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この項目では、植物・果実のモモ(桃)について記述しています。「モモ」「桃」のその他の用法については「モモ (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
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モモ | ||||||||||||||||||||||||
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モモ
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Amygdalus persica L.[1][2] |
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シノニム | ||||||||||||||||||||||||
Prunus persica (L.) Batsch[3] |
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和名 | ||||||||||||||||||||||||
モモ | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Peach |
100 g (3.5 oz)あたりの栄養価 | |
エネルギー | 165 kJ (39 kcal) |
炭水化物 | 9.54 g |
- 糖分 | 8.39 g |
- 食物繊維 | 1.5 g |
脂肪 | 0.25 g |
- 飽和脂肪酸 | 0.019 g |
- 一価不飽和脂肪酸 | 0.067 g |
- 多価不飽和脂肪酸 | 0.086 g |
タンパク質 | 0.91 g |
- トリプトファン | 0.01 g |
- トレオニン | 0.016 g |
- イソロイシン | 0.017 g |
- ロイシン | 0.027 g |
- リシン | 0.03 g |
- メチオニン | 0.01 g |
- シスチン | 0.012 g |
- フェニルアラニン | 0.019 g |
- チロシン | 0.014 g |
- バリン | 0.022 g |
- アルギニン | 0.018 g |
- ヒスチジン | 0.013 g |
- アラニン | 0.028 g |
- アスパラギン酸 | 0.418 g |
- グルタミン酸 | 0.056 g |
- グリシン | 0.021 g |
- プロリン | 0.018 g |
- セリン | 0.032 g |
水分 | 88.87 g |
ビタミンA相当量 | 16 μg (2%) |
- βカロテン | 162 μg (2%) |
- ルテインおよびゼアキサンチン | 91 μg |
ビタミンB1 | 0.024 mg (2%) |
ビタミンB2 | 0.031 mg (2%) |
ビタミンB3 | 0.806 mg (5%) |
パントテン酸(ビタミンB5) | 0.153 mg (3%) |
ビタミンB6 | 0.025 mg (2%) |
葉酸(ビタミンB9) | 4 μg (1%) |
コリン | 6.1 mg (1%) |
ビタミンB12 | 0 μg (0%) |
ビタミンC | 6.6 mg (8%) |
ビタミンD | 0 IU (0%) |
ビタミンE | 0.73 mg (5%) |
ビタミンK | 2.6 μg (2%) |
カルシウム | 6 mg (1%) |
鉄分 | 0.25 mg (2%) |
マグネシウム | 9 mg (2%) |
マンガン | 0.061 mg (3%) |
セレン | 0.1 μg (0%) |
リン | 20 mg (3%) |
カリウム | 190 mg (4%) |
塩分 | 0 mg (0%) |
亜鉛 | 0.17 mg (2%) |
%はアメリカにおける成人向けの 栄養摂取目標 (RDI) の割合。 |
