- 英
- procalcitonin
- 関
- カルシトニン
概念
- 甲状腺外で産生されるカルシトニン
- 重症感染症(敗血症、重症敗血症、敗血症ショック)で上昇する炎症のマーカーである。ただし、深在真菌症(真菌単独感染)やウイルス性の炎症では上昇しにくい(参考3)。
資料
- http://radio848.rsjp.net/abbott/pdf/060505.pdf
- 2. モダンメディア 52巻12号2006(新しい検査法)
- http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM0612-03.pdf
- 3. Nkkei Medical 2011.6 p.25
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/07/23 07:45:59」(JST)
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プロカルシトニン(procalcitonin,PCT)はカルシトニンの前駆蛋白として甲状腺のC細胞において生成されるアミノ酸116 個よりなるペプチドである。
医療での意義[編集]
上記のように、通常は甲状腺での生成が主である。しかし、細菌、真菌、寄生虫による重篤な感染症においては、TNF-αなどの炎症性サイトカインにより誘導され、肺・小腸を中心として産生され、血中に分泌される。一方、ウイルス感染ではIFN-γ産生が増加することでプロカルシトニンの産生の抑制が起こり血中濃度は上昇しにくくなる。そのため、ウイルス、自己免疫疾患による症状と、細菌・真菌・寄生虫によるものとを鑑別するために有用とされている。
- プロカルシトニン値は市中肺炎患者の重症度を判定する際に重要な手法になりうるとの報告もある[1]。
- 敗血症を含む細菌性感染症と非細菌性感染症との鑑別に、プロカルシトニンはβ-D-グルカン、血液培養、エンドトキシン、IL-6やCRPなどよりも優れていることが示唆された[2]。
- 膠原病の悪化群に比べて細菌感染症群は有意にプロカルシトニンが上昇するため、プロカルシトニン測定が両者の鑑別に役立つとする報告がある[3]。膠原病の治療中にはステロイドや免疫抑制薬の使用により発熱やCRPがマスクされて、感染症が見逃されてしまうことがあるが、プロカルシトニンはその影響を受けにくいことによる。
脚注[編集]
- ^ European Respiratory Journal(2008; 31: 349-355)
- ^ Multicenter prospective study of procalcitonin as an indicator of sepsis. J Infect Chemother 2005;11:152–9.
- ^ Clinical and Experimental Rheumatology (2006; 24: 123-128)
関連項目[編集]
- 敗血症
- マラリア
- カンジダ
- アスペルギルス
- 内分泌学
- 感染症学
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Japanese Journal
- 症例 急性骨髄性白血病に合併し,血中プロカルシトニンが高値を示したアメーバ性大腸炎・肝膿瘍
- 奥 英二郎,野村 桂,中村 剛之 [他]
- 感染症学雑誌 = The journal of Japanese the Association for Infectious Diseases 86(6), 773-777, 2012-11
- NAID 40019502592
- 尿路敗血症の診断におけるプロカルシトニン(PCT)値測定の有用性
- 細川 幸成,武長 真保,伊丹 祥隆 [他]
- 泌尿器科紀要 = Acta urologica Japonica 58(10), 539-542, 2012-10
- We assessed the diagnostic value of procalcitonin (PCT) in urosepsis on 54 patients with urinary tract infections (UTI), suspected of having urosepsis. The results of urine culture, blood culture, and …
- NAID 40019489955
- 臨床研究・症例報告 乳児期早期の発熱児における重症細菌感染症の血液炎症マーカーの有用性について
Related Links
- プロカルシトニン(PCT)はカルシトニンの前駆蛋白として甲状腺のC細胞において生成 されるが、PCTは最近、新しい信頼性の高い敗血症のマーカーとして注目されている。 プロカルシトニンは116個のアミノ酸から成る分子量 13kDaの蛋白で、N末端側には57 個 ...
- 血液検査でプロカルシトニンを調べよう。プロカルシトニンは細菌・寄生虫・真菌感染症を 疑うときや敗血症の重症度評価の指標・経過観察・予後判定を調べるときに検査します 。
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★リンクテーブル★
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- 78歳の男性。気分不良のため搬入された。3年前から慢性腎不全のため血液透析を受けている。昨日午後の透析後、発熱と気分不良とを認め、安静にしていたが改善しないため今朝8時に救急搬送された。身長 158cm、体重 55kg。体温 37.5℃。脈拍 140/分、整。血圧 86/56mmHg。右殿部から大腿にかけて発赤と腫脹とを認め、会陰部右側と陰嚢とに潰瘍があり、悪臭のある膿が出ている。血液所見:赤血球 378万、Hb 11.8g/dL、Ht 36%、白血球 16,900(桿状核好中球 36%、分葉核好中球 60%)、血小板 14万。血液生化学所見:総蛋白 6.1g/dL、アルブミン 3.0g/dL、AST 14IU/L、ALT 8IU/L、LD 245IU/L(基準 176~353)、尿素窒素 45mg/dL、クレアチニン 7.8mg/dL、Na 137mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 100mEq/L、プロカルシトニン 23.4ng/mL(基準 0.05以下)。CRP 21mg/dL。外陰部の写真(別冊No. 26A)と腹部・骨盤部単純CT(別冊No. 26B)とを別に示す。
- 輸液による循環管理と抗菌薬全身投与とともに、早期に行うべき治療はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I070]←[国試_109]→[109I072]
[★]
- 英
- calcitonin (Z,PT), CT
- 同
- サイロカルシトニン thyrocalcitonin
- 関
- パラソルモン、甲状腺、副甲状腺。プロカルシトニン
- 「血中カルシウム濃度が高くすぎないように調節する」ホルモン
分類
性状
産生組織
標的組織
作用 (2007年度後期生理学授業プリント)
- 血中カルシウム濃度↓ (血中カルシウム濃度が高いときのみ)
- 破骨細胞に作用して骨吸収を抑制
- 尿細管に作用してCa,P,Na,Clを排泄
- 腸管に作用してカルシウムの吸収を抑制する
- 胃酸分泌を下げる
分泌の調節 (2007年度後期生理学授業プリント)
- 血中のカルシウム濃度(カルシウムイオン、タンパク質に結合しているカルシウムを含む)が高いときにサイロカルシトニンが分泌される。
- 血中カルシウム濃度 5mEq/l このうち血中カルシウムイオン濃度は 2.5 mEq/l
- 分泌調節のポイント:カルシトニン ←Ca2+ + protein binding Ca 。 副甲状腺ホルモン ←Ca2+
分子機構
[★]
- 英
- arteriosclerosis (M)
- 関
- 動脈硬化
定義
病型
リスクファクター BPT.344
-
-
- 肥満
- 運動不足
- ストレス
- 閉経後エストロゲン欠乏
- 高炭水化物食
- リポ蛋白(a)
- 硬化不飽和脂肪酸の摂取
- Chlamydia pneumoniae感染
検査
粥腫のマーカー?
-動脈硬化
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- 英
- pro