フェノバルビタール
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Japanese Journal
- 経口投与ができない状態のてんかん患児に対するワコビタ-ル坐剤の使用経験
- フェノバルビタ-ルナトリウム(ワコビタ-ル)坐剤の臨床的応用とその治療効果に関する検討
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ワコビタール坐剤15
組成
- 1個中フェノバルビタールナトリウム15mgを含有する。
- 添加物 (基剤) としてハードファットを含有する。
禁忌
- 本剤の成分又はバルビツール酸系化合物に対して過敏症の患者
- 急性間欠性ポルフィリン症の患者[ポルフィリン合成が増加し、症状が悪化するおそれがある。]
- ボリコナゾール、タダラフィル (商品名: アドシルカ) を投与中の患者 (「相互作用」の項参照)
- 妊婦 (「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
- 小児に対して経口投与が困難な場合の次の目的に用いる。
1) 催眠
2) 不安・緊張状態の鎮静
3) 熱性けいれん及びてんかんのけいれん発作の改善
- フェノバルビタールナトリウムとして、通常小児では1日4〜7mg/kgを標準として直腸内に挿入する。
なお、症状、目的に応じ適宜増減する。
慎重投与
- 新生児・低出生体重児[生後5日までの新生児では、直腸よりの吸収が極めて微量のことがある。しかし、吸収されたときは半減期が極めて長い。]
- 高齢者、虚弱者、呼吸機能の低下している患者[呼吸抑制を起こすことがある。]
- 頭部外傷後遺症又は進行した動脈硬化症の患者[本剤の作用が強くあらわれることがある。]
- 心障害のある患者[血圧低下や心拍数減少を起こすおそれがある。]
- 肝障害、腎障害のある患者[これらの症状の悪化、また血中濃度上昇のおそれがある。]
- 薬物過敏症の患者
- アルコール中毒のある患者[中枢抑制作用が増強される。]
- 薬物依存の傾向又は既往歴のある患者[精神依存及び身体依存を示すことがある。]
- 重篤な神経症の患者[依存を示すおそれがある。]
- 甲状腺機能低下症の患者[甲状腺機能の異常をきたすおそれがある。]1)
重大な副作用
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)2)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)
(頻度不明)
- 観察を十分に行い、発熱、紅斑、水疱・びらん、そう痒感、咽頭痛、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
過敏症症候群
(頻度不明)
- 初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害等の臓器障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
依存性
(頻度不明)
- 連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量を超えないよう慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、不安、不眠、けいれん、悪心、幻覚、妄想、興奮、錯乱又は抑うつ状態等の禁断症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
顆粒球減少、血小板減少
(頻度不明)
- 観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害
(頻度不明)
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
呼吸抑制
(頻度不明)
- 観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
薬理作用
鎮静・催眠作用
- ワコビタール坐剤をマウスに投与した実験で自発運動量減少作用、筋の懸垂力低下作用、正向反射抑制作用等の中枢抑制作用を示す。
抗けいれん作用
- ワコビタール坐剤をマウスに投与した実験で、Bemegrideけいれんに対し抑制作用を示す。
作用機序15)
- ワコビタール坐剤は中枢神経系に対し抑制作用をあらわす。特に大脳皮質の介在ニューロンおよび脳幹網様体賦活系を抑制して鎮静作用を示し、さらに強く抑制されると自然睡眠に類似した催眠作用を示す。また、大脳皮質運動領を特異的に抑制して強い抗けいれん作用を示し、特に大発作や皮質焦点性てんかん発作を抑える。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
- フェノバルビタールナトリウム
(Phenobarbital sodium)
化学名:
- Sodium 5-ethyl-5-phenyl-2, 4, 6 (1H, 3H, 5H)-pyrimidinetrione
分子式:
分子量:
性状:
- 白色の結晶または結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。
水にきわめて溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルまたはクロロホルムにほとんど溶けない。
水溶液(1→10)のpHは9.0〜11.0である。
吸湿性で、湿った空気中に放置するとき、徐々に分解する。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- phenobarbital PB
- 同
- フェノバルビトン phenobarbitone、フェニルバルビトン phenyl barbitone、エチルフェニルバルビツール酸 ethylphenylbarbituric acid、ルミナール luminal
- ラ
- phenobarbitalum
- 化
- フェノバルビタールナトリウム
- 商
- ルミナール Luminal、ノーベルバール、フェノバール、ルピアール、ワコビタール。アストモリジン(プロキシフィリン、エフェドリン、フェノバルビタール)。複合アレビアチン、ヒダントール(フェニトイン、フェノバルビタール)。ベゲタミン(クロルプロマジン、プロメタジン、フェノバルビタール)。トランコロン(フェノバルビタール、メペンゾラート)
- 関
- 抗てんかん薬、バルビタール
作用機序
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1139400F1023_1_03/1139400F1023_1_03?view=body