- 英
- posterior pituitary gland、posterior pituitary
- 関
- 下垂体後葉
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/09/05 18:17:34」(JST)
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脳下垂体後葉(のうかすいたいこうよう、英: Posterior pituitaryもしくはNeurohypophysis)または神経性下垂体、下垂体神経葉、後葉は下垂体後部の内分泌器官である。
目次
- 1 発生および命名
- 2 構成
- 3 ホルモンの合成部位
- 4 脳下垂体後葉ホルモン
発生および命名
脳下垂体を大きく分けると、脳が突出して形成される神経部と、口蓋上皮に由来する腺性部に分けられる。神経部は脳下垂体「神経葉」と呼ばれるほか、ヒトなどの霊長目では腺性部の後方に位置する事から、脳下垂体「後葉」とも呼ばれる。これに対して腺性部は後葉の直前に中葉、更に最前方に前葉が存在する。四足獣では後葉は上方に存在し、この直下に中葉、そして最下方に前葉が形成され、上中下の関係になるが、このような位置関係を無視して「後葉」の名で呼ばれる。
構成
脳下垂体後葉には、ホルモンを産生する細胞の核はなく、その軸索のみが存在しており、この点で前葉と異なる。この軸索の途中や終末にはホルモンやその担体タンパク質であるニューロフィジンを含む膨大部があり、ヘリング小体(Hering body)と呼ばれる。ヘリング小体は染色すると光学顕微鏡でも見ることができる。このような軸索が多い後葉であるが、細胞の核も多数認められる。これは後葉細胞(pituicyte)と呼ばれる一種のグリア細胞で神経軸索と毛細血管に細胞突起を伸ばしホルモンの分泌を助けているとされる。
なお、後葉を流れる毛細血管は下下垂体動脈から分岐したもので、血管壁は有窓型である。
ホルモンの合成部位
後葉には前葉や中葉と異なりホルモン産生細胞が認められず、また神経分泌の概念そのものが無かったために、初期にはホルモンが含まれていないと考えられた。しかし神経分泌物染色法の開発に伴う神経分泌の概念の確立により、間脳のニューロンで合成されたホルモンが軸索輸送され、神経末端に多量に蓄えられていることが解った。この事実は合成部位となる間脳のニューロン群(視束上核、室傍核)に標識されたS含有アミノ酸を取り込ませる実験により確認された。
早くから行われた後葉抽出物投与実験、脳と後葉をつなぐ下垂体茎の切断実験や、また神経変性病例から、後葉には異なる二つの神経ホルモンが含まれる事が確立されている
脳下垂体後葉ホルモン
バソプレッシン
バソプレッシン(バソプレシン)は視索上核から輸送され、腎臓の尿細管での水再吸収を促進するとともに、血管収縮の作用を持つ。その働きから抗利尿ホルモンと呼ばれる。なお、バソプレッシンの低下によって起こる尿崩症は頻度が高い。
神経性と上皮由来線性の異なる組織が、なぜ一体となって脳下垂体を形成しているかという疑問は、発生中の腺性部の細胞増殖および分化に神経性の要素が誘導作用を果たしている実験事実によって次第に氷解しつつある。
オキシトシン
オキシトシンは室傍核から輸送され、子宮平滑筋および乳腺筋上皮細胞が収縮し、正のフィードバックの作用が生じる。
内分泌器:ホルモン(ペプチドホルモン、ステロイドホルモン) |
視床下部 - 脳下垂体 |
視床下部 |
GnRH - TRH - ドーパミン - CRH - GHRH - ソマトスタチン - ORX - MCH - MRH