- 英
- glossopharyngeal neuralgia
- 同
- 舌咽チック glossopharyngeal tic、舌咽迷走神経痛
- 関
- 舌咽神経疾患、舌咽神経
- 一側舌咽神経支配領域に発作性疼痛を来す疾患
- 女性に比べて男性に多く、30-40歳代に好発する。
- 三叉神経痛の1/10~数十分の一ないし1/100の頻度とされる。
- 咳嗽、くしゃみ、嚥下、発声なとにより誘発される
- 激しい一過性の鋭い痛みが耳、舌後方、扁桃窩、顎の下方に起こる。
- 一側の耳が赤くなることがある。
- 鑑別疾患:三叉神経痛(第3枝)、扁桃炎、舌咽咽頭炎、歯疾患
- 治療:本態性の場合にはカルバマゼピン・フェニトインなどの抗痙攣薬内服、無効の場合は舌咽神経ブロック、神経血管減圧術。
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/06/24 13:02:43」(JST)
[Wiki ja表示]
|
ウィキペディアは医学的助言を提供しません。免責事項もお読みください。 |
舌咽神経痛(ぜついんしんけいつう)とは、舌から喉にかけて分布している神経が、物を噛んだり飲み込んだりした時に痛みが出てくる症状のこと。その原因は血管の圧迫による説が有力で、腫瘍が発見されることもある。多くは中年男性に多く発症する。あくまで症状であり、病名ではない。
原因
発症自体が非常に珍しいが、症状の如何を問わず、発症の原因がほとんど不明であるとされる。血管が膨張して神経を圧迫することで起こるのではないかと考えられる。具体的な例では、舌咽神経が分布している先の一つに頭蓋骨の関節の隙間があり、その隙間が普段の生活の中で起こり得る食事の噛み合わせや外傷による「ズレ」が要因となって圧迫されるということがある。
特徴
舌咽神経が司る知覚神経、運動神経の他に舌の後方の1/3の味覚を支配しているという特性上、咀嚼行為(物を噛んだり飲み込んだりすること)、生理現象(くしゃみ、せき)によって痛みが引き起こされる。口の中、喉の奥、舌の付け根などに現れる痛みは持続することもあれば、発作的に激しい痛みを伴う場合もある。また程近い耳へ痛みが散ってしまうこともある。
合併症
舌咽神経痛は、三叉神経痛(さんさしんけいつう)と合併することもある。また脈拍の低下を引き起こし、その結果、めまい、失神、ふらつきなどの自覚症状から、理解力・記憶力の低下による軽い痴呆状態までの無自覚症状を合併させることもある。
治療
とかく原因が不明な場合が多い舌咽神経痛では、メディカルチェックを受けることを最優先とし、薬物治療などの方法が選択されることもあるが、それで完治が難しいようであれば外科手術を施す必要がある。また、「ズレ」による神経痛の場合は頭がい骨を治療・調整すると痛みが引く場合がある(その後痛みが再発するようであれば他の要因による神経痛であるとされる)。
関連項目
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
- 1. 頭蓋顔面痛の概要 overview of craniofacial pain
- 2. 中間神経神経痛 nervus intermedius neuralgia
- 3. 反射性失神 reflex syncope
- 4. 成人における顎関節症 temporomandibular disorders in adults
- 5. 癌性疼痛症候群の概要 overview of cancer pain syndromes
Japanese Journal
- 疼痛管理にオピオイド鎮痛薬が有効と考えられた舌咽神経痛の1例
- 幸崎 弥之助,田北 智裕,俵 哲,大塚 忠弘,平野 照之,内野 誠
- 臨床神経学 49(6), 364-369, 2009-06-01
- NAID 10025185604
- 臨床講義 神経血管圧迫症候群--特に三叉神経痛,片側顔面痙攣,舌咽神経痛の診断と治療
- 微量滴下セットを用いた神経血管減圧術(手術手技・周術期管理)
- 五味 正憲,石川 正恒,古瀬 元雅,前川 秀継,鈴木 孝征,西田 南海子,太田 剛史,戸田 弘紀,青木 友和
- 脳神経外科ジャーナル 17(4), 335-339, 2008-04-20
- … 神経血管減圧術は三叉神経痛や顔面痙攣,舌咽神経痛に対する確立された治療方法である.当院では神経を外科的に減圧するためには,血管の移動が望ましいと考えている.われわれはこの際に,フィブリン糊を微量滴下することができる装置を新たに改良,開発した.これによって小脳橋角部という狭い部位での手技がより簡便なものになった.当院ではここ4年間で274例の神経血管減圧術を行い,その約80%(223例)でこの微量滴下装 …
- NAID 110006657330
Related Links
- この病気は典型的な症状が見られることとMRI検査所見から診断されます。MRI検査では、腫瘍(類上皮腫など)がないことを確認し、舌咽神経を圧迫している血管の有無を調べます。舌咽神経は細く、MRI検査でも描出しくにい脳神経な ...
- 舌咽神経痛とは 舌咽神経痛は、舌咽神経の刺激による知覚神経の支配が問題を起こすと 出現します。これは脳血管疾患とは区別され、舌の付け根の部分の痛みや 違和感を起こします。舌咽神経痛のはっきりとした原因は不明ですが、
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [111I024]←[国試_111]→[111I026]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099E012]←[国試_099]→[099E014]
[★]
- 英
- Obersteiner-Redlich zone
- 同
- Obersteiner-Redlich帯
[show details]
[★]
- 英
- sore throat, pharyngeal pain, pharyngodynia
- 関
- [[]]
咽頭痛を示す主な疾患 (内科診断学第2版 p.339)
[★]
- 英
- glossopharyngeal nerve disease
- 関
- 舌咽神経痛
[★]
- 同
- 舌咽神経痛
- 同
- 舌咽神経痛
[★]
- 英
- glossopharyngeal nerve (B), CN IX
- 関
- 舌、脳神経
一般感覚性
|
臓性感覚性
|
特殊感覚性
|
体性運動性
|
臓性運動性
|
鰓弓運動性
|
神経細胞(中枢神経外)
|
神経細胞(中脳)
|
神経細胞(橋)
|
神経細胞(延髄)
|
神経細胞(脊髄)
|
○-< 節後ニューロン
|
頭蓋からの出口
|
分布と機能
|
○
|
|
|
|
|
|
脳神経IXの下神経節
|
|
|
|
|
|
頚静脈孔
|
外耳からの皮膚感覚
|
|
○
|
|
|
|
|
脳神経IXの上神経節
|
|
|
|
|
|
耳下腺、頸動脈小体、頸動脈洞、咽頭、中耳からの臓性感覚
|
|
|
○
|
|
|
|
脳神経IXの下神経節
|
|
|
|
|
|
舌の後ろ1/3からの味覚
|
|
|
|
|
○
|
|
|
|
|
○
|
|
耳神経節
|
副交感神経:耳下腺
|
|
|
|
|
|
○
|
|
|
|
○
|
|
|
支配筋:茎突咽頭筋(嚥下を助ける)
|
[★]
- 英
- nerve
- ラ
- nervus
- 関
- ニューロン
解剖で分類
- 中枢神経 central nervous systen CNS
- 末梢神経 peripheral nervous system PNS
情報で分類
- 感覚神経 sensory nerve = 求心性線維 afferent nerve
- 運動神経 motor nerve = 遠心性線維 efferent nerve
機能で分類
- 体性神経 somatic nervous system SNS
- 自律神経 autonomic nervous system ANS
[★]
- algia
- 英
- neuralgia, nerve pain
[★]
- 英
- pain
- 関
- 痛み、疼痛