- 英
- cytochrome c oxidase, electron transport complex IV
- 同
- シトクロムcオキシダーゼ、シトクロム酸化酵素 cytochrome oxidase、シトクロムオキシダーゼ、チトクロムc酸化酵素、電子伝達複合体IV、複合体IV complex IV、シトクロムaa3 cytochrome aa3、インドフェノラーゼ indophenolase、インドフェノール酸化酵素 indophenol oxidase
臨床関連
- intelectual deterioration, weakness, ataxia, seizures, and death at a young age
WordNet
- the 3rd letter of the Roman alphabet (同)c
- (music) the keynote of the scale of C major
- a general-purpose programing language closely associated with the UNIX operating system
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- carbonの化学記号
- case[s]
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/02 10:02:50」(JST)
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シトクロムcオキシダーゼ |
リン脂質二重層内にあるウシ亜科のシトクロムcオキシダーゼの構造。膜間スペースは画像の上方。PDB 1OCCより。
蛋白質構造データバンク 今月の分子005:シトクロムc酸化酵素(Cytochrome c Oxidase)
|
識別子 |
EC番号 |
1.9.3.1 |
CAS登録番号 |
9001-16-5 |
データベース |
IntEnz |
IntEnz view |
BRENDA |
BRENDA entry |
ExPASy |
NiceZyme view |
KEGG |
KEGG entry |
MetaCyc |
metabolic pathway |
PRIAM |
profile |
PDB構造 |
RCSB PDB PDBe PDBj PDBsum |
遺伝子オントロジー |
AmiGO / EGO |
検索 |
PMC |
articles |
PubMed |
articles |
NCBI |
proteins |
|
シトクロムcオキシダーゼ (cytochrome c oxidase) または複合体IV(Complex IV)は、バクテリアおよびミトコンドリアで見られる膜貫通タンパク質複合体の一つである。
ミトコンドリア膜(またはバクテリア膜)における電子伝達系の最後の酵素であり、4分子のシトクロムcからそれぞれ電子を受け取り、酸素1分子に転移させ2分子の水に変換する機能を持つ。この過程では、マトリックス由来の4個のプロトンから水が生成されるのと同時に4個のプロトンがマトリックスから膜間スペースに透過する。これにより発生した膜間の電気化学ポテンシャルの差がATP合成酵素によるATP合成に用いられる。
目次
- 1 構造
- 2 生化学
- 3 抑制
- 4 資料画像
- 5 脚注
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
構造
複合体IVは、哺乳類では、いくつかの金属補欠分子族部位と13のタンパク質サブユニットから構成される巨大な内在性膜タンパク質である。哺乳類では、10個のサブユニットは核由来で、残りの3個はミトコンドリアで合成される。複合体IVには2種のヘム(ヘムa 、ヘムa 3)、2種の銅中心(CuAとCuB)が含まれている[1]。2種類のヘム(ヘムa、ヘムa 3)とCuBはサブユニットIに位置し、2個のCuAはサブユニットIIに配位している。サブユニットIのヘムa 3とCuBはそれぞれで二核中心を形成し、酸素の還元部位となっている。
シトクロムc は、複合体IIIのシトクロムc 1によって還元された後、複合体IVのCuA二核中心と結合し、シトクロムc の鉄中心はFe2+からFe3+に酸化される。還元されたCuA二核中心はその電子をヘムa に送り、さらにそこからヘムa 3-CuB二核中心に送られる。この二核中心の2個の金属イオンは4.5 Å離れており、十分な酸化状態の水酸化物イオンに配位している。
シトクロムc の結晶学的研究では、Tyr(244)のC6とHis(240)のε-Nが結合するという独特な翻訳後修飾が見られた(ウシ亜科のクロムcオキシダーゼでの酵素ナンバーリング)。これにより、ヘムa 3-CuB二核中心が4電子を受け取って酸素分子を水に還元するという極めて重要な役割が可能になっている。以前は、還元機構は過酸化物中間体が関与していると考えられ、それが超酸化物の生成に繋がっていると考えられていた。しかし、現代では、4電子還元によって酸素-酸素結合が開裂する反応機構が支持されており、超酸化物が形成しそうな中間体は避けられている[2]。
生化学
反応の概要:
- 4 Fe2+-シトクロム c + 8 H+in + O2 → 4 Fe3+-シトクロム c + 2 H2O + 4 H+out
まず、2個の電子がシトクロムcから、CuA二核中心とヘムa を通過して、ヘムa 3-CuB二核中心に至り、このFe3+はFe2+に、Cu2+はCu+に還元される。このときそれぞれの金属イオンに配位していたヒドロキシル配位子はプロトン化されて水として失われ、金属間に酸素分子が入る空間が作られる。酸素はFe2+-シトクロム c由来の2電子により迅速に還元され、フェリオキソ型(Fe+4=O)に変換される。CuB側の酸素原子はCu+からの1電子と、Tyr(244)の由来の1電子と1プロトンを受け取りヒドロキシ配位子に変換される。このときTyr(244)はチロシルラジカルとなる。別のシトクロムc から発生する3番目の電子は始めの2種の電子キャリアーからヘムa 3-CuBに至り、この電子と2プロトンによりチロシルラジカルがチロシンに戻り、そしてヒドロキシドはCuB2+に結合し後に水分子となる。同様に4番目の電子も始めの2種の電子キャリアーからヘムa 3-CuBに至ることによりFe+4=OがFe+3に還元され、同時に酸素原子がプロトンを受け取り、ヘムa 3-CuBがこのサイクルの始めの状態に戻る。まとめると、4分子の還元型シトクロムc と4個のプロトンが用いられ酸素分子を2分子の水に還元していることになる。
抑制
シアニド、スルフィド、アジドおよび一酸化炭素[3]の全てがシトクロムcオキシダーゼに結合し、拮抗的阻害を及ぼし細胞を化学的な窒息状態にさせる。また、メタノール(メチル化剤)はホルムアルデヒドに変換され、こちらも同じように系を阻害する。
資料画像
脚注
- ^ Tsukihara T., Aoyama H., Yamashita E., Tomizaki T., Yamaguchi H., Shinzawa-Itoh K., Nakashima R., Yaono R., Yoshikawa S. (1995) Structures of metal sites of oxidized bovine heart cytochrome c oxidase at 2.8 Å. Science 269, 1069-1074
- ^ Voet D., Voet JG (2004) Biochemistry, 3rd Edition. John Wiley & Sons, pps. 818-820
- ^ Alonso J, Cardellach F, López S, Casademont J, Miró O (2003). "Carbon monoxide specifically inhibits cytochrome c oxidase of human mitochondrial respiratory chain". Pharmacol Toxicol 93 (3): 142–6. doi:10.1034/j.1600-0773.2003.930306.x. PMID 12969439.
