テタノスパスミン
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Japanese Journal
- 五類感染症(全数把握) 破傷風 (新感染症学(下)新時代の基礎・臨床研究) -- (感染症法分類--発症・病態・診断・治療)
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- 破傷風とは 破傷風は、破傷風菌(Clostridium tetani )が産生する毒素のひとつである神経毒素(破傷風毒 素)により強直性痙攣をひき起こす感染症である。破傷風菌は芽胞の形で土壌中に広く常在し、 創傷部位から体内に侵入する。
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- tetanus bacillus
- ラ
- Costridium tetani
- 同
- (国試)破傷風菌
- 関
- クロストリジウム属
- 図:SMB.260
- 芽胞形成
- 嫌気性菌
- グラム陽性桿菌
- 形状:太鼓のバチ状(円形で端在性の芽胞)
- 棲息場所 土壌中に広く分布
- 運動性:寒天平板上で遊走し、辺縁は樹枝状
- 病原性:創傷感染(特に土壌で汚染された挫滅創)により感染。受傷後6時間で毒素(破傷風毒素)を産生し始める。
- 毒素:外毒素(神経毒:テタノスパスミン(破傷風毒素)、破傷風溶血毒:テタノリジン)
- 感染症:破傷風
[★]
- 英
- tetanospasmin
- 同
- 破傷風毒素, tetanus toxin、テタヌストキシン
- 関
- 破傷風菌、破傷風
[★]
- 英
- tetanus, lockjaw
- 同
- テタヌス
- 関
- 破傷風菌 Clostridium tetani
概念
- 嫌気性芽胞形成性グラム陽性桿菌である破傷風菌(Clostridium tetani)による感染症であり、破傷風菌が産生した外毒素テタノスパスミン(tetanospasmin)による中枢神経障害(随意筋痙攣)をきたすことが本疾患の病態である。
- 破傷風菌は土壌や塵など環境中に広く、またヒトや動物の消化管にも存在するが、破傷風菌に汚染された環境で外傷を契機に感染が成立する。
- 感染症ではあるが、神経毒による中毒性感染症であある。
病型
- 参考1
- 全身性破傷風:全身の筋の強直性攣縮 + 自律神経症状(早期は易刺激性、不穏、発汗、頻脈。後期には著しい発汗、不整脈、不安定な高血圧・低血圧、発熱)
- 限局性破傷風
- 頭部破傷風
- 新生児破傷風
病態
- SMB.260
- 破傷風毒素(テタノスパスミン)は亜鉛依存性プロテアーゼ活性を有しており、シナプス小胞付随蛋白であり開口分泌に関与するシナプトブレビンを特異的に切断し、シナプスへの神経伝達物質の放出を妨げる。
- 症状の発現は脊髄の抑制ニューロンが遮断される事による。
- 自律神経ニューロンも遮断されるので、自律神経症状も発現する。 → 著しい血圧、脈拍の変動
潜伏期
経過
治療
- SMB.260 YN. H-55 SPE.359
- 創部 :デブリドマン
- 抗毒素:ヒトTIGの投与 → 神経細胞に取り込まれた後では毒素を中和できなくなる。
- 抗菌 :ペニシリンGの大量投与。テトラサイクリン(SPE.359)
- 対症療法:呼吸管理、筋弛緩薬、抗痙攣薬(ジアゼパム)、刺激の軽減(日光の遮蔽)
予防
- 破傷風トキソイドによる能動免疫
- 小児期にジフテリア・破傷風・百日咳混合ワクチンを、それ以外の者は沈降破傷風トキソイド(破傷風トキソイド*)を3回注射しておけば約5年間程度の免疫が得られる。
免疫
予後
- 死亡率:40% (SPE.359)
- 救急救命センターレベルでならば死亡率は10%程度に下げることが可能である。
参考
- 1. [charged] Tetanus - uptodate [1]
国試
[★]
- 英
- toxin
- 関
- 内毒素、外毒素
外毒素
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内毒素
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ポリペプチド
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リポ多糖体(lipopolysaccharide: LPS)
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細菌細胞からの分泌
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グラム陰性菌の細胞壁の外膜に存在
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宿主組織内-拡散
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細菌細胞の崩壊により放出
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多くは熱不安定性
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熱安定性
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分泌部位~遠隔部位に作用
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血行性に拡散しエンドトキシンショック
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トキソイド化可
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トキソイド化不可(毒性中心はリピドA)
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