出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/02/13 23:32:23」(JST)
「アジア」のその他の用法については「アジア (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
面積 | 44,579,000 km2 |
---|---|
人口 | 3,879,000,000 (1位)[1] |
人口密度 | 89/km2 |
住民の呼称 | アジア人 |
国数 | 48 |
保護領 |
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その他地域 |
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標準時 | UTC+2 - UTC+12 |
使用TLD | .asia |
最大都市 | 東京 |
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アジア(亜細亜、Asia[† 1])は、アッシリア語で東を意味する「アス」に語源をもつ。
古代では、現在の小アジアを指したが、現在では一般的にヨーロッパを除くユーラシア大陸全般を指す一方で、政治的・経済的な立場の違いにより、異なった様々な定義がなされる場合がある。略称は亜である。
現在ではユーラシア大陸のヨーロッパ以外の地域、つまり、アジア大陸(島嶼・海域を含む)であり、六大州の一つ。ユーラシア大陸の面積の約80%をアジアが占め、人口は世界最多で世界人口の約60%がアジアに住んでいる。最大都市は東京である。
アジアとヨーロッパの境界は、地理上の境界とヨーロッパ中心主義的な観点から見た人為的な境界が入り交じっている。地理上の境界は、ウラル山脈-ウラル川-カスピ海-コーカサス山脈-黒海-ボスポラス海峡-マルマラ海-ダーダネルス海峡とすることが多い。なお、アフリカとはスエズ地峡を、オセアニアとはニューギニア島西方の海峡を挟んでいるため、この両地域とは地理的境界と人為的境界が一致している。
アジアは六大州で最も大きな州であり、地理的にも多様で変化に富む。アジアの大半はアジア大陸に属するが、大陸内でも気候や地形に様々な差がある。また、特に大陸東側には環太平洋造山帯の活動によってできた無数の島々が点在しており、日本やフィリピン、インドネシアといった島国に多数の人口を抱える国家が存在する。アジアの東部から南部にかけては降雨が多く肥沃な土壌に恵まれることから人口が古代より非常に多く、現代においても世界最大の人口密集地域となっている。
人種に関して多くはモンゴロイドであるが一部地域ではヨーロッパと隣接しているためその地域ではコーカソイドの特徴がある場合がある。
紀元前8世紀から紀元前7世紀にかけての頃、古代メソポタミアのアッシリア人がエーゲ海の東を「アス」 asu (「東」「日の出」の意)、西を「エレブ」 ereb (「西」「日没」の意)と呼称したことにはじまるといわれ、のちに「アス」にラテン語の接尾辞「イア」 ia がついて Asia の語が生まれたといわれる[2]。
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「アジア」という言葉は、元々は古代ギリシア、あるいはギリシアから文化的影響を受けた古代ローマから見て、東方を指す言葉であった。ギリシア人やローマ人の地理的な知見は地中海沿岸地域に限られており、地中海の北岸地域がヨーロッパ、南岸地域がアフリカ、地中海の一部であるエーゲ海で隔てられた地中海東岸地域がアジアとされたのである。
その後、ヨーロッパ人の地理的な知見が広まるにつれて、ヨーロッパ、アジア、アフリカとされた地域の範囲が、拡大していった。アフリカについては、スエズ地峡という明確な地理的な境界が存在したため、スエズ地峡以南がアフリカ大陸という明確な地理的定義が確立した。その一方で、かつてエーゲ海が境界とされたアジアとヨーロッパについては、現在でいう東欧の地域が知られた事により、明確な境界線が存在しなくなった。そのため地理的には、ユーラシア大陸として、アジアとヨーロッパは一体として扱われた。