モモ(桃、学名は Amygdalus persica L.で[1][2]、Prunus persica (L.) Batsch はシノニムとなっている[3]。)はバラ科モモ属の落葉小高木。また、その果実のこと。春には五弁または多重弁の花を咲かせ、夏には水分が多く甘い球形の果実を実らせる。中国原産。食用・観賞用として世界各地で栽培されている。未成熟な果実や種子にはアミグダリンという青酸配糖体が含まれる。
3月下旬から4月上旬頃に薄桃色の花をつける。「桃の花」は春の季語。桃が咲き始める時期は七十二候において、中国では桃始華、日本は桃始笑と呼ばれ、それぞれ啓蟄(驚蟄)の初候、次候にあたる。
淡い紅色であるものが多いが、白色から濃紅色まで様々な色のものがある。五弁または多重弁で、多くの雄しべを持つ。花柄は非常に短く、枝に直接着生しているように見える。観賞用の品種(花桃)は源平桃(げんぺいもも)・枝垂れ桃(しだれもも)など。庭木として、あるいは華道で切り花として用いられる。
葉は花よりやや遅れて茂る。幅5cm、長さ15cm程度の細長い形で互生し、縁は粗い鋸歯状。湯に入れた桃葉湯は、あせもなど皮膚の炎症に効くとされる。ただし、乾燥していない葉は青酸化合物を含むので換気に十分注意しなければならない。
7月 - 8月に実る。「桃の実」は秋の季語。球形で縦に割れているのが特徴的。果実は赤みがかった白色の薄い皮に包まれている。果肉は水分を多く含んで柔らかい。水分や糖分、カリウムなどを多く含んでいる。栽培中、病害虫に侵されやすい果物であるため、袋をかけて保護しなければならない手間の掛かる作物である。また、痛みやすく収穫後すぐに軟らかくなるため、賞味期間も短い。生食する他、ジュース(ネクター)や、シロップ漬けにした缶詰も良く見られる。食用の品種(実桃)の分類を以下に示す。
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種子の内核は「桃核(とうかく)」あるいは「桃仁(とうにん)」と呼ばれる。
漢方においては血行を改善する薬として婦人病などに用いられる。また、つぼみは「白桃花(はくとうか)」と呼ばれ、利尿薬、便秘薬に使われる。
割れにくく丈夫であるため、箸などに利用される。
樹皮の煎汁は染料として用いられる。
原産地は中国西北部の黄河上流の高山地帯。欧州へは1世紀頃にシルクロードを通り、ペルシア経由で伝わった。英名ピーチ(Peach)は“ペルシア”が語源で、ラテン語のpersicum malum(ペルシアの林檎)から来ている。種小名persica(ペルシアの)も同様の理由による。
日本列島では桃の存在を示す桃核の出土事例が縄文時代後期からあり、弥生時代後期には大陸から栽培種が伝来し桃核が大型化し、各時代を通じて出土事例がある。桃は食用のほか祭祀用途にも用いられ、斎串など祭祀遺物と伴出することもある。平安時代 - 鎌倉時代には珍重されていたが、当時の品種はそれほど甘くなく主に薬用・観賞用として用いられていたとする説もある。江戸時代にさらに広まり、全国で用いられた。明治時代には、甘味の強い水蜜桃系(品種名:上海水蜜桃など)が輸入され、食用として広まった。現在日本で食用に栽培されている品種は、この水蜜桃系を品種改良したものがほとんどである。
春先の温度が低い時期に雨が良く降ると縮葉病に掛かりやすく、実桃の栽培には病害虫の防除が必要である。また果実の収穫前には袋掛けを行わないと蟻やアケビコノハ等の虫や鳥の食害に合うなど(商品価値の高い果実を栽培しようとするならば)手間暇が掛かり難易度が高い果樹である。
なお、“もも”の語源には諸説あり、「真実(まみ)」より転じたとする説、実の色から「燃実(もえみ)」より転じたとする説、多くの実をつけることから「百(もも)」とする説などがある。
日本国内では福島県、山梨県、長野県、岡山県など降水量の少ない盆地で栽培される。日本最北端の生産地は北海道札幌市であり、出荷数は極僅かだが南区の農園で栽培される。他は、和歌山県も栽培されている。外国の主な生産国は、中国、アメリカ、イタリアなど。
都道府県別収穫量
全国収穫量 139,800t[6]
市町村別収穫量
