エトポシド
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エトポシド
|
IUPAC命名法による物質名 |
(-)-(5R,5aR,8aR,9S)-9-[ [4,6-O-(R)-エチリデン-β-D-グルコピラノシル]オキシ]-5,8,8a,9-テトラヒドロ-5-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシフェニル)フロ[3,4:6,7]ナフト[2,3-d]-1,3-ジオキソール-6(5aH)-オン |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
D(米国) |
法的規制 |
劇薬
指定医薬品
処方せん医薬品 |
投与方法 |
点滴静注、経口投与 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
48.4% |
血漿タンパク結合 |
90.1%(1時間) |
代謝 |
肝臓(フェノール性グルクロン酸抱合) |
半減期 |
経口:6時間、静注:6-12時間(小児:3時間) |
排泄 |
尿・胆汁・糞中 |
識別 |
CAS登録番号 |
33419-42-0 |
ATCコード |
L01CB01 |
PubChem |
CID 36462 |
KEGG |
D00125 |
化学的データ |
化学式 |
C29H32O13 |
分子量 |
588.557 |
エトポシド(Etoposide)とは、メギ科の植物Podophyllum peltatumあるいはP.emodiの根茎から抽出した結晶性成分であるポドフィロトキシンを原料とし、1966年に合成された抗悪性腫瘍剤(抗がん剤)。商品名は、ラステット(販売:日本化薬)、ベプシド(販売:ブリストル・マイヤーズ)。VP-16という略号で表されることもある。
目次
- 1 作用機序
- 2 効能・効果
- 3 副作用
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
- 6 参考資料
作用機序
エトポシドはDNAを切断した後、トポイソメラーゼIIと複合体を形成し、DNAの再結合を阻害する。この結果、DNAの複製阻害を引き起こす。また、細胞周期をG2/M期で停止させる作用がある。本剤は、このG2/M期とS期でよく作用する。
効能・効果
- 肺小細胞癌、悪性リンパ腫、急性白血病、睾丸腫瘍、膀胱癌、絨毛性疾患、胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)
- 以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
- 小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫その他肝原発悪性腫瘍、腎芽腫その他腎原発悪性腫瘍等)
副作用
骨髄抑制、ショック、間質性肺炎、AST (GOT) 上昇、ALT (GPT) 上昇、悪心・嘔吐、食欲不振、脱毛、倦怠感、発熱など。
関連項目
外部リンク
- ブリストル・マイヤーズ株式会社
- 日本化薬株式会社
- エトポシド注の安定性(2008/01/04)-医薬品情報21
参考資料
- 『ベプシド®注/S25,S50』医薬品インタビューフォーム・新様式第1版(ブリストル・マイヤーズ)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- カプセル内が液体薬剤である医薬品の投与量調節方法について : 小児患者を想定したラステット^[○!R]S25を用いた検討
- 北村 佳久,圓尾 奈緒美,松浦 素子,帯刀 江里,荒木 博陽,柴田 和彦,黒崎 勇二,川崎 博己,五味田 裕
- 医療薬学 31(9), 755-760, 2005-09-10
- The dosage of medications must often be adjusted for pediatric patients. When drugs are in tablet or capsule form, the dosage may be adjusted by breaking up tablets or removing the drug form capsules …
- NAID 110001793466
- 制癌剤ラステットを含有したポリ(3-ヒドロキシブチレ-ト)微粒子のドラッグデリバリ-システムへの応用
Related Links
- エトポシド(一般名、商品名はベプシド、ラステット)は、メギ科の植物であるポドフィルム をもとに作られた抗がん剤です。ポドフィルムは、非常に強い毒性を持った植物ですが、 その根茎に含まれる、ポドフィロトキシンという成分に、抗腫瘍作用があることが確認 ...