それでもアジアとヨーロッパを別地域として扱う習慣は残ったが、地政学的・人種的に厳密に分けられた呼称としては確立しておらず、使う立場によってその範囲はしばしば異なっている。例えば、国際機関においても、IOC と FIFA ではアジアの範囲が異なっているように、厳密な定義として確立していない。
ヨーロッパ諸国ではトルコ以東(中東)を指すことが多い。ただしロシアのアジア地域(シベリア)はしばしば除外される。
アラブ諸国では「アラブ」が自称であり、アジアといえば東南アジア及び東アジアを指すことが多い(トルコ人・アラブ人・インド人(アーリア系)は、人種的にはコーカソイド《白人》を含んでいる)。
日本では逆に、しばしば中近東ならびに中央アジアや南アジアを含めず、極端な場合には東南アジアも除いた東アジアのみをさすことがある。
アジアの定義は、その言葉の成り立ちも原因となり、世界的に確立されているとはいえないが、そのなかで従来は人種的・民族的な観点を重視する立場から、アジアを近東・中東・南アジア・東南アジア・東アジアのように、より細分化する立場が強調されてきた。しかし、最近では経済的メリットおよび政治的安定性を重視する観点からアジアをより広く定義し(経済的には自由貿易の範囲が拡大し且つ人口が多い方がメリットがあり、政治的には「同じアジア人」というような連帯意識・仲間意識が有る方がその地域の政治が安定する)、中近東・インド亜大陸の諸国は当然のこととして、オセアニア諸国・ポリネシア諸国も含めアジアと定義する場合までもが出てきた。
このようにアジアの定義が多岐に分かれているのは、アジアという言葉が同一の文化・文明あるいは人種・民族を基盤として定義された概念ではなく、そもそもの由来がヨーロッパ以外の東方地域全部という意味であったため、結果的に異なる文明が分立する地域を一つの言葉で定義してしまった事に由来すると考えられる。サミュエル・P・ハンティントンの著書『文明の衝突』によれば、アジアには日本文明・中華文明・ヒンドゥー文明・イスラム文明が存在するとされている。
一般的に、アジアの域内は東アジア(極東)、東南アジア、南アジア、中央アジア(トルキスタン)、西アジア(中東・近東)に分けられる。ただし最近では、経済交流・国際関係・研究機関名などで東北アジア(北東アジアともいい、下記の東アジアと北アジアを併せた領域に相当する)の語が使われることが増えてきている。また、これ以外にも北アジア、北西アジア、西南アジア(南西アジアともいう)などの語も使われる。
以下は国際連合による区分[3]である。これ以外にも区分方法は存在するが、便宜上これを用いる。ただし、非加盟国については周辺の国と同じ区分としている。
極東とも呼ばれる。地理範囲は日本列島、中国大陸、朝鮮半島、モンゴル高原、台湾島などである。
国際連合非加盟
地理範囲はインドシナ半島、マレー半島、フィリピン諸島などである。東ティモールを除く10か国は東南アジア諸国連合を構成している。
地理範囲はロシアのアジア地域である。
国際連合による区分で北アジアに属する地域
地理的区分ではさらに以下の国と地域も北アジアに属する。
地理範囲はインド大陸、セイロン島、モルディブ諸島、アンダマン諸島、ニコバル諸島などである。イランを除く8か国は南アジア地域協力連合を構成している。
地理的区分ではさらに以下の地域も南アジアに属する。
南アジアに含まれる場合がある地域
地理範囲はトルキスタンである。
地理的区分ではさらに以下の地域も中央アジアに属する。
西アジアという地域範囲は、日本では北アフリカも含めて中東と称されることが多い。地理範囲はアラビア半島、アナトリア(小アジア)、キプロス島の範囲及びイラン高原-ヒンドゥークシュ山脈にかけてのアジア大陸。ただし、場合によってはコーカサス山脈以南の旧ソ連邦の国々(カフカス諸国)を含むなどの定義もある。
地理的区分ではさらに以下の国と地域も西アジアに属する。
•アラビア半島地域
•中央アジア地域
•コーカサス山脈以南の旧ソ連邦の国々(カフカス諸国)ではヨーロッパに区分される場合も多い。
国旗 | 国章 | 国名 | 人口 |
面積 (km²) |
首都 |
---|---|---|---|---|---|
アフガニスタン | 30,419,928 | 647,500 | カブール | ||
アルメニア | 2,970,495 | 29,743 | エレバン | ||
