- 英
- gout suppressant, antipodagric
- 関
- 尿酸降下薬, 痛風治療薬
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/05/27 21:42:31」(JST)
[Wiki ja表示]
抗痛風薬(こうつうふうやく、英: Antigout agents)は、痛風の治療および症状の緩和に用いられる医薬品の総称である。痛風の治療は高尿酸血症の改善と、急性発作を鎮めることに大別でき、高尿酸血症治療薬には尿酸の生成を抑制するものと、尿酸の排出を促進するものに区分できる[1]。
目次
- 1 尿酸生成抑制薬
- 2 尿酸排出促進薬
- 3 発作治療薬
- 4 脚注
- 5 参考文献
尿酸生成抑制薬
キサンチンオキシダーゼはヒポキサンチンからキサンチン、およびキサンチンから尿酸への反応の触媒となる酵素であるが、これを阻害する作用のあるアロプリノール(商品名 ザイロリック)がよく投与される。これにより、プリン代謝は中間生成物のヒポキサンチンとキサンチンの段階で停止し、腎臓から排出される[2]。
尿酸排出促進薬
詳細は「尿酸排泄促進薬」を参照
ベンズブロマロン(商品名 ユリノーム)やプロベネシド(ベネシッド)が代表的で、近位尿細管の有機酸輸送系を飽和させることにより尿酸の再吸収を阻害する。尿路結石のある患者への投与は禁忌である[2]。スルフィンピラゾン(アンツーラン)も使用されていたが、2001年3月までで販売中止となっている[3]。
非霊長類は尿酸オキシダーゼにより尿酸をアラントインに代謝することができる。悪性腫瘍の化学療法を行っている患者は大量の尿酸が産出されるため、尿酸オキシダーゼの一種である遺伝子組換ラスブリカーゼが注射により投与される[2]。
発作治療薬
イヌサフラン由来のアルカロイドの一種であるコルヒチンは細胞分裂を阻害する作用がある。発作時には白血球の動きを抑えて組織に集まることを妨げ、尿酸塩への貪食を抑制する。発作の予兆を感じた時に服用するが、下痢や嘔吐などの強い副作用が生じることがあるため[4]、インドメタシンやジクロフェナクなど非ステロイド性抗炎症薬も使用される[2]。
コルヒチンは、ヒポクラテスが使用した記録があるほど古くから使用されている薬である[2]。
脚注
- ^ 『薬はなぜ効くか』P194
- ^ a b c d e 『これならわかる薬理学』P336
- ^ 取扱中止医薬品および切換え本採用医薬品について (PDF) (名古屋大学医学部)
- ^ 『薬はなぜ効くか』P191
参考文献
- 田中正敏 『新版 超図解 薬はなぜ効くか 医師・薬剤師・看護師へ』 講談社、2009年、191-194頁。ISBN 978-4-06-259358-8。
- Heinz, Luellman、Klaus Mohr, Lutz Hein 『これならわかる薬理学』 佐藤俊明訳、メディカル・サイエンス・インターナショナル、2012年、第2版、336頁。ISBN 978-4-89592-725-3。
|
ウィキメディア・コモンズには、抗痛風薬に関連するカテゴリがあります。 |
薬理学:医薬品の分類 |
|
消化器/代謝(A) |
- 胃酸中和剤
- 制吐薬
- 瀉下薬
- 止瀉薬/止痢薬
- 抗肥満薬
- 血糖降下薬
- ビタミン
- ミネラル
|
|
血液、血液生成器官(B) |
|
|
循環器系(C) |
- 心臓療法/狭心症治療薬
- 高血圧治療薬
- 利尿薬
- 血管拡張薬
- 交感神経β受容体遮断薬
- カルシウム拮抗剤
- レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系
- ACE阻害薬
- アンジオテンシンII受容体拮抗薬
- レニン阻害薬
- 脂質降下薬
|
|
皮膚(D) |
- 皮膚軟化剤
- 瘢痕形成剤
- 鎮痒薬
- 乾癬治療薬
- 他の皮膚薬
|
|
泌尿生殖器系(G) |
- ホルモン避妊薬
- 排卵誘発治療
- SERM
- 性ホルモン
|
|
内分泌器(H) |
- 視床下部脳下垂体ホルモン
- 副腎皮質ホルモン
- 性ホルモン
- 甲状腺ホルモン/抗甲状腺薬
|
|
感染(J、P、QI) |
- 抗菌薬
- 抗真菌薬
- 抗ウイルス薬
- 抗寄生虫薬
- 外部寄生虫駆除剤
- 静注用免疫グロブリン
- ワクチン
|
|
悪性腫瘍(L01-L02) |
- 抗がん剤
- 代謝拮抗薬
- 抗腫瘍性アルキル化薬
- 紡錘体毒
- 抗悪性腫瘍薬
- トポイソメラーゼ阻害薬
|
|
免疫系(L03-L04) |
|
|
筋肉、骨、関節(M) |
- アナボリックステロイド
- 抗炎症薬
- 抗リウマチ
- 副腎皮質ホルモン
- 筋弛緩剤
- ビスホスホネート
|
|
脳、神経(N) |
- 鎮痛剤
- 麻酔剤
- 食欲低下薬
- ADHD治療
- 中毒医学
- 抗てんかん薬
- アルツハイマー治療
- 抗うつ薬
- 片頭痛治療
- 抗パーキンソン病薬
- 抗精神病薬
- 抗不安薬
- 抑制剤
- エンタクトゲン
- エンセオジェン
- 陶酔薬
- 幻覚剤
- 催眠薬/鎮静薬
- 気分安定薬
- 神経保護
- スマートドラッグ
- 神経毒
- 食欲促進
- セレニック
- 精神刺激薬
- 覚醒促進物質
|
|
呼吸器(R) |
- 鬱血除去薬
- 気管支拡張薬
- 鎮咳去痰薬
- 抗ヒスタミン薬
|
|
感覚器(S) |
|
|
その他ATC(V) |
|
|
|
この項目は、薬学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:薬学/Portal:医学と医療)。 |
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 西野 武士,加藤 信介
- 痛風と核酸代謝 = Gout and nucleic acid metabolism 32(2), 192, 2008-12-01
- NAID 10025596760
- 抗痛風薬と薬物性肝障害 (第1土曜特集 薬物性肝障害をめぐって) -- (各治療薬と薬物性肝障害)
Related Links
- 抗痛風薬(こうつうふうやく、{{Lang-en-short}})は、痛風の治療および症状の緩和に用いられる医薬品の総称である。痛風の治療は高尿酸血症の改善と、急性発作を鎮めることに大別でき、高尿酸血症治療薬には尿酸の生成を抑制する ...
