深部静脈血栓症
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Japanese Journal
- 最新判例批評([2011] 55)適切な医療行為を受ける期待権の侵害のみを理由とする整形外科医の不法行為責任の有無(消極)(脛骨高原骨折の接合手術後の下肢深部静脈血栓症という後遺症事例)--当該医療行為が著しく不適切なものである事案について検討し得るに止まる[最二判平成23.2.25] (判例評論(第632号))
- 矢野 光洋,中村 都英,長濱 博幸,松山 正和,石井 廣人,横田 敦子,鬼塚 敏男
- 静脈学 22(3), 231-237, 2011-08-25
- NAID 10029576628
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- 静脈血栓塞栓症(じょうみゃくけっせんそくせんしょう)は、肺血栓塞栓症(Pulmonary embolism:PE)と深部静脈血栓症(Deep vein ... 血流鬱滞(血液の流れが滞ること)の 原因としては長時間同じ姿勢で居続けることや鬱血(うっけつ)性心不全、下肢静脈瘤の ...
- 2008年8月4日 ... A1:深部静脈血栓症は上肢にもみられない訳ではないですが、圧倒的に下肢に多い です。 A2:下肢深部静脈血栓症は、右にも左にもありえますが、左に多いことが知られ ています。その理由は、左の下肢の静脈は骨盤部分で、右の下肢動脈 ...
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★リンクテーブル★
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- 56歳の女性。胃癌のため胃全摘術を受けた。術後3日目にベッドから立ち上がった際、突然の胸痛と呼吸困難とをきたした。身長155cm、体重63kg。体温37.0℃。呼吸数26/分。脈拍116/分、整。血圧88/60mmHg。心基部でII音が亢進し、呼吸音の異常は認めない。血液所見:赤血球350万、Hb 10.5g/dl、白血球11,000、FDP15μg/ml(基準10以下),血清生化学所見:AST(GOT)36単位(基準40以下)、ALT(GPT)30単位(基準35以下)、LDH420単位(基準176~353)、CK32単位(基準10~40)。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.48、PaO2 58Tor、PaCO2 33Torr。心電図は右心負荷所見を示す。胸部エックス線写真に異常を認めない。この病態に関連するのはどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096D016]←[国試_096]→[096D018]
[★]
- 38歳の男性。脱力を主訴に来院した。昨日、猛暑の中で1時間ジョギングをした。その後、下肢の疹痛と脱力とが出現して軽快しないため受診した。尿は昨夜から赤褐色を呈しているという。身長170cm、体重72kg。体温37.2℃。脈拍88/分、整。血圧136/80mmHg。呼吸数14/分。尿所見:蛋白(±)、潜血3+、沈渣に赤血球1-4/1視野。
- 病態として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106C023]←[国試_106]→[106C025]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108E023]←[国試_108]→[108E025]
[★]
- 英
- deep venous thrombosis DVT, deep vein thrombosis
- 同
- 深部静脈血栓、静脈血栓症
- 関
- 末梢静脈疾患、下肢深部静脈血栓症
概念
リスクファクター
- リスク評価はWells scoreを使う。
PHD.366
-
SAN.378
- 血栓性素因
- 静脈血栓症の既往
- 肺塞栓症の既往
- 年齢(60歳以上)
- 長期臥床(4日以上)
- 肥満(肥満度BMI25以上)
- 悪性腫瘍
- 下肢静脈瘤
- 多発外傷
- 全身麻酔
- 3時間以上の手術
- 開腹術
- 人工股関節置換術、膝関節置換術
