- 英
- paraffin
- 関
- パラフィルム
WordNet
- (British usage) kerosine (同)paraffin oil
- from crude petroleum; used for candles and for preservative or waterproof coatings (同)paraffin wax
PrepTutorEJDIC
- (またparaffin wax)バラフィン,石ろう / (またparaffin oil)《英》=kerosene
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/02/17 22:11:11」(JST)
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この項目では、石油製品の蝋状若しくは、非揮発性の油性液体について説明しています。
- 生物由来の蝋については「蝋」をご覧ください。
- 脂肪族炭化水素(パラフィン族)については「アルカン」をご覧ください。
- 石油原料の弱揮発性の燃料油・溶剤については「ケロシン」をご覧ください。
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パラフィン(paraffin)とは、炭化水素化合物(有機化合物)の一種。炭素原子の数が20以上のアルカン(一般式がCnH2n+2の鎖式飽和炭化水素)の総称である。その炭素数にかかわらず脂肪族飽和炭化水素CnH2n+2の同義語とされる場合もある[1]。和名では石蝋(せきろう)という。
英国、南アフリカでは、ケロシン灯油を指してパラフィンオイル(Paraffin oil)、または単にパラフィンと呼ぶ。一方、固形パラフィンはパラフィンワックス(Paraffin wax)とよばれる。
目次
- 1 パラフィン(固形)
- 2 流動パラフィン
- 3 所在・製法
- 4 用途
- 5 基準
- 6 その他
- 7 関連化合物
- 8 参照資料
- 9 関連項目
- 10 参照文献
パラフィン(固形)[編集]
常温において半透明ないし白色の軟らかい固体(蝋状)で水に溶けず、化学的に安定な物質である、成分は主にノルマルパラフィンの炭素数20以上の混合物であり、融点については用途により異なる。日本に於いては単にパラフィンと呼ぶ場合が多いが、ケロシンとの混同を避ける為、特にパラフィンワックスとも呼ぶ。
ロウソク、クレヨン等で身近に使用され、生活場面ではしばしばロウとして扱われるが、化学的には日本のロウと西洋のワックスは全く異なるので留意する必要がある。
流動パラフィン[編集]
常温では無色の液体で非揮発性。水には不溶。化学的に安定な物質で、通常の条件では酸化を受けない。成分については固形のパラフィンよりオレフィン系炭化水素に富む。乳化しやすくのびや浸透性に優れる。純度は紫外光の吸光度により計測される。
流動パラフィンには多くの呼び方がある。ヌジョール (nujol)、ホワイト油、白色鉱油、水パラフィン、ミネラルオイル、ミネラルオイルホワイト、医療用パラフィン (medicinal paraffin)、パラフィンファックス、saxol、USP mineral oil、adepsine oil、Albolene、glymolなど。
最も身近な物がベビーオイルであろう。
所在・製法[編集]
詳細は「アルカン#所在・製法」を参照
パラフィンは、石油に含まれ、分留によって取り出される。重油、アスファルトも炭化水素を含み、広義でのパラフィン類に含まれるが、これらは精製度合いが低くカーボンやその他の挟雑物を含有しているため黒褐色を有する。また、蒸留精製する温度の違いで灯油などの燃料、流動パラフィンと石油ワックスは作り分けられる。
パラフィンを構成する成分については生理的に不活性ではあるが、故に精製の程度により刺激性が規定されてしまう。医薬品より長期に亘り皮膚や頭髪に触れる事の多い化粧品用途では特に精良な物が用いられる。
用途[編集]
- 燃料
- 固定
- マッチ軸木の含浸材(燃焼材として)
- クレヨン
- 組織学の標本作成での包埋材
- 歯科用技工・診療 (JIS T6502)
- 病理学的検査におけるパラフィン溶融器・パラフィン伸展器
- 食品添加物等としての固着剤
- 鮮度保持
- 缶、瓶の密封
- せっけんの包み紙
- 皮膜剤
- チョコレートお菓子や野菜や果物の天然皮膜剤(流動パラフィン・パラフィンワックス)
- 医薬品のコーティング(流動パラフィン・パラフィンワックス)
- (中国産)椎茸の皮膜剤
- 密封・遮蔽・耐熱保温・撥水防水
- 単体で一般にパラフィン紙(グラシン紙、油紙)といわれるもの
- 防湿紙、防水紙、布の防水加工(昔は本のカバーなどでも利用された)
- ボーリング地質調査時のサンプリング試料のライナー密封材
- 美容:パラフィンパックで使用する密封材
- 経皮投薬時の密封材
- クッキングシートの素材:耐熱、遮蔽
- 中性子遮蔽
- 皮革製品等の撥水防水
- 理学療法におけるパラフィン浴(厚生労働大臣が基準を定めて指定する医療機器(平成17年厚生労働省告示第112号)別表の 132)
- 滑剤
- 可塑剤
- ガムベース(流動パラフィン・パラフィンワックス)
