参考
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/06/27 13:16:21」(JST)
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ケロシン系ジェット燃料 Jet A-1 を輸送するトラック
ケロシン系ロケット燃料RP-1を使うサターンVの打ち上げ
ケロシン(kerosene)とは、石油の分留成分の1つである。およそ沸点150 - 280℃、炭素数10 - 15、密度0.79 - 0.83のものである。ナフサ(ガソリンの原料)より重く、軽油より軽い。
ケロシンを主成分として、灯油、ジェット燃料、ケロシン系ロケット燃料などの石油製品が作られる。灯油は成分的にはほぼケロシンだが、日本では灯油をケロシンと呼ぶことはまれで、ケロシンといえばジェット燃料やロケット燃料のことが多い。
英語では、keroseneのほかkerosineとも綴り、また、coal oil(中国語では、「煤油」や俗に「火水」という)ともいう。日本のモービル石油のスタンドや灯油の貯蔵施設にある給油機には英語のKerosineが書かれている。また、英国と南アフリカではparaffin(パラフィン)とも呼ぶ。
目次
- 1 概要
- 2 用途
- 2.1 灯油
- 2.2 ジェット燃料
- 2.3 ロケット燃料
- 2.3.1 ケロシン系ロケット燃料
- 2.3.2 ケロシンを燃料とするロケットエンジンの例
- 3 各国語での呼称
- 4 出典
- 5 関連項目
概要
ケロシンは無色で燃えやすい液体の炭化水素で、石油の分留で150 - 275℃の分留区画を占める(炭素数で12 - 15に相当)。かつてはケロシンランプが広く使用されていたが、現在では主にロケット燃料やジェット燃料として使用される。ケロシンの名称はギリシア語のκηρο’ς(keros。ろう、ワックス)に由来する。
原油から直接蒸留された標準的なケロシンは硫黄の含有とそれに伴う腐食性を減少させるために、いくつかの処理を必要とする。今日ではケロシンの一部は石油クラッキングによっても生産される。つまりクラッキングにより原油の中でも重油として燃料にしかならない成分から価値のある成分へと改質している。
用途
ケロシンに、水素添加や他留分、クラッキングの剰余分などがブレンドされ、各種の燃料が作られる。
灯油
詳細は「灯油」を参照
灯油は、家庭用の燃料などに使われる。日本では、灯油の品質はJIS K 2203で標準化されている。
灯油の調理用燃料としての使用は、ほぼ発展途上国またはバックパッカーに限られており、そのような用途では精製度が低く不純物やゴミを含んだものが使用されている。
日本では、家庭用の灯油ストーブで暖房燃料として広く使用されている。日本ではガソリンスタンドや宅配によって容易に入手が可能である。
ジェット燃料
詳細は「ジェット燃料」を参照
ジェット燃料は、ほぼケロシンからなる「ケロシン系」と、ナフサを混ぜる「ワイドカット系」に分けられる。
民間用の規格としてはケロシン系のJet AとJet A-1、ワイドカット系としてJet Bがある。これらはアメリカの工業規格ASTM D-1655で標準化されており、日本ではJIS K 2209がそれに準拠している。軍用にも各種規格がある。
ロケット燃料
ロケットエンジンでは燃料を大気圏外でも燃焼させるため、液体水素やケロシンなどの燃料のほかに酸化剤を搭載する必要がある。酸化剤として用いられる物質は、第二次世界大戦中のヴァルターロケットでは過酸化水素、同じくV2ロケットでは液体酸素、戦後のミサイルでは赤煙硝酸や過塩素酸アンモニウムなどである。ケロシンを燃料とするロケットの場合、酸化剤としては液体酸素が多く用いられる。
ロケット燃料としての性能(比推力)は噴射速度、言い換えると燃焼温度が高く燃焼ガスの分子量が軽いものほど、最終飛翔体と燃料の重量比である質量比を緩和する。したがって理想的には液体水素と液体酸素の組み合わせがロケット燃料に最適である。しかし液体水素は密度が低いためタンクが巨大になり、また液体酸素との沸点の違いからタンクの断熱構造が複雑になるなど、実際には燃料タンクなどロケットの構造材の重量も含めて考慮されるべきで、サイズが巨大になる多段式ロケットの1段目にはロケット構造材の装置が簡単になり軽量化が図れるケロシンがロケット燃料として採用されることが多い。