アゼルバイジャン | 9,493,600 | 86,600 | バクー | ||
バーレーン | 1,248,348 | 760 | マナーマ | ||
バングラデシュ | 150,039,000 | 147,570 | ダッカ | ||
ブータン | 716,896 | 38,394 | ティンプー | ||
ブルネイ | 408,786 | 5,765 | バンダル・スリ・ブガワン | ||
ミャンマー | 54,584,650 | 676,578 | ネピドー | ||
カンボジア | 14,952,665 | 181,035 | プノンペン | ||
中華人民共和国 | 1,343,239,923 | 9,596,961 | 北京 | ||
キプロス | 1,099,341 | 9,251 | ニコシア | ||
東ティモール | 1,143,667 | 14,874 | ディリ | ||
グルジア | 4,570,934 | 69,700 | トビリシ | ||
インド | 1,210,193,422 | 3,287,263 | デリー | ||
インドネシア | 248,645,008 | 1,904,569 | ジャカルタ | ||
イラン | 78,868,711 | 1,648,195 | テヘラン | ||
イラク | 31,129,225 | 438,317 | バグダッド | ||
イスラエル | 7,590,758 | 20,770 | エルサレム | ||
日本 | 127,368,088 | 377,915 | 東京 | ||
ヨルダン | 6,508,887 | 89,342 | アンマン | ||
カザフスタン | 17,522,010 | 2,724,900 | アスタナ | ||
クウェート | 2,646,314 | 17,818 | クウェート市 | ||
キルギスタン | 5,496,737 | 199,951 | ビシュケク | ||
ラオス | 6,586,266 | 236,800 | ビエンチャン | ||
レバノン | 4,140,289 | 10,400 | ベイルート | ||
マレーシア | 29,179,952 | 329,847 | クアラルンプール | ||
モルディブ | 394,451 | 298 | マレ | ||
モンゴル | 3,179,997 | 1,564,116 | ウランバートル | ||
ネパール | 29,890,686 | 147,181 | カトマンズ | ||
北朝鮮 | 24,589,122 | 120,538 | ピョンヤン | ||
オマーン | 3,090,150 | 309,500 | マスカット | ||
パキスタン | 190,291,129 | 796,095 | イスラマバード | ||
パレスチナ | 4,279,699 | 6,220 | ガザ/ラマッラー | ||
フィリピン | 100,940,000 | 300,000 | マニラ | ||
カタール | 1,951,591 | 11,586 | ドーハ | ||
ロシア | 142,517,670 | 17,098,242 | モスクワ | ||
サウジアラビア | 26,534,504 | 2,149,690 | リヤド | ||
シンガポール | 5,353,494 | 697 | シンガポール | ||
スリランカ | 21,481,334 | 65,610 | スリジャヤワルダナプラコッテ | ||
韓国 | 50,004,441 | 100,210 | ソウル | ||
シリア | 22,530,746 | 185,180 | ダマスカス | ||
台湾 | 23,261,747 | 36,193 | 台北(南京) | ||
タジキスタン | 7,768,385 | 143,100 | ドゥシャンベ | ||
タイ | 67,091,089 | 513,120 | バンコク | ||
トルコ | 79,749,461 | 783,562 | アンカラ | ||
トルクメニスタン | 5,054,828 | 488,100 | アシハバード | ||
アラブ首長国連邦 | 5,314,317 | 83,600 | アブダビ | ||
