- 英
- centrifugation、centrifugal separation、centrifuge
- 関
- 遠心、遠心機、遠心沈降、遠心分離法、遠心法、遠沈
WordNet
- rotate at very high speed in order to separate the liquids from the solids (同)centrifugate
- an apparatus that uses centrifugal force to separate particles from a suspension (同)extractor, separator
- the process of separating substances of different densities by the use of a centrifuge
PrepTutorEJDIC
- 遠心分離機
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/01 18:30:30」(JST)
[Wiki ja表示]
|
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。
出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2012年9月) |
卓上型の遠心分離機。円周上に並んでいる穴に沈殿管をセットする。
遠心分離(えんしんぶんり、英: centrifugation)とは、ある試料に対して強大な遠心力をかけることにより、その試料を構成する成分(分散質)を分離または分画する方法である。
懸濁液や乳液などは、ろ過や抽出操作では分離することが困難であるが、遠心分離では通常なら分離困難な試料に対しても有効にはたらく場合が多い。その原理は、高速回転により試料に強大な加速度を加えると、密度差がわずかであっても遠心力が各分散質を異なる相に分離するように働くためである。遠心分離に使用する機械を遠心機という。
19世紀から開発され、現代的なものはテオドール・スヴェドベリにより1920-1930年にかけて開発された[1]。
目次
- 1 密度勾配遠心法
- 2 遠心機
- 3 理論
- 4 脚注
- 5 関連項目
密度勾配遠心法
詳細は「等密度遠心法」を参照
生化学では、塩化セシウムなど式量の大きい塩の溶液を試料と混合して超遠心機(後述)にかけることによって、試料の粒子をその重さにしたがって分離する密度勾配遠心法(みつどこうばいえんしんほう)が利用される。これは、溶液に長時間にわたり超遠心を施すことにより生じる密度勾配を利用し、試料中の粒子がその重さに応じて層を成して分離する現象を利用して、高分子の分離や平均分子量を推測する手法である。また、血球細胞の分離の際にもショ糖溶液などを用いて行われる。その際には細胞が損傷を受けないように超遠心機ではなく、通常の遠心機によって分離される。
遠心機
遠心分離に使用される装置を遠心機(えんしんき、centrifuge)と呼ぶ。筐体とその内部の回転子とで形成される。手回し式のギアで回転させるものから、高速電動モーターで回転させるものまでさまざまである。
遠心機の能力は発生する遠心力をG(重力加速度)で計測した値で示され、数千Gまでかけられるものを遠心機、数万G以上をかけられるものを超遠心機 (ultracentrifuge) と呼び区別している。
回転子は用途によりさまざまな形状が存在する。試料容器は沈殿管(ちんでんかん)と呼ばれ試験管、スピッツ管、ディープウエルプレート、マイクロチューブなどが使用されるため、通常はアダプターを取り替えることで、種々の容器に対応できるようになっているものが多い。
いずれも、回転速度により遠心力ベクトルが変化するのに、管の向きを鉛直に保てるように振り子式の支点でアダプターを回転子に保持させるようになっている。ただし、管の角度が常に一定になっている遠心機も存在している。また、回転子の重量配分に偏りがあると高速回転時に振動を発生し危険でもあるので、サンプルは重量配分に偏りが無いようにセットされる。
超遠心機では、種々の部位による摩擦による発熱が無視できないので、生化学用の超遠心機にはサンプルを冷却する仕組みが備えられたものもあり、これらは冷却遠心機と呼ばれる。場合によっては減圧にすることで、空気との断熱圧縮を減らす冷却遠心機も存在する。
- 工業用遠心機
- 工業用では砂糖の精製や、乳脂肪分を分離するために遠心機が利用されている。また化学工業用には結晶とろ液を分離する為の布張りの遠心機が利用されることもある。
- ガス遠心分離装置
- 六フッ化ウランガスを超遠心機にかけると、原子量の違いにより同位体濃度に勾配が発生する。遠心機の原理で同位体を分離する装置をガス遠心分離装置と呼ぶ。天然ウランから濃縮ウランを製造するウラン濃縮を行う濃縮工場で使用されている。核兵器の製造にも使用されるため、核拡散防止のために輸出入が制限される事がある。
