オレイン酸モノエタノールアミン
Japanese Journal
- 110 尾状葉原発, 肝内散布型肝癌に対するオルダミン・制癌剤注入の著効例の経験とその発展(<特集>第41回日本消化器外科学会総会)
- 長谷川 博,小泉 澄彦,雨宮 隆太,吉見 富洋,小野 久之,朝戸 裕二,太田 岳洋,菱川 修司,吉川 聡
- 日本消化器外科学会雑誌 26(2), 431, 1993-02-01
- NAID 110001312828
- 杉本 巧,加藤 利雄,山住 捷二,森田 嘉人
- 病院薬学 18(6), 651-657, 1992-12-21
- Ethanolamine oleate (EO) injection containing a contrast medium has been used as an agent for sclerosing treatment (endoscopic embolization) of esophageal varix. We tested the compatibility of 10% eth …
- NAID 110001798891
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
オルダミン注射用1g
組成
成分・含量
- 1バイアル (10g) 中
モノエタノールアミンオレイン酸塩 1.000g
(オレイン酸 0.822g)
(モノエタノールアミン 0.178g)
添加物
- 1バイアル (10g) 中ベンジルアルコール0.4g
禁忌
[副作用としてショックが報告されており、症状がさらに悪化するおそれがある。]
- 多臓器障害あるいはDIC(播種性血管内血液凝固症)状態の患者
[副作用としてDICが報告されており、症状がさらに悪化するおそれがある。]
- 胃潰瘍出血、十二指腸潰瘍出血又は胃びらん出血のある患者
[出血をさらに助長させるおそれがある。]
[全身衰弱状態、心肺機能低下等の患者では内視鏡の挿入操作により症状がさらに悪化するおそれがある。]
[心肺機能の悪化あるいは腎障害の増悪のおそれがある。]
効能または効果
- 食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮
- 本剤は経内視鏡的食道静脈瘤硬化療法に用いるものである.
用時,1バイアルあたり10mLの注射用水又は血管造影用X線造影剤を加えて5%溶液に調製する.
通常,成人には静脈瘤1条あたり5%モノエタノールアミンオレイン酸塩として1〜5mLを食道静脈瘤内に注入する.
なお,注入量は静脈瘤の状態及び患者の病態により適宜増減するが,1内視鏡治療あたりの総注入量は20mL以内とする.
- 溶液の調製に関し、各種希釈剤の希釈剤としての適否は次の通り.
注射用水
生理食塩液
白濁したり又は粘度が低下しないことがあるので使用しないこと1).
血管造影用X線造影剤
イオパミドール製剤
(ヨード含有量: 300,370mg/mL)
血管造影用X線造影剤
イオヘキソール製剤
(ヨード含有量: 300,350mg/mL)
血管造影用X線造影剤
アミドトリゾ酸メグルミン製剤
白濁したり又は粘度が低下しないことがあるので使用しないこと1).
血管造影用X線造影剤
イオキサグル酸製剤
白濁したり又は粘度が低下しないことがあるので使用しないこと1).
血管造影用X線造影剤
イオベルソール製剤
(ヨード含有量: 320,350mg/mL)
白濁することがあるので使用しないこと.
慎重投与
[肝障害を増悪させるおそれがある.]
[腎障害を増悪させるおそれがある.]
[症状がさらに悪化するおそれがある.]
[症状がさらに悪化するおそれがある.]
重大な副作用
ショック
(0.1%未満)
- ショックがあらわれることがあるので,患者の状態を十分に観察するとともに,異常が認められた場合には投与を中止し,必要に応じて適切な処置を行うこと.
急性腎不全
(0.1%未満)
- 急性腎不全があらわれることがあるので,定期的に血液検査を行うなど,患者の状態を十分に観察するとともに,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
DIC[播種性血管内血液凝固症]
(0.1%未満)
- DICがあらわれることがあるので,定期的に血液検査を行うなど,患者の状態を十分に観察するとともに,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
肝性昏睡
(頻度不明)
- 肝性昏睡があらわれることがあるので,定期的に血液検査を行うなど,患者の状態を十分に観察するとともに,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
重篤な血栓症
- 門脈血栓 (1%未満),肺梗塞 (頻度不明),脳血管障害 (頻度不明) があらわれることがあるので,投与に際しては本剤の食道静脈瘤以外への流出に注意するとともに,施行後は患者の状態を十分に観察すること.異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
食道穿孔
(頻度不明)
- 食道穿孔があらわれることがあるので,投与に際しては食道静脈瘤外注入とならないよう注意するとともに,施行後は患者の状態を十分に観察すること.異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
胃潰瘍
(0.1%未満)
- 重篤な胃潰瘍 (巨大胃潰瘍) があらわれることがあるので,患者の状態を十分に観察するとともに,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと.
急性呼吸窮迫症候群,肺水腫
(頻度不明)
- 急性呼吸窮迫症候群,肺水腫があらわれることがあるので,観察を十分に行い,急速に進行する呼吸困難,低酸素血症,胸部X線による両側性びまん性肺浸潤陰影が認められた場合には,呼吸管理,循環管理等の適切な処置を行うこと.
薬効薬理
血管内皮細胞障害作用5, 6)
- ラット大動脈の血管内皮細胞にみられる網目構造 (銀染色法) は,本剤を30秒間接触させた場合,0.3%液でほとんどが破壊され,1%以上の濃度では完全に破壊された (in vivo).
- ラット大腿静脈の血流を一過性に遮断した実験モデルに本剤を注入し,30秒後に血流を再開し,その直後,6時間後及び24時間後の血管内皮細胞に対する影響を組織学的に検討した.投与部位ではいずれも血管内皮細胞の剥離が認められたが,それ以外の部位 (心臓,肺,脳) ではいずれの時期においても血管内皮細胞の障害は認められなかった (in vivo).
- ヒト培養内皮細胞に対する細胞溶解作用及びラット赤血球に対する障害作用が認められ,それらの作用は濃度依存的であった (in vitro).
血栓形成作用5)
- 麻酔イヌの皮静脈の両端を止め,血液を除き本剤の5%液5mLを注入し接触させると,30秒後に内皮細胞は消失した.血流再開5分後には接触部位にフィブリン及び血小板の沈着が,2時間後にはさらに赤血球の沈着・集積がみられ,6時間後には壁在血栓が,24時間後には完全閉塞性血栓が形成され,その後4週間の観察で血栓は器質化した (in vivo).
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
Monoethanolamine Oleate[JAN]
化学名:
- 2-Hydroxyethylammonium(Z)-9-octadecenoate
モノエタノールアミン
一般名:
Monoethanolamine
化学名:
分子式:
化学構造式:
分子量:
性状:
- 無色澄明で粘調な液で,においはないか,又はわずかにアミン臭がある.水,エタノール (95) と混和し,エーテルに溶けにくい.吸湿性である.二酸化炭素を吸収する.
オレイン酸
一般名:
Oleic Acid
化学名:
分子式:
化学構造式:
分子量:
性状:
- 無色〜淡黄色澄明の油で,においはないか,又はわずかに脂肪臭があり,味はないか,又は緩和である.エタノール (95),エーテル,クロロホルムと混和し,水にほとんど溶けない.
凝固点: 約10℃
比重d2020: 約0.89
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- hemostatic drug、hemostatic、hemostat、haemostat
- 関
- 止血性、止血薬
商品
[★]
- 英
- monoethanolamine oleate
- 同
- モノエタノールアミンオレイン酸
- 商
- オルダミン