ウズベキスタン | 28,394,180 | 447,400 | タシケント | ||
ベトナム | 91,519,289 | 331,212 | ハノイ | ||
イエメン | 24,771,809 | 527,968 | サヌア |
アジアでは、ヨーロッパのヨーロッパ連合やアフリカのアフリカ連合のような、アジア大陸のほとんどの国によって構成されたアジア統合を目指す政府間組織は今現在アジア協力対話しか存在しない。しかし、地域別には複数の国際組織が存在している。以下に主なものを示す。
アジアは例えばケッペンの気候区分を用いれば、ほとんどの気候型が含まれるほど多様な地理条件が内包している。北端は北極海に面しており、ツンドラ気候の荒野が広がる。その南のシベリア内陸部にはタイガと呼ばれる大針葉樹林が広がっている。南アジア、東南アジアと東アジアの東部はモンスーンの影響を強く受ける地域である。
アジアの名目GDP順位(2010年) | |||
順位 | 国 | 単位:100万ドル | |
1 | 中国 | 5,878,000 | |
2 | 日本 | 5,459,000 | |
3 | インド | 1,538,000 | |
4 | 韓国 | 1,007,300 | |
5 | インドネシア | 706,700 | |
6 | サウジアラビア | 443,700 | |
8 | イラン | 357,200 | |
9 | タイ | 318,900 | |
10 | マレーシア | 238,000 | |
出典:CIA[4] |
アジア全体を見れば発展途上国が多いものの、東アジア地域の経済規模は西欧や北米に匹敵するほど大きい。特にGDPが高いのは世界2位と3位の中華人民共和国(中国)と日本国(日本)である。次いで世界15位前後の大韓民国(韓国)が挙げられる 。また東南アジア諸国やインドも年々成長を続け存在感を増している。
アジア通貨危機を機会に東アジア・東南アジアの国々ではチェンマイ・イニシアティブによって経済安定を目指している。また、西アジアの国々では石油の産出量が多いので、オイルマネーによって世界的な発言力が強まっている。
道路ではアジアハイウェイで結ばれているが、道路の整備状況は異なっている。
人種としてはモンゴロイド、コーカソイド、オーストラロイドがみられる。コーカソイドは西アジアを中心とした西部に多く、モンゴロイドは東アジアや東南アジアなどの東部に多いなどの特徴がある。オーストラロイドは南アジア南部にみられる。中央アジアや北アジア西部ではコーカソイドとモンゴロイド、南アジア北部ではコーカソイドとオーストラロイド、東南アジア(特にマレー諸島)ではモンゴロイドとオーストラロイドがそれぞれ混血している。
様々な言語のグループと孤立した言語が使用されている。複数の国で公用語として使われる主な言語は以下のものがある。
特に話者数が多い言語は以下のものがある。
その他アジア諸国の公用語
アジアで話される主な言語はおおざっぱに以下のように分類される。
世界で信者数の多い宗教であるキリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教は、すべてアジアをその起源としている。このうち、仏教とヒンドゥー教はインドを、キリスト教とイスラム教は西アジアをその起源とする。このほかにも、西アジアのユダヤ教、南アジアのシク教、東アジアの儒教や道教、神道など、さまざまな宗教が存在している。現代においては、イスラム教は起源である西アジアのほとんどの地域に広まっているほか、中央アジアもほぼイスラム教圏となっている。このほかにも、南アジアのパキスタンやバングラデシュ、モルディブ、東南アジアのインドネシアやマレーシア、ブルネイなどはイスラム教徒が大部分を占める国家である。また、中国の新疆ウイグル族自治区や寧夏回族自治区もイスラム教徒が多数派である。キリスト教は起源である西アジア地域ではわずかな信徒が存在しているにすぎず、アジアではキリスト教徒が多数派を占めている国家はフィリピンのみである。ただし、北アジアはキリスト教徒であるロシア人が東進し入植した関係で、ロシア正教会の信徒が多数を占める。