + 検査所見(MRI、フルオレセイン蛍光眼底造影検査)(2)
鑑別疾患
- 多発性硬化症、全身性血管炎(全身性エリテマトーデス、ベーチェット病)(2)
治療
- 経験的な治療が行われて来たが、どの治療も明らかなbenefitをもたらしていない(1)。広く認められている治療法はない(2)。
- 病因が不明なので、推定される病因(自己免疫性・炎症性、血栓性)に対する治療薬の使用が考慮される(1)
- 自己免疫性・炎症性:ステロイド、シクロホスファミド、アザチオプリン、intravenous immunoglobulin
- 血栓性:アスピリン、ヘパリン、カルシウムチャネル拮抗薬
予後
経過と予後(2)
- 経過は、三徴のうちいくつかの症状が再発性、変動性に出現することが特徴。
- 2ヶ月から11年の間に活動性があるが、自然経過で治癒すると思われる。
- しかし、多くの患者では、活動性が低下した後も軽度から中程度の後遺症を残す;精神神経症状、難聴、視野暗点。全盲や聾はまれ。
- 半数の患者は日常生活に復帰できる。
- 脳MRI :急性期後に異常所見が消退
- CSF :急性期後に異常所見が消退
- 眼底所見:異常所見が消退、あるいは"silver streaks"(ghost vessels)が見られる。
治療と予後
- 治療や診断が遅れると、眼・耳・脳の予後(permanent mobidity)が悪化する(2)
- 早めの治療が永続的な後遺症を軽減させる(2)。
参考
文献
- 1. Roeser MM. et al., Susac syndrome--a report of cochlear implantation and review of otologic manifestations in twenty-three patients., Otol Neurotol. 2009; 30; 34-40
- 2. Gross M. et al., Susac syndrome., Otol Neurotol; 2004; 25(4):470-3
URL
http://en.wikipedia.org/wiki/Susac's_syndrome
http://www.neurohaven.com/susac1.htm
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- 2008年9月28日 ... ちょ、スザック!!!!! 紅蓮の勝ちですね…トリスタンが受け止めてくれました。 「 愛してる、ナナリー。」 自分の ..... ねー、会長」 ミレイ「ホント、咲世子と違って台詞があっ て良かったわー♪」 新●里美「... 2008-09-28 :; 真・萌え声依存症候群 ...
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★リンクテーブル★
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- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
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- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
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- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
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- 関
- 症状, 徴候 兆候