- 英
- aminopyrine
- ラ
- aminopyrinum
- 同
- ピラミドン pyramidone、アミドピリン amidopyrine、アミノフェナゾン aminophenazone
- 関
- アミノフェナゾン
WordNet
- a white crystalline substance used as an analgesic and antipyretic (同)amidopyrine
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アミノピリン
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
4-dimethylamino-1,5-dimethyl-2-phenylpyrazol-3-one |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
? |
薬物動態的データ |
排泄 |
尿中 |
識別 |
CAS登録番号 |
58-15-1 |
ATCコード |
N02BB03 |
PubChem |
CID 6009 |
KEGG |
D00556 |
化学的データ |
化学式 |
C13H17N3O |
分子量 |
231.29358 |
アミノピリン (aminopyrine) は鎮痛、抗炎症、解熱作用を有するピラゾロン。
無顆粒球症を引き起こす危険性があり、また発癌性が指摘されたことから経口薬としては使用されなくなった[1]。13Cで標識されたアミノピリンを用いた呼気検査は肝機能試験におけるシトクロムP450代謝活性の非観血的方法として利用される。別名として アミノフェナゾン (aminophenazone)[2] 、アミドピリン (amidopyrine)[3] などとも呼ばれる。
目次
- 1 性状
- 2 歴史
- 3 薬効
- 4 代謝・排出
- 5 副作用
- 6 相互作用
- 7 脚注
性状
無色または白色の結晶で、においはない。クロロホルム、エタノール、エーテルおよび水に溶ける。水溶液は微アルカリ性。融点は107-109°C[3]。
歴史
1884年、ルートヴィヒ・クノール (Ludwig Knorr) がアンチピリンと塩酸、亜硝酸ナトリウムを作用させて4-ニトロソアンチピリンを作り、さらに4-アミノアンチピリンを作った。1896年-1897年、エアランゲン大学のヴィルヘルム・フィレーネ (Wilhelm Filehne) がこの4-アミノアンチピリンをN-メチル化合物としてアミノピリンを創製し、ヘキスト社が発売した[3][4]。解熱・鎮痛薬として19世紀後半から20世紀前半に広く用いられたが、副作用の問題から現在はほとんど用いられていない[5]。詳しくは後述。
薬効
薬理作用
アミノピリンは、アンチピリン同様に解熱効果があり、効力はアンチピリンの約3倍[3]。鎮痛作用は、アンチピリンやイソプロピルアンチピリンより強い。また、消炎作用を有する。しかし、副作用の懸念から、治療目的の経口薬としては現在は用いられない[5]。
過去の効能
日本において製造販売されていた当時の適用は、一般の熱性疾患、結核性熱、インフルエンザ、感冒などの解熱、頭痛、歯痛、神経痛、月経痛、関節リウマチなどの鎮痛であった[3]。
代謝・排出
体内でグルクロン酸抱合され、または尿素と結合し、rubazonic acid または antipylurea となって尿中に排泄される。このために尿が赤色を呈する[3]。
副作用
1922年、シュルツ (Schulz) により重篤なアレギーナ様扁桃炎を伴う特異的な頸部疾患が発症し、その成因が無顆粒球症によることが報告され[6]、その後、アミノピリンによる血球減少は多くの追試がなされて因果関係が認められながらも広く一般に使用された[7]。無顆粒球症の発生率は、欧米人で1%以下、日本人ではさらに稀であるが、発生した場合の死亡率は20-50%である[5]。
日本においては、アミノピリンとスルピリンが配合された一般用のアンプル入りかぜ薬の使用による重篤なショックで、1959年から1965年までの間に合計38名の死亡例が発生し(アンプル入りかぜ薬事件)、厚生省より製薬企業に対し製品の回収が要請された[8]。
また、大量投与すると中枢興奮作用がみられ、痙攣を引き起こすことがある[9]。
さらに、アミノピリンが消化管内でニトロソ化反応を起こし発癌につながる可能性が指摘され、使用禁止となる国々が増え、日本においても1977年経口での使用が禁止され[10]、1979年には日本薬局方からも削除された[11]。このため、2008年現在では注射剤が一部の動物用医薬品としてのみ用いられている[12]。
相互作用
三環系抗うつ薬の血漿アルブミンとの結合を競合的に阻害する[13]。
脚注
- ^ 高久史麿、鴨下重彦監修『治療薬マニュアル2000』医学書院、2000年、p. 37. ISBN 4-260-10532-9
- ^ “Aminophenazone — Compound Summary”. PubChem. The National Library of Medicine. 2008年6月12日閲覧。
- ^ a b c d e f 日本公定書協会版『第七改正日本薬局方第一部解説書』廣川書店、1961年、pp. C51-54
- ^ M.P.SCHULTZ, "The use of amidopyrine in rheumatic fever", Arch Intern Med., 48, 1931, pp. 1138-1155.
