- 英
- phenolphthalein
WordNet
- a laxative used in many preparations under various trade names; also used as an acid-base indicator in titrations involving weak acids and strong bases because it is brilliant red at high alkalinity and colorless below pH 8
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/07/25 03:38:53」(JST)
[Wiki ja表示]
フェノールフタレイン |
低pH (0−8.2) での構造
|
IUPAC名
3,3-bis(4-hydroxyphenyl)isobenzofuran-1(3H)-one
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
77-09-8 |
PubChem |
4764 |
ChemSpider |
4600 |
KEGG |
D05456 |
ChEMBL |
CHEMBL63857 |
- O=C1OC(c2ccccc12)(c3ccc(O)cc3)c4ccc(O)cc4
|
- InChI=1S/C20H14O4/c21-15-9-5-13(6-10-15)20(14-7-11-16(22)12-8-14)18-4-2-1-3-17(18)19(23)24-20/h1-12,21-22H
Key: KJFMBFZCATUALV-UHFFFAOYSA-N
InChI=1/C20H14O4/c21-15-9-5-13(6-10-15)20(14-7-11-16(22)12-8-14)18-4-2-1-3-17(18)19(23)24-20/h1-12,21-22H
Key: KJFMBFZCATUALV-UHFFFAOYAH
|
特性 |
化学式 |
C20H14O4 |
モル質量 |
318.32 g mol−1 |
外観 |
白色または淡黄色固体 |
密度 |
1.277 g cm−3 (32 °C) |
融点 |
258 - 263 °C, 534-536 K ([1])
|
水への溶解度 |
不溶 |
ほかの溶媒への溶解度 |
ベンゼンに不溶、エタノールとエーテルに非常に溶ける、DMSOにわずかに溶ける
LambdaMax = 552 nm (1st) 374 nm (2nd)[1]
|
危険性 |
GHSシグナルワード |
危険(DANGER) |
Hフレーズ |
H341, H350, H361[1] |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
フェノールフタレイン (phenolphthalein) は化学式 C20H14O4 の有機化合物である。分析化学において 酸塩基指示薬として用いられる。白色または淡黄色の固体であり、水には非常に溶けにくい。PP、HIn、もしくはphph と略されることがある。滴定に広く利用される。
粉末のほか、エタノール-水の溶液が試薬として市販されている。フェノールフタレインをエタノールに溶かし、水で希釈したものは酸塩基指示薬としてアルカリ性の検出に用いられ、赤紫色(濃い桃色)を呈する。濃度が濃ければ、紫色にもなることがある。強塩基の場合は、非常にゆっくりと色が消えていき、無色となる。色の変化は、構造が変わることで起こり、pH < 8.3 の酸性側で無色、pH > 10.0 の塩基性側で赤紫色を示す。なお、pH > 13.4では、さらに構造が変化し、無色となる。以下の4つは各pHにおけるフェノールフタレインの構造式である。
化学種 |
In+ |
H2In |
In2− |
In(OH)3− |
構造式 |
|
|
|
|
モデル |
|
|
|
|
pH |
<0 |
0−8.2 |
8.2−12.0 |
>12.0 |
酸性度 |
強酸性 |
酸性または中性 |
塩基性 |
強塩基性 |
色 |
オレンジ |
無色
|
ピンクからフクシャ |
無色 |
画像 |
|
|
|
|
目次
- 1 合成
- 2 用途
- 3 生理学
- 4 脚注
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
合成
フェノールフタレインは無水フタル酸と2つのフェノールの3つの分子を酸性条件で縮合させることにより合成される。この反応は1871年、アドルフ・フォン・バイヤーによって発見された[2][3][4]。
用途
フェノールフタレイン |
pHによる色の変化 |
8.3以下 |
↔ |
10.0〜13.4 |
↔ |
13.4以上 |
|
フェノールフタレインは一世紀以上にわたって下剤に利用されてきたが、現在は発癌性のため一般用医薬品から除外されている[5][6][7]。
