出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/06/28 09:28:23」(JST)
精神障害の診断と統計マニュアル(せいしんしょうがいのしんだんととうけいマニュアル、英語: Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, DSM)は、精神障害の分類(英語版)のための共通言語と標準的な基準を提示するものであり、アメリカ精神医学会によって出版された書籍である。DSMは当初、統計調査のために作成された。DSMの第3版より、明確な診断基準を設けることで、精神科医間で精神障害の診断が異なるという診断の信頼性の問題に対応した[1][2]。
DSMは、世界保健機関による疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)とともに、国際的に広く用いられている[3]。いずれも記述精神医学であり[4]、「特定の状態が特定の期間に存在する」という具体的な診断基準を設けた操作的診断基準に属する。疾病の解明に加え、各々の医師等の間における結果の比較を可能とし、また、疫学的調査に有用である。「したがって、極言すれば、診断基準は元々、個々の患者での診断を正確に行うために作られたものではない」(塩入俊樹・岐阜大学精神科、当時) と言うことも出来る[2]。
明示的な診断基準がないため、以前の診断基準では、アメリカと欧州、また日本での東西によって診断の不一致が見られた[1][2]。このような診断の信頼性の問題により、明示的な診断基準を含む操作的診断基準が1980年のDSM-IIIから採用され、操作主義の精神医学への導入であり画期的ではあった。一方で、恣意的に適用されてはならないといった弱点はいまだ存在する[1]。依然として、どの基準が最も妥当性があるかという問題の解決法を持たず、他の診断基準体系との間で診断の不一致が存在するため、原理的に信頼性の問題から逃れられないという指摘が存在する[1]。
DSMは、その日本語訳書において「精神障害/疾患の診断・統計マニュアル」と訳されている。「精神障害/疾患の分類と診断の手引」の訳は、DSMの早見表のものである。最新のDSMは第5版で、2013年5月18日に出版された。日本語訳は2014年6月30日に「DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引」は同10月23日に出版された。
DSMは精神医学上の診断カテゴリーと基準の標準化に貢献したとして称賛されてきたが、一方で論争と批判も生み出した。批判者には、アメリカ国立精神衛生研究所(NIMH)も含まれ、DSMは非科学的で主観的なシステムを叙述するものだと主張している[5]。診断カテゴリの妥当性 (統計)(英語版)と信頼性 (精神測定)(英語版)、外面的な症状に依存すること、カテゴリー間および正常とのあいだの人為的な境界線の使用、文化的バイアスの可能性、人としての苦悩を医療の対象としてしまうこと--これらに関する諸問題が、現在も存在しつづけている[6][7][8][9][10][11]。
DSMの出版には厳格な著作権管理が行われ、アメリカ精神医学会は年間500万ドル以上、通算1億ドル以上をもたらしている[12]
多くの精神福祉の専門家は、患者を評定した後、確定と患者の診断を伝える手助けにこのマニュアルを用いる;一般的にアメリカにおける病院やクリニック、保険会社は患者を治療するためにDSMの診断を要求する。DSMはこのように臨床的に広く用いられ、また患者のカテゴリーとして研究目的で診断基準が用いられる。特定の障害における研究は、障害のためのDSMの基準の一覧に一致する症状を有する患者を募集する。66か国での精神科医の国際的調査が、ICD-10とDSM-IVの使用を比較し前者が臨床診断に、後者は研究での評価により頻繁に用いられていた[13]。
DSM-5と、以前の版は、アメリカ精神医学会(APA)の登録商標である[7][14]。
DSMは単なる診断基準であり、さらに客観的な指標として得点化する場合には評価尺度が用いられることがある。うつ病におけるハミルトンうつ病評価尺度のような特定疾患に対応したものが存在する。
なお、日本国内には、診断基準にDSMではなく、ICD-10を採用している病院もある。日本の行政においてはICD-10が用いられている[15]。
DSMはICD-10における「精神および行動の障害」にほぼ相当する。DSMの「Mental Disorder(精神障害)」は非常に幅広い概念である。DSM-IVでは374種類の障害が含まれる[注 1]。したがって、DSMに記載されたあらゆる精神障害の有病率を合計すると、著しく高い数値となってしまう。また、精神障害の有病率を調査する場合、特定の障害に絞り込んで調査することが一般的である[注 2]。
2005年、WHO世界精神保健調査は、DSM-IVの4つの診断カテゴリに含まれる19種類の(軽症例を含めた)障害について、米国人の生涯有病率[注 3]を46.4%[注 4]、12ヶ月有病率[注 5]を26.2%[注 6]と報告している[18][16][17]。
アメリカ合衆国における精神障害の分類を発達させる初期の推進力は、統計情報の収集の必要性であった。最初の公的な試みは1840年アメリカ合衆国人口調査(英語版)であり、「白痴/狂気」のただ1つのカテゴリーが用いられた。3年後には、アメリカ統計学会がアメリカ合衆国下院に対して公に抗議し、多くの町でアフリカ系アメリカ人の全員が精神異常とされているなどの誤りが指摘されたが、基本的には役に立たなかった[要出典]。
1844年には、精神異常のためのアメリカ施設医療管理協会(en:Association of Medical Superintendents of American Institutions for the Insane)が組織され、1892年にアメリカ医療心理学会(American Medico-Psychological Association)に改名し、1921年に現在のアメリカ精神医学会(American Psychiatric Association)となる[要出典]。
エドワード・ジャービスと後にフランシス・アマサ・ウォーカー(英語版)は、人口調査を1870年の2巻から、1880年の25巻にまで拡大した。フレデリック・H・ワインが指名され書いた582ページの巻書は、「第10回人口調査を反映したアメリカ合衆国人口の不全者、依存症と非行者分類の報告」(Report on the Defective, Dependent, and Delinquent Classes of the Population of the United States, As Returned at the Tenth Census, June 1, 1880)と名づけられた(1888年に出版された)。ワインは精神疾患の7区分を用いた:認知症(dementia)、飲酒癖(en:Dipsomania、アルコールの渇望の制御不能)、てんかん(epilepsy)躁病(mania)、うつ病(melancholia)、偏執狂(monomania)、不全まひ(paresis)。これらの区分は協会に採用された[19]。
1917年に、精神衛生国家委員会(National Commission on Mental Hygiene)と共に、APAは精神病院のため新しいマニュアルを開発し、『精神異常のために施設で使用する統計のマニュアル』(Statistical Manual for the Use of Institutions for the Insane)と命名された。これは22の診断が含まれ長い年月にわたりAPAによって改定されることになる[20]。ニューヨーク医学アカデミー(英語版)と共に、APAはアメリカの全般的な医療指針における精神医学的な用語集の小区分を提供し、その『疾患の標準分類用語集』(Standard Classified Nomenclature of Disease)は「スタンダード」と呼ばれる[21]。
第二次世界大戦では、兵士の選別、処理、評価、治療において米国の精神科医の大規模な関与が見られた。このことは、精神科施設や伝統的な臨床的な視点から焦点を移動させた。精神科医の准将ウィリアム・C・メニンガー(英語版)が率いる委員会は、メディカル203と名付けられた新しい分類構想を開発し、それは1943年に軍医総監・オフィス(英語版)の主導で陸軍省技術告示として刊行された[22]。DSM-Iの序文にはアメリカ海軍が独自のいくつかの小さな改定を行ったと記されている。兵役から帰還した精神科医によって多くの病院などに導入された[要出典]。
1949年に、世界保健機関は疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD、International Statistical Classification of Diseases)の第6版を公表し、この時はじめて精神障害の節が設けられた。DSM-Iの序文には軍の用語集に似た慣習で分類されていると記されている。多くの文章はメディカル203と同一であった[22]。このマニュアルは130ページで106の精神障害が一覧にされた[23]。そこには「人格障害」(personality disturbance)のいくつかの分類が含まれ、「神経症」(神経質、自我異質的(英語版))とは区別された[24]。同性愛者は1974年5月まで、DSMに残った[25]。
1960年代、精神疾患自体の概念に多くの課題が存在した。これらの課題はトーマス・サズ(英語版)のような精神科医からもたらされ、彼の主張は精神疾患は、道徳的な衝突を偽装するために用いらている神話であるということである;アーヴィング・ゴッフマンのような社会学者からは、精神疾患は、単に非体制者を社会的に決め付け制御する方法の例であるとされた;行動主義心理学者は、識別できない現象であるという精神医学の原理的な信頼性に挑んだ;また同性愛権利活動家からは、同性愛を精神障害として記載するAPAを批判した。ローゼンハン実験が『サイエンス』誌にて公開され多くの注目を集め、精神医学の診断の有効性における攻撃だとみなされた[26]。
とはいえ、APAはICD(第8版、1968年)の精神障害の章の次の重要な改定と密接に関連しており、そのことはDSMの改定版の推進を決定した。そして1968年に公開され、182の障害が挙げられ、134ページの長さであった。DSM-Iとかなり似ていた。「反応」(reaction)の用語は破棄され、「神経症」(neurosis)の用語は維持された。DSM-IもDSM-IIも、主として精神力学的精神医学が反映されていたが[27]、クレペリンの分類の手法から生物学的な視点と概念を含んでいた。特定の障害に対する症状は詳細には規定されなかった。多くは、神経症と精神病との区別に基づく、葛藤による広い反映や生活の問題への不適応な反応とみなされた。(概略として、不安/うつは、大きく現実に触れており、幻覚/妄想は現実から切断され生じている) 社会学と生物学的な知識が組み込まれ、正常と異常の間の境界は明確には強調されなかった[28]。人格障害が感情的苦痛を伴わなかったという見解は破棄された[24]。
影響力のある1974年の論文は、ロバート・スピッツァーとジョセフ・L・フレイス(英語版)によるもので、彼らはDSM第2版(DSM-II)が信頼性の低い手段であることを実証した[29]。
ロナルド・バイエルが記述しているように、精神科医と同性愛権利活動家については、APAに対する同性愛権利活動家の明確な抗議が、サンフランシスコで大会が開かれた1970年にはじまった。活動家は、スピーカーを遮断したり、同性愛を精神障害とみなす精神科医を罵ることで大会を邪魔した[30]。
この活動は、1960年代からの精神医学的な診断の正当性に挑んだ広い反精神医学運動の文脈で生じた。反精神医学活動家は同じAPAの大会に抗議し、標語や知的基盤を共有した[31][32]。
1974年、DSMの新しい改定版を作成するという決定がなされ、ロバート・スピッツァーが特別委員会の委員長に選出された。きっかけは、DSMの用語集を世界保健機関が出版する疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD、International Statistical Classification of Diseases)と一致させるというものであった。この改定版は、スピッツァーと彼の選出した委員会のメンバーの影響力と管理の下で、はるかに広い委任となった[33]。 ひとつの目標は、有名なローゼンハン実験を含む多くの批判を受けて精神医学の診断の均一性と信頼性を改善するというものであった。精神医学的な診断が欧州とアメリカ合衆国で著しく異なっていたことを示した研究の後に、アメリカと他の国とで標準的な診断の実施の必要性も存在した[34]。
この基準では、主にワシントン大学 (セントルイス) とニューヨーク州精神医学研究所(英語版)における研究志向的な精神医学のグループによって開発されていた研究診断基準(RDC)とフェイナー基準(英語版)から、多くの精神障害が採用された。 他の診断と、障害の新しい分類の可能性は、スピッツァーを委員長して委員会の一致によって認められた。重要な目的は、病因学的な仮説よりも、口語の英語による記述的な言葉遣いに基づく分類であるが、その分類手法は特定の基礎病理を反映した分類では、それぞれの固有の症状の様式を想定している。精神力学や生理学の見解は破棄され、規制や立法のモデルをとった。新しい「多軸評定」は、単なる診断よりも統計的な集団調査により適するようにと意図された[27]。人格障害は、精神遅滞と共にII軸に位置づけられた[24]。
最終的に1980年に出版されたDSM-IIIは、494ページと265の診断カテゴリーを挙げた。国際的に広く急速に用いられ、精神医学における革命あるいは変革と呼ばれた[27][28]。一方で、ロバート・スピッツァーは、後にアダム・カーティス(英語版)とのインタビューで、自らの仕事を批判し、深刻な精神的な問題のないであろう人口の20~30%の医療化につながったことに言及した[35]。