- 気腹手術、開腹下骨盤手術
- 静脈還流を阻害する体位(骨盤低位、側臥位など)
- 血栓性素因:後天性抗リン脂質抗体症候群、先天性アンチトロンビン欠損、プロテインC欠損、プロテインS欠損、第V因子異常、プラスミノゲン以上、異常フィブリノゲン血症、第XII因子欠損、組織プラスミノゲン活性化因子インヒビタ増加、トロンボモジュリン異常など
- 参考2
- 疾患別に見るとDVTでもPTEでも卵巣癌が最多で、子宮体癌がこれに次ぐ。術前発症では卵巣癌が最多である。卵巣癌の術前にDVTがおおいのは多量腹水による脱水、自宅での安静、腫瘍細胞数が非常に多い、腫瘍細胞が放出する組織因子が多いなどによる。卵巣後の術後では、根治術では手術時間が長く、侵襲度が高い、リンパ節郭清を要する、多量の輸血が必要なことが多い、また長期にわたる化学療法を要するなどによる。
リスク評価
DVTの検査前確率
- 活動性の癌
- 麻痺、足が動かない
- ベット上臥床(>3日)、または大手術(<4週)
- 静脈に沿い限局した疼痛
- 大腿/腓腹筋の腫脹
- 無症状側と比較して>3cmの腓腹筋腫脹
- DVTの家族歴(第一度近親者で≧2人)
- 60日以内の症状ある足への外傷
- 有症状の下肢における圧痕性浮腫
- 有症状の下肢のみの表在静脈拡張
- 最近6ヶ月以内の入院
- 紅斑
高確率85%
- 大項目≧3+他の診断なし
- 大項目≧2+小項目≧2+他の診断なし
中等度の確率33%
低確率5%
- 大項目1+小項目≧2+他の診断あり
- 大項目1+小項目≧1+他の診断なし
- 大項目0+小項目≧3+他の診断あり
- 大項目0+小項目≧2+他の診断なし
身体所見
- evidence-based physical diagnosis 3rd edition p.473
予防
産婦人科
- 参考2
- 早期離床、ベッド上での下肢挙上・膝の屈伸・足の背屈運動、弾性ストッキング着用、間欠的空気圧迫法、脱水予防
- 未分画ヘパリン5,000単位を術後6~12時間以内に(止血を確認できたら術直後からでも可)1日2回皮下注/静注、3-5日投与
ガイドライン
- 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_andoh_h.pdf
参考
産婦人科
- 1. 学際領域の診療 Interdisciplinary Practice 肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症 - 日産婦誌
- http://www.jsog.or.jp/PDF/56/5610-382.pdf
- 2. E.婦人科疾患の診断・治療・管理 10.10)深部静脈血栓症・肺塞栓症 - 日産婦誌61巻11号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/61/6111-591.pdf
[★]
- 英
- thrombus, thrombi TH
- 関
- 血栓症
分類
心筋梗塞における血栓
- ST上昇型急性冠症候群の症例ではフィブリンと赤血球主体の赤色血栓が認められ、非ST上昇型急性冠症候群で心筋トロポニンが上昇した症例では血小板主体の白色血栓が存在していることが明らかとなった。
参考文献
- 岡松健太郎1 清野精彦1 水野杏一2, 血管内視鏡を用いた急性冠症候群の洞察(II),日医大医会誌2009; 5(1)
- 1日本医科大学千葉北総病院循環器内科
- 2日本医科大学大学院医学研究科器官機能病態内科学
[★]
- 英
- venous thrombosis, vein thrombosis, phlebothrombosis
- 同
- 血栓性静脈炎 thrombophlebitis
- 関
- 深部静脈血栓症, 末梢静脈疾患
- 静脈内に血栓を軽視壊死、二次的に静脈炎を発症する。 ←静脈血栓症 (⇔血栓性静脈炎:静脈壁の炎症が先行し、反応性に血栓が形成される)
[★]
- 英
- leg
- lower extremity, lower limb, inferior limb
- 関
- 脚、下肢の筋
[★]
- 英
- vein (Z)
- ラ
- vena
- 毛細血管から発生した静脈血を心臓に送るために使われる血管。
[★]
- 英
- thrombosis(=血栓形成)
- 関
- coagulation、静脈血栓症、動脈血栓症