出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/09/12 18:50:02」(JST)
セルシウス度(摂氏温度) 仏 degré Celsius |
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記号 | °C |
系 | 国際単位系 (SI) |
種類 | 固有の名称と記号で表される一貫性のある SI 組立単位 |
量 | 温度 |
定義 | ケルビン(K)で表した熱力学温度の値から273.15を減じたもの |
由来 | 水の凝固点を0度、沸点を100度とする温度 |
語源 | アンデルス・セルシウス |
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セルシウス度(セルシウスど、degree Celsius、記号 ℃)は、温度の単位である。国際単位系では、次のように定義されている[1]。
(引用 始め)
(引用 終わり)
すなわち、「セルシウス度」はケルビンの大きさに等しい温度間隔を表し、「セルシウス温度」は(ケルビンと273.15 Kだけ異なる)温度の高さを表す。しかし、一般にはこの違いが意識されず、混同されることが多い。
日本の計量法での定義は、「ケルビン(K)で表した熱力学温度の値から273.15を減じたもの」[2]である。計量単位令にあるとおり、単に「度」と表記した場合は、セルシウス度を意味する。
その記号は、「℃」 と定められている[3]。
元々の定義は水の凝固点を0度、沸点を100度とするものであった(詳しくは歴史を参照)。
例えばセルシウス度による温度は、日本語では「15 ℃」(読みは、じゅうご どしー)と表現する。日本の計量法体系では、単位記号の「℃」を付して表記するほか、計量法上は、単に「15度」と表現することが許容される。しかし、「摂氏15度」と表現することは許されていない[4]。
場合によっては、同じく「度」という表現を用いる角度や、ファーレンハイト度(華氏温度)と混同される恐れがある。英語では“fifteen degrees Celsius”と読み、“15 deg C”と略記することがある。アメリカ合衆国では、“fifteen degrees centigrade”と読まれることがある。
セルシウス度は、国際単位系(SI)における取り扱いが、他の単位と異なる点がある。
セルシウス度はスウェーデン人のアンデルス・セルシウスが1742年に考案したものに基づいている。当初は現在とは逆に1気圧下における水の沸点を 0°C、凝固点を 100°Cとしてその間を100等分し、低温領域に伸ばしていた。これは自然環境下において負数を考慮する必要がなくなるという意味がある。しかしその後、定義は凝固点を0°C、沸点を100°Cとする現在の方式に改められた。これは、カール・フォン・リンネかセルシウスの用いていた殆どの温度計の製作者であるDaniel Ekströmの換言によるものかもしれないといわれている。
水の沸点と融点の間に100の目盛があることから、この体系のもともとの名称は“centigrade”(「百分度」の意)であった[要出典]。しかし1948年の第9回国際度量衡総会にて、名称が正式にセルシウスへと変更になった。これには、セルシウス自身の認知のためとSI接頭辞であるセンチ(centi)との衝突からくる混乱(centigradeがgradeという単位の100分の1と勘違いされる)を避けるという目的があった。ただし、現在でも“centigrade”で通じる。
日本や中国では、過去には摂氏度(せっしど)と呼ばれたことがある。摂氏の語源は、セルシウスの中国音訳「摂尓修斯」(シュアルシゥスー、繁体字:攝爾修斯、簡体字:摄尔修斯、ピン音:Shèěrxiūsī)から「摂」+人名に付ける接尾辞「氏」で、「摂氏」「温度」になった。
その後の物理的な計測方法の進歩と熱力学温度の採用により、現在の定義は「ケルビン(K)で表した熱力学温度の値から273.15を減じたもの」となっている。つまり水の三重点を0.01°Cとし、水の三重点と絶対零度の温度差の273.16分の1を1°Cとしている。「273.16分の1」という数字は、セルシウス度における1度の温度差をそのままケルビンの1度の温度差として使用するためのものである。すなわち、セルシウス度とケルビンの目盛の幅(1度の温度差)は等しい。なお、この定義により水の沸点はちょうど100°Cから99.974°Cに変更された。
セルシウス度は世界的に使用されるようになっている。イギリスやアイルランドの放送メディアにおいても、センチグレードを用いず、セルシウスと呼ぶようになっている。なお、アメリカ合衆国では日常生活の全般を通じて、依然単独でファーレンハイト度(華氏温度)を用いるか、「センチグレード」との表現で併記している。
ケルビン | セルシウス度 | ファーレンハイト度 | ランキン度 | ドリール度 | ニュートン度 | レオミュール度 | レーマー度 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
絶対零度 | 0 | −273.15 | −459.67 | 0 | 559.725 | −90.14 | −218.52 | −135.90 |
地球表面の最低気温(※1) | 183.95 | −89.2 | −128.56 | 331.11 | 283.8 | −29.436 | −71.36 | −39.33 |