DSM-IIIができると、アメリカでもイギリスでも、(抗うつ薬プロザックの)イーライリリーが資金援助を行い、アメリカではうつ病を啓発するために小冊子800万部とポスター20万枚が配布された[36]。
1987年、DSM-III-RがDSM-IIIの改定版として出版され、これはスピッツァーが監督したものである。カテゴリーは改名また再編され、基準には大きな変更があった。6つのカテゴリーが削除され他のものが追加された。議論となった診断は、月経前不快気分障害(pre-menstrual dysphoric disorder)と自虐的人格障害のようなものであり、検討され破棄された[27][37]。DSM-III-Rは総計して292[38]の診断を含み、567ページの長さであった[要出典]。
1994年、DSM-IVが出版され、886ページ中に374[38]の障害が挙げられた。編集委員会の委員長はアレン・フランセスであった。4人の心理学者を含めた27人での運営委員会が導入された。この運営委員会は、5~16人からなる13の作業グループを形成した。各々の作業グループには、約20人の助言者が居た[要説明]。この作業グループは、3段階の工程を実施した:最初に、各々のグループは、広範な文献レビューを行う;次に、研究者からデータを要求し、保守的に受けると共に基準が変更を要するかの決定を分析する;最後に、臨床診療の診断に関連する他施設実地試験を行った[39][40]。
2000年には、DSM-IVの「テキスト改訂版」(text revision)が出版され、DSM-IV-TRとして知られている。診断カテゴリーと診断のための大部分の基準に変更はなかった[41]。各々の診断における追加の情報の一節と、ICDとの整合性を保つための診断コードが更新された。5軸からなる体系をまとめた。第1軸は臨床的障害を取り入れる。第2軸はパーソナリティ障害と精神遅滞を取り扱う。残りの軸は、医療的な評価のための診断基準の機能的な必要性に応じ、医学的、心理社会的、環境的、また幼少期の要因を取り扱う。DSM-IV-TRは374[38]の診断を含み、943ページの長さであった[要出典]。
次のDSM-5において定義が変更されることが判明した結果、APAに対して根拠に基づく医療の方法を用いて再調査を行うべきという50の精神福祉団体による請願が出された[42]。一方で、APAはそれに関して声明を出していない[43]。
DSMの第5版、DSM-Vは2012年12月1日に、アメリカ精神医学会(APA)の理事委員会にて承認され[44]、2013年5月18日に公開された[45]。 DSM-5は広範に診断が修正され、一部では定義を広げ、他の場合には定義を狭めた[46]。DSM-5は、20年ぶりとなるマニュアルの主要な改定で[47]、ローマ数字方式は、改定番号を明確にするために中止されている。第5版における大きな変更は、統合失調症の亜型の削除案である[48][49]。改定作業中に、APAのウェブサイトは、見直しと議論のためにDSM-5のいくつかの一節を定期的に掲載していた[50]。
一般的には「Mental Illness(心の病)」と呼ばれるが、専門的には「Mental Disorder(精神障害)」が使われる。DSMでは、「Mental Disease(精神疾患)」ではなく、「Mental Disorder(精神障害)」という用語を採用している。日本語版ではDSM-IV以降、「Mental Disorder(精神障害)」が「精神疾患」に訳し変えられた[51]。精神医学用語の「疾患」は本項の「disorder(障害)」という概念であり、医学用語の「disease(疾患)」とは異なる概念である。前者は行動科学上の異常を意味し、後者は病理学上の異常を意味している[52]。また、「disorder(障害)」は「disease(疾患)」より軽い失調状態を意味している[53]。精神障害とは苦悩や異常を伴う心理的症候群または行動様式である[54]。
「正常」「精神障害」の境界線が曖昧であることは、「精神障害」が存在しないことを必ずしも意味しない。また、20世紀末における生物学的精神医学の立場は、「すべての精神活動は、脳の活動に由来する。精神疾患を特徴づける行動障害は、その原因が環境起源であっても、脳機能の障害である[注 7]」とするものであった[56][55]。実際、近年においては、遺伝子解析、認知機能、脳画像、精神生理学、精神薬理学、動物モデル、血液生化学検査などを組み合わせた統合的なアプローチが行われ、それらから得られた生物学的な所見の診断への応用研究により、病因・病態研究から、新薬の開発と臨床試験も行われていると、富山大学医学部 (2012年当時) の倉知正佳は述べている[56]。
2013年、DSM-IVのアレン・フランセス編纂委員長は、精神障害は本物の病気でも架空の神話でもなく、両者の中間だと説明している[57]。
DSM-III、DSM-III-Rの精神障害の定義は、DSM-IVと基本的に同じである[58][59][60][61]。
DSM-IVの「精神障害の定義」は「どのような定義によっても『精神障害』の概念に正確な境界線を引くことができないことを認めなければならない[注 8]」と注意している[60][61]。各種精神障害は、臨床的に有意な行動、心理的症候群、様式として概念化されているが[62][60][61]、死別反応等の予測可能で文化的に容認された反応であってはならない[62][60][61]。政治的、宗教的、性的等の逸脱した行動や社会的な葛藤も個人的な機能不全がなければ精神障害ではない[62][60][61]。各診断カテゴリが一つの実体を表わしているという仮定はなく[63][60][61]、ある精神障害と他の精神障害、精神障害と正常は連続的に繋がっている[60][61]。また、同一の精神障害を有する各人が全ての重要な点で似ているという仮定もない[60][61]。統合失調症患者(schizophrenics)が存在するのではなく[63][60][61]、統合失調症 (schizophrenic disorder)の診断基準を満たす症状を有する人々がいるだけである[63][60][61]。
DSM-IVでは「統合失調症患者」という人間を分類する表現は誤解を招くため[60][61]、「統合失調症を有する人」というぎこちないがより正確な表現を採用するとしている[60][61]。
DSM-IVはカテゴリー分類体系である。そのカテゴリーは原型であり、その原型に近似した関係にある患者が、その障害を有すると考えられる。DSM-IVは「精神障害のそれぞれのカテゴリーは、絶対的な境界を持つまったく別の実態であるという前提はない」と記している。しかし、孤立した、軽度かつ非基準的な(障害に挙げられていない)症状は重要とされていない[64]。修飾子が時に用いられ、それは、ある障害の軽度、中等度、重度の状態といったものである。その障害のほぼ半数は、症状が「社会的、職業的、あるいは他の機能的な領域において、臨床的に有意に苦痛あるいは障害」となっているのに十分でなければならない。 とはいえ、チック症から苦痛基準と、いくつかの性的倒錯を自我同調的(英語版)に自然であるので削除した。それぞれの障害のカテゴリーには、ICD-10手続コード化方式(英語版)を受け継ぐ数値コードがあり、(保険を含む)医療サービスの管理目的で用いられる[要出典]。
DSM-IVは、それぞれの精神医学的な診断を障害の異なる側面あるいは身体障害に関した5次元(軸)に構造化している。
第I軸障害は以下を含む、うつ病、不安障害、躁うつ病、ADHD、自閉症、自閉症スペクトラム障害、神経性無食欲症、神経性大食症、統合失調症。
第II軸障害はパーソナリティ障害を含む:妄想性パーソナリティ障害、スキゾイドパーソナリティ障害、統合失調型パーソナリティ障害、境界性パーソナリティ障害、反社会性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害、演技性パーソナリティ障害、回避性パーソナリティ障害、依存性パーソナリティ障害、強迫性パーソナリティ障害;さらに精神遅滞。
第III軸障害は以下を含む、 ほかの障害に類似した現存する病気あるいは発現している症状を悪化させうる、脳損傷や他の医学/身体的な障害。
DSM-IV-TRは、連邦政府の法的な命令の実現のために作成されたものであるので、臨床研修を欠いた人による使用はその内容の不適切な活用につながる、と言明する。診断基準の適切な使用には豊富な臨床研修を必要とし、またその内容は「料理本を使うように簡単に適用することはできない」[65]。 APAは、診断名は、専門家の間での「使いやすい略語」として主に用いることに言及している。 非専門家には情報を入手するためにだけDSMを閲覧すべきと忠告している[要出典]。
アメリカでは、DSM-IIIが登場した1980年頃から、精神科を志望する精神科医が減少している。この事象は、DSMのマニュアル化された診断がかえって精神医学の面白みをなくしてしまったからだとする意見もある[66]。
1998年、アメリカ国立精神衛生研究所(英語版)の統合失調症研究センターで所長を務めたこともあるローレン・モシャー博士は「DSM-IVは、精神医学が概して医学によって認められるように模造して作ったものである。内部の者はそれが科学的というよりも政治的な書物であると知っています。…DSM-IVはその最大の欠陥にもかかわらず権威ある書物となり、カネを生み出すベストセラーになった[注 9]」と述べている[67][68]。
2009年、『医学書院医学大辞典第2版』は「DSM」の項目内で、日本においてもDSM-IIIから賛否両論だが、操作的診断基準の一つとして広く併用され始めていると説明している[69]。
2009年、帝京大学の内海健准教授は「言ってみるならば、DSMとはきわめて高度な議論の末に、とてつもなく粗末な妥協の産物が産み落とされた、そうした代物である」と述べている[70]。
2011年には、イギリス心理学会がAPAに対して、DSM-5は賞賛よりも懸念があるとし、大部分が症状を伴う社会規範に基づいており、すべて主観的な判断に頼っているとし、数値がなく、多くの研究者が診断の信頼性、妥当性、予後値、併存疾患の問題に悩まされていることを伝えた[71]。
これに続き、アメリカ心理学会の32部門・人間性心理学会は、DSM-5修正のための同盟を組織し[72]、1週間で2,000人以上の心理学者、心理士、精神衛生の専門家の署名が集まった。
2012年の指摘では、記述的精神医学の妥当性を向上させることが不可欠であるとし、DSM-5のような方法では重症度を判断できないため、生物学の多くの分野で広く使用されるような数学的モデルを使用するよう提案を行っている[4]。
2013年、大野裕(DSM-IV日本語訳者である)は、DSM-5で軽度の障害を含めたため、人間が自然に持っている「こころの力」を見落とす危険性が高くなっていると主張する[73]。
2014年の日本精神科診断学会における挨拶において、会長である上野修一は、現在の(DSM等の)操作的診断基準について、誰でも分かりやすく診断できる点で高く評価される一方、生物学的な基盤に基づかないこと、治療に直結しないこと、拡大解釈されていることを弱点として挙げている。とくに、診断と治療が遊離している点に関しては、現在の診断基準が経年疲労している印象があると述べている[74]。
DSM-IIIRと同じ時期に出た抗うつ薬のフルオキセチン(プロザック)は、うつ病の定義のあいまいさから売り上げが急増し、DSMが製薬会社のマーケティングに使われてしまう危険性が認識された[75]。アレン・フランセスは、慎重に作成したDSM-IVによってADHDの診断が15%増加すると見込んだが、実際には3倍に増加し、小児の双極性障害は40倍に、自閉症は20倍に、成人の双極性障害は2倍となった[76]。このような診断のインフレはとどまるところを知らず、DSM-5の登場によりさらになる過剰診断と不適切な診察が増加されると推察される[77]。なぜなら、DSM-IIIの最高責任者であったロバート・スピッツァーが指摘するようにDSM-5では、議論の透明性をなくしたため安全で質の高いものに仕上げることができなくなり、アレン・フランセスの指摘するように、このDSM-5は正常な人にまで誤って診断を下すという診断のインフレを促し、適切でない薬の使用を助長する危険性をはらんだまま出版に至ったのである[78]。
2013年、アメリカ国立精神衛生研究所(NIMH)の所長であるトーマス・インセルによれば、DSM-5は現在において最良のものではあるが科学的妥当性を欠いており、精神医学的な診断を作り替えるための研究領域基準(RDoC、Research Domain Criteria)の作成を進めている[79][80]。 臨床的な合意に基づいた現在の診断は症状に頼っており、 定義は神経生物学を反映しておらず[81]、診断カテゴリーは神経科学や遺伝学の調査結果と一致しておらず、こうした問題は生物学的な指標に基づかない初期の診断システムにおいて発生する既知の問題である[82]。RDoCは、神経科学や遺伝学に基づくだけでなく、治療成績の向上なども視野に入れている[82]。
DSMは、症状の合意に基づいて診断するため、例えば内科等の病気とは異なり、客観的な計測基準を持たず、まだ診断の信頼性と妥当性が不足している[80][1]。DSMは、現状では、生物学的な基盤に基づいておらず[74]、生物学的な指標を持たない[82]。また、神経生物学を反映しておらず[81]、カテゴリは神経科学や遺伝学の調査と一致していない[要出典]。
