- 英
- vertebral canal (M)
- ラ
- canalis vertebralis
- 椎弓と椎体の後面には椎孔があるが、椎骨が関節した脊柱ではこの椎孔がつながって脊柱管となる。
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/11/28 05:29:34」(JST)
[Wiki ja表示]
脊柱管(せきちゅうかん、英語:vertebral canalまたはspinal canal、ラテン語:canalis vertebralis)とは、脊椎の椎孔が連なってできた細長い空間を指す。『生理学』という用語を初めて導入したとされるフランスの医師、生理学者であるジャン・フェルネル(フランス語版、英語版)が初めて記述した。上は大孔(大後頭孔)を通って頭蓋内に続き、下は仙骨の中で閉じている。脊柱管の内容物でもっとも重要なのは脊髄であり、その周りの構造は脊髄を守るためのものと考えることができる。
脊柱管の構造は、その水平断面を考えるとわかりやすい。椎骨を中ほどの高さで切ったとき、脊柱管の断面は正中に円く現れる。これはすなわち切られた椎骨の椎孔の断面でもある。その後方には棘突起、両外側には横突起、前方には椎体がある。脊柱管の体積のうち大部分は脊髄が占めている。脊柱管の断面を円とみなしたとき、中心のところにあるのが脊髄で、その周りでは中心に近いほうから順に軟膜、クモ膜下腔、クモ膜、硬膜、内椎骨静脈叢を入れた結合組織、椎骨の骨膜が層をなして脊髄を取り囲んでいる。骨膜は椎骨と密着しているので、脊柱管を内張りするような形になる。
脊髄の外側では、脊髄神経の前根と後根の間から、歯状靭帯という一対の靭帯が出る。歯状靭帯はクモ膜下腔とクモ膜を貫いて軟膜と硬膜を結び、脊髄を硬膜の中で動きまわらないように支えている。歯状靭帯は軟膜に一本ずつの細長い線を描いて付着し、脊柱管に沿って薄い膜の形に延びているが、硬膜の側では尖り、ある程度の距離をおいた点ごとに硬膜に付いている。歯状靭帯が硬膜に付く点は脊柱管の全体に片方で20箇所程度ある。この様子が(全体の薄く細長い形も含めて)鋸の歯に似ていることから「歯状」の名がある。
脊髄神経の前根と後根は合わさって、椎間孔から脊柱管を出る。椎間孔とは、隣り合った椎骨の突起が合わさって脊柱管を作るとき、両外側に開いた窓のような隙間である。椎間孔を出た脊髄神経はすぐに脊髄神経節を作り、そこから前枝と後枝に分かれてそれぞれの支配域に向かう。脊髄神経の出口は、その根が脊髄から出た場所よりも下にある。この差はより下の脊髄神経について大きく、腰椎の椎間孔から出る脊髄神経の根は、かなり上から長い距離を下ってきている。そのため、脊髄の本体は第2腰椎あたりの高さで終わるのに、その下にも脊髄神経の根が馬尾と呼ばれる束をなして下の出口へ延びている。
隣り合う椎骨の椎体は椎間板を挟んでいる。椎間板は椎間孔の高さに近く、その高さにおいて脊柱管の前壁をなしている。
以上の記述は脊柱管の全体に通用するものだが、脊椎の様子は部分ごとにかなり違うので、より詳しくは椎骨・頚椎・胸椎・腰椎・仙椎を参照されよ。
関連項目
|
この項目は、医学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:医学/Portal:医学と医療)。 |
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 検査法 片側の椎間板高減少(wedging)の進行による椎間孔狭窄 : 単純X線正面像でのスクリーニング
- 知って得する! (新)名医の最新治療(Vol.380)背中の筋肉を破壊しない、回復しやすい手術が登場 腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)
- 当院における腰部脊柱管狭窄症に対する薬物療法の実態調査 (日本腰痛学会 特集号)
- 鳥飼 英久,井上 雅俊
- Journal of spine research : official journal of the Japanese Society for Spine Surgery and Related Research 6(6), 1083-1088, 2015-06
- NAID 40020522239
Related Links
- 脊柱管(せきちゅうかん、英語:vertebral canalまたはspinal canal、ラテン語:canalis vertebralis)とは、脊椎の椎孔が連なってできた細長い空間を指す。『生理学』という 用語を初めて導入したとされるフランスの医師、生理学者であるジャン・フェルネル( ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- epidural space (N,KH,KL), extradural space (M), epidural cavity
- ラ
- spatium epidurale, cavum epidurale
- 同
- 硬膜外腔
[★]
- 英
- sacral canal
- ラ
- canalis sacralis
- 関
- 仙骨、脊柱管
[★]
脊柱管
- 関
- spinal canal、vertebral canal
[★]
- 英
- lumbar spinal canal stenosis LSCS, lumbar spinal stenosis, LSS
- 関
- 腰部脊柱管狭窄(←狭窄した状態)
概念
- 神経組織を入れる腰部脊柱管あるいは椎間孔部がさまざまな原因によって狭窄を来し、馬尾あるいは脊髄神経根が圧迫されることにより生じる病態
原因
症状
- 神経性間欠性跛行:最も頻度が高い症状。前屈により症状が寛解する(脊柱管は腰部で前弯している、すなわち、前屈により脊柱管広くなる?ことと関係しているのだと思われる。)。
間欠性跛行の鑑別
|
ASO
|
L-SCS
|
発生部位
|
腓腹部
|
大腿後面、下腿外側
|
症状変動
|
あまりない
|
変動有り
|
改善
|
急速で速やかに改善 たったままで治る
|
時間がかかる 座位(前屈)で軽減
|
頻度
|
少
|
多
|
治療
- 神経根障害は自然寛解傾向があるが馬尾障害にはこれがないため治療方針が異なる。つまり前者では保存的治療が第一選択となるが後者では保存的治療が有効であることは少ない。
- 手術は保存的治療の無効であったり、神経学的症状が悪化傾向にあり、また日常生活に支障を来す場合に適応となる。
-
- 薬物療法:(疼痛除去)消炎鎮痛剤、(神経損傷治癒促進?)ビタミンB12
- ブロック療法:神経ブロック(硬膜外神経ブロック、神経根ブロック)。
- 装具療法:コルセットによる腰部の伸展制限
[★]
- 英
- developmental canal stenosis
- 関
- 脊柱管狭窄症
- 脊柱管が(おそらく先天的によりもむしろ)成長の過程で狭窄する病態。
- 英語
- http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2219646/
- http://sciencelinks.jp/j-east/article/200510/000020051005A0157328.php
- http://jnnp.bmj.com/content/52/7/887.full.pdf
- http://www.mendeley.com/research/cervical-myelopathy-caused-developmental-stenosis-spinal-canal/
芸能人
- EXILE NAOKI、「発達性脊柱管狭窄症」でダンス“禁止令”
[★]
- 英
- spinal stenosis, spinal canal stenosis
- 同
- 脊柱管狭窄
- 椎管狭小 narrow spinal canal narrowing of spinal canal
[★]
- 英
- spinal stenosis、spinal canal stenosis
- 関
- 脊柱管狭窄症
[★]
- 同
- space available for the cord SAC
[★]
- 英
- duct、tube、canal、pipe
- ラ
- ductus、vas、meatus
- 関
- 水路、チューブ、導管、道管、卵管、道
[★]
- 英
- vertebral column, spinal column, spine(これだけでも脊柱の意味をなす)
- ラ
- columna vertebralis
- 関
- 脊椎