- ネイルパラフィン
- 美容整形
- 電線の被覆材(塩素化パラフィン)
- 難燃剤
- 安定性
- リンスや化粧品(ベビーオイル、乳液、クレンジングクリーム、コールドクリーム)の原料(流動パラフィン)
- 軟膏基剤として調剤(流動パラフィン)
- 潤滑
- エンジンオイル
- 電気カミソリ・バリカン(流動パラフィン:潤滑・防錆用途)
- 食品添加物
- 蓄熱材
- 実験、測定の定着材
- 赤外分光法の透過測定(流動パラフィン)
- 密度測定アスファルト混合物パラフィンかさ密度法
- 植物の蒸散の実験(流動パラフィン)
- 食品用
- 食品機械用潤滑油・グリース(食品添加物認可流動パラフィン)
- 医療用
- 下剤(流動パラフィン)
- 腸閉塞による疝痛の内科的治療(流動パラフィン)
- 鼻や眼の乾燥時の投薬剤(流動パラフィン)
- 軟膏剤の基剤(プラスチベース®)
- 農業用
- 農業用展着剤(農薬の湿展性・付着性を高める)アビオン社アビオン-C®、アビオン-E®、カネショウ社ペタンV®など
- 接木接着部の乾燥防止、保護
食用[編集]
食品衛生試験に合格したものは固形食品を直(じか)に包む事が許可される。
日本では、食品衛生法上、石油系ワックスに関する品質規制はない。(『流動パラフィンは化学的合成品ではないので、食品衛生法第六条に基づく指定の必要がない』とされている)。食品包装全般に使用されるワックスの品質をワックス業界が自ら管理することを目的に日本ワックス工業会が基準を制定している。
食品工場で使用される機械(たとえば製パン機では生地を分割する分割機)の潤滑油として従来、流動パラフィン(鉱物性オイル)が使用されていた。しかし、流動パラフィンの発がん性が議論されるようになり、現在では植物性オイルの使用が推奨されている。1970年からパンの製造過程におけるパン生地の自動分割機による分割の際、および焙焼(ばいしょう)する際の離型の目的に限ってのみ使用が許されており、パンへの残存量が0.10%未満だができるだけ少なくすることが望ましいと規定されている。厚生労働省行政情報昭和45年12月7日環食化第102号パンの離型剤でも植物性オイルが使用されるようになってきているが、しかしながら、流動パラフィンは耐熱性があり酸化されにくいため、まだ多く使用されている。日本においては、食品機械用潤滑剤の安全性に関する規格・規準はない。しかしBSE問題等で食の安全性の観点が重視されているため、食品業界では、製品の安全性について、HACCP等の手法も取り入れ、さまざまな観点で見直しが行われている。食品機械用潤滑剤の参考情報-食品機械用潤滑剤ガイド
食用として認められたパラフィンは、飴、キャンディーの光沢をだす目的で使用されることがある。食用ではあるが消化されずに排出される。食用でないパラフィンには一般には油などの不純物が含まれており通常有害である。
日本では、食品添加物として認められているのは、食品の製造加工に必要なものとしてのその他項目としての流動パラフィンのみ。光沢剤その他では使用が認められていない。
基準[編集]
化粧品[編集]
食品添加物規格、日本薬局方規格、化粧品原料基準(食添・薬局方・粧原基)2000年以降、化粧品原料はメーカーの自主規制
その他[編集]
パラフィンワックスは鋳造にはあまり利用されない。凝固時に体積が縮小し、室温でもろく、一般に壊れないように彫刻することができないためである。模型の製作には、軟らかく成型しやすい蜜蝋などが用いられる。
関連化合物[編集]
塩素化パラフィン[編集]
参照資料[編集]
関連項目[編集]
- ワセリン
- プラスチベース
- ロウソク
- ベビーオイル
- ポマード
- ケンドル
- パラフィン系エンジンオイル
参照文献[編集]
- ^ 第2版 標準化学用語辞典, 日本化学会 編, 2005年3月, 第2版, 丸善出版, 978-4-621-07531-9
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 廣井 敦子,山本 智子,柴田 亮行,加藤 陽一郎,西川 俊郎,澤田 達男,小林 槇雄
- 東京女子医科大学雑誌 81(E1), E56-E60, 2011-03-31
- … 中皮腫においてmicroarray法で発現が示唆されている遺伝子について、それらの蛋白の発現の有無を免疫組織化学的に検討し、さらに肺腺癌との相違を検討した.中皮腫9例、肺腺癌10例のホルマリン固定、パラフィン包埋材料を作製し、抗Aurora A, Aurora B, Kallikrein 11, Uroplakin III抗体を用いた免疫染色を行った.Aurora A, Aurora B, Kallikrein 11は中皮腫、肺腺癌ともに陽性であった.Aurora Aの陽性率は、上皮型中皮腫において、 …
- NAID 110008439100
- 再生パラフィンを改質材とした薄層舗装用混合物の配合検討と性状評価
Related Links
- 世界大百科事典 第2版 パラフィンの用語解説 - 脂肪族鎖式飽和炭化水素(アルカン)およびパラフィンワックスparaffin waxのこと。パラフィンワックスは石蠟(せきろう)ともいい,アルカンCnH2n+2の炭素数nが約20以上のものの混合物で ...