中国において桃は仙木・仙果(神仙に力を与える樹木・果実の意)と呼ばれ、昔から邪気を祓い不老長寿を与える植物として親しまれている。桃で作られた弓矢を射ることは悪鬼除けの、桃の枝を畑に挿すことは虫除けのまじないとなる。桃の実は長寿を示す吉祥図案であり、祝い事の際には桃の実をかたどった練り餡入りの饅頭菓子・壽桃(ショウタオ、shòutáo)を食べる習慣がある。壽桃は日本でも桃饅頭(ももまんじゅう)の名で知られており、中華料理店で食べることができる。
日本においても中国と同様、古くから桃には邪気を祓う力があると考えられている。『古事記』では、伊弉諸尊(いざなぎのみこと)が桃を投げつけることによって鬼女、黄泉醜女(よもつしこめ)を退散させた。伊弉諸尊はその功を称え、桃に大神実命(おおかむづみのみこと)の名を与えたという。また、『桃太郎』は桃から生まれた男児が長じて鬼を退治する民話である。3月3日の桃の節句は、桃の加護によって女児の健やかな成長を祈る行事である。
英語圏においては、傷みやすいが美しく美味しい果物から古い俗語で「若く魅力的な娘」を表し、そこから「ふしだら女」「(複数形で)乳房」などの意味にも転じている。
地方によっては甘い果実の総称として“もも”の語を用いることもあり、別種でありながら名前に“モモ”と付けられている植物も多い。
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テンプレート:生物分類表 クモノスカビは、菌界・接合菌門・接合菌綱・ケカビ目・ケカビ科(あるいはユミケカビ科)に属するカビ(Rhizopus)の和名である。基質表面をはう菌糸の様子がクモの巣を思わせることから、その名がある。
クモノスカビは、湿った有機物表面に出現する、ごく普通のカビである。空中雑菌として出現することも多い。
体制はケカビに似ている。菌糸体は多核体の菌糸からなり、基質中に菌糸をのばすが、基質表面から気中へと匍匐菌糸をのばすのが特徴である。匍匐菌糸は基質の上をはい、基質につくとそこから菌糸をのばす。そのため、ケカビに比べると、コロニーの成長が早く、あっというまに広がる。基質の表面に広がる気中菌糸は、その表面に水滴がつき、きらきらと輝き、クモの網のように見える。
無性生殖は、胞子のう胞子による。胞子嚢柄は匍匐菌糸が基質に付着したところから出て、その下には仮根状菌糸が伸びる。胞子のう柄はほとんど分枝せず、先端に大きな胞子のうを1つつける。胞子のうは、ケカビのものによく似ているが、胞子のう柄の先端がすこし広がって胞子のうに続き、胞子のう内部の柱軸になめらかに続いている(ケカビでは、胞子のう柄は胞子のうのところでくびれる)。このような胞子のう直下のふくらみをアポフィシスと呼び、ケカビ目の属の分類では重要な特徴とされる。ただし、ユミケカビ(Absidia)ほど明瞭ではないので、見分けにくい場合もある。
胞子は、胞子嚢の壁が溶けることで放出される。はじめは壁がとろけてできた液粒の中に胞子が入った状態だが、すぐに乾燥し、柱軸も乾いて傘状に反り返り、その表面に胞子が乗った状態になる。クモノスカビの胞子はケカビなどにくらべて乾燥に強そうな、丈夫な表面を持ち、条模様が見られるのが普通である。
有性生殖は、ケカビと同じように、配偶子のう接合によって接合胞子のうを形成する。一部の種をのぞいては自家不和合性なので、接合胞子のうを見掛けることは少ない。接合胞子のう柄はH字型で、丸くふくらむ。接合胞子のうは黒褐色に着色し、その表面は凹凸がある。
クモノスカビは、基本的には腐生であるが、弱い寄生菌として、植物の病原体になる場合がある。食物の上に出現することも多い。モモなどの柔らかい果実について、その腐敗を早めることもある。
極めて成長が早いので、微生物の培養時にコンタミとしてこれが侵入すると、一夜にして全てを覆いつくす。胞子もよく飛ぶのでいやがられる。
他方、コウジカビを使う日本以外のアジア全域において、紹興酒などの酒の醸造で麹に用いられたり、インドネシアでは茹でた大豆に生やしてテンペ(Tempeh)という食品にする例がある。
100を越える種が記載されている。形態が単純で分類が難しい類でもある。実際の種数は十数種といわれる。
-クモノスカビ属
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