- 2013年5月13日 ... 効能・効果, (悪性リンパ腫、急性白血病、性腺外腫瘍、精巣腫瘍、肺小細胞癌、卵巣 腫瘍、睾丸腫瘍、絨毛性疾患、膀胱癌、胚細胞腫瘍)、(小児ユーイング肉腫ファミリー 腫瘍、小児横紋筋肉腫、小児肝芽腫、小児肝原発悪性腫瘍、小児神経芽 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ラステットSカプセル25mg
組成
- ラステットSカプセル25mgは、1カプセル中に次の成分を含有する。
有効成分
含有量
添加物
- マクロゴール、ポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、クエン酸
(カプセル本体)
ラウリル硫酸Na、ポリソルベート80
禁忌
[骨髄抑制は用量規制因子であり、感染症又は出血を伴い、重篤化する可能性がある。]
- 本剤に対する重篤な過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
効能または効果
- 肺小細胞癌
- エトポシドとして、通常成人1日175〜200mgを5日間連続経口投与し、3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
なお、投与量は疾患、症状により適宜増減する。
- 悪性リンパ腫
- 患者の状態に応じA法又はB法を選択する。
A法:
- エトポシドとして、通常成人1日175〜200mgを5日間連続経口投与し、3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
なお、投与量は疾患、症状により適宜増減する。
B法:
- エトポシドとして、通常成人1日50mgを21日間連続経口投与し、1〜2週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
なお、投与量は疾患、症状により適宜増減する。
- 子宮頸癌
- エトポシドとして、通常成人1日50mgを21日間連続経口投与し、1〜2週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
なお、投与量は疾患、症状により適宜減量する。
- がん化学療法後に増悪した卵巣癌
- エトポシドとして、通常成人1日50mg/m2を21日間連続経口投与し、1週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
なお、患者の状態により適宜減量する。
- 卵巣癌に対して本剤の投与を行う場合には、白金製剤を含む化学療法施行後の症例を対象とし、白金製剤に対する感受性を考慮して本剤以外の治療法を慎重に検討した上で、本剤の投与を開始すること。
慎重投与
[骨髄抑制を増悪させることがある。]
[代謝機能等が低下しているので、副作用が強くあらわれることがある。]
[腎機能が低下しているので、副作用が強くあらわれることがある。]
[骨髄抑制により、感染症を増悪させることがある。]
[致命的全身症状があらわれるおそれがある。]
[「高齢者への投与」の項参照]
[「小児等への投与」の項参照]
[骨髄抑制等が強くあらわれ、遷延性に推移することがある。]
重大な副作用
汎血球減少等の骨髄抑制
汎血球減少(0.2%)
- 汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、出血、貧血等があらわれることがあるので、頻回に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。
間質性肺炎
(0.2%)
- 発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
薬効薬理
抗腫瘍効果19〜21)
- マウスLewis肺癌に対して抗腫瘍作用が認められた。
ヌードマウス可移植性ヒト悪性リンパ腫(Case2及びCase6)、ヒト肺癌(LX-1、Lu-134、N231、IU-24、Lu-61)、ヌードマウス皮下移植ヒト子宮頸癌 (Hela S3、TCO-1)及びヌードマウス子宮移植ヒト子宮頸癌 (Hela S3)に対して増殖抑制効果を示した。
作用機序
- エトポシドはTopo-IIによるDNA切断作用を阻害した。培養癌細胞(HeLa S3)の細胞周期進行はエトポシドの1時間接触では30μg/mL以上で、また48時間接触では1μg/mL以上でG2/M期に停止した。また、エトポシドはS期及びG2/M期の細胞に対して高い感受性を示した。また、この殺細胞作用は作用濃度と作用時間の双方に依存して増強する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
化学名:
- (5R ,5aR ,8aR ,9S )-9-{[4,6-O -(1R )-Ethylidene-β-D-glucopyranosyl]oxy}-5-(4-hydroxy-3,5-dimethoxyphenyl)-5,8,8a,9-tetrahydrofuro[3',4':6,7]naphtho[2,3-d ][1,3]dioxol-6(5aH )-one
分子式:
分子量:
- 588.56
- エトポシドは、白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- etoposide
- 同
- VP-16, VePesid
- 商
- ベプシド、ラステット
- 関
- 抗悪性腫瘍薬、トポイソメラーゼII阻害剤
- S期とG2期に特異的に作用
- トポイソメラーゼIIによるDNA鎖切断を阻害し、DNA合成を阻害
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/4240403A2050_1_03/4240403A2050_1_03?view=body
参考
- http://www.genome.jp/dbget-bin/www_bget?dr_ja:D00125
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商品