- パラフィン【paraffin】とは。意味や解説。1 石油から分離された白色半透明の固体。炭素数16~40のメタン系炭化水素の混合物。融点はセ氏50~75度くらいで、水をはじく性質がある。ろうそく・マッチ・クレヨンなどの原料とする。
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Japan Pharmaceutical Reference
販売名
流動パラフィン「東海」
組成
組成・性状
1.組成
- 本品は石油から得た液状の炭化水素類の混合物である。
効能または効果
★リンクテーブル★
[★]
- 内視鏡下生検により採取された検体でH-E染色による病理組織診断を行うために、検体を直ちに浸すのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113B014]←[国試_113]→[113B016]
[★]
- 関
- 労働基準法、法令
別表第一の二(第三十五条関係)
- 一 業務上の負傷に起因する疾病
- 二 物理的因子による次に掲げる疾病
- 1 紫外線にさらされる業務による前眼部疾患又は皮膚疾患
- 2 赤外線にさらされる業務による網膜火傷、白内障等の眼疾患又は皮膚疾患
- 3 レーザー光線にさらされる業務による網膜火傷等の眼疾患又は皮膚疾患
- 4 マイクロ波にさらされる業務による白内障等の眼疾患
- 5 電離放射線にさらされる業務による急性放射線症、皮膚潰瘍等の放射線皮膚障害、白内障等の放射線眼疾患、放射線肺炎、再生不良性貧血等の造血器障害、骨壊死その他の放射線障害
- 6 高圧室内作業又は潜水作業に係る業務による潜函病又は潜水病
- 7 気圧の低い場所における業務による高山病又は航空減圧症
- 8 暑熱な場所における業務による熱中症
- 9 高熱物体を取り扱う業務による熱傷
- 10 寒冷な場所における業務又は低温物体を取り扱う業務による凍傷
- 11 著しい騒音を発する場所における業務による難聴等の耳の疾患
- 12 超音波にさらされる業務による手指等の組織壊死
- 13 1から12までに掲げるもののほか、これらの疾病に付随する疾病その他物理的因子にさらされる業務に起因することの明らかな疾病
- 三 身体に過度の負担のかかる作業態様に起因する次に掲げる疾病
- 1 重激な業務による筋肉、腱、骨若しくは関節の疾患又は内臓脱
- 2 重量物を取り扱う業務、腰部に過度の負担を与える不自然な作業姿勢により行う業務その他腰部に過度の負担のかかる業務による腰痛
- 3 さく岩機、鋲打ち機、チェーンソー等の機械器具の使用により身体に振動を与える業務による手指、前腕等の末梢循環障害、末梢神経障害又は運動器障害
- 4 電子計算機への入力を反復して行う業務その他上肢に過度の負担のかかる業務による後頭部、頸部、肩甲帯、上腕、前腕又は手指の運動器障害
- 5 1から4までに掲げるもののほか、これらの疾病に付随する疾病その他身体に過度の負担のかかる作業態様の業務に起因することの明らかな疾病
- 1 厚生労働大臣の指定する単体たる化学物質及び化合物(合金を含む。)にさらされる業務による疾病であつて、厚生労働大臣が定めるもの
- 2 弗素樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂等の合成樹脂の熱分解生成物にさらされる業務による眼粘膜の炎症又は気道粘膜の炎症等の呼吸器疾患
- 3 すす、鉱物油、うるし、タール、セメント、アミン系の樹脂硬化剤等にさらされる業務による皮膚疾患
- 4 蛋白分解酵素にさらされる業務による皮膚炎、結膜炎又は鼻炎、気管支喘息等の呼吸器疾患
- 5 木材の粉じん、獣毛のじんあい等を飛散する場所における業務又は抗生物質等にさらされる業務によるアレルギー性の鼻炎、気管支喘息等の呼吸器疾患
- 6 落綿等の粉じんを飛散する場所における業務による呼吸器疾患
- 7 石綿にさらされる業務による良性石綿胸水又はびまん性胸膜肥厚
- 8 空気中の酸素濃度の低い場所における業務による酸素欠乏症
- 9 1から8までに掲げるもののほか、これらの疾病に付随する疾病その他化学物質等にさらされる業務に起因することの明らかな疾病