- 帝人ファーマは17日、痛風・高尿酸血症治療剤「フェブリク錠」( 一般名:フェブキソスタット)を新発売した。荒尾健太郎社長は、13日に都内で開いた記者会見で、「フェブリクの発売で、循環器・代謝領域に参入し、骨 ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- arthrifuge, gout suppressant, drug for treatment of gout, antipodagric
- 同
- 抗痛風薬
- 関
- 薬理学、痛風
[★]
- 英
- antihyperuricemic
- 関
- 抗痛風薬、尿酸低下薬、尿酸低下。尿酸。高尿酸血症
[★]
- 関
- antihyperuricemics
[★]
- 英
- gout
- 関
- 原発性代謝性痛風、尿酸
- DNAがプリン体を介して尿酸が産生される。
- プリン体は肝臓から700mg, 食事から300-400mg摂取される
- 腎臓から500mg、腸管から200mg排泄される
病因
-
- 鶏・豚レバー、小魚、干し物
病型
病態生理
- 尿酸はプリン代謝の最終産物
- 顆粒球の遊走・結晶貪食・ケミカルメディエーターの放出・スーパーオキシド放出
- 好中球と滑膜細胞が乳酸を分泌して組織のpHを下げ、酸を析出しやすくする
- 組織に蓄積した尿酸が引き金となって臓器障害を呈する
- 高尿酸血症-(引き金)→高尿病、高脂血症、高血圧症、腎障害、結石→動脈硬化
症状
- 夜間~早朝に突然のに疼痛。数時間内に激烈となり、著明な発赤、腫脹、熱感を呈する。
- 部位:母趾の中足趾節間関節(60-70%)、足背、距腿関節、膝関節
- 関節・耳介などの軟骨、骨端部、皮下組織などに形成された肉芽組織。白色の小結節として認められる (IMD.924)
- 尿酸ナトリウム血症を核とする肉芽腫。皮下、軟骨(鼻、耳)、骨に見られる。骨にできた場合にはpunched-out lesionとなる。(QB.D-325) また、嚢胞状変化のようにも見える?(REU.298)
診断基準
- SOR.237
- 1) 尿酸結晶が関節液中に存在すること
- 2) 痛風結節の証明
- 3) 次の11項目のうち、該当するものが6つ以上ある
- a) 2回以上の急性関節炎の既往がある
- b) 24時間以内に炎症のピークに達する
- c) 単関節炎である
- d) 関節の発赤がある。
- e) 第1中足趾節関節の疼痛または腫脹がある
- f) 片側の第1中足趾節関節の病変である。
- g) 片側の足関節の病変である
- h) 痛風結節がある
- i) 血清尿酸値の上昇がある
- j) X線上の非対称性腫脹がある
- k) 発作の完全な寛解がある
治療方針
- 6・7・8のルール
- 血清尿酸値(mg/dl)が7mg/dlで正常、8mg/dlで要治療、治療目標は6mg/dl以下
治療
- 生活療法
- 食事療法:アルコール、プリン体に富む食物の回避
- 薬物療法 → 痛風治療薬
食事療法のポイント
- 肥満、水分多く。プリン体を控える。野菜を十分に取る→尿をアルカリ性にする
- アルコールを控える(ピールは麦芽由来のプリン体を多く含む。アルコールの取りすぎは尿酸排泄を悪化させる)
- 規則正しい食事、塩分摂取を控える
ガイドライン
- 1. 高尿酸血症・痛風治療のガイドライン、第2版ダイジェスト版
- http://www.tukaku.jp/tufu-GL2.pdf
参考
uptodate
- 1. [charged] 痛風の臨床症状および診断 - uptodate [1]
- 2. [charged] 痛風性関節炎の病態生理 - uptodate [2]
- 3. [charged] 急性痛風の治療 - uptodate [3]
- 4. [charged] 痛風再発の予防 - uptodate [4]
[★]
- 英
- drug, agent
- 同
- 薬物
- 関
- 作用薬、剤、ドラッグ、媒介物、病原体、麻薬、薬剤、薬物、代理人、薬品