- ^ a b c 田中潔『現代の薬理学』第15版、1988年、金原出版、pp 280-281, ISBN 4-307-03028-1
- ^ W. Schulz, "Über eigenarlige Halserkranking." Deut Med Wochensch, 48, 1922, pp. 1495-14989.
- ^ 伊藤宗元「特集 薬物治療のpitfall:薬物の副作用の現状と対策」『臨床成人病』1994年、24巻、5号、p. 601
- ^ 我が国の主な副作用被害事件と安全対策の強化の流れ 日本薬剤師会公式webページ(2008年11月27日閲覧)
- ^ L.S. Goodman and A. Gilman, "Analgesic antipyretics, Antiinflammatory agents", In The Pharmacological Basis of Therapeutics, 4th ed., Macmillan, 1970, p. 335.
- ^ アミノピリンを含有する医薬品の取扱いについて 昭和52年9月28日、薬発第1090号
- ^ 「日本薬局方沿革略記」『第十五改正日本薬局方』2006年、p. 12
- ^ 動物用医薬品副作用等情報集:成分別 各社製品一覧 動物医薬品協同組合公式webページ(2008年11月27日閲覧)
- ^ 藤原元始ら監訳『グッドマン・ギルマン薬理書』第7版、1988年、廣川書店、p. 511
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 暑熱ストレスによる実験動物の生化学的ならびに組織学的変化
- 浅沼 信治,佐藤 勝紀,安藤 満,川原 一祐
- 岡山実験動物研究会報 25, 42-49, 2009-03
- … 高齢・老齢ラットにおける肝細胞の小胞体は暑熱ストレスにより変形していたため、ミクロゾームの電子伝達系酵素のアミノピリン脱メチル化酵素やTMPDペルオキシダーゼ活性について検討した。 …
- NAID 120003072056
- ネコの脊髄・延髄・脊髄反射活動電位におよぼす各種中枢興奪薬の効果
- 原 幸男,中谷 晴昭,Ally Ahmmed [他],近藤 洪志
- The journal of veterinary medical science 59(10), 911-915, 1997-10-25
- … アミノピリンは単および多シナプス反射活動電位を増大するとともに後根反射活動電位を抑制した. …
- NAID 110003915267
- ヒト肝P450及び副腎P450c17によるアミノピリン脱メチル化活性
- 丹羽 俊朗,薮崎 義康,石橋 文秀,片桐 昌直
- 薬物動態 = Xenobiotic metabolism and disposition 12, 254-254, 1997-10-09
- NAID 10007531786
Related Links
- アミノピリン(英: aminopyrine)とは鎮痛、抗炎症、解熱作用を有するピラゾロンであるが 、無顆粒球症を引き起こす危険性があり、また発癌性が指摘されたことから経口薬 としては使用されなくなった。13Cで標識されたアミノピリンを用いた呼気検査は肝機能 試験 ...
- 世界大百科事典 第2版 アミノピリンの用語解説 - 化学構造の上から同じ系統に属する アンチピリンとともに比較的つよい解熱鎮痛作用をもつ薬剤。ピラゾロン誘導体, いわゆる〈ピリン系〉の薬剤で,19世紀の終りころからわりあいに近ごろまで広く使用され てきた ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- pyrazolone derivative analgesic-antipyretic
- 関
- ピリン系化合物、ピリンショック、ピリン過敏症、ピリン疹
ピリン系解熱鎮痛薬
ピリン系解熱鎮痛薬の位置づけ
[★]
- 英
- aminophenazone
- 関
- アミノピリン
[★]
- 英
- aminopyrine N-demethylase
- 関
- アミノピリン-N-脱メチル化酵素
[★]
- 英
- aminopyrine N-demethylase
- 関
- アミノピリン-N-デメチラーゼ
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3