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ネルソン症候群 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
E24.1 |
DiseasesDB |
8863 |
eMedicine |
ped/1558 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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ネルソン症候群(-しょうこうぐん、英Nelson's syndrome)とは、クッシング症候群患者に対する両側副腎の摘除後に下垂体腺腫の急速な拡大をきたす症候群である[1]。 Nelson-Meakin-Thorn 症候群とも呼ばれる。
目次
- 1 歴史
- 2 病態・原因
- 3 症状
- 4 治療
- 5 参考文献
|
歴史
この症候群名は、1960年に本病態を初めて記載したアメリカの内分泌学者ドン・ネルソン (Don Nelson) にちなんで命名された[2]。
病態・原因
両側副腎の摘除術は、クッシング症候群の治療として行われる。 両側の副腎摘除はコルチゾールの産生を止めるが、これによりコルチゾールの負のフィードバックがなくなることで、それまで抑制されていた先在性の副腎皮質刺激ホルモン (ACTH) 産生性微小下垂体腺腫の成長が促進されると考えられている。 下垂体腺腫が持続的に成長することで、ACTHおよびメラニン細胞刺激ホルモン (MSH) の産生増加とともに、脳組織および脳神経の物理的圧迫による圧排効果が発生してくる。 ネルソン症候群の発症とクッシング症候群の罹病期間との間に有意な相関はなく、両側副腎摘除術からネルソン症候群を発症するまでの期間も6カ月~16年と様々な報告がなされている。
症状
一般的な徴候や症状としては、画像診断上トルコ鞍の拡大が10~15%の症例にみられる他、過剰なMSH分泌に起因する皮膚の高度色素沈着が35~45%の症例にみられる。 その他の臨床症状としては、筋力低下、視野障害および女性の場合は無月経などがある。 また血中ACTH濃度は1,000~10,000 pg/ml と著明な上昇をみる。 なお、現在ではクッシング症候群の治療として両側副腎摘除術が適用されるのはごく稀な症例に限られるので、ネルソン症候群を発症することは稀である[3]。
治療
下垂体腺腫の外科的切除が第一選択の治療法である。 最近では他のトルコ鞍内腫瘍の場合と同様に、経蝶形骨洞的腫瘍摘出術を選択することが多い。 また、本症候群の発症リスクは下垂体への放射線治療により最小限に抑えることが可能であるため、下垂体腺腫の全摘出が不能な症例や、より積極的な治療を行う場合など、放射線治療の適応は拡大している。
参考文献
- ^ Biller BM, Grossman AB, Stewart PM, et al. (2008). “Treatment of adrenocorticotropin-dependent Cushing's syndrome: a consensus statement.”. J. Clin. Endocrinol. Metab. 93: 2454–2462. doi:10.1210/jc.2007-2734. PMID 18413427. http://jcem.endojournals.org/cgi/content/full/93/7/2454.
- ^ Nelson D, Meakin J, Thorn G (1960). “ACTH-producing pituitary tumors following adrenalectomy for Cushing's syndrome.”. Ann Intern Med 52: 560–569. PMID 14426442.
- ^ Kelly PA, Samandouras G, Grossman AB, Afshar F, Besser GM, Jenkins PJ (2002). “Neurosurgical treatment of Nelson's syndrome.”. J. Clin. Endocrinol. Metab. 87: 5465–5469. doi:10.1210/jc.2002-020299. PMID 12466338. http://jcem.endojournals.org/cgi/pmidlookup?view=long&pmid=12466338.
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Japanese Journal
- ブロモクリプチンが有効であったネルソン症候群の1例
- 山田 朱美,永瀬 晃正,鈴木 節,青木 晃,作田 英成,伊東 貞二,安田 浩子
- ホルモンと臨牀 48, 17-21, 2000-07-31
- NAID 10012181847
- ネルソン症候群患者における血中高β-endorphin血症の意義について (内分泌 興味ある症例-2-<特集>) -- (間脳・下垂体)
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- ネルソン症候群 クッシング症候群によって副腎を全て摘出した場合、ネルソン症候群が現れます。下垂体に腫瘍ができて、コルチコトロピンとメラニン形成細胞を刺激するホルモンを大量に生産し、皮膚の色が黒くなります。腫瘍が大きく ...
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★リンクテーブル★
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内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
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