ベンズブロマロン
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/10/09 21:35:18」(JST)
[Wiki ja表示]
ベンズブロマロン
|
IUPAC命名法による物質名 |
(3,5-dibromo-4-hydroxyphenyl)- (2-ethyl-3-benzofuranyl)methanone |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
? |
識別 |
CAS登録番号 |
3562-84-3 |
ATCコード |
M04AB03 |
PubChem |
CID 2333 |
化学的データ |
化学式 |
C17H12Br2O3 |
分子量 |
424.083 g/mol |
SMILES
- CCC1=C(C2=CC=CC=C2O1)C(=O)C3=CC(=C(C(=C3)Br)O)Br
|
物理的データ |
融点 |
161–163 °C (322–325 °F) |
ベンズブロマロン(英: benzbromarone)とは痛風の第一選択薬であるアロプリノールが有効ではないあるいはアロプリノールによって過度の副作用が生じた際に使用される尿酸排泄薬の一つ。ベンズブロマロンは構造的に抗不整脈薬であるアミオダロンに類似している[1]。
日本ではユリノーム®錠25mg・50mg(鳥居薬品)などとして販売されている。
薬理
腎臓の近位尿細管にはURAT1と呼ばれる尿酸再吸収を行う尿酸トランスポーター分子が多く存在する。ベンズブロマロンはURAT1阻害剤として作用する。
アロプリノール(尿酸合成阻害剤)にくらべ、臨床試験や研究が進んでいないため世界的には第一選択薬ではないが、日本人は尿酸排泄低下型の高尿酸血症が多いため、ベンズブロマロンによる治療は合理的との意見もある。[2]
適応症
下記の場合における高尿酸血症の改善
- 痛風、高尿酸血症を伴う高血圧症
出典
- ^ Kumar V, Locuson CW, Sham YY, Tracy TS (October 2006). “Amiodarone analog-dependent effects on CYP2C9-mediated metabolism and kinetic profiles”. Drug Metab. Dispos. 34 (10): 1688–96. doi:10.1124/dmd.106.010678. PMID 16815961.
- ^ http://www.torii.co.jp/iyakuDB/data/academic/070316.pdf
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- ユリノーム錠の使用実態下における製造販売後調査の結果について(第三報):ー実地診療下におけるユリノームによる血清尿酸値の6.0mg/dL以下達成率ー
- ベンズブロマロン(ユリノーム® 錠)の製造販売後調査(第二報):ー使用実態下における投与量および腎機能と血清尿酸値との関連についてー
- 後藤 祐司,及川 寿浩,芦澤 広
- 痛風と核酸代謝 36(1), 2012
- ベンズブロマロン(商品名:ユリノーム® 錠)の使用実態下におけるプロスペクティブな使用成績調査を行い,ベンズブロマロン(ユリノーム)の投与量および腎機能と血清尿酸値との関連性,特に血清尿酸値6.0mg/dL以下達成率について検討を行った.<BR>投与開始前および投与開始後6ヶ月の間に1回以上血清尿酸値が測定されていた3,150症例について,最終観察時点での血清尿酸値6.0mg …
- NAID 130001921989
Related Links
- ユリノームとは?ベンズブロマロンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。 すべての副作用を掲載しているわけではありません。
- 鳥居薬品株式会社のユリノーム錠50mg(その他の代謝性医薬品)、一般名ベンズブロマロン(Benzbromarone) の効果と副作用、写真、保管方法等を掲載。 ... 以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。肝 ...
