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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/12/18 16:37:40」(JST)
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四逆散(しぎゃくさん)とは、漢方方剤の一種。出典は「傷寒論」。四逆湯と名前が似ているので、混同されやすいが全く違う漢方薬である。
目次
- 1 適応症
- 2 組成・処方量
- 3 その他
- 4 関連項目
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適応症
胆のう炎、胆石症、胃炎、胃酸過多、胃潰瘍、気管支炎、神経質、てんかん、狭心症などに用いる。
保険適用エキス剤の効能・効果
胆のう炎、胆石症、胃炎、胃酸過多、胃潰瘍、気管支炎
組成・処方量
柴胡(さいこ)5.0、枳実(きじつ)2.0、芍薬(しゃくやく)4.0、甘草(かんぞう)1.5
方解
体力が割合にあり、水おちから両脇にかけて圧迫感があり、足や手が冷えて、気が重く、腹痛がある場合に用いる。胃炎、腹痛、胆石、神経症、気管支炎などに応用する。大柴胡湯と小柴胡湯の中間の状態に用いる。
症
- みぞおちの圧迫感。
- 四肢が冷たい。
- 腹痛。
- 動悸。
- 抑うつ性の神経症状。
- 咳嗽。
腹
季肋部・みぞおちの抵抗圧痛、上腹部腹直筋の顕著な引き攣れ。
その他
大柴胡湯と小柴胡湯の中間にあるような状態に用いる。便秘、嘔吐などの症状がなく、急迫性のみぞおち痛が強いことを目標に用いる。
関連項目
- 大柴胡湯
- 小柴胡湯
- 四逆湯(名前が似ているので、漢方薬に精通している人でも間違えるが四逆散とは別)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- PS-100-1 ラットにおける部分肝切除後の肝障害及び肝再生に対する四逆散の効果(PS-100 ポスターセッション(100)肝臓:基礎-1,第111回日本外科学会定期学術集会)
- Wu Hada,山田 卓也,関野 考史,木村 真樹,名知 祥,井原 頌,高橋 啓,渡辺 卓,竹村 博文
- 日本外科学会雑誌 112(臨時増刊号_1・2), 677, 2011-05-25
- NAID 110008685003
- P1-26-7 心身のストレスに対し"四逆散"を処方した不妊女性37例の検討(Group60 不妊症,一般演題,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
Related Links
- 四逆散とは?効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 概説 胆のう炎や胆石症、胃炎や胃潰瘍などに用いる漢方薬です。 作用 【働き】 四逆散(シギャクサン)という方剤です。
- いらっしゃいませ、効き目の良い漢方薬:ツムラ 四逆散 エキス顆粒(医療用)、処方名:四逆散をいかがですか?ご注文お待ちしています!東京都江戸川区安心のハル薬局です。ハル薬局は医薬品個人輸入のため低価格でお買い求め ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ツムラ四逆散エキス顆粒(医療用)
組成
- 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス2.25gを含有する。
日局サイコ 5.0g
日局シャクヤク 4.0g
日局キジツ 2.0g
日局カンゾウ 1.5g
添加物
効能または効果
- 比較的体力のあるもので、大柴胡湯証と小柴胡湯証との中間証を表わすものの次の諸症:
胆嚢炎、胆石症、胃炎、胃酸過多、胃潰瘍、鼻カタル、気管支炎、神経質、ヒステリー
- 通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 著しく体力の衰えている患者[副作用があらわれやすくなり、その症状が増強されるおそれがある。]
重大な副作用
偽アルドステロン症
- 低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。
ミオパシー
- 低カリウム血症の結果としてミオパシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、四肢痙攣・麻痺等の異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。
薬効薬理
抗潰瘍作用
- 水浸拘束負荷ラットに経口前投与したところ、胃粘膜及び粘液中のヘキソサミン量の減少が抑制された1)。
- ラットに経口前投与したところ、虚血再灌流惹起性胃粘膜障害が抑制され、胃粘膜中のTBA-RS(thiobarbituric acid-reactive substances)の増加が抑制された2)。
- Compound 48/80惹起胃粘膜障害ラットに経口投与したところ、腺胃部の粘膜障害部位の面積が縮小した3)。
肝・胆道障害抑制作用
- α-Naphtylisothiocyanate(ANIT)惹起肝・胆道障害ラットに経口投与したところ、血清AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH及びAl-Pの活性上昇が抑制された。また、血清中総胆汁酸、総コレステロール及び過酸化脂質濃度の増加が抑制され、血清T-Bil、D-Bil濃度の増加が抑制された4)。
作用機序
- 本剤は、以下の作用により薬理効果を示すことが示唆されている。
抗潰瘍作用
- Compound 48/80惹起胃粘膜障害ラットに経口投与したところ、胃粘膜組織における過酸化脂質量の増加、ミエロペルオキシダーゼ活性の上昇並びにSe含有グルタチオンペルオキシダーゼ活性の低下がそれぞれ抑制された3)。
活性酸素消去作用
- ESR(electron spin resonance)装置を用いたスピントラッピング法により、活性酸素消去作用を認めた(in vitro )2)。
プロトンポンプ活性阻害作用
- ブタ胃粘膜より精製したH+,K+-ATPaseの酵素活性を抑制した(in vitro )5)。
★リンクテーブル★
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