- 五 粉じんを飛散する場所における業務によるじん肺症又はじん肺法(昭和三十五年法律第三十号)に規定するじん肺と合併したじん肺法施行規則(昭和三十五年労働省令第六号)第一条各号に掲げる疾病
- 六 細菌、ウイルス等の病原体による次に掲げる疾病
- 1 患者の診療若しくは看護の業務、介護の業務又は研究その他の目的で病原体を取り扱う業務による伝染性疾患
- 2 動物若しくはその死体、獣毛、革その他動物性の物又はぼろ等の古物を取り扱う業務によるブルセラ症、炭疽病等の伝染性疾患
- 3 湿潤地における業務によるワイル病等のレプトスピラ症
- 4 屋外における業務による恙虫病
- 5 1から4までに掲げるもののほか、これらの疾病に付随する疾病その他細菌、ウイルス等の病原体にさらされる業務に起因することの明らかな疾病
- 七 がん原性物質若しくはがん原性因子又はがん原性工程における業務による次に掲げる疾病
- 1 ベンジジンにさらされる業務による尿路系腫瘍
- 2 ベーターナフチルアミンにさらされる業務による尿路系腫瘍
- 3 4-アミノジフェニルにさらされる業務による尿路系腫瘍
- 4 4-ニトロジフェニルにさらされる業務による尿路系腫瘍
- 5 ビス(クロロメチル)エーテルにさらされる業務による肺がん
- 6 ベンゾトリクロライドにさらされる業務による肺がん
- 7 石綿にさらされる業務による肺がん又は中皮腫
- 8 ベンゼンにさらされる業務による白血病
- 9 塩化ビニルにさらされる業務による肝血管肉腫又は肝細胞がん
- 10 電離放射線にさらされる業務による白血病、肺がん、皮膚がん、骨肉腫、甲状腺がん、多発性骨髄腫又は非ホジキンリンパ腫
- 11 オーラミンを製造する工程における業務による尿路系腫瘍
- 12 マゼンタを製造する工程における業務による尿路系腫瘍
- 13 コークス又は発生炉ガスを製造する工程における業務による肺がん
- 14 クロム酸塩又は重クロム酸塩を製造する工程における業務による肺がん又は上気道のがん
- 15 ニッケルの製錬又は精錬を行う工程における業務による肺がん又は上気道のがん
- 16 砒素を含有する鉱石を原料として金属の製錬若しくは精錬を行う工程又は無機砒素化合物を製造する工程における業務による肺がん又は皮膚がん
- 17 すす、鉱物油、タール、ピッチ、アスファルト又はパラフィンにさらされる業務による皮膚がん
- 18 1から17までに掲げるもののほか、これらの疾病に付随する疾病その他がん原性物質若しくはがん原性因子にさらされる業務又はがん原性工程における業務に起因することの明らかな疾病
- 八 長期間にわたる長時間の業務その他血管病変等を著しく増悪させる業務による脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、高血圧性脳症、心筋梗塞、狭心症、心停止(心臓性突然死を含む。)若しくは解離性大動脈瘤又はこれらの疾病に付随する疾病
- 九 人の生命にかかわる事故への遭遇その他心理的に過度の負担を与える事象を伴う業務による精神及び行動の障害又はこれに付随する疾病
- 十 前各号に掲げるもののほか、厚生労働大臣の指定する疾病
- 十一 その他業務に起因することの明らかな疾病
法令
- 労働基準法施行規則(昭和二十二年八月三十日厚生省令第二十三号)
- http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22F03601000023.html
[★]
パラフィン
- 関
- Parafilm
[★]
- 英
- Parafilm
- 関
- パラフィン
[★]
- 英
- liquid paraffin
- 同
- リキッドパラフィン、ミネラルオイル、ホワイトミネラルオイル
- 関
- 流パラ
- 原油から蒸留をすることで得られる。石油の潤滑油留分をさらに精製して得られる分画で、芳香族炭化水素や硫黄化合物などの不純物を除去して作られる。
- 極めて純度の高い炭化水素化合物である。
[★]
- 英
- cycloparaffin
- 関
- シクロアルケン、シクロアルカン