- 30歳の男性。頭痛とふらつきとを主訴に来院した。2年前から頭痛、易疲労感、物忘れ、ロ渇および見えにくさが自覚され、徐々に悪化してきた。身長158cm、体重56kg。脈拍64/分、整。血圧136/76mmHg。両耳側半盲、うっ血乳頭および記銘力障害を認める。尿所見:比重1.001、蛋白(-)、糖(-)。尿中17-KS 0.5mg/日(基準3~11)。尿中17-OHCS 1.5mg/日(基準3~8)。最も考えられるのはどれか。
[正答]
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[★]
- 18歳の男子。両下腿部が細くなったことを主訴に来院した。12歳ころからつまずきやすかった。四肢遠位部に筋萎縮、前脛骨筋に高度の筋力低下、下腿三頭筋と手指筋とに軽度の筋力低下がある。足部に軽度の感覚障害を認める。正中神経の運動神経伝導速度は35m秒(基準50~60)。なお、父親にも同様の症状を認める。適切な対応はどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097A044]←[国試_097]→[097A046]
[★]
- 18歳の男子。サッカーの部活中に陰部を蹴られ、右精巣に腫脹と疼痛とが生じたため救急受診した。顔面はやや蒼白で、腰を曲げて下腹部を押さえている。右陰嚢部は手拳大に腫脹し、皮膚は青黒く緊満し、触診で強度の疼痛を訴える。血液所見:赤血球410万、Hb13.5g/dl、白血球8,100、血小板19万。尿所見と血清生化学所見とに異常はない。左右の陰嚢部超音波写真を以下に示す。
- 適切な治療はどれか。
- a. 陰嚢温罨法
- b. 陰嚢穿刺
- c. 陰嚢切開ドレナージ
- d. 右精巣固定
- e. 右精巣摘除
[正答]
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[★]
- 英
- craniopharyngioma
- 関
- 脳腫瘍、下垂体、ラトケ嚢
特徴
- ラトケ嚢に遺残した口腔粘膜上皮(扁平上皮細胞巣)より発生する。
疫学
- 全脳腫瘍の3-4%(2.9%(YN))。
- 全年齢に発生しうるが、小児期にやや多く(30%)、5-9歳にその40%が発生する。成人に喪見られる。
- 男性にやや多い(1.2倍)。
部位
- 鞍上部腫瘍では第2位。(小児では1位)。トルコ鞍上腫瘍の20%を占める。
- 下垂体茎のトルコ鞍内から視床下部(第三脳室前壁)の範囲に発育する。
病理
- 結節状の境界明瞭な腫瘍で、ほとんどが嚢胞を有する。
- 多くは単胞性・多胞性の嚢胞を形成
- コレステリン結晶を含む黄褐色の嚢胞液を含む
- 小児において石灰沈着が高頻度にみられる。
組織型
- エナメル上皮腫型:小児に多い
- 扁平上皮型:成人に多い。嚢胞成分が少ない。
症状
- 頭蓋内圧亢進(水頭症)、視野異常、成長障害が三徴
- 1. 眼症状(視野異常(70-80)。視神経圧迫による)
- 2. 下垂体機能低下症状(下垂体・視床下部圧迫):尿崩症(24%)。小児:低身長(30-40%)、成人:性機能不全・無月経(80%)
- 3. 頭蓋内圧亢進症状
治療
- 全摘により治癒
- 手術療法
- 手術療法(不完全摘出例) + 放射線療法
- 放射線療法(局所照射:50-60Gy)
国試