フェノールフタレインはカスル・マイヤー試験(英語版)として知られる血液の検出にも用いられる。乾燥した検体を綿棒か濾紙に集める。初めにアルコール、次にフェノールフタレイン、最後に過酸化水素水を検体に数滴ずつたらす。検体にヘモグロビンが含まれていれば、色がピンクに変わる。この反応が陽性を示せば、検体には血液が含まれると考えられる。この実験は検体を壊さないため、検体を使用してさらに実験を行う際に適している。しかしこの実験はヒト以外の生物の血液でも同じように反応するため、さらに実験を行う際にはその血液がヒト由来であるかどうか調べる必要がある。
またおもちゃにも使用されており、つや消しのインクや、バービーの髪を染める際に使用される。バービーの髪には空気中で二酸化炭素と反応(潮解)する水酸化ナトリウムが加えられている。この反応では水素イオンが発生し、呈色が始まるpHの数値が下がる。
- OH− (aq) + CO2 (g) → CO32− (aq) + H+ (aq)
髪の"魔法の"縞をはっきりさせるためには、水酸化ナトリウム水溶液を噴霧することが必要である。隠れた縞は上記のプロセスに従って呈色する。その色はまた上記のプロセスに従って空気中の二酸化炭素を吸収し、元に戻る。チモールフタレイン(英語版)はこれと同じ目的で、同じような過程を通して青色を呈色する[8]。
フェノールフタレインは、酸塩基の指示薬として化学の実験で広く使用されている。溶液が酸性の場合は色は変わらないが、塩基性の場合は赤紫色となる。またメチルレッド、ブロモチモールブルー、チモールブルーと共に万能指示薬の材料となる。
また、フェノールフタレインが酸と塩基の違いを色で示すことを利用し、コンクリートの中に炭酸塩が含まれているかどうか調べる検査にも応用されている。コンクリートは通常ポルトランドセメントが水と反応してできる水酸化カルシウムのために強塩基性を示す。新しいコンクリートの細孔中でのpHは14を超えるが、コンクリートの中で水和物が二酸化炭素と反応して炭酸塩となる。この反応は表層部でしか起こらないが、pHの値は8.5〜9まで下がる。この反応には1%のフェノールフタレイン溶液を使用し、新しいコンクリートは鮮やかなピンクに変色する。しかし、上記の反応を起こした後では、色の変化は起こらない。
また、カドミウムや金の検出にも使用される。
生理学
発癌性があるにも関わらず下剤として使用されていたため、卵巣腫瘍の原因となっている[9]。フェノールフタレインはトロンビンやタプシガルギンを抑制することで細胞内のカルシウム量が増加し、細胞へのカルシウムのカルシウム放出依存性チャンネル(英語版)(SOCE)を経由した流入を抑制する[10]。
脚注
- ^ a b c Phenolphthalein
- ^ Baeyer, A. (1871). “Ueber eine neue Klasse von Farbstoffen”. Berichte der Deutschen Chemischen Gesellschaft 4 (2): 555–558. doi:10.1002/cber.18710040209.
- ^ Baeyer, A. (1871). “Ueber die Phenolfarbstoffe”. Berichte der Deutschen Chemischen Gesellschaft 4 (2): 658–665. doi:10.1002/cber.18710040247.
- ^ Baeyer, A. (1871). “Ueber die Phenolfarbstoffe”. Polytechnisches Journal 201 (89): 358–362. http://dingler.culture.hu-berlin.de/article/pj201/ar201089.
- ^ Spiller, H. A.; Winter, M. L.; Weber, J. A; Krenzelok, E. P.; Anderson, D. L.; Ryan, M. L. (May 2003). “Skin Breakdown and Blisters from Senna-Containing Laxatives in Young Children”. The Annals of Pharmacotherapy 37 (5): 636–639. doi:10.1345/aph.1C439. ISSN 1060-0280. PMID 12708936.
- ^ Dunnick, J. K.; Hailey, J. R. (1996). “Phenolphthalein Exposure Causes Multiple Carcinogenic Effects in Experimental Model Systems” (pdf). Cancer Research 56 (21): 4922–4926. PMID 8895745. http://cancerres.aacrjournals.org/content/56/21/4922.full.pdf.
