- 英
- B virus
- 関
- オナガザルヘルペスウイルス1型、サルヘルペスウイルス、ヘルペスBウイルス、サルBウイルス
WordNet
- the 2nd letter of the Roman alphabet (同)b
- the blood group whose red cells carry the B antigen (同)type_B, group B
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/10/18 20:28:31」(JST)
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Bウイルス感染症(びーういるすかんせんしょう)とは旧世界ザル由来の人獣共通感染症。感染症法における四類感染症。ヒトおよび新世界ザルにおいて致死的な疾病として知られる。
目次
- 1 歴史
- 2 原因
- 3 疫学
- 4 症状
- 5 診断
- 6 治療
- 7 予防
- 8 出典
- 9 脚注
- 10 関連項目
- 11 参考文献
- 12 外部リンク
歴史
1932年に米国のポリオ研究者Brebner, W.がアカゲザルに咬まれ、急性進行性髄膜脳炎で死亡したものが最初の報告とされている。Bウイルスという名はこの患者の名前に由来する。
原因
ヘルペスウイルス科アルファヘルペスウイルス亜科に属するBウイルス(en)の感染を原因とする。正式名称は cercpithecine herpesvirus 1 であるが、一般的にBウイルスと呼ばれる。その他にサルヘルペスウイルス (herpes simiae virus)、オナガザルヘルペスウイルス(cercopithecine herpesvirus 1)とも呼ばれる。
疫学
主に米国における発症例が確認されており、世界中で40例程度が報告されている。Bウイルスは東南アジアに常在する。Bウイルスは日本にも存在するが、ヒトでの感染は確認されていない。自然宿主はマカク属サルであり、単純疱疹様の症状を呈するが、死亡例はきわめてまれである。サル間では主な伝播経路は接触感染あるいは母子間の産道を介した垂直感染である。ヒトへの伝播はサルによる咬傷が主な感染源であり、実験室でサルの組織材料などを扱う際に傷を通して感染することもある。
症状
潜伏期間は、最短2日。通常は、2〜5週間。早期症状として接触部の激痛、掻痒感、外傷部周囲の水疱や潰瘍、リンパ節腫大、中期症状として発熱、接触部の感覚異常などであり、晩期症状として頭痛、悪心、嘔吐、意識障害、脳炎を示す。致死率は50%程度とされる[1]。前述のとおりサルでの死亡例はまれであるが、実験的に脳内接種すると、脳炎、脊髄炎を起こして死亡することが報告されている。生存例でも重篤な神経障害が後遺症が残る。
診断
皮膚病変、脊髄液、血清より特異ウイルスゲノムの検出あるいは抗体の検出により確定診断を行う。
治療
症例が少なく治療法は確立していないが、感染初期におけるアシクロビルやガンシクロビルの投与は発症予防に有効であるとされる。
予防
ワクチンは実用化されていない。サルを取り扱う者は飼育管理、防御衣類、消毒処置などに関するガイドラインを遵守する。ウイルスは4 ℃では安定であるが、40 ℃を越す条件では失活しやすく、また有機溶剤で容易に感染性を喪失する。
出典
- 感染症の話 Bウイルス病 2000年第41週(10月9日〜15日)、42週(10月16〜22日)掲載 国立感染症研究所 感染症発症動向調査週報
脚注
- ^ 本藤良、Bウイルス感染症 わが国への侵入/蔓延が危惧される動物由来感染症 日本獣医学会
関連項目
参考文献
- 大里外誉郎編著 『医科ウイルス学改訂第2版』 南江堂 2000年 ISBN 4-524-21448-8
- 高島郁夫、熊谷進編 『獣医公衆衛生学第3版』 文永堂出版 2004年 ISBN 4-8300-3198-0
外部リンク
- Bウイルス病 厚生労働省
- 佐藤浩、Bウイルス感染症について 長崎大学先導生命科学研究支援センター 動物実験施設
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- 1. Bウイルス感染b virus infection [show details]
…primate workers tested during a cluster of B virus cases were seropositive for B virus . A third study found that none of 130 persons who either had contact with B virus-infected individuals or who were primate …
- 2. 性器単純ヘルペスウイルス感染と妊娠genital herpes simplex virus infection and pregnancy [show details]
…related to genital herpes infection in pregnancy will be reviewed here. The epidemiology, clinical manifestations, diagnosis, treatment, and prevention of primary and recurrent genital HSV infection in the …
- 3. HIV感染患者における発熱および発疹fever and rash in hiv infected patients [show details]
