神経性過食症 bulimia nervosa : 約 26,400 件 神経性大食症 bulimia nervosa : 約 3,690 件 神経性過食症 : 約 510,000 件 神経性大食症 : 約 49,300 件 過食症 : 約 1,550,000 件 大食症 : 約 40,000 件
神経性食思不振症 (AN) |
神経性過食症 (BN) | ||
精神症状 | やせ願望 | 必発(強い) | 必発(必ずしも強くない) |
肥満恐怖 | 必発 | 必発 | |
身体像の障害 | 伴う | 伴う | |
病識 | 乏しい | 病感を有する | |
その他の精神症状 | 抑うつ、不安、強迫症状、失感情症など | 抑うつ、不安、強迫症状、失感情症など | |
身体症状 | 体重減少 | 低体重 | 標準体重~肥満 |
月経異常 | 無月経 | 一部は無月経 | |
その他の身体症状 | 徐脈、低体温、低血圧、浮腫、産毛の密生など | 浮腫、過食後の微熱など | |
行動異常 | 摂食行動 | 拒食、不食、摂食制限、隠れ食い、盗み食い、過食 | 過食、だらだら食い、絶食、摂食制限、隠れ食い、盗み食い |
排出行動 | 嘔吐、下剤の乱用、利尿剤の乱用 | 嘔吐、下剤の乱用利尿剤の乱用 | |
活動性 | 過活動 | 低下 | |
問題行動 | 自傷行為、自殺企図、万引き、薬物乱用など | 自傷行為、自殺企図、万引き、薬物乱用など |
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/03/02 00:58:15」(JST)
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神経性大食症(しんけいせいたいしょくしょう、Bulimia nervosa、BN)とは一気にものを食べる摂食障害のうち、それに対する代償行為を行うもののことを言う。過食症(かしょくしょう)とも言われる。この場合激しく飲食した後に、嘔吐、下剤・利尿剤・薬物・過度の運動・絶食による代償行為を行う。代償行為を行わないものはむちゃ食い障害と言う。最悪の場合自己嫌悪から自殺を図る事もあり、その確率は拒食症のそれよりも高い。ジェラルド・ラッセル教授によって1979年に提唱され、1980年の米国精神医学会によって摂食障害として承認された。中枢性摂食異常症(摂食障害)として厚生労働省の特定疾患に指定されている。
目次
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名称が持つイメージとは違い、神経性大食症の人は代償行為を行う為、必ずしも肥満しているわけではなく標準体重の人も多い。大半は嘔吐や後の絶食・ダイエットなどで体重を保っている。(過食の後に下剤を服用するBNも多いが、下剤や浣腸では食物の吸収を防ぐことはできない。)過食症という名称から誤解されることも多いが、この症状の根底には無理なダイエットに関する考え方があり、やせ願望や太ることへの恐怖などの拒食症状を伴うことが多く、本質的には拒食症と共通の病態と考えられている。種類としては排出型と非排出型がある。排出型によく見られる自己誘発性嘔吐といった症状は拒食症患者の中にも見られるものである。非排出型の場合、その後で絶食や過度の運動を行う。
患者の年齢の分布と性別は神経性無食欲症に似ているが、発症年齢はやや高い傾向にある。過食の原因は精神的原因(例えば欲求不満の代償など)が挙げられる。食に対する抗しがたい渇望があるが、同時に肥満への恐れや強いやせ願望を抱いている[1]。過食に対する情動は、肥満恐怖などから起こる不食の決意を簡単に覆すほど抑えがたいものであり、食べてしまった自身に対し、自責感、敗北感などを持つことにより、自己評価が著しく低下する。拒食症と違い、苦痛を感じている過食症患者は、自ら医療機関を受診することもあり、治療には介入しやすく同意が得られやすい。しかし自身の食行動異常に対しては、罪悪感や不全感を抱いているため、その部分を刺激すると治療拒否につながりやすく慎重を要する[2]。
神経性大食症の患者は、抑うつ症状や、気分変調性障害、大うつ病性障害、不安障害などの気分障害がみられる頻度が高く、神経性大食症の有効な治療後には寛解することがある[3]。
