- 英
- xylitol
- ラ
- xylitolum
- 商
- キシリット, Xylit、キリット、クリニット
- 関
- キシリトール、
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/04/12 01:17:38」(JST)
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キシリトール[1] |
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IUPAC名
(2R,3R,4S)-ペンタン-1,2,3,4,5-ペントール
|
別称
1,2,3,4,5-ペンタヒドロキシペンタン
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
87-99-0 |
特性 |
化学式 |
C5H12O5 |
モル質量 |
152.15 g/mol |
密度 |
1.52 g/cm3 |
融点 |
92-96 °C
|
沸点 |
216 °C
|
関連する物質 |
関連するアルカン |
ペンタン |
特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 |
キシリトール (xylitol) は化学式 C5H12O5 で表される、キシロースから合成される糖アルコールの一種。メソ化合物である。天然の代用甘味料として知られ、最初はカバノキから発見されギリシア語 Ξυλον(Xylon、木)から命名された。北欧諸国で多用されている。旧厚生省は天然にも存在する添加物に分類している[2]。
冷涼感があり、後味の切れが早い。スクロースと同程度の甘みを持ち、カロリーが4割低い。分子量は152.15である。また、加熱による甘みの変化がないため、加工にも適している。
中国語では「木糖醇」(mu4 tang2 chun2)と標記する。
目次
- 1 医学適応
- 2 健康上の問題
- 3 イヌへの影響
- 4 参考文献
- 5 外部リンク
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医学適応
- う蝕
- キシリトールは口腔内の細菌による酸の産生がほとんどないことから非う蝕性甘味料として知られる。1976年にSheininらがフィンランドで行った実験をはじめとして、う蝕予防効果があることが証明されている。しかし、キシリトール配合のガムなどによってう蝕が治るということはないとされている。現在の所、キシリトールの再石灰化促進作用は証明されておらず、疑問視されているためである。現状では非う蝕原性であるが抗う蝕性であるとは言えない(ガムをかむことにより分泌される唾液による歯の再石灰化効果はあるものの、それは「キシリトールそのもの」とは関係がない)。
- 糖尿病
- キシリトールは上記の通り、スクロースに比べカロリーが4割低い。この他、スクロースより吸収速度が遅いため、血糖値の急上昇や、それに対するインシュリンの反応を引き起こさない。
- 骨粗鬆症
- キシリトールはまた、骨粗鬆症の治療に役立つ可能性が指摘されている。フィンランドの研究者グループは、研究のネズミで骨の弱体化が防がれ、骨密度が改善されたことを発見した[3][4]。
- 急性中耳炎
- キシリトールのガムが急性中耳炎を防ぐのに役立つことを示した研究報告もある。[5]
健康上の問題
キシリトールは他の糖アルコールの大部分と同様、弱い下剤の働きをする。毒性は特に無いとされる。 主にガムなどでキシリトール配合による虫歯予防を謳っている製品があるが虫歯予防にはガムに含まれているキシリトール:炭水化物の比率が90%以上でなければ酸を生成する糖、人工甘味料の配分量からキシリトールの本来の効果は期待できない。一例を挙げれば歯科専売のキシリトールガムは100%~90%となっているがスーパーマーケットやコンビニエンスストアで市販されているキシリトールガムは一部を除いて70~30%が主である。
イヌへの影響
イヌに対してはインスリン過剰分泌を引き起こし、肝障害や低血糖発作を引き起こすことが知られている[6]。獣医師による研究ではイヌが摂取した場合、多量のインスリンを放出し肝機能に影響がでるなど場合によっては生命に危険が及ぶとの報告もある。このため、イヌ科の動物には、タマネギやニンニク同様に、キシリトール入りのお菓子を与えてはいけない[7] [8]。ウシ、ヤギ、ウサギ、ヒヒについてもキシリトールの静脈投与により多量のインスリンが分泌されると報告されている。
参考文献
- ^ MSDS for xylitol
- ^ 厚生省「表5 食品添加物の年齢別摂取量」マーケットバスケット方式による年齢層別食品添加物の一日摂取量の調査 (平成12年12月14日 厚生省) (日本食品化学研究振興財団)
- ^ Mattila, P. T.; Svanberg, M. J.; Jamsa, T.; Knuuttila, M. L. (2002). "Improved bone biomechanical properties in xylitol-fed aged rats". Metabolism 51(1): 92–96. オンライン版アブストラクト
- ^ Mattila, P. T. (1999). "Dietary xylitol in the prevention of experimental osteoporosis: Beneficial effects on bone resorption, structure and biomechanics". Dissertation, Institute of Dentistry, University of Oulu. オンライン版
- ^ Uhari, M. et al. (1998). "A novel use of xylitol sugar in preventing acute otitis media". Pediatrics 102(4): 879–974.