… HIV-infected patients may also acquire hepatitis B virus through unprotected intercourse with a chronically… The primary episode of genital herpes simplex virus (HSV) infection usually presents with fever,…
- 4. 小児や青年への性的虐待の評価evaluation of sexual abuse in children and adolescents [show details]
…possible); serologic testing of child at time of abuse and 6, 12, and 24 weeks later. Hepatitis B virus: Serum hepatitis B surface antigen testing of alleged abuser (if possible); hepatitis B surface antibody … Genital herpes caused by HSV type 1 can be acquired through sexual contact .…
- 5. 性器潰瘍患者へのアプローチapproach to the patient with genital ulcers [show details]
… Patients who have not been vaccinated or exposed to hepatitis B virus in the past (as determined by serologic testing) should receive hepatitis B vaccine.…selection of appropriate diagnostic tests and the choice of empiric therapy. In the United States, genital herpes related to herpes simplex virus (HSV-1 or HSV-2) is the most common ulcerative STI followed by …
Japanese Journal
- 実験動物ニュース 実験動物感染症の現状 Bウイルス
- 牛鼻炎Bウイルスと牛アデノウイルス7型に対する各種処理を施した消毒薬の抗ウイルス効果
- 桐澤 力雄,川本 哲,永幡 肇
- 日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association 65(11), 864-870, 2012-11-20
- … 家畜防疫に用いられている消毒用資材の現場の使用条件下での口蹄疫ウイルスに対する消毒効果の指標とするために,口蹄疫ウイルスと同様の性状を持つ牛鼻炎Bウイルス(BRBV)とエンベロープを持たない牛アデノウイルス7型(BAdV-7)を用いて検討した。 …
- NAID 10031130264
- 輸入稲わら梱包中心部に挿入したアフトウイルス属牛鼻炎Bウイルスの加湿加熱による不活化実験
Related Links
- 感染症の話 2000年第41週(10月9日~15日)、42週(10月16~22日)掲載 Bウイルス病 1933 年にポリオ研究者がアカゲザルに咬まれ、脳脊髄炎を発症して死亡した。神経組織よりウイルスが分離され、患者の名前にちなみ、B ...
- Bウイルス病について紹介しています。 ... (1) 定義 マカク属のサルに常在するBウイルス(ヘルペスウイルス科・アルファヘルペスウイルス亜科)による熱性・神経性疾患である。
★リンクテーブル★
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- monkey B virus
- 関
- オナガザルヘルペスウイルス1型、サルヘルペスウイルス、ヘルペスBウイルス、Bウイルス
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- ラ
- herpesvirus simiae
- 関
- オナガザルヘルペスウイルス1型、ヘルペスBウイルス、Bウイルス、サルBウイルス
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- オナガザルヘルペスウイルス1型、サルヘルペスウイルス、Bウイルス、サルBウイルス
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- virus
- 同
- ウイルス粒子 virus particle、ビリオン virion
- 関
- 微生物学、抗ウイルス薬、国試に出がちなウイルス
感染経路による分類 SMB.374
学名
目(order, -virales), 科(family, -viridae), 亜科(subfamily, -virinae), 属(genus, -virus), 種(species)
増殖過程
- 吸着 absorption
- 侵入 penetration
- 脱殻 uncoating
- ゲノムの複製 replication、遺伝子発現 transcription
- ウイルス粒子の組み立て assembly
- 放出 release
感染の分類
持続時間
ゲノム
- 一本鎖RNA(-)をゲノムとするウイルスはウイルス粒子内にRNA依存性RNA合成酵素を有する。
[★]
- Mg2+存在下でC3, B, Dが反応してC3bBbとなり、これがC3転換酵素(C3bBb)あるいはC5転換酵素(C3bBb3b)を形成する。これらはP(properdin)と結合して活性化し、それぞれC3、C5を活性化する