- 超遠心機の発生する数十万Gであっても同位体の濃度勾配はわずかなものである為、高濃度側と低濃度側のガスをそれぞれ別の遠心分離装置に導く。ガスを連続的に多数の遠心分離装置へ多段階にかけることで同位体を高度に濃縮することが出来る。
- 遠心エバポレーター
- 遠心機を減圧にすると、遠心力が溶液の突沸を押さえ込むため、試験管やディープウエルプレートなど微少量の溶液サンプルを小容量の容器のまま蒸発・乾固させることが出来る。このような目的で設計された遠心機を遠心エバポレーターと呼ぶ。
- 回転子の仕組みと超遠心機と同様であるが、筐体が減圧可能になっており、サンプル容器を赤外線輻射や温風の注入などで加温することが可能なようになっている。
理論
遠心分離中の分散質の移動速度v は、次で表される[1]。
ここでΔρは分散質と分散媒の密度差、V は分散質の体積、αは加速度、m は分散質の質量、βは単位質量あたりの摩擦係数である。このことから、遠心分離の効果を表す指標として、次のスヴェドベリのS 値、または沈降係数が定義される。
ただしストークスの式を用いており、a は分散質(粒子)の半径である。
このS は時間の次元をもち、10-13 秒を単位として表される。これをスヴェドベリ単位という。
脚注
- ^ a b 林茂雄 『移動現象論入門』 東洋書店、2007年、385頁。ISBN 978-4-88595-691-1。
関連項目
|
ウィキメディア・コモンズには、遠心分離に関連するカテゴリがあります。 |
|
この項目は、化学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:化学/Portal:化学)。 |
|
この項目は、工学・技術に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています。 |
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 分散固相抽出および多機能カラムを用いたGC-MS/MSによる畜産物中の残留農薬一斉分析法
- β-クリプトキサンチン強化果汁飲料の開発 (特集 食品と疾病 : β-クリプトキサンチン)
- 菅原 邦明,首藤 正彦
- Functional food : 機能性食品の基礎から臨床へ 5(3), 233-238, 2012
- NAID 40019203102
Related Links
- 遠心分離(えんしんぶんり、centrifugation)とは、ある試料に対して強大な遠心力を かけることにより、その試料を構成する成分(分散質)を分離または分画する方法である 。 懸濁液や乳液などはろ過や抽出操作では分離することが困難であるが、遠心分離 では ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- centrifugal、centrifugal separation、centrifuge、sedimentation
[★]
- 英
- sedimentation、centrifugation
- 関
- 遠心、遠心沈降、遠心分離、遠心分離法、遠心法、沈降
[★]
- 英
- centrifugation、sedimentation
- 関
- 遠心、遠心分離、遠心分離法、遠心法、遠沈、沈降
[★]
- 英
- centrifugation
- 関
- 遠心、遠心沈降、遠心分離、遠心分離法、遠沈
[★]
- 関
- centrifugation、centrifuge
[★]
- 英
- equilibrium density−gradient centrifugation method
- 関
- 超遠心機
- ショ糖、CsClでチューブ内に連続密度勾配を作成し、その上に試料を載せ1万G以上の加速度で遠心分離を行う。試料中に含まれる物質の沈降係数(S値)によって物質を分離する方法。
[★]
- 英
- centrifugation
- 関
- 遠心、遠心沈降、遠心分離、遠心法、遠沈
[★]
- 英
- zonal centrifugation
- 関
- ゾーン遠心分離法
[★]
- 英
- high-speed centrifugation
- 関
- 高速遠心分離
[★]
- 英
- separation、isolation、segregation、disjunction、separate、isolate、segregate、dissociate、resolve、discrete
- 関
- アイソレーション、アイソレート、解決、回復、解離、隔離、絶縁、単離、分域、分解、分散、偏折、別々、分ける、分別、消散、別離
[★]
- 英
- centrifugation、centrifuge、centrifugal
- 関
- 遠心機、遠心性、遠心沈降、遠心分離、遠心分離法、遠心法、遠沈