2013年に、DSM第4版の作成委員長であるアレン・フランセスは2冊の著作を出版した。『正常を救え:精神科の診断の暴走、DSM-5、大手製薬会社、そして当たり前の生活の医療化に反対するある内部関係者の抵抗』[83]と『精神科診断のエッセンス』[84]である。『正常を救え』では、精神障害を客観的に診断できる検査は存在しないため懸念があり、実際に製薬会社に大きく利用され、診断の大幅な増加と過剰診断、薬の過剰摂取事故につながっていることを指摘している[85][注 10]。『精神科診断のエッセンス』は基本的には過剰診断にならないようにするための諸注意であるが、DSMをバイブルのようにして奴隷のように従うものというよりは指針でしかなく、異なった文化では異なった分類さえも必要となる可能性もあり、患者の役に立つよう柔軟に役立てるようとの日本向けの序文があり[86]、過剰診断や流行の診断に注意し、さらにDSM-5には安全性と科学的妥当性が十分ではなく、科学的根拠に基づくものでもない[要検証 – ノート]ため、治療を予測できることもないとし、診断の不正使用に注意すべきことが警告されている[87]。このフランセスの2冊の日本語訳者には、DSM-IV日本語訳者である大野裕も名を連ねる。斎藤学のような精神科医も「診断のインフレ」と題する論文を公開しており、この言葉を広めたフランセスに言及し、また双極性障害といった診断の流行、薬価の高い薬をより有病率の高い障害へと拡大し、人気講師による講習会を通して、精神科に売り込んでいく様を描写している[88]。
フランセスによれば、精神医学的な診断は、客観的な生物学的検査でなく、誤りがちな主観的な判断に頼っているためである[43]。新しいDSM-5は十分な科学的根拠を欠いており、新しい精神科の薬よりも危険性が高い可能性がある[89]。製薬会社は、DSMの緩い診断基準を使ってマーケティングしてきたし、診断が拡大されれば製薬会社の販売促進につながり、有害な副作用を持つ薬の不要な使用が増加してしまう[89]。障害の早期発見は素晴らしいが、障害を診断できるとされてしまえば、現在の非特異的な診断手段と潜在的に危険な治療法の組み合わせでは間違いであり、その前に非常に特異的な、ほぼ確実な生物学的検査と、リスク/ベネフィット比が確実に良くなる必要があるとしている[90]。まだ診断の安全性と有効性を監視するための効果的なシステムは存在していない[89]。
1970年代、100年経っても病因が不明なため、精神病は医学的な疾患と異なると見なされ、精神病の存在自体が議論されていた[91]。
1998年、ミシガン大学のエリオット・ヴァレンスタイン名誉教授は、精神障害の生化学的、解剖学的、機能的な指標が発見されているという主張について、過去から現在の研究例を交え、実際には証明されていないと説明している。また、精神障害の主な原因について、心理社会的要因と生物学的要因が精神保健の専門職の意見を二分しており、一方が優勢になると他方が盛り返し、交互に優勢になることが繰り返されてきたと述べている[92]。
2000年、ニューヨーク州立大学のトーマス・サズ(英語版)名誉教授は、疾患(disease)の病理学的定義を身体の病変(物質的異常)と説明し、脳は身体器官なので疾患になり得るが、精神は身体器官ではないため、比喩的な意味を除いて疾患にはなり得ないと述べている。精神的病気は行動科学上の存在であって病理学上の存在ではなく、精神的病気の有無を証明できる客観的検査もないと指摘している。また、客観的検査によって証明された場合は精神的病気から身体疾患に再分類されると指摘し、実例として、「神経梅毒」「脳損傷」「中毒症」「感染症」「てんかん」を挙げている[52]。
2002年、アメリカ精神医学会はDSM-Vに向けて『DSM-V研究行動計画』を出版した。同書は、DSM-III以降の「精神障害の定義」について、精神障害と正常を画定できず、実用的ではないと評している。また、精神障害の検査指標の候補提案は多数あるが、発見された指標は一つもないと説明している。[93]
2005年、日本においては、精神障害の診断に光トポグラフィーで神経科学的な客観的根拠を持たせようとする研究がある[94]。ただし、現在の神経科学等では、脳内の物理現象がどのように精神障害として具現化するのか因果関係が未だはっきりしない点も残っている。
2010年、京都府立医科大学大学院の中前貴(医学博士[95])は、精神障害の病因について、生物学的、心理学的、社会学的要素に対し理論中立的な立場を取る「生物心理社会モデル(英語版)」が現在の精神医学における中心的モデルであり、1970年代に体系的に発展し、DSM-IIIに導入されたと述べている[96]。DSMでは多軸評定によって生物心理社会的アプローチを提供している[97][98][99]。
2010年、DSM-IVのアレン・フランセス編集委員長は、WIRED英語版で、「精神障害の定義は存在しません。戯言です。つまり、定義などできないということです[注 11]」などと発言している[100]。
2011年、『ネイチャー』誌の論説は、精神障害の客観的指標(生物学的指標)に関する主張は多数あるが、脳波、fMRI、光トポグラフィ等のいずれも追試による再現性が低いと指摘している[101]。
2012年、DSM-IVのアレン・フランセス編纂委員長は「残念なことに、精神医学における生物学的検査というのは未だにありません。…現在のところ、症状記述に頼るしかありません」と述べている[102]。また、DSMの改訂後に定義が拡大解釈されたことについて、「米国では数多くの勢力が(DSMの)変更点を丹念に研究しながら、どのようにしたら自分たちが考えている特定の目的に合わせて曲解できるかと待ちかまえているのです」と述べている[103][104]。
2013年、DSM-5のデヴィッド・クッファー編纂委員長は、精神障害の生物学的、遺伝学的な指標の同定には程遠いと述べている[105][106]。
2013年、国立精神・神経医療研究センターの樋口輝彦理事長・総長は、精神障害の原因について、「ほとんどわかっていないのが現実です」と述べている[107]。
2014年、日本精神神経学会の岩田仲生理事は、精神障害の生物学的研究について、「精神医学研究にみるべきものはない,そもそもレベルが低い,報告される内容も真理とかけ離れており再現性も乏しい,研究費を投入するだけ無駄ではないか〔ママ〕」といった指摘は概ね事実だが、進歩には研究が欠かせないと述べている[108]。
1994年、カリフォルニア大学のスチュアート・カーク(Stuart Kirk)教授とカリフォルニア州立大学のハーブ・カチンス(Herb Kutchins)教授は、DSM-IVに関して、精神障害の診断には客観的検査(生物学的検査)がないため、アメリカ精神医学会の裁量で新たな障害を大量に作り出すことが可能であり、また、誰もが精神障害になり得ると指摘している。「このマニュアルにもとづいて、ミシガン大学が今年、調査を実施した。米国人の半数が精神障害を有するという結果が出たが、これは何ら驚くべきことではない[注 12]」と述べている[63][109]。
1950年、精神衛生法において「精神障害」の概念が提起され、「精神障害」の語は行政や医療関係者の間で法律用語として定着した[110]。
1988年、DSM-III-R日本語版は「Mental Disorder」を「精神障害」と訳している[111]。
1993年、精神保健法(旧精神衛生法)における「精神障害者」の定義が「精神病者(中毒性精神病者を含む。)、精神薄弱者及び精神病質者」から「精神分裂病、中毒性精神病、精神薄弱、精神病質その他の精神疾患を有する者」に変更され、「精神疾患」の語も使用されるようになった[112]。
1996年、DSM-IV日本語版は「Mental Disorder(精神障害)」を「精神疾患」に訳し変えた[51]。
2003年、文部科学省は医学用語の標準化に向けて『学術用語集医学編』を日本医学会との共編で出版した[注 13]。同書は「Mental Disorder」「Mental Disease」「Psychosis」を順に「精神障害」「精神疾患」「精神病」と訳している。また、「Mental Illness」という用語はない。[115][114]
2007年、日本医学会は医学用語の標準化に向けて『日本医学会医学用語辞典英和第3版』を出版した[注 14]。同書は「Mental Disorder」「Diagnostic And Statistical Manual of Mental Disorder」を「精神障害」「精神障害の診断と統計の手引き」と訳している。また、「Mental Disease」「Mental Illness」を共に「精神疾患」と訳している。日本医学会分科会の日本精神神経学会も作成に参加している[117]。
2008年、日本精神神経学会は精神科学術用語を収載した『精神神経学用語集改訂6版』を出版した。同書は「Mental Disorder」「Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders」を「精神障害」「精神障害の診断と統計の手引き」と訳している。また、「Mental Disease」「Mental Illness」「精神疾患」という学術用語はない[118]。日本神経学会の『神経学用語集改訂第3版』も同じである[119]。
2013年、元関西学院大学教授で精神科医の野田正彰は、DSM-IV日本語版で「Mental Disorder(精神障害)」が「精神疾患」に訳し変えられた結果、疾患(disease)と混同され、診断が確立したかのような誤解が蔓延していったと指摘している。また、意図的な誤訳と評している[120]。他書でも同様の説明をしている[121]。
2013年、東京都立松沢病院の針間博彦は日本精神神経学会学会誌で、「障害」のスティグマ化は「disorder」「disability」を共に「障害」と訳したことが一因とも考えられると述べている。DSM-IV日本語版はスティグマ化した「障害」を避けて「Mental Disorder(精神障害)」を「精神疾患」に訳し変えたのかもしれないが、「疾患(disease)」であるかのような誤解を与えかねないと指摘している。「disorder」「disability」「disease」の混同を防ぐため、訳語の変更を提案している[122]。
2014年、DSM-5日本語版は「訳者の序」で、最大の課題は用語統一だが、DSM-IVの翻訳作業と違って日本精神神経学会の支援を得られたと説明している。日本精神神経学会が編集した「DSM-5 病名・用語翻訳ガイドライン(初版)[注 15]」や『精神神経学用語集改訂6版[注 16]』に準拠しており、その他の新用語は監訳者の責任で訳している[123]。ただし、書名の『精神疾患の診断・統計マニュアル[124]』『精神障害の診断と統計の手引き[125]』のように、準拠していない用語もある。
Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders の訳として、「精神障害の診断と統計の手引き[126][127][128][125]」「精神障害のための診断と統計のマニュアル[129]」「精神疾患の診断と分類の手引き[130]」などがある。日本語訳書は「精神障害/疾患の診断・統計マニュアル」と訳している。単にDSMと呼ぶときは、これを指す。DSMには他の障害との鑑別のための注釈が含まれる。
「精神障害/疾患の分類と診断の手引」と訳されているものは、DSMの早見表であるQuick Reference to the Diagnostic Criteria from DSM の訳である。つまり「DSMの診断基準の早見参照」である。DSM-III-Rでは、「早見参考書」のいわゆる「ミニD」として言及されている[131]。『DSM-IV精神疾患の分類と診断の手引』の原著者の序において、日本語訳者による序においても、いわゆる「ミニD」と説明され、分類と診断基準だけを収録したものである[132]。
#参考文献を参照のこと。
The Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (DSM), published by the American Psychiatric Association (APA), offers a common language and standard criteria for the classification of mental disorders. It is used, or relied upon, by clinicians, researchers, psychiatric drug regulation agencies, health insurance companies, pharmaceutical companies, the legal system, and policy makers together with alternatives such as the International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems (ICD), produced by the World Health Organization (WHO). The DSM is now in its fifth edition, DSM-5, published on May 18, 2013.
The DSM evolved from systems for collecting census and psychiatric hospital statistics, and from a United States Army manual. Revisions since its first publication in 1952 have incrementally added to the total number of mental disorders, although also removing those no longer considered to be mental disorders.
