- 35歳の男性。乗用車を運転中にトレーラーに追突しハンドルで胸部を強く打撲し搬入された。意識は混濁。呼吸数40/分。脈拍120/分、整。血圧66/46mmHg。皮膚蒼白、発汗、四肢末梢冷感および頸静脈の怒張を認める。心音は微弱である。呼吸音に異常を認めない。心エコー図を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [101H025]←[国試_101]→[101H027]
★リンクテーブル★
[★]
- 65歳の女性。昨日からの頻回の嘔吐、腹痛および腹部膨満感を主訴に来院した。3日前から排ガスと排便とがない。37歳時に虫垂炎の手術既往がある。意識は清明。体温37.8℃。脈拍88/分、整。血圧120/68mmHg。腹壁は著明に膨隆し、鼓音を呈する。白血球13,000。腹部エックス線単純写真立位像を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [101H026]←[国試_101]→[101H028]
[★]
- 65歳の女性。2か月前から続く咳嗽を主訴に来院した。痰は伴わず、胸やけがあり、鼻汁と鼻閉とが時々ある。喫煙歴はない。身体所見に異常を認めない。3か月前の健康診査での胸部エックス線写真は正常である。
[正答]
※国試ナビ4※ [101H024]←[国試_101]→[101H026]
[★]
- 英
- cardiac tamponade (M)
- 関
- 心膜血腫、ベック三徴、閉塞性ショック
- 心膜腔になんらかの液体が充満して心室への血流を制限する状態
病因
- 心膜腔に漿液、血液、ガス、腫瘍が存在することによる
- 急性的に心膜液が100-150ml貯留することで症状を呈する(資料によっては150-200ml)。
病態
- まとめると、「右心不全」と「左心不全の前方不全」による症状が出現する、と考えられる? ← 肺にまつわる症状は出現しない?(そもそも右心系から肺循環にうっ血するほど血液が拍出されないから?)
- 心嚢水の貯留により心臓の低圧部位が圧迫され、虚脱する(心嚢水の貯留により高圧部位の圧力が心嚢水を介して伝わる)。収縮期早期に低圧なchamberは右房、拡張期に低圧なのは右室であり、この部位が虚脱しやすい(出典不明)。
- 右心型 (SUR.401)
- 右心系への還流異常による中心静脈圧上昇 → 頚動脈怒張(クスマウル徴候 ← 顕著には出現しないはずだが?)、肝腫大、右心房圧上昇、下大静脈圧上昇
- 左心系 (SUR.401)
- 心拍出量低下 → 奇脈、脈圧低下、心音減弱、頻脈、呼吸困難、失神 (SUR.401)
症状
- ベック三徴 Beck's triad:静脈圧上昇、血圧低下、心拍動微弱
- 心拍出量低下 → 血圧低下、奇脈
検査
- 胸部単純X線写真:心拡大
- 心エコー:心嚢水貯留。右房、右室の虚脱。
治療
- 心嚢穿刺、開窓術による心嚢内血液除去
- 支持的療法:(軽症例の場合のみ。だたし、循環動態のモニターをしながら)輸液(血液、血漿、デキストラン、生理食塩水) (参考2)
やってはいけない治療
- 静脈還流量を減じる治療 → 利尿薬(サイアザイド系利尿薬、ループ利尿薬)、ニトログリセリン、陽圧換気人工呼吸、カルシウム拮抗薬?
- 血圧を下げる薬物投与 → ヒドララジン
- 105C031
参考
- 1. [charged] 心タンポナーデ - uptodate [1]
- 2. [charged] 心嚢液貯留の診断および治療 - uptodate [2]
国試