- 英
- silver nitrate、AgNO3
- ラ
- argentum nitricum
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- ボンハッピー
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/09/13 13:58:45」(JST)
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硝酸銀(I) |
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識別情報 |
CAS登録番号 |
7761-88-8 |
特性 |
化学式 |
AgNO3 |
モル質量 |
169.8731 g mol−1 |
外観 |
無色結晶 |
密度 |
4.352 g cm−3, (19 °C) |
融点 |
212 °C, 485 K, 414 °F (159.6 °Cで六方晶系へ転移)
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沸点 |
444 °C, 717 K, 831 °F (分解)
|
水への溶解度 |
219 g/100 cm3 (20 °C) |
構造 |
結晶構造 |
斜方晶系 |
熱化学 |
標準生成熱 ΔfHo |
−124.39 kJ mol−1[1] |
標準モルエントロピー So |
140.92 J mol−1K−1 |
標準定圧モル比熱, Cpo |
93.05 J mol−1K−1 |
危険性 |
EU分類 |
腐食性 (C)
環境への危険性 (N) |
Rフレーズ |
R8 R34 R50/53 |
Sフレーズ |
S1/2 S26 S45 S60 S61 |
引火点 |
不燃性 |
関連する物質 |
関連物質 |
硫酸銀(I) |
特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 |
硝酸銀(I)(しょうさんぎん いち、英: silver(I) nitrate)は組成式 AgNO3、式量 169.89 の銀の硝酸塩である。日本の法令では毒物及び劇物取締法により劇物に指定される。銀を硝酸に溶かすと得られる。
合成[編集]
純銀を少量の純粋な硝酸に溶解させ、蒸発・乾燥させて得られる。この際、二酸化窒素などが発生する[2]。
Ag + 2 HNO3 → AgNO3 + NO2 + H2O
工業的にもこの方法で製造している。ただし、これは濃硝酸との反応であり、希硝酸との場合は式が違ってくる。
3Ag + 4 HNO3 → 3AgNO3 + NO + 2H2O
となる。
性質[編集]
強電解質であり水によく溶けるが、非極性溶媒には溶けにくい。メタノールやアセトンにも少量溶解するが、ベンゼンには難溶である。水溶液はほぼ中性を示す[3]。手につくと還元されて銀の微粒子が沈着し黒色に染まりしばらく取れない。また酸化作用による腐食性を有する。
無色の結晶性固体で、不純物、特に有機物を含む場合、太陽光の下で有機物に触れると還元され、黒色を呈する。高純度の場合は比較的光に対して安定である。銀鏡反応の試薬としてめっきに用いられることがある。また、塩化物と反応し白色の塩化銀(I) (AgCl) を生じるため、塩化物イオンの検出に利用されることもある。その他、殺菌剤・写真感光剤・分析試薬・電気通信機器用・魔法瓶用・医薬品の原料などの用途がある。光で化学反応を起こすため茶色い瓶に保存する。
硝酸銀(I)は液体アンモニア(液安)またはアンモニア水と反応して徐々に雷銀(Ag3N と AgNH2 の混合物)と呼ばれる黒色の結晶を生成することがある。これは非常に敏感な化合物であり、水溶液中でも少しの摩擦・熱でも爆発する。またナトリウムイオンの存在下でこの化合物の生成が促進されるので、これらの化合物を誤って作った場合、硝酸銀(I)とアンモニアを混合した廃液、銀鏡反応を行ったあとの廃液は食塩水(塩化ナトリウム水溶液)または塩酸で分解してから処分する必要がある。
参考文献[編集]
- ^ Wagman, D. D.; Evans, W. H.; Parker, V. B.; Schumm, R. H.; Halow, I.; Bailey, S. M.; Churney, K. L.; Nuttal, R. I.; Churney, K. L.; Nuttal, R. I. (1982). “The NBS tables of chemical thermodynamics properties”. J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2.
- ^ 日本化学会編 『新実験化学講座 無機化合物の合成II』 丸善、1977年
- ^ 『化学大辞典』 共立出版、1993年
外部リンク[編集]
銀の化合物 |
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二元化合物 |
Ag3As · AgBr · Ag2C2 · AgCl · AgF · AgF2 · AgF3 · Ag2F · AgI · AgN3 · Ag3N · AgO · Ag2O · Ag2O3 · Ag2S · Ag2Se · Ag2Te · AgH
|
|
多元化合物 |
AgBF4 · AgBrO3 · AgClO · AgClO2 · AgClO3 · AgClO4 · AgCN · Ag2CO3 · Ag2C2O4 · Ag2CrO4 · AgIO3 · AgIO4 · AgMnO4 · Ag2MoO4 · AgNCO · AgNO2 · AgNO3 · AgOH · AgONC · AgPF6 · Ag3PO4 · AgSCN · Ag2SeO3 · Ag2SeO4 · Ag2SO3 · Ag2SO4 · AgHSO4 · CH3COOAg · HCOOAg · Ag5IO6
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 小麦粉懸濁液の糊化過程におけるリン脂質の動態に対する硝酸銀の影響
- 上田 愛子,大濱 恵,松田 悠衣 [他]
- 県立広島大学人間文化学部紀要 (6), 79-86, 2011
- The silver nitrate was added to examine the influence of the a-amylase on distribution of phospholipid during pasting process of wheat flour suspension. The peak viscosity rose as a result of measurin …
- NAID 40018777411
- 第36回家畜診療等技術全国研究集会・入賞論文 農林水産省経営局長賞 黒毛和種牛子牛にみられた牛丘疹性口炎
Related Links
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- 口内炎の硝酸銀治療について」. Q 「口内炎によくかかります。以前は、近所の診療所の 老先生が硝酸銀で患部を消毒してくれ、痛みもすぐになくなっていたのですが、若い先生 に代わってからしてくれなくなりました。その治療法を伝えても、首をかしげるだけです。
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
硝酸銀「ホエイ」
組成
成分・含量(1g中)
効能または効果
- 本剤はクレーデ氏法により点眼すること。
- 通常、新生児に対し、1〜2%点眼液を点眼後、生理食塩液で洗浄する。
薬効薬理
- 硝酸銀の濃厚溶液は強い表在性の腐食作用を示し、希薄液は収れん作用を現す。本剤はまた強い殺菌作用を有し、1:4000液はチフス菌を2時間以内に殺し、1:10000液は高抵抗性炭疽芽胞を48時間で殺す。また1:30000液でも防腐作用を有する。Ag+はCl−により容易に沈殿を生じ作用を消失する。有機銀化合物と異なり、適用部位で組織たん白を凝固沈殿させるので、その作用は表在性にとどまる。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
分子式
分子量
性状
- 本品は光沢のある無色又は白色の結晶である。
本品は水に極めて溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品は光によって徐々に灰色〜灰黒色になる。
★リンクテーブル★
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- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
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商品
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硝酸銀
- 関
- silver nitrate
[★]
- 英
- nitric acid, nitrate
- 関
- 硝酸塩、亜硝酸 nitrous acid、亜硝酸塩 nitrite
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- 英
- silver、Ag
- 関
- 抗原