The ICD is the other commonly used manual for mental disorders. It is distinguished from the DSM in that it covers health as a whole. While the DSM is the official diagnostic system for mental disorders in the US, the ICD is used more widely in Europe and other parts of the world. The DSM-IV-TR (4th. ed.) contains, in Appendix G, an "ICD-9-CM Codes for Selected General Medical Conditions and Medication-Induced Disorders" that allows for comparisons between the DSM and the ICD manuals, which may not systematically match because revisions are not simultaneously coordinated.
While the DSM has been praised for standardizing psychiatric diagnostic categories and criteria, it has also generated controversy and criticism. Critics, including the National Institute of Mental Health, argue that the DSM represents an unscientific and subjective system.[1] There are ongoing issues concerning the validity and reliability of the diagnostic categories; the reliance on superficial symptoms; the use of artificial dividing lines between categories and from "normality"; possible cultural bias; and medicalization of human distress.[2][3][4][5][6] The publication of the DSM, with tightly guarded copyrights, now makes APA over $5 million a year, historically totaling over $100 million.[7]
Many mental health professionals use the manual to determine and help communicate a patient's diagnosis after an evaluation; hospitals, clinics, and insurance companies in the US also generally require a DSM diagnosis for all patients treated. The DSM can be used clinically in this way, and also to categorize patients using diagnostic criteria for research purposes. Studies done on specific disorders often recruit patients whose symptoms match the criteria listed in the DSM for that disorder. An international survey of psychiatrists in 66 countries comparing use of the ICD-10 and DSM-IV found the former was more often used for clinical diagnosis while the latter was more valued for research.[8]
DSM-5, and the abbreviations for all previous editions, are registered trademarks owned by the APA.[3][9]
The initial impetus for developing a classification of mental disorders in the United States was the need to collect statistical information. The first official attempt was the 1840 census, which used a single category: "idiocy/insanity". Three years later, the American Statistical Association made an official protest to the U.S. House of Representatives, stating that "the most glaring and remarkable errors are found in the statements respecting nosology, prevalence of insanity, blindness, deafness, and dumbness, among the people of this nation", pointing out that in many towns African-Americans were all marked as insane, and calling the statistics essentially useless.
The Association of Medical Superintendents of American Institutions for the Insane was formed in 1844, changing its name in 1892 to the American Medico-Psychological Association, and in 1921 to the present American Psychiatric Association (APA).
Edward Jarvis and later Francis Amasa Walker helped expand the census, from 2 volumes in 1870 to 25 volumes in 1880. Frederick H. Wines was appointed to write a 582-page volume called Report on the Defective, Dependent, and Delinquent Classes of the Population of the United States, As Returned at the Tenth Census (June 1, 1880) (published 1888). Wines used seven categories of mental illness: dementia, dipsomania (uncontrollable craving for alcohol), epilepsy, mania, melancholia, monomania and paresis. These categories were also adopted by the Association.[10]
In 1917, together with the National Commission on Mental Hygiene (now Mental Health America), the APA developed a new guide for mental hospitals called the Statistical Manual for the Use of Institutions for the Insane. This included 22 diagnoses and would be revised several times by the APA over the years.[11] Along with the New York Academy of Medicine, the APA also provided the psychiatric nomenclature subsection of the US general medical guide, the Standard Classified Nomenclature of Disease, referred to as the Standard.[12]
World War II saw the large-scale involvement of US psychiatrists in the selection, processing, assessment, and treatment of soldiers. This moved the focus away from mental institutions and traditional clinical perspectives. A committee headed by psychiatrist Brigadier General William C. Menninger developed a new classification scheme called Medical 203, that was issued in 1943 as a War Department Technical Bulletin under the auspices of the Office of the Surgeon General.[13] The foreword to the DSM-I states the US Navy had itself made some minor revisions but "the Army established a much more sweeping revision, abandoning the basic outline of the Standard and attempting to express present day concepts of mental disturbance. This nomenclature eventually was adopted by all Armed Forces", and "assorted modifications of the Armed Forces nomenclature [were] introduced into many clinics and hospitals by psychiatrists returning from military duty." The Veterans Administration also adopted a slightly modified version of Medical 203.[citation needed] In 1949, the World Health Organization published the sixth revision of the International Statistical Classification of Diseases (ICD), which included a section on mental disorders for the first time. The foreword to DSM-1 states this "categorized mental disorders in rubrics similar to those of the Armed Forces nomenclature." An APA Committee on Nomenclature and Statistics was empowered to develop a version specifically for use in the United States, to standardize the diverse and confused usage of different documents. In 1950, the APA committee undertook a review and consultation. It circulated an adaptation of Medical 203, the VA system, and the Standard's Nomenclature to approximately 10% of APA members. 46% replied, of which 93% approved, and after some further revisions (resulting in its being called DSM-I), the Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders was approved in 1951 and published in 1952. The structure and conceptual framework were the same as in Medical 203, and many passages of text were identical.[13] The manual was 130 pages long and listed 106 mental disorders.[14] These included several categories of "personality disturbance", generally distinguished from "neurosis" (nervousness, egodystonic).[15] In 1952, the APA listed homosexuality in the DSM as a sociopathic personality disturbance. Homosexuality: A Psychoanalytic Study of Male Homosexuals, a large-scale 1962 study of homosexuality by Irving Bieber and other authors, was used to justify inclusion of the disorder as a supposed pathological hidden fear of the opposite sex caused by traumatic parent–child relationships. This view was widely influential in the medical profession.[16] In 1956, however, the psychologist Evelyn Hooker performed a study that compared the happiness and well-adjusted nature of self-identified homosexual men with heterosexual men and found no difference.[17] Her study stunned the medical community and made her a heroine to many gay men and lesbians,[18] but homosexuality remained in the DSM until May 1974.[19]