ファーレンハイトの寒剤 | 255.37 | −17.78 | 0 | 459.67 | 176.67 | −5.87 | −14.22 | −1.83 |
水の融点(標準状態下) | 273.15 | 0 | 32 | 491.67 | 150 | 0 | 0 | 7.5 |
地球表面の平均気温 | 288 | 15 | 59 | 518.67 | 127.5 | 4.95 | 12 | 15.375 |
人間の平均体温 | 309.95 | 36.8 | 98.24 | 557.91 | 94.8 | 12.144 | 29.44 | 26.82 |
地球表面の最高気温(※2) | 329.85 | 56.7 | 134.06 | 593.73 | 64.95 | 18.711 | 45.36 | 37.268 |
水の沸点(標準状態下) | 373.15 | 100 | 212 | 671.67 | 0 | 33 | 80 | 60 |
チタンの融点 | 1941 | 1668 | 3034 | 3494 | −2352 | 550 | 1334 | 883 |
太陽の表面温度 | 5800 | 5526 | 9980 | 10440 | −8140 | 1823 | 4421 | 2909 |
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
---|---|---|---|---|
℃ | U+2103 |
1-1-78 | ℃ ℃ |
セ氏度記号 |
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リンク元 | 「華氏」「C」「℃」 |
関連記事 | 「度」 |
華氏 | 摂氏 | |
氷点 | 32.0 F | 0.0 C |
平熱 | 98.6 F | 37 C |
発熱 | 100.0 F | 37.8 C |
沸点 | 212.0 F | 100.0 C |
華氏度(かしど)は、数種ある温度目盛のうちの1つであるファーレンハイト温度目盛(華氏温度目盛)によって計測した温度の単位である。ファーレンハイト度(ファーレンハイトど)とも言う。「華氏」は、考案者ファーレンハイト(Fahrenheit)の中国語における音訳「華倫海特」(普通話ではHualunhaite)によるものである。
ファーレンハイト温度目盛は、ドイツの物理学者ガブリエル・ファーレンハイトが1724年に提唱したもので、その名前を取って呼ばれる。ファーレンハイト度は、他の温度目盛と同様「度」(記号:°)の単位がつけられ、他の温度目盛による値と区別するためにファーレンハイトの頭文字を取って"°F"と書き表される。「32°F」は、日本語では「華氏32度」、英語では"32 degrees Fahrenheit"、または、"32 deg F"と表現される。
ファーレンハイト温度目盛では、水の氷点を1 E2 K(32°F)、沸点を212度(212°F)とする。水の氷点と沸点の間は180度に区切られる。よって、この温度目盛によって計った温度Fは、セルシウス温度目盛による値(セルシウス度、摂氏度)Cと、以下の関係にある。
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セルシウス度に対するケルビンに対応するものとして、絶対零度を0としてファーレンハイト度の目盛りを振ったランキン度がある。
ファーレンハイトがこの温度目盛を作った時の話には、いくつかの説がある。
日本では1.と2.を合わせたものがよく知られているが、アメリカでは3.が有名であるようである。
ファーレンハイトの計測は完全に正確ではなかった。彼が作ったオリジナルの目盛によって計った水の氷点・沸点は32度・212度とは異なっていた。彼の死後、その値が32度・212度となるように調整された。その結果、人の体温は96度ではなく98.6度となった。
1960年代まで、多くの英語圏の国でファーレンハイト度は気候・産業・医療における温度の基準となっていた。1960年代後半から1970年代にかけて、メートル法への切り換えの一環としてセルシウス度(摂氏度)の導入が政府によって行われた。しかし、切り換えのための努力にもかかわらず、現在でも多くの英語圏の国では非科学分野での温度計測にファーレンハイト度が広く使用されている。
ファーレンハイト度の支持者は、これがファーレンハイト度が利用者によって親しみやすいからだと主張している。地球上の居住可能地域の大部分で気温変化は0°Fから100°Fの範囲に収まり、ファーレンハイト度は生活感覚に直結した温度目盛であると主張している。
しかし、そのような温度と生活感覚の相互関係は、単に習慣から生まれるものである。日常摂氏を使用している人であれば、マイナスの温度では霜が降り、0-10℃は寒い、10-20℃は適温、20-30℃は暖かい、30-40℃は暑いということを知っている。
アメリカ合衆国・ジャマイカでは、メートル法への置き換えが生産者側・消費者側の両方で大きな抵抗に遭っているため、ファーレンハイト度は様々な分野で広く使われ続けている。同様にイギリスの一部では、低い温度はセルシウス度で表されるが、日常的に使われる温度はファーレンハイト度で測定されている。カナダではメディアはセルシウス度で温度が報じるが、年配のカナダ人は今でもファーレンハイト度で温度を表す。
また、ファーレンハイト度での人間の平熱が98.6度であることはよく知られていて、体温が華氏100度以上になると治療が必要とされる。
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