ケロシン系ロケット燃料
- RP-1
- アメリカ合衆国で広く使われるロケットエンジン用燃料。
- TM-114
- 旧ソビエト連邦/ロシアで使用されるケロシン系ロケット燃料の一つ。
- TM-185
- 旧ソビエト連邦/ロシアで使用されるケロシン系ロケット燃料の一つ。
- Syntin
- かつて旧ソビエト連邦/ロシアで使用されたケロシン系ロケット燃料の一つ。
ケロシンを燃料とするロケットエンジンの例
- F-1
- アポロ計画で用いられたサターンVの一段目用の巨大エンジン。
- RD-170/RD-171
- ロシアの大型ロケットアンガラ、ウクライナのゼニト用のエンジンでF-1に匹敵する。
- RD-107/RD-108
- ロシアのソユーズの一段目用と二段目用のエンジン(RD-108にRD-107を4本束ねて使うのが特徴)。液体酸素とケロシン系のT-1またはRG-1燃料を使用する。
- RS-27/RS-27A/RS-27C
- デルタIIの一段目用エンジン。
- MB-3-1(制式名LR-79-7)
- ソー・デルタの一段目用エンジン。
- MB-3-3
- デルタやN-Iロケット・N-IIロケット・H-Iロケットなどデルタシリーズの1段目用エンジン。
各国語での呼称
ケロシンと厳密に同義語とは限らない[1]。
- ケロシン系:ギリシア語“κηρό’ς”(keros、ろう)に由来
- Keroseneまたはkerosine(米国)
- Keroseneまたはkero(オーストラリア)
- Kérosène(フランス)
- Cherosene(イタリア)
- Queroseno(スペイン)
- Querosene(ポルトガル)
- Керосин(Kerosin)(ロシア)
- Керозин(Kerozin)(セルビア)
- Κηροζίνη(Khrozinh)(ギリシア)
- קרוסין(Qrvsyn)(イスラエル)
- ペトロレウム(ペトロリアム)系
- Petroleum(ドイツ - ドイツでジェット燃料はKerosin。英語でのpetroleumつまり原油はドイツ語でErdölまたはMineralölまたはRohöl。ガソリンはBenzinという)
- PetroliまたはValopetroliまたはLamppuöljy(フィンランド)
- パラフィン系[2]
- Paraffinまたはparaffin oil(英国および南アフリカ)
- Parafinまたはlampeolje(ノルウェー)
- その他
- Turbosina(スペインでの別の言い方)
- Nafta(ナフタ)(ポーランド)
- Fotogen(スウェーデン)
- Gazyaģı(トルコ)
- Minyak Tanah(マレーシア/インドネシア)
- 灯油(日本)
- 등유(燈油、deungyu)(朝鮮語)
- 煤油(méiyóu)または火水(huǒshuǐ)、かつては火油(huǒyóu)(中国語)
- 英語でのその他の呼称
- coal oil
- range oil
- stove oil(カナダ)
出典
- ^ 英語版ウィキペディア en:Kerosene#Common name
- ^ 食用のパラフィン(パラフィン)とは異なる。
関連項目
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 燃油費抑制策等が損益に与える影響の分析 : 日本航空を対象として
- 高バイパス比ターボファンエンジンについて(<特集>航空用,発電用エンジンシステムの最近の開発動向,創立40周年記念)
- 渦によるガス巻込み現象の観察と巻込み気泡量の定量評価 第三報
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- 英
- neutrophilia
- 同
- 好中球増多、好中球増加、好中球増加症
- 顆粒球増加症 granulocytosis、好中球性白血球増加症 neutrophilic leukocytosis
- 関
- 白血球増多症
[show details]
定義
- 成熟好中球の絶対数が8x103/uL以上に増加している状態
- OLM 94,95
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