In the 1960s, there were many challenges to the concept of mental illness itself. These challenges came from psychiatrists like Thomas Szasz, who argued that mental illness was a myth used to disguise moral conflicts; from sociologists such as Erving Goffman, who said mental illness was merely another example of how society labels and controls non-conformists; from behavioural psychologists who challenged psychiatry's fundamental reliance on unobservable phenomena; and from gay rights activists who criticised the APA's listing of homosexuality as a mental disorder. A study published in Science by Rosenhan received much publicity and was viewed as an attack on the efficacy of psychiatric diagnosis.[20]
Although the APA was closely involved in the next significant revision of the mental disorder section of the ICD (version 8 in 1968), it decided to go ahead with a revision of the DSM. It was published in 1968, listed 182 disorders, and was 134 pages long. It was quite similar to the DSM-I. The term "reaction" was dropped, but the term "neurosis" was retained. Both the DSM-I and the DSM-II reflected the predominant psychodynamic psychiatry,[21] although they also included biological perspectives and concepts from Kraepelin's system of classification. Symptoms were not specified in detail for specific disorders. Many were seen as reflections of broad underlying conflicts or maladaptive reactions to life problems, rooted in a distinction between neurosis and psychosis (roughly, anxiety/depression broadly in touch with reality, or hallucinations/delusions appearing disconnected from reality). Sociological and biological knowledge was incorporated, in a model that did not emphasize a clear boundary between normality and abnormality.[22] The idea that personality disorders did not involve emotional distress was discarded.[15]
An influential 1974 paper by Robert Spitzer and Joseph L. Fleiss demonstrated that the second edition of the DSM (DSM-II) was an unreliable diagnostic tool.[23] They found that different practitioners using the DSM-II were rarely in agreement when diagnosing patients with similar problems. In reviewing previous studies of 18 major diagnostic categories, Fleiss and Spitzer concluded that "there are no diagnostic categories for which reliability is uniformly high. Reliability appears to be only satisfactory for three categories: mental deficiency, organic brain syndrome (but not its subtypes), and alcoholism. The level of reliability is no better than fair for psychosis and schizophrenia and is poor for the remaining categories".[24]
As described by Ronald Bayer, a psychiatrist and gay rights activist, specific protests by gay rights activists against the APA began in 1970, when the organization held its convention in San Francisco. The activists disrupted the conference by interrupting speakers and shouting down and ridiculing psychiatrists who viewed homosexuality as a mental disorder. In 1971, gay rights activist Frank Kameny worked with the Gay Liberation Front collective to demonstrate against the APA's convention. At the 1971 conference, Kameny grabbed the microphone and yelled: "Psychiatry is the enemy incarnate. Psychiatry has waged a relentless war of extermination against us. You may take this as a declaration of war against you."[25]
This activism occurred in the context of a broader anti-psychiatry movement that had come to the fore in the 1960s and was challenging the legitimacy of psychiatric diagnosis. Anti-psychiatry activists protested at the same APA conventions, with some shared slogans and intellectual foundations.[26][27]
Presented with data from researchers such as Alfred Kinsey and Evelyn Hooker, the seventh printing of the DSM-II, in 1974, no longer listed homosexuality as a category of disorder. After a vote by the APA trustees in 1973, and confirmed by the wider APA membership in 1974, the diagnosis was replaced with the category of "sexual orientation disturbance".[28]
In 1974, the decision to create a new revision of the DSM was made, and Robert Spitzer was selected as chairman of the task force. The initial impetus was to make the DSM nomenclature consistent with the International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems (ICD), published by the World Health Organization. The revision took on a far wider mandate under the influence and control of Spitzer and his chosen committee members.[29] One goal was to improve the uniformity and validity of psychiatric diagnosis in the wake of a number of critiques, including the famous Rosenhan experiment. There was also a need to standardize diagnostic practices within the US and with other countries after research showed that psychiatric diagnoses differed markedly between Europe and the USA.[30] The establishment of these criteria was an attempt to facilitate the pharmaceutical regulatory process.
