- 英
- omega-oxidation, ω-oxidation
- 関
- 脂肪酸酸化
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 脂肪酸ω酸化経路の確立 : 細胞質アルデヒドデヒドロゲナーゼの役割
- 宮尾 夕子,山本 覚
- 福山大学生命工学部研究年報 5, 1-10, 2006-09
- 脂肪酸の一部はω-酸化経路およびβ-酸化経路を経てより炭素鎖の少ないジカルボン酸に代謝される。脂肪酸ω-酸化経路は連続する3つの反応を触媒するω-水酸化酵素、アルコールデヒドロゲナーゼ、およびアルデヒドデヒドロゲナーゼで構成されているが、脂肪酸ω-酸化経路の観点からアルデヒドデヒドロゲナーゼの詳細な性質については十分に解明されていない。著者らはウサギ肝の細胞質画分にω-オキソ脂肪酸に特異性を示すア …
- NAID 110007406816
- 7.フィブラート系薬物による肝脂肪酸ω酸化誘導とその臨床応用への可能性(金沢医科大学医学会記録, 第30回医学会総会, 第40回学術集会)
- 尾〓 一晶,堤 幹宏,高瀬 修二郎,Lasker Jerome M.,Raucy Judy L.
- 金沢医科大学雑誌 29(2), 122-123, 2004-08
- NAID 110004617789
Related Links
- 栄養・生化学辞典 ω酸化の用語解説 - 脂肪酸のカルボキシル基の反対側末端の炭素 を酸化してω-ヒドロキシ脂肪酸とし,さらにカルボキシル基とし,ジカルボン酸にしてβ 酸化の様式で酸化する方式.脂肪酸の代謝経路の一つであるが主経路ではない....
- 脂肪酸ω-酸化経路は連続する3つの反応を触媒するω-水酸化酵素、アルコール デヒドロゲナーゼ、およびアルデヒドデヒドロゲナーゼで構成されているが、脂肪酸ω- 酸化経路の観点からアルデヒドデヒドロゲナーゼの詳細な性質については十分に解明 されてい ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- Reye's syndrome, Reye syndrome
- 同
- Reye症候群
- 関
- インフルエンザ、水痘、アスピリン
概念
- ウイルス感染後に乳幼児期・小児にみられる急性脳症
- 全身の臓器、特に肝の脂肪変性とミトコンドリアの変化ならびに脳浮腫を来す
- 原因となるウイルス感染症は、小児例では水痘、インフルエンザが多く、成人例ではEBウイルス感染が多い。
臨床像
- 発熱・下痢などの上気道炎症状が先行し、回復期の4-7日後に反復性嘔吐を前兆として、傾眠、錯乱、せん妄と言った意識障害とてんかん発作を発症する。
- 急速に発症・進行する脳症で、黄疸を伴わない肝障害、高アンモニア血症を認める。
疫学
- 5-15歳に好発する。
- 80%例は6歳以下の小児であり、成人発症はまれ。
- 乳幼児に発症:かつては5歳以上の小児に多発していた → 解熱剤としてアスピリン服用中止によって患者数が激減。
原因
- 小児のインフルエンザ(特にB型)、水痘、帯状疱疹に対する解熱に、アスピリンなどのNSAIDsを用いると発症することがある
- 小児のウイルス感染症に対しする解熱にはNSAIDsを避けてアセトアミノフェンを使うのが一般的。
病態
- ミトコンドリアの機能不全による
- 蛋白質・脂肪酸の急激な異化亢進 → アシルCoA増加
- (1) カルニチン欠乏(ミトコンドリアへの転送障害、β酸化障害)
- (2)ω酸化の亢進(ジカルボン酸尿)
- (3)糖代謝障害(乳酸、ピルビン酸上昇)
- (4)尿素サイクルの障害(高アンモニア血症)
病理
- 肝臓の脂肪変性:微小脂肪滴が肝小葉全体に沈着、Kupffer細胞の腫大
- 脳浮腫
症状 (GOO.682, SMB.467)
- 発熱、低酸素血症、血圧低下
- 脳症 encephalopathy:嘔吐、意識障害、痙攣、除脳硬直
- 黄疸は伴わない(肝不全は呈するのにビリルビンの上昇は伴わない。)
診断
- 肝生検による脂肪変性・ミトコンドリアの腫大の証明により確定診断となる(確定的ライ症候群)が、肝生検まで行われない場合がありその場合には臨床診断となるが(臨床的ライ症候群)、検査所見が一致しない場合もある(疑似ライ症候群)。
鑑別診断
- 細菌性髄膜炎、ウイルス性脳炎:脳脊髄液検査で除外する。
- 劇症肝炎:ビリルビンは高値となる
- ショック:原因疾患スクリーニング
- 敗血症:原因疾患スクリーニング
- 先天性代謝異常症:幼小児期に明らかとなるはずであるが、成人では明らかとなりうる物に全身性カルニチン血症、グルタル酸尿症、シトルリン血症がある。
- 薬物中毒:アセチルサリチル酸中毒、バルプロ酸中毒
病期
- Clinical staging in Reye syndrome.
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/4834984
- National Institutes of Health, Bethesda. Diagnosis and Treatment of Reye's syndrome=Consensus conference. lAMA 1981;246:2441-4.
- http://archive.nmji.in/approval/archive/Volume-4/issue-3/review-articles-2.pdf
検査
- 血液検査:低血糖、トランスアミナーゼ上昇、低プロトロンビン血症、高アンモニア血症。血清ビリルビンは不変 (APT.205)
- 血液ガス検査:アシドーシス程度、血糖・乳酸評価。
- 頭部CT:脳血管障害スクリーニング、脳浮腫の有無程度を評価
- 脳脊髄液検査:髄膜炎除外
- 脳波:非特異的徐波
治療
- 脳浮腫による頭蓋内圧亢進の抑制 → マンニトール投与
- 代謝障害の補正:低血糖、低血圧、高アンモニア血症
- 低酸素血症の治療:酸素投与、挿管
- 血液凝固異常の治療:血漿交換
予後
- 死亡率10-20%
- 予後規定因子:意識障害の程度と持続時間が神経後遺症、生命的予後を決定する。*AST、ALT、アンモニア、血糖などでは予後の判定はできないとされる。
参考
uptodate
- 1. [charged] 小児における急性中毒性代謝性脳症 - uptodate [1]
- 2. [charged] アスピリン:リウマチ性疾患における作用機序、主な毒性、および使用 - uptodate [2]
- 3. [charged] 小児および思春期におけるサリチル酸中毒 - uptodate [3]