関連項目
- 呼吸鎖複合体
- 電子伝達系
- 電子伝達体
- 酸化還元酵素
外部リンク
- http://metallo.scripps.edu/PROMISE/COX.html
- http://www.life.illinois.edu/crofts/bioph354/cyt_ox.html
- http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/oxidphos.htm
- UMich Orientation of Proteins in Membranes families/superfamily-4
- Cytochrome-c Oxidase - the US National Library of Medicine Medical Subject Headings (MeSH)
電子伝達系(水素伝達系、呼吸鎖) |
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複合体I |
NADH:ユビキノン還元酵素 (水素イオン輸送型) (EC 1.6.5.3)
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複合体II |
コハク酸デヒドロゲナーゼ (ユビキノン) (EC 1.3.5.1)
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複合体III |
ユビキノール-シトクロムcレダクターゼ (EC 1.10.2.2)
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複合体IV |
シトクロムcオキシダーゼ (EC 1.9.3.1)
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関連項目 |
呼吸鎖複合体、光化学反応
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←クエン酸回路
ATP合成酵素→
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 2SJ-02 シトクロムc-シトクロムc酸化酵素間の電子伝達複合体における相互作用(2SJ タンパク質複合体研究の新展開:分子から超分子、凝集体まで,日本生物物理学会第49回年会(2011年度))
- 2P106 ウシ心筋シトクロムc酸化酵素P型中間体のX線構造解析(ヘム蛋白質,第48回日本生物物理学会年会)
- Kito Rika,Muramoto Kazumasa,Maeda Tomoko,Ito-Shinzawa Kyoko,Yamashita Eiki,Tsukihara Tomitake,Yoshikawa Shinya
- 生物物理 50(SUPPLEMENT_2), S100-S101, 2010-08-15
- NAID 110008102690
Related Links
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- cytochrome oxidase
- 関
- シトクロムオキシダーゼ、チトクロム酸化酵素、シトクロム酸化酵素、シトクロムc酸化酵素、電子伝達複合体IV
[★]
- 英
- electron transport complex IV
- 関
- チトクロムオキシダーゼ、シトクロムc酸化酵素、複合体IV
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- 英
- cytochrome aa3
- 関
- シトクロムc酸化酵素
[★]
- 英
- complex IV
- 関
- シトクロムc酸化酵素
[★]
シトクロムc酸化酵素
[★]
- 英
- cytochrome c oxidase deficiency
- 関
- チトクロムc酸化酵素欠損症
[★]
- 英
- cytochrome c、cyt c
- 同
- チトクロムc、シトクロームc、チトクロームc
- 関
- シトクロム、電子伝達系
[show details]
- ミトコンドリアの電子伝達系で酸化的リン酸化に関与。
- ミトコンドリア内膜の外表面に存在。表在性膜タンパク。複合体IIIと複合体IVの間を移動して電子を運ぶ。 (FB.341)
- ヘムは内膜に埋もれており、膜間部に出ている部分にはLys基が存在することが特徴
- 複合体IIIのシトクロムc1から電子を受け取り、複合体IVに電子を受け渡す。
[★]
- 英
- enzyme, ferment
- 関
- 酵素反応
酵素の分類
- (a)酸化還元酵素(oxydoreductase) EC1:ある物質を酸化したり、還元したりします。脱水素酵素、ペルオキシダーゼなどを含みます。
- (b)転移酵素(transferase) EC2: アミノ基やリン酸基などをある物質から別の物質に転移する酵素です。アミノ基を転移する酵素はアミノトランスフェラーゼと呼ばれます。
- (c)加水分解酵素(hydrolase) EC3:ある物質(基質)に水(H2OのうちHとOH)を加えることにより、2つに分解します。多くの蛋白分解酵素が含まれます。
- (d)リアーゼ(lyase) EC4:ある物質を2つに分解します。
- (e)イソメラーゼ(isomerase) EC5:ある基質を異性体に変換します。
- (f)リガーゼ(ligase) EC6;ATPのエネルギーを使って2つの物質を結合します。
[★]
[★]
- 英
- cytochrome,
- 同
- チトクロム
- 全ての生物に存在する
- 細胞内で酸化還元に関与しているヘム蛋白質で、ヘム鉄を有する。
- Fe2+⇔Fe3++e-
- CYP b5:脂肪酸の不飽和化
- CYP P450:モノオキシゲナーゼ
[★]
- 英
- chromium、chrome、Cr
- 関
- クロム中毒