- 英
- bacitracin
- 商
- バラマイシン
- 関
- 連鎖球菌
- グラム陽性菌に有効な抗菌物質の一つ
- 細胞膜に作用する
- Bacillus subtilis Tracyより分離されたポリペプチド抗生物質
- 腎毒性が強く、腸から吸収されずに局所で作用するのでトローチ剤として使われている
- β溶血性を示すβ溶血性連鎖球菌の中でA群連鎖球菌はバシトラシンに対して強い感受性を示す→A群β溶血性連鎖球菌の同定試験に用いられる(バシトラシン試験)
WordNet
- before the Christian era; used following dates before the supposed year Christ was born; "in 200 BC" (同)B.C., before Christ
- a polypeptide antibiotic of known chemical structure effective against several types of Gram-positive organisms; usually applied locally
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/01/23 02:38:01」(JST)
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バシトラシンA |
|
IUPAC名 |
出典を参照 |
分子式 |
C66H103N17O16S |
分子量 |
1422.69 |
CAS登録番号 |
[1405-87-4] |
形状 |
環状ポリペプチド |
SMILES |
出典を参照 |
出典 |
NCBI PubChem Compound |
バシトラシン (bacitracin) は、枯草菌が産生する抗生物質で、バシトラシンAを主成分とする環状ポリペプチドの混合物である。
概要
バシトラシンは、リケニホルミスグループの枯草菌(Bacillus subtilis Tracy株)により産生される環状ポリペプチドの混合物である。Tracy株という名称は、1943年にバシトラシンを産生する桿菌がマーガレット・トレーシーという少女の膝のかすり傷から初めて分離されたことに由来している。
バシトラシンは毒性が強く使用法が難しいため、あまり経口的には用いられないが、局所的投与ではとても効果がある。
バシトラシンはいわゆる非リボソームペプチド合成酵素 (NRPSs) により合成され、このことはバシトラシンの合成にリボソームが関与していないことを示している。
作用機序
バシトラシンは、細菌の細胞壁内膜を取り巻くペプチドグリカンの構成要素を支持する分子であるC55-イソプレニルピロリン酸の脱リン酸化反応を妨げ、これにより細胞壁合成を阻害することによって抗菌作用を示す。
使用例
- バシトラシントローチは、感染性口内炎や口腔内の傷口からの感染を防ぐために使われる。
- バシトラシン軟膏は、バシトラシン亜鉛およびその他の抗生物質(普通はポリミキシンBやネオマイシン)からなり、限局性の皮膚感染症や眼科感染症の治療、創傷感染の予防のために使用される。
- バシトラシン亜鉛は、抗菌用に家畜用飼料に添加される。
- バシトラシンディスクは、β溶血性レンサ球菌においてA群とそれ以外の群を区別するために使用される[1]。
参考
- ^ 培養プレートにバシトラシンディスク(直径6mm)を載せて37°Cで24時間培養後、阻止円の直径が14mm以上(感受性)であればA群、14mm未満(抵抗性)であればそれ以外の群である。この方法はあくまで間接的な同定法であり、精度が98%程度と言われているものの完璧ではない。
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Japanese Journal
- パッチテストで多種の外用剤に陽性であった皮膚潰瘍の1例
- 古田 加奈子,亀山 梨奈,鈴木 加余子,松永 佳世子
- Journal of environmental dermatology and cutaneous allergology = / the Japanese Society for Dermatoallergology and Contact Dermatitis 2(3), 167-172, 2008-08-30
- NAID 10024293837
- 症例報告 バシトラシン含有軟膏外用による即時型アレルギーの1例
- 抗菌性飼料添加物の給与による鶏糞便由来腸球菌の薬剤感受性に及ぼす影響に関する試験
Related Links
- バシトラシン (bacitracin) は、枯草菌が産生する抗生物質で、バシトラシンAを主成分と する環状ポリペプチドの混合物である。 目次. 1 概要; 2 作用機序; 3 使用例; 4 参考. [ 編集] 概要. バシトラシンは、リケニホルミスグループの枯草菌(Bacillus subtilis Tracy ...