- 鳥居薬品の尿酸排泄薬「ユリノーム」の医療関係者向け情報をご紹介するページです。 ... 新着情報 WHAT'S NEW 2014.09.30 Current Researchに「HYPERURICEMIA(セミナー記録)」を掲載しました。 2014.06.13 医療関係者向け ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ユリノーム錠25mg
組成
成分・含量
添加物
- 乳糖水和物
トウモロコシデンプン
ヒドロキシプロピルセルロース
タルク
ステアリン酸マグネシウム
禁忌
肝障害のある患者
腎結石を伴う患者、高度の腎機能障害のある患者
- 〔尿中尿酸排泄量の増大により、これらの症状を悪化させるおそれがある。また、効果が期待できないことがある。〕
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
下記の場合における高尿酸血症の改善
痛風
- 通常成人1日1回1錠または2錠(ベンズブロマロンとして25mgまたは50mg)を経口投与し、その後維持量として1回2錠を1日1〜3回(ベンズブロマロンとして50〜150mg)経口投与する。
なお、年令、症状により適宜増減する。
高尿酸血症を伴う高血圧症
- 通常成人1回2錠を1日1〜3回(ベンズブロマロンとして50〜150mg)経口投与する。
なお、年令、症状により適宜増減する。
重大な副作用
- 重篤な肝障害(頻度不明※):劇症肝炎等の重篤な肝障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。〔「警告」の項参照〕
なお、使用実態下における安全性および有効性に関する調査において、肝障害(重篤症例)の発現頻度は0.09%であった[4,659例中4例]2)。
薬効薬理
- ベンズブロマロンは、尿細管における尿酸の再吸収を特異的に抑制し、尿酸の尿中への排泄を促進することにより高尿酸血症を改善する。
薬理作用4)
- 本剤を痛風患者に投与した結果、血清尿酸値の低下と尿酸クリアランスの上昇を認めたが、クレアチニンクリアランスはほとんど変化しなかった。また、血清尿酸値の低下とほぼ平行する尿酸プールの縮小を認めたが、尿酸の一日産生量には著変はなかった。従って、本剤は尿酸の尿中への排泄を選択的に促進するものと考えられる。
作用機序
- 本剤を健康成人に投与し、ペニシリン、フェノールスルフォフタレインの尿中排泄及び血中濃度を指標として本剤の尿細管における作用を検討したところ、本剤はこれらの尿中排泄及び血中濃度にはほとんど影響を及ぼさなかったことから、プロベネシドとは異なり尿細管における尿酸の再吸収のみを抑制するものと考えられる。5)
- 糸球体で濾過された尿酸は、腎臓近位尿細管管腔側に存在する尿酸トランスポーター(URAT1)によって再吸収される6)。
ベンズブロマロン及びベンズブロマロンの主要代謝物である6-ヒドロキシ体は、URAT1による尿酸の取込みを阻害する6、7) (in vitro)。
すなわち、ベンズブロマロン及び6-ヒドロキシ体はURAT1による尿酸の再吸収を抑制することにより、尿酸の尿中排泄を促進し、血中尿酸値を低下させるものと考えられる。
有効成分に関する理化学的知見
分子式
一般名
- ベンズブロマロン Benzbromarone(JAN, INN)
化学名
- 3, 5-Dibromo-4-hydroxyphenyl 2-ethylbenzo[b]furan-3-yl ketone
融点
性状
- 本品は白色〜淡黄色の結晶性の粉末である。
本品はN,N-ジメチルホルムアミドに極めて溶けやすく、アセトンに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
本品は希水酸化ナトリウム試液に溶ける。
分配係数
Britton-Robinsonの広域緩衝液/クロロホルム pH2,4,6,7.4,8:0,pH10:0.08, pH11:0.64
0.1mol/L NaOH/クロロホルム=146.3(pH13)
0.01mol/L NaOH/クロロホルム=13.0(pH12)
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- benzbromarone
- 商
- ウロリープ、ガウトマロン、キランガ、トレビアノーム、ナーカリシン、ブロマノーム、ベンズマロン、ムイロジン、ユリノーム
- 関
- 痛風、尿酸、痛風治療薬、薬理学
概念
作用機序
注意
- ①尿量を多くする ← 水を飲む
- ②尿アルカリ化薬(ウラリット)併用 尿のpHを6.0-7.0に維持
- ①投与半年は定期的に肝機能の検査
- ②眼球結膜黄染、尿濃染出現で停止
禁忌
- 1. 肝障害の徴候が見られた場合
- 2. 腎結石・高度の腎機能障害
- 3. 薬剤過敏症
- 4. 妊婦又は妊娠の可能性
[★]
商品
[★]
- 英
- lily
- 関
- ユリ属、ユリ科