- ^ 厚生労働省行政情報 食品衛生調査会関係資料 別添1 キシリトールの指定について
- ^ Eric K. Dunayer, MS, VMD; Sharon M. Gwaltney-Brant, DVM, PhD, DABVT. (2006).: "Acute hepatic failure and coagulopathy associated with xylitol ingestion in eight dogs": オンライン版アブストラクト
- ^ キシリトールは犬に危険!?須崎動物病院編
外部リンク
- キシリトール(横浜市衛生研究所 - 食品衛生情報)
- キシリトール - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- キシリトール基礎講座日本フィンランドむし歯予防研究会
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 〔研究ノート〕キシリトール入りクリームの肌の保水効果の検討
- 高岡 さとみ,田中 優里奈,町 静香,中津川 研一
- 學苑 854, 27-29, 2011-12-01
- Xylitol is a naturally occurring carbohydrate. It is found in fruit and vegetables, and is, in fact, also manufactured in our bodies during normal metabolism. On the one hand, xylitol is widely recogn …
- NAID 110008729455
- 2Kp03 バイオマスを原料とした流加培養によるアスタキサンチン・キシリトールの同時生産(培養工学/バイオプロセス,一般講演)
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- キシリトールは、糖アルコールの一つで、白樺やトウモロコシの芯を加工してつくられ ます。糖アルコールには、ソルビト-ル、マルチトール(還元麦芽糖)、エリスリトールなど 多くのものがあり、いずれもむし歯を起こさない甘味料として、広く使われています。
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Japan Pharmaceutical Reference
販売名
キシリトール注20%「イセイ」
組成
- キシリトール注20%「イセイ」は、1管 (20mL)中にキシリトール4gを含有する。
禁忌
- 低張性脱水症の患者[本症はナトリウムの欠乏により血清の浸透圧が低張になることによって起こる。このような患者に本剤を投与すると、水分量を増加させることになり、症状が悪化するおそれがある。]
効能または効果
- 糖尿病及び糖尿病状態時の水・エネルギー補給
- キシリトールとして、通常、成人1日2〜50gを1〜数回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、キシリトールとして、1日量100gまでとする。
点滴静注する場合、その速度はキシリトールとして、0.3g/kg/hr以下とすること。
慎重投与
- 尿崩症の患者[本症には適切な水分、電解質管理が必要であり、本剤の投与により電解質等に影響を与え、症状が悪化するおそれがある。]
- 肝障害、腎障害のある患者[キシリトールの大量を急速投与すると肝障害、腎障害があらわれるおそれがある。]
薬効薬理
- キシリトールは五炭糖アルコールで、インスリンの介助を要することなく細胞内に取り込まれる。したがってインスリン欠乏による糖利用障害時においてもキシリトールの代謝は妨げられず、また血糖値を上昇させることもない。キシリトールはグルクロン酸キシルロース回路でグロン酸から生成される生理的代謝産物でもあるから、その忍容性も高い。
細胞内移行は速やかで、抗ケトン作用をあらわす。また細胞内に取り込まれ、代謝の最初の段階で、補酵素を還元する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
化学名:
化学構造式:
分子式:
分子量:
融点:
性状:
- 本品は白色の結晶又は粉末で、においはなく、味は甘い。水に極めて溶けやすく、エタノール (95) に溶けにくい。
本品は吸湿性である。
★リンクテーブル★
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商品
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L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン塩酸塩、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-トレオニン、L-トリプトファン、L-バリン、L-アルギニン塩酸塩、L-塩酸ヒスチジン、グリシン、キシリトール
- 関
- たん白アミノ酸製剤
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L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン塩酸塩、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-トレオニン、L-トリプトファン、L-バリン、L-アルギニン塩酸塩、L-塩酸ヒスチジン、グリシン、キシリトール
- 関
- たん白アミノ酸製剤
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- 英
- xylose Xyl
- 関
- D-キシロース吸収試験、キシリトール
- アルドペントースの一種、植物由来アルド五炭糖、低カロリー甘味料
参考
[★]
- 関
- 糖類、キシリトール
[★]
- 英
- xylitol-added electrolyte solution
- 商
- クリニザルツB、キリットミンB