- バシトラシンはポリペプチド抗生物質であり,細胞壁合成を阻害し,グラム陽性菌に対し 活性を有する。 コリスチン(ポリミキシンE)およびポリミキシンBは陽イオンのポリペプチド 抗生物質で,細菌の細胞膜を破壊し,緑膿菌およびアシネトバクターなどのグラム陰性 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
バラマイシン軟膏
組成
販売名
成分・含量(1g中)
- バシトラシン 250単位
- フラジオマイシン硫酸塩 2mg(力価)
- 添加物として白色ワセリン(基剤)を含有する。
禁忌
(次の患者には使用しないこと)
- ストレプトマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシン、フラジオマイシン等のアミノ糖系抗生物質及びバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
適応菌種
適応症
- 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染、腋臭症
- 通常、1日1〜数回直接患部に塗布又は塗擦するか、あるいは無菌ガーゼ等にのばして貼付する。
なお、症状により適宜増減する。
- 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
重大な副作用
腎障害、難聴
- 本剤の長期連用により、腎障害、難聴があらわれることがあるので、長期連用は避けること。
ショック、アナフィラキシー様症状
- ショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、そう痒感、潮紅、顔面腫脹、発汗、嘔気、血圧低下等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
抗菌作用
- バシトラシン及びフラジオマイシンは広い抗菌スペクトルを有し、1、2)ブドウ球菌、連鎖球菌などに対し相乗効果を示す(in vitro)。3、4)
作用機序
- バシトラシンは細胞壁合成を阻害し、フラジオマイシンは蛋白合成を阻害することにより抗菌作用をあらわす。5)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
分子式
分子量
性状
- 白色〜淡褐色の粉末である。
水に溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくい。
一般名
- フラジオマイシン硫酸塩(Fradiomycin Sulfate)
化学名
- フラジオマイシンB硫酸塩
2,6-Diamino-2,6-dideoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→4)-[2,6-diamino-2,6-dideoxy-β-L-idopyranosyl-(1→3)-β-D-ribofuranosyl-(1→5)]-2-deoxy-D-streptamine trisulfate
フラジオマイシンC硫酸塩
2,6-Diamino-2,6-dideoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→4)-[2,6-diamino-2,6-dideoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→3)-β-D-ribofuranosyl-(1→5)]-2-deoxy-D-streptamine trisulfate
分子式
分子量
性状
- 白色〜淡黄色の粉末である。
水に溶けやすく、エタノール(95)にほとんど溶けない。
吸湿性である。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- neomycin NM
- 同
- 硫酸フラジオマイシン fradiomycin sulfate フラジオマイシン fradiomycin fradiomycinum FRM、フラマイセチン framycetin
- 商
- フラジオ、(軟膏)ソフラチュール、(軟膏)(フラジオマイシン・フルオシノロン)フルコート、デルモラン、(軟膏)(フラジオマイシン・クロラムフェニコール)クロマイ、ハイセチン、(軟膏)(フラジオマイシン・メチルプレドニゾロン)ネオメドロール、(軟膏)(フラジオマイシン・バシトラシン)バラマイシン、(軟膏)(フラジオマイシン・ヒドロコルチゾン)プロクトセディル、(軟膏)(フラジオマイシン・ヒドロコルチゾン・ジフェンヒドラミン)レスタミンコーチゾン、(軟膏)(フラジオマイシン・ベタメタゾン)ベトネベート、(含嗽)デンターグル、(点眼・点鼻)(ベタメタゾン・フラジオマイシン)ベルベゾロン、リンデロン、(噴霧液)(プレドニゾロン・フラジオマイシン)エアゾリン、(噴霧液)(コリスチン・フラジオマイシン)コリマイフォーム、(その他)フランセチン、ヘモレックス
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[★]
- ラ
- Streptococcus agalactiae
- 同
- ストレプトコッカス・アガラクティエ
- 関
- B群連鎖球菌 Streptococcus group B、ストレプトコッカス属、細菌
- 下部により溶血性、莢膜型が異なる。
- 直腸および腟の常在菌。新生児期および産褥期の母子感染。
- 出産後12-20日後に発症。新生児感染により敗血症、肺炎、髄膜炎
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バシトラシン、フラジオマイシン
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バシトラシン bacitracin