嘔吐に伴う症状としては、むくみ、脱水、唾液腺の腫れ、テタニー(痺れ)、胼胝(吐きタコ)、口膣や食道・胃の損傷、電解質異常(低カリウム血症など)による腎機能・心機能低下(不整脈、心臓発作による突然死等)、歯牙酸蝕症(歯が溶ける)、う蝕(虫歯)、低血糖、低血圧、全身倦怠感など。
その他、肝機能障害、月経異常、皮膚の乾燥などがある。
DSM-IVの診断基準は主に5つである。
病型分類は、主に2種類である。
「摂食障害」も参照
精神療法としては、認知行動療法、家族あるいは夫婦療法、集団精神療法、対人関係療法などがある。栄養リハビリテーションも必要である。規則正しい食事、食べられる食物の種類を増やす(食事制限を最小限にする)、慢性的な低栄養状態を改善する、負担にならない程度の適度な運動など。薬物療法は主に精神療法が有効でない患者に用いる。SSRIは安全性が高く、随伴する抑うつ、強迫・不安感、衝動性などに有効とされる。その場合うつ病治療より高容量になる場合がある(フルオキセチン60~80mgなど)。米国精神医学会では三環系抗うつ薬は自殺の危険がある過食症患者には推奨していない。嘔吐のある患者は服薬が困難な場合があり、定期的な血中濃度の測定は有用であるとされる[4]。
外来治療に反応しない患者、重篤な身体問題を有する患者(代謝異常、吐血、コントロールできない嘔吐など)、自殺の可能性のある患者、アルコールや薬物の依存のある患者は入院の対象になる[4]。
日本における青年期から若年成人期の女性の過食症の有病率は1~3%、一生のうちに一度でも過食症の診断基準を満たす人は全女性の約12%とされている。米国では若い女性の2%前後が過食症と推測されている[5]。1980年代半ばには、拒食症と過食症の割合は拮抗していたが、近年では圧倒的に過食症の割合が増加(拒食症の約2倍)した。また、患者数は最近の20年間で約10倍に増加したともいわれる。
患者の第一度親族(特に母親)に、神経性大食症、抑うつなどの気分障害、物質乱用やアルコール依存の頻度が高い傾向にあるという研究結果がある。
中学生時代(思春期)には自分の気持ちを親や先生などの大人には黙っていて友達にだけ打ち明けたいものであるが、BN患者の場合は過干渉などにより「打ち明けたい気持ち」すらも否定されてしまったのではないかという仮説もある。
過食症を題材にした日本の文学作品は松本侑子の「巨食症の明けない夜明け」がある。
モデル、バレリーナ、フィギュアスケート、柔道、ボクシング、騎手などのスポーツ選手など、体重管理を伴う職業では高頻度で過食・嘔吐症が見られる。
これらの職種でもダイエットはきっかけに過ぎず、発症の根本原因は背景にある心的葛藤である。
その他女優などのハリウッドスターはマスコミに過食症を告白している人物が多く存在する。
一般に「過食症」と称していても、実際には拒食症(神経性無食欲症)のむちゃ食い・排出型や、むちゃ食い障害の場合もある(詳しくは摂食障害を参照。)
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リンク元 | 「摂食障害」「食思不振症」「BN」 |
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F50.0 | anorexia nervosa | |
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F50.3 | atypical bulimia nervosa | |
F50.4 | overeating associated with other psychological disturbances | |
F50.5 | vomiting associated with other psychological disturbances | |
F50.8 | other eating disorders | |
F50.9 | eating disorder, unspecified |
http://priory.com/psych/ICD.htm http://www.swedauk.org/disorders/definitions.htm
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