The criteria adopted for many of the mental disorders were taken from the Research Diagnostic Criteria (RDC) and Feighner Criteria, which had just been developed by a group of research-orientated psychiatrists based primarily at Washington University in St. Louis and the New York State Psychiatric Institute. Other criteria, and potential new categories of disorder, were established by consensus during meetings of the committee, as chaired by Spitzer. A key aim was to base categorization on colloquial English descriptive language (which would be easier to use by federal administrative offices), rather than assumptions of etiology, although its categorical approach assumed each particular pattern of symptoms in a category reflected a particular underlying pathology (an approach described as "neo-Kraepelinian"). The psychodynamic or physiologic view was abandoned, in favor of a regulatory or legislative model. A new "multiaxial" system attempted to yield a picture more amenable to a statistical population census, rather than just a simple diagnosis. Spitzer argued that "mental disorders are a subset of medical disorders" but the task force decided on the DSM statement: "Each of the mental disorders is conceptualized as a clinically significant behavioral or psychological syndrome."[21] The personality disorders were placed on axis II along with mental retardation.[15]
The first draft of the DSM-III was prepared within a year. Many new categories of disorder were introduced, while some were deleted or changed. A number of the unpublished documents discussing and justifying the changes have recently come to light.[31] Field trials sponsored by the U.S. National Institute of Mental Health (NIMH) were conducted between 1977 and 1979 to test the reliability of the new diagnoses. A controversy emerged regarding deletion of the concept of neurosis, a mainstream of psychoanalytic theory and therapy but seen as vague and unscientific by the DSM task force. Faced with enormous political opposition, the DSM-III was in serious danger of not being approved by the APA Board of Trustees unless "neurosis" was included in some capacity; a political compromise reinserted the term in parentheses after the word "disorder" in some cases. Additionally, the diagnosis of ego-dystonic homosexuality replaced the DSM-II category of "sexual orientation disturbance".
Finally published in 1980, the DSM-III was 494 pages and listed 265 diagnostic categories. It rapidly came into widespread international use and has been termed a revolution or transformation in psychiatry.[21][22] However, Robert Spitzer later criticized his own work on it in an interview with Adam Curtis, saying it led to the medicalization of 20-30 percent of the population who may not have had any serious mental problems.
When DSM-III was published, the developers made extensive claims about the reliability of the radically new diagnostic system they had devised, which relied on data from special field trials. However, according to a 1994 article by Stuart A. Kirk:
Twenty years after the reliability problem became the central focus of DSM-III, there is still not a single multi-site study showing that DSM (any version) is routinely used with high reliably by regular mental health clinicians. Nor is there any credible evidence that any version of the manual has greatly increased its reliability beyond the previous version. There are important methodological problems that limit the generalisability of most reliability studies. Each reliability study is constrained by the training and supervision of the interviewers, their motivation and commitment to diagnostic accuracy, their prior skill, the homogeneity of the clinical setting in regard to patient mix and base rates, and the methodological rigor achieved by the investigator…[20]
In 1987, the DSM-III-R was published as a revision of the DSM-III, under the direction of Spitzer. Categories were renamed and reorganized, and significant changes in criteria were made. Six categories were deleted while others were added. Controversial diagnoses, such as pre-menstrual dysphoric disorder and masochistic personality disorder, were considered and discarded. "Ego-dystonic homosexuality" was also removed and was largely subsumed under "sexual disorder not otherwise specified", which can include "persistent and marked distress about one's sexual orientation."[21][32] Altogether, the DSM-III-R contained 292 diagnoses and was 567 pages long. Further efforts were made for the diagnoses to be purely descriptive, although the introductory text stated that for at least some disorders, "particularly the Personality Disorders, the criteria require much more inference on the part of the observer" (p. xxiii).[15]
In 1994, DSM-IV was published, listing 297 disorders in 886 pages. The task force was chaired by Allen Frances. A steering committee of 27 people was introduced, including four psychologists. The steering committee created 13 work groups of five to 16 members. Each work group had about 20 advisers The work groups conducted a three-step process: first, each group conducted an extensive literature review of their diagnoses; then, they requested data from researchers, conducting analyses to determine which criteria required change, with instructions to be conservative; finally, they conducted multicenter field trials relating diagnoses to clinical practice.[33][34] A major change from previous versions was the inclusion of a clinical significance criterion to almost half of all the categories, which required that symptoms cause "clinically significant distress or impairment in social, occupational, or other important areas of functioning". Some personality disorder diagnoses were deleted or moved to the appendix.[15]
A "text revision" of the DSM-IV, known as the DSM-IV-TR, was published in 2000. The diagnostic categories and the vast majority of the specific criteria for diagnosis were unchanged.[35] The text sections giving extra information on each diagnosis were updated, as were some of the diagnostic codes to maintain consistency with the ICD. The DSM-IV-TR was organized into a five-part axial system. The first axis incorporated clinical disorders. The second axis covered personality disorders and intellectual disabilities. The remaining axes covered medical, psychosocial, environmental, and childhood factors functionally necessary to provide diagnostic criteria for health care assessments.