ヒンドゥー教徒が多数派を占める国家はインドとネパールのみであり、信者が多数派を占める地域もこれにスリランカの北部(タミル人居住地域)を加えるのみであるが、インドの人口の大多数はヒンドゥー教徒であり、信徒数はほぼインド一国のみで世界中の仏教徒よりも多い。仏教は発祥地のインドではすたれ、わずかにブータンで多数派を占めるのみであるが、仏教は東方に伝播したため、東南アジアや東アジアに大きな教圏を持つようになった。ただし東アジアと東南アジアの仏教の宗派は違い、東南アジアのミャンマーやタイ、カンボジア、ラオス、スリランカ南部(シンハラ人地域)においては上座部仏教が信仰されている。これに対し、東アジアやベトナムにおいては大乗仏教が信仰されている。ただし、東アジアの大乗仏教は唯一の信仰というわけではなく、中国では儒教や道教、日本では神道が大きな勢力を持っており、事実上これら宗教との混在地域となっている。
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ヨーロッパ (欧州) |
アフリカ (阿州) |
アメリカ(米州) | オセアニア (大洋州) |
- | |
六大州 | 北アメリカ (北米) |
南アメリカ (南米) |
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七大州 | 南極 |
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テンプレート:生物分類表 クモノスカビは、菌界・接合菌門・接合菌綱・ケカビ目・ケカビ科(あるいはユミケカビ科)に属するカビ(Rhizopus)の和名である。基質表面をはう菌糸の様子がクモの巣を思わせることから、その名がある。
クモノスカビは、湿った有機物表面に出現する、ごく普通のカビである。空中雑菌として出現することも多い。
体制はケカビに似ている。菌糸体は多核体の菌糸からなり、基質中に菌糸をのばすが、基質表面から気中へと匍匐菌糸をのばすのが特徴である。匍匐菌糸は基質の上をはい、基質につくとそこから菌糸をのばす。そのため、ケカビに比べると、コロニーの成長が早く、あっというまに広がる。基質の表面に広がる気中菌糸は、その表面に水滴がつき、きらきらと輝き、クモの網のように見える。
無性生殖は、胞子のう胞子による。胞子嚢柄は匍匐菌糸が基質に付着したところから出て、その下には仮根状菌糸が伸びる。胞子のう柄はほとんど分枝せず、先端に大きな胞子のうを1つつける。胞子のうは、ケカビのものによく似ているが、胞子のう柄の先端がすこし広がって胞子のうに続き、胞子のう内部の柱軸になめらかに続いている(ケカビでは、胞子のう柄は胞子のうのところでくびれる)。このような胞子のう直下のふくらみをアポフィシスと呼び、ケカビ目の属の分類では重要な特徴とされる。ただし、ユミケカビ(Absidia)ほど明瞭ではないので、見分けにくい場合もある。
胞子は、胞子嚢の壁が溶けることで放出される。はじめは壁がとろけてできた液粒の中に胞子が入った状態だが、すぐに乾燥し、柱軸も乾いて傘状に反り返り、その表面に胞子が乗った状態になる。クモノスカビの胞子はケカビなどにくらべて乾燥に強そうな、丈夫な表面を持ち、条模様が見られるのが普通である。
有性生殖は、ケカビと同じように、配偶子のう接合によって接合胞子のうを形成する。一部の種をのぞいては自家不和合性なので、接合胞子のうを見掛けることは少ない。接合胞子のう柄はH字型で、丸くふくらむ。接合胞子のうは黒褐色に着色し、その表面は凹凸がある。
クモノスカビは、基本的には腐生であるが、弱い寄生菌として、植物の病原体になる場合がある。食物の上に出現することも多い。モモなどの柔らかい果実について、その腐敗を早めることもある。
極めて成長が早いので、微生物の培養時にコンタミとしてこれが侵入すると、一夜にして全てを覆いつくす。胞子もよく飛ぶのでいやがられる。
他方、コウジカビを使う日本以外のアジア全域において、紹興酒などの酒の醸造で麹に用いられたり、インドネシアでは茹でた大豆に生やしてテンペ(Tempeh)という食品にする例がある。
100を越える種が記載されている。形態が単純で分類が難しい類でもある。実際の種数は十数種といわれる。
-クモノスカビ属
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