- ^ Tice, R. R.; Furedi-Machacek, M.; Satterfield, D.; Udumudi, A.; Vasquez, M.; Dunnick, J. K. (1998). “Measurement of Micronucleated Erythrocytes and DNA Damage during Chronic Ingestion of Phenolphthalein in Transgenic Female Mice Heterozygous for the p53 Gene”. Environmental and Molecular Mutagenesis 31 (2): 113–124. doi:10.1002/(SICI)1098-2280(1998)31:2<113::AID-EM3>3.0.CO;2-N. ISSN 0893-6692. PMID 9544189.
- ^ Toystore
- ^ Cooper, G. S.; Longnecker, M. P.; Peters, R. K. (2004). “Ovarian Cancer Risk and Use of Phenolphthalein-Containing Laxatives”. Pharmacoepidemiology and Drug Safety 13 (1): 35–39. doi:10.1002/pds.824. PMID 14971121.
- ^ Dobrydneva, Y.; Wilson, E.; Abelt, C. J.; Blackmore, P. F. (2009). “Phenolphthalein as a Prototype Drug for a Group of Structurally Related Calcium Channel Blockers in Human Platelets”. Journal of Cardiovascular Pharmacology 53 (3): 231–240. PMID 19247192.
関連項目
- 指示薬の一覧
- ブロモチモールブルー
- リトマス
- メチルオレンジ
- 酸塩基指示薬
- 万能指示薬
外部リンク
|
ウィキメディア・コモンズには、フェノールフタレインに関連するカテゴリがあります。 |
- フェノールフタレイン溶液 理科ねっとわーく(一般公開版) - 科学技術振興機構
- 指示薬ごとの滴定の様子 - chemguide
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- P55 シクロデキストリンの包接反応の平衡定数の簡易測定 : フェノールフタレインを用いた目視による比色法(ポスター発表)
- キャピラリーゾーン電気泳動法を活用する副反応進行下での水溶液内平衡反応の解析
Related Links
- ※商品ページの更新が定期的に行われているため、検索結果が実際の商品ページの内容(価格、在庫表示、ポイント倍数等)とは異なる場合がございます。ご注意ください。 ※「カードOK」の表示は、クレジットカード決済の可能なショップ ...
- Kindle 電子書籍リーダー Kindle Paperwhite 最高の読書体験、そのための端末 Kindle Paperwhite 3G 無料3G接続付きモデル Kindleアクセサリ カバー、保護フィルム、充電器ほか Kindle Fireタブレット Kindle Fire HD ニューモデル―Kindle ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
フェノールフタレイン
[★]
- 英
- chlorpromazine phenolphthalinate
- 関
- クロルプロマジン、フェノールフタリン酸クロルプロマジン
[★]
- 英
- phenol
- ラ
- phenolum
- 同
- 石炭酸 carbolic acid、ヒドロキシベンゼン hydroxybenzene
- 商
- ウインタミン、エキザルベ 、カチリ、キャンフェニック、セルセプト、パオスクレー、フェノール・カンフル歯科用消毒液、フェノール・亜鉛華リニメント 、フェノール水、ポステリザン、ポステリザンF、メトコール、ラニチジン、ルゴール、レトン、レプチラーゼ、一般診断用精製ツベルクリン、液状フェノール 、乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン、強力ポステリザン、歯科用フェノール・カンフル 、治療用アレルゲンエキス、診断用アレルゲン皮内エキス、組織培養不活化狂犬病ワクチン 、複方ヨード・グリセリン 、複方ヨード・グリセリンFM 、複方ヨードグリセリン
- 関
- 消毒薬
- 消毒薬としては、最近に有効であるが、芽胞、ウイルスには無効。
- 大腸菌とかのプラスミド抽出するときに、蛋白成分を変性凝固させて遠沈させるために用いる。
[★]
- 英
- rhein
- 関
- アントラキノン