The DSM-IV-TR characterizes a mental disorder as "a clinically significant behavioral or psychological syndrome or pattern that occurs in an individual [which] is associated with present distress… or disability… or with a significant increased risk of suffering." It also notes that "no definition adequately specifies precise boundaries for the concept of 'mental disorder'… different situations call for different definitions". It states that "there is no assumption that each category of mental disorder is a completely discrete entity with absolute boundaries dividing it from other mental disorders or from no mental disorder" (APA, 1994 and 2000). There are attempts to adjust the wording for the upcoming DSM-V.[dated info][36][37]
The fifth edition of the Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (DSM), the DSM-5, was approved by the Board of Trustees of the APA on December 1, 2012.[38] Published on May 18, 2013,[39] the DSM-5 contains extensively revised diagnoses and, in some cases, broadens diagnostic definitions while narrowing definitions in other cases.[40] The DSM-5 is the first major edition of the manual in twenty years.[41]
A significant change in the fifth edition is the deletion of the subtypes of schizophrenia (paranoid, disorganized, catatonic, undifferentiated and residual).[42]
The deletion of the subsets of autistic spectrum disorder (namely, Asperger's Syndrome, classic autism, Rett Syndrome, Childhood Disintegrative Disorder and pervasive developmental disorder not otherwise specified) was also implemented, with specifiers with regard to intensity (mild, moderate and severe). Severity is based on social communication impairments and restricted, repetitive patterns of behaviour, with three levels: 1 (requiring support), 2 (requiring substantial support) and 3 (requiring very substantial support).
During the revision process, the APA website periodically listed several sections of the DSM-5 for review and discussion.[43]
Beginning with the fifth edition, it is intended that diagnostic guidelines revisions will be added more frequently.[44] It is notable that The DSM-5 is identified with Arabic rather than Roman numerals. Incremental updates will be identified with decimals (DSM-5.1, DSM-5.2, etc.). A new edition will be signified by whole number changes (DSM-5, DSM-6, etc.).[45] The change reflects the intent of the APA to respond more quickly when a preponderance of research supports a specific change in the manual. The research base of mental disorders is evolving at different rates for different disorders.[44]
The DSM-IV is a categorical classification system. The categories are prototypes, and a patient with a close approximation to the prototype is said to have that disorder. DSM-IV states, "there is no assumption each category of mental disorder is a completely discrete entity with absolute boundaries" but isolated, low-grade and noncriterion (unlisted for a given disorder) symptoms are not given importance.[46] Qualifiers are sometimes used, for example mild, moderate or severe forms of a disorder. For nearly half the disorders, symptoms must be sufficient to cause "clinically significant distress or impairment in social, occupational, or other important areas of functioning", although DSM-IV-TR removed the distress criterion from tic disorders and several of the paraphilias due to their egosyntonic nature. Each category of disorder has a numeric code taken from the ICD coding system, used for health service (including insurance) administrative purposes.
With the advent of the DSM-5 in 2013, the APA eliminated the longstanding multiaxial system for mental disorders.[47]
Previously, the DSM-IV organized each psychiatric diagnosis into five dimensions (axes) relating to different aspects of disorder or disability:
Common Axis I disorders include depression, anxiety disorders, bipolar disorder, ADHD, autism spectrum disorders, anorexia nervosa, bulimia nervosa, and schizophrenia.
Common Axis II disorders include personality disorders: paranoid personality disorder, schizoid personality disorder, schizotypal personality disorder, borderline personality disorder, antisocial personality disorder, narcissistic personality disorder, histrionic personality disorder, avoidant personality disorder, dependent personality disorder, obsessive-compulsive personality disorder; and intellectual disabilities.
Common Axis III disorders include brain injuries and other medical/physical disorders which may aggravate existing diseases or present symptoms similar to other disorders.
The DSM-IV-TR states, because it is produced for the completion of federal legislative mandates, its use by people without clinical training can lead to inappropriate application of its contents. Appropriate use of the diagnostic criteria is said to require extensive clinical training, and its contents "cannot simply be applied in a cookbook fashion".[48] The APA notes diagnostic labels are primarily for use as a "convenient shorthand" among professionals. The DSM advises laypersons should consult the DSM only to obtain information, not to make diagnoses, and people who may have a mental disorder should be referred to psychological counseling or treatment. Further, a shared diagnosis or label may have different causes or require different treatments; for this reason the DSM contains no information regarding treatment or cause. The range of the DSM represents an extensive scope of psychiatric and psychological issues or conditions, and it is not exclusive to what may be considered "illnesses".
The DSM-IV does not specifically cite its sources, but there are four volumes of "sourcebooks" intended to be APA's documentation of the guideline development process and supporting evidence, including literature reviews, data analyses and field trials.[49][50][51][52] The Sourcebooks have been said to provide important insights into the character and quality of the decisions that led to the production of DSM-IV, and hence the scientific credibility of contemporary psychiatric classification.[53][54]
The revisions of the DSM from the 3rd Edition forward have been mainly concerned with diagnostic reliability—the degree to which different diagnosticians agree on a diagnosis. It was argued{Henrik Walter} that a science of psychiatry can only advance if diagnosis is reliable. If clinicians and researchers frequently disagree about a diagnosis with a patient, then research into the causes and effective treatments of those disorders cannot advance. Hence, diagnostic reliability was a major concern of DSM-III.[citation needed] When the diagnostic reliability problem was thought to be solved, subsequent editions of the DSM were concerned mainly with "tweaking" the diagnostic criteria.[citation needed] Unfortunately, neither the issue of reliability or validity was settled.[55][citation needed] However, most psychiatric education post DSM-III focused on issues of treatment—especially drug treatment—and less on diagnostic concerns.[citation needed] In fact, Thomas R. Insel, M.D., Director of the NIMH, stated in 2013 that the agency would no longer fund research projects that rely exclusively on DSM criteria due to its lack of validity.[56] Field trials of DSM-5 brought the debate of reliability back into the limelight as some disorders showed poor reliability. For example, major depressive disorder, a common mental illness, had a poor reliability kappa statistic of 0.28, indicating that clinicians frequently disagreed on this diagnosis in the same patients. The most reliable diagnosis was major neurocognitive disorder with a kappa of 0.78.[57]
By design, the DSM is primarily concerned with the signs and symptoms of mental disorders, rather than the underlying causes. It claims to collect them together based on statistical or clinical patterns. As such, it has been compared to a naturalist's field guide to birds, with similar advantages and disadvantages.[58] The lack of a causative or explanatory basis, however, is not specific to the DSM, but rather reflects a general lack of pathophysiological understanding of psychiatric disorders. As DSM-III chief architect Robert Spitzer and DSM-IV editor Michael First outlined in 2005, "little progress has been made toward understanding the pathophysiological processes and etiology of mental disorders. If anything, the research has shown the situation is even more complex than initially imagined, and we believe not enough is known to structure the classification of psychiatric disorders according to etiology."[59]
The DSM's focus on superficial symptoms is claimed to be largely a result of necessity (assuming such a manual is nevertheless produced), since there is no agreement on a more explanatory classification system.[citation needed] Reviewers note, however, that this approach is undermining research, including in genetics, because it results in the grouping of individuals who have very little in common except superficial criteria as per DSM or ICD diagnosis.[3]
Despite the lack of consensus on underlying causation, advocates for specific psychopathological paradigms have nonetheless faulted the current diagnostic scheme for not incorporating evidence-based models or findings from other areas of science. A recent example is evolutionary psychologists' criticism that the DSM does not differentiate between genuine cognitive malfunctions and those induced by psychological adaptations, a key distinction within evolutionary psychology but one that is widely challenged within general psychology.[60][61][62] Another example is the strong operationalist viewpoint, which contends that reliance on operational definitions, as purported by the DSM, necessitates that intuitive concepts like depression be replaced by specific measurable concepts before they are scientifically meaningful. One critic states of psychologists that "Instead of replacing 'metaphysical' terms such as 'desire' and 'purpose', they used it to legitimize them by giving them operational definitions…the initial, quite radical operationalist ideas eventually came to serve as little more than a 'reassurance fetish' (Koch 1992) for mainstream methodological practice."[63]
