- 英
- duloxetine hydrochloride
- 関
- デュロキセチン
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
サインバルタカプセル20mg
組成
成分・含量(1カプセル中)
- デュロキセチン塩酸塩22.4mg
(デュロキセチンとして20mg)
添加物
- 白糖・デンプン球状顆粒,精製白糖,ヒプロメロース,タルク,ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート,クエン酸トリエチル,酸化チタン
カプセル本体中:カラギーナン,塩化カリウム,酸化チタン,黄色三二酸化鉄,三二酸化鉄,ヒプロメロース
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者[「相互作用」の項参照]
高度の肝障害のある患者[肝障害が悪化することがある。また,消失半減期が延長し,本剤の血中濃度が上昇することがある。(「薬物動態」の項参照)]
高度の腎障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇することがある。(「薬物動態」の項参照)]
コントロール不良の閉塞隅角緑内障の患者[症状が悪化することがある。]
効能または効果
うつ病・うつ状態
糖尿病性神経障害に伴う疼痛
抗うつ剤の投与により,24歳以下の患者で,自殺念慮,自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため,本剤の投与にあたっては,リスクとベネフィットを考慮すること。[「その他の注意」の項参照]
海外で実施された7〜17歳の大うつ病性障害患者を対象としたプラセボ対照臨床試験において有効性が確認できなかったとの報告がある。本剤を18歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には適応を慎重に検討すること。[「小児等への投与」の項参照]
- 通常,成人には1日1回朝食後,デュロキセチンとして40mgを経口投与する。投与は1日20mgより開始し,1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する。
- なお,効果不十分な場合には,1日60mgまで増量することができる。
本剤の投与量は必要最小限となるよう,患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。
慎重投与
前立腺肥大症等排尿困難のある患者[ノルアドレナリン再取り込み阻害作用により症状が悪化することがある。]
高血圧又は心疾患のある患者[心拍数増加,血圧上昇,高血圧クリーゼがあらわれることがある。]
緑内障又は眼内圧亢進のある患者[症状が悪化することがある。]
軽度から中等度の肝障害のある患者[肝障害が悪化することがある。また,消失半減期が延長し,本剤の血中濃度が上昇することがある。(「薬物動態」の項参照)]
過度のアルコール摂取者[肝障害が悪化する可能性がある。]
軽度から中等度の腎障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇することがある。]
自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者,自殺念慮のある患者[自殺念慮,自殺企図があらわれることがある。]
躁うつ病患者[躁転,自殺企図があらわれることがある。]
脳の器質的障害又は統合失調症の素因のある患者[精神症状が増悪することがある。]
衝動性が高い併存障害を有する患者[精神症状が増悪することがある。]
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣を起こすことがある。]
出血性疾患の既往歴又は出血性素因のある患者[出血傾向が増強することがある。]
高齢者[「高齢者への投与」,「薬物動態」の項参照]
小児等[「小児等への投与」の項参照]
重大な副作用
セロトニン症候群(頻度不明※1):不安,焦燥,興奮,錯乱,発汗,下痢,発熱,高血圧,固縮,頻脈,ミオクローヌス,自律神経不安定等があらわれることがある。セロトニン作用薬との併用時に発現する可能性が高くなるため,特に注意すること。異常が認められた場合には投与を中止し,体冷却,水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行うこと。[「相互作用」の項参照]
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明※1):低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム排泄量の増加,高張尿,痙攣,意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止し,水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
痙攣(0.16%),幻覚(頻度不明※1):痙攣,幻覚があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
肝機能障害,肝炎,黄疸(頻度不明※1):AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP,総ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害,肝炎,黄疸があらわれることがあるので,適宜肝機能検査を行うとともに,患者の症状を十分に観察し,異常が認められた場合には,減量,休薬又は中止するなど適切な処置を行うこと。[「禁忌」,「慎重投与」及び「重要な基本的注意」の項参照]
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明※1):皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
アナフィラキシー反応(頻度不明※1):呼吸困難,痙攣,血管浮腫,蕁麻疹等を伴うアナフィラキシー反応があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
高血圧クリーゼ(頻度不明※1):高血圧クリーゼがあらわれることがあるので,高血圧又は心疾患のある患者においては血圧の推移等に十分注意しながら投与すること。異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