A 2013 review published in the European Archives of Psychiatry and Clinical Neuroscience states "that psychiatry targets the phenomena of consciousness, which, unlike somatic symptoms and signs, cannot be grasped on the analogy with material thing-like objects." As an example of the problem of the superficial characterization of psychiatric signs and symptoms, the authors gave the example of a patient saying they "feel depressed, sad, or down", showing that such a statement could indicate various underlying experiences: "not only depressed mood but also, for instance, irritation, anger, loss of meaning, varieties of fatigue, ambivalence, ruminations of different kinds, hyper-reflectivity, thought pressure, psychological anxiety, varieties of depersonalization, and even voices with negative content, and so forth." The structured interview comes with "danger of over confidence in the face value of the answers, as if a simple 'yes' or 'no' truly confirmed or denied the diagnostic criterion at issue." The authors gave an example: A patient who was being administered the Structured Clinical Interview for the DSM-IV Axis I Disorders denied thought insertion, but during a "conversational, phenomenological interview", a semi-structured interview tailored to the patient, the same patient admitted to experiencing thought insertion, along with a delusional elaboration. The authors suggested 2 reasons for this discrepancy: either the patient did not "recognize his own experience in the rather blunt, implicitly either/or formulation of the structured-interview question", or the experience did not "fully articulate itself" until the patient started talking about his experiences.[64]
Despite caveats in the introduction to the DSM, it has long been argued that its system of classification makes unjustified categorical distinctions between disorders and uses arbitrary cut-offs between normal and abnormal. A 2009 psychiatric review noted that attempts to demonstrate natural boundaries between related DSM syndromes, or between a common DSM syndrome and normality, have failed.[3] Some argue that rather than a categorical approach, a fully dimensional, spectrum or complaint-oriented approach would better reflect the evidence.[65][66][67][68]
In addition, it is argued that the current approach based on exceeding a threshold of symptoms does not adequately take into account the context in which a person is living, and to what extent there is internal disorder of an individual versus a psychological response to adverse situations.[69][70] The DSM does include a step ("Axis IV") for outlining "Psychosocial and environmental factors contributing to the disorder" once someone is diagnosed with that particular disorder.
Because an individual's degree of impairment is often not correlated with symptom counts and can stem from various individual and social factors, the DSM's standard of distress or disability can often produce false positives.[71] On the other hand, individuals who do not meet symptom counts may nevertheless experience comparable distress or disability in their life.
Some psychiatrists argue that current diagnostic standards rely on an exaggerated interpretation of neurophysiological findings and so understate the scientific importance of social-psychological variables.[72] Advocating a more culturally sensitive approach to psychology, critics such as Carl Bell and Marcello Maviglia contend that the cultural and ethnic diversity of individuals is often discounted by researchers and service providers.[73] In addition, current diagnostic guidelines have been criticized as having a fundamentally Euro-American outlook. Although these guidelines have been widely implemented, opponents argue that even when a diagnostic criterion set is accepted across different cultures, it does not necessarily indicate that the underlying constructs have any validity within those cultures; even reliable application can only demonstrate consistency, not legitimacy.[72] Cross-cultural psychiatrist Arthur Kleinman contends that the Western bias is ironically illustrated in the introduction of cultural factors to the DSM-IV: the fact that disorders or concepts from non-Western or non-mainstream cultures are described as "culture-bound", whereas standard psychiatric diagnoses are given no cultural qualification whatsoever, is to Kleinman revelatory of an underlying assumption that Western cultural phenomena are universal.[74] Kleinman's negative view toward the culture-bound syndrome is largely shared by other cross-cultural critics, common responses included both disappointment over the large number of documented non-Western mental disorders still left out, and frustration that even those included were often misinterpreted or misrepresented.[75] Many mainstream psychiatrists have also been dissatisfied with these new culture-bound diagnoses, although not for the same reasons. Robert Spitzer, a lead architect of the DSM-III, has held the opinion that the addition of cultural formulations was an attempt to placate cultural critics, and that they lack any scientific motivation or support. Spitzer also posits that the new culture-bound diagnoses are rarely used in practice, maintaining that the standard diagnoses apply regardless of the culture involved. In general, the mainstream psychiatric opinion remains that if a diagnostic category is valid, cross-cultural factors are either irrelevant or are only significant to specific symptom presentations.[72] One of the results was the development of the Azibo Nosology by Daudi Ajani Ya Azibo as an alternative to the DSM to treat African and African American patients.[76]
It has also been alleged that the way the categories of the DSM are structured, as well as the substantial expansion of the number of categories, are representative of an increasing medicalization of human nature, which may be attributed to disease mongering by psychiatrists and pharmaceutical companies, the power and influence of the latter having grown dramatically in recent decades.[77] Of the authors who selected and defined the DSM-IV psychiatric disorders, roughly half have had financial relationships with the pharmaceutical industry at one time, raising the prospect of a direct conflict of interest.[78] The same article concludes that the connections between panel members and the drug companies were particularly strong in those diagnoses where drugs are the first line of treatment, such as schizophrenia and mood disorders, where 100% of the panel members had financial ties with the pharmaceutical industry.[78] In 2005, then APA President Steven Sharfstein released a statement in which he conceded that psychiatrists had "allowed the biopsychosocial model to become the bio-bio-bio model".[79]
However, although the number of identified diagnoses has increased by more than 300% (from 106 in DSM-I to 365 in DSM-IV-TR), psychiatrists such as Zimmerman and Spitzer argue it almost entirely represents greater specification of the forms of pathology, thereby allowing better grouping of more similar patients.[3] However, William Glasser refers to the DSM as "phony diagnostic categories", arguing that "it was developed to help psychiatrists – to help them make money".[80] In addition, the publishing of the DSM, with tightly guarded copyrights, has in itself earned over $100 million for the APA.[7]
A client is a person who accesses psychiatric services and may have been given a diagnosis from the DSM, while a survivor self-identifies as a person who has endured a psychiatric intervention and the mental health system (which may have involved involuntary commitment and involuntary treatment).[citation needed] Some individuals[who?] are relieved to find that they have a recognized condition that they can apply a name to and this has led to many people self-diagnosing.[citation needed] Others, however, question the accuracy of the diagnosis, or feel they have been given a "label" that invites social stigma and discrimination (the terms "mentalism" and "sanism" have been used to describe such discriminatory treatment).[81]
Diagnoses can become internalized and affect an individual's self-identity, and some psychotherapists have found that the healing process can be inhibited and symptoms can worsen as a result.[82] Some members of the psychiatric survivors movement (more broadly the consumer/survivor/ex-patient movement)[who?] actively campaign against their diagnoses, or the assumed implications, and/or against the DSM system in general. Additionally, it has been noted that the DSM often uses definitions and terminology that are inconsistent with a recovery model, and such content can erroneously imply excess psychopathology (e.g. multiple "comorbid" diagnoses) or chronicity.[83]
Psychiatrist Allen Frances has been critical of proposed revisions to the DSM-5. In a 2012 New York Times editorial, Frances warned that if this DSM version is issued unamended by the APA, it will "medicalize normality and result in a glut of unnecessary and harmful drug prescription."[84] In a December 2, 2012 blog post in Psychology Today, Frances lists the ten "most potentially harmful changes" to DSM-5:[85]
Frances and others have published debates on what they see as the six most essential questions in psychiatric diagnosis:[86]
In 2011, psychologist Brent Robbins co-authored a national letter for the Society for Humanistic Psychology that has brought thousands into the public debate about the DSM. Approximately 14,000 individuals and mental health professionals have signed a petition in support of the letter.[citation needed] Thirteen other American Psychological Association divisions have endorsed the petition.[87] Robbins has noted that under the new guidelines, certain responses to grief could be labeled as pathological disorders, instead of being recognized as being normal human experiences.[88]
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