尿閉(頻度不明※1):尿閉があらわれることがあるので,症状があらわれた場合には投与を中止し,導尿を実施するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
薬理作用
ラット強制水泳試験において無動行動回数を減少させた15)。
ラットの学習性無力状態を改善した15)。
ラット神経障害性疼痛モデル(坐骨神経部分結紮モデル及びL5/L6脊髄神経結紮モデル)において鎮痛作用を示した16)。
作用機序
ラット視床下部あるいは脳内のセロトニン及び視床下部のノルアドレナリンの取り込みを共に阻害した。(in vitro,ex vivo17)及びin vivo18))
ラット前頭葉皮質における細胞外セロトニン及びノルアドレナリン濃度を共に増加させた19)。(in vivo)
各種神経伝達物質受容体に対する結合阻害活性20)及びモノアミン酸化酵素阻害作用18)は,セロトニン及びノルアドレナリン取り込み阻害活性17)に比べ弱かった。(in vitro)
有効成分に関する理化学的知見
一般的名称:デュロキセチン塩酸塩(JAN)
Duloxetine Hydrochloride
化学名:(+)-(S)-N-Methyl-3-(1-naphthyloxy)-3-(2-thienyl)propylamine monohydrochloride
分子式:C18H19NOS・HCl
分子量:333.88
化学構造式:
性状:白色の粉末又は塊である。
メタノール又はジメチルスルホキシドに溶けやすく,エタノール(99.5)にやや溶けやすく,水にやや溶けにくい。
融点:165℃
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- duloxetine
[★]
- 英
- duloxetine
- 化
- 塩酸デュロキセチン duloxetine hydrochloride
- 商
- サインバルタ Cymbalta, Yentreve
- 関
- 抗精神病薬、抗うつ薬、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 SNRI
特徴
構造
作用機序
薬理作用
抗菌スペクトル
動態
適応
- うつ病・うつ状態
- 下記疾患に伴う疼痛:糖尿病性神経障害、線維筋痛症、慢性腰痛症、変形性関節症
用法・用量
- 通常、成人には1日1回朝食後、デュロキセチンとして40mgを経口投与する。投与は1日20mgより開始し、1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する。
- なお、効果不十分な場合には、1日60mgまで増量することができる。
- 減量する場合には1-2週で20mgずつ減量しする。20mgまで到達したら、隔日投与、2日おき投与、3日おき投与と投与間隔を長くしていく。離脱症状(身体症状:しびれ・耳鳴り・めまい・頭痛・吐き気・だるさ。精神症状:イライラ・ソワソワ感・不安・不眠。特徴的な症状:シャンピリ感・ビリビリする)に注意する。
注意
禁忌
- 1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2. モノアミン酸化酵素阻害剤(MAOI)を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者
- 3. 高度の肝障害のある患者[肝障害が悪化することがある。また、消失半減期が延長し、本剤の血中濃度が上昇することがある。
- 4. 高度の腎障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇することがある。
- 5. コントロール不良の閉塞隅角緑内障の患者[症状が悪化することがある。]
副作用
副作用等発現状況の概要
- うつ病・うつ状態の患者を対象とした国内臨床試験において、安全性評価対象例735例中、副作用(臨床検査値異常変動を含む)は663例(90.2%)に認められた。
- 主なものは、悪心269例(36.6%)、傾眠228例(31.0%)、口渇168例(22.9%)、頭痛154例(21.0%)、便秘102例(13.9%)、下痢87例(11.8%)、めまい80例(10.9%)、トリグリセリド上昇56例(7.6%)、腹部痛52例(7.0%)、ALT(GPT)上昇51例(6.9%)、不眠50例(6.8%)、倦怠感45例(6.1%)、AST(GOT)上昇38例(5.2%)、食欲減退38例(5.2%)であった。(承認時)
重大な副作用
- 不安、焦燥、興奮、錯乱、発汗、下痢、発熱、高血圧、固縮、頻脈、ミオクローヌス、自律神経不安定等があらわれることがある。セロトニン作用薬との併用時に発現する可能性が高くなるため、特に注意すること。異常が認められた場合には投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行うこと。
- 低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
- 痙攣、幻覚があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、総ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害、肝炎、黄疸があらわれることがあるので、適宜肝機能検査を行うとともに、患者の症状を十分に観察し、異常が認められた場合には、減量、休薬又は中止するなど適切な処置を行うこと。
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 呼吸困難、痙攣、血管浮腫、蕁麻疹等を伴うアナフィラキシー反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 高血圧クリーゼがあらわれることがあるので、高血圧又は心疾患のある患者においては血圧の推移等に十分注意しながら投与すること。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 尿閉があらわれることがあるので、症状があらわれた場合には投与を中止し、導尿を実施するなど適切な処置を行うこと。
添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1179052M1022_2_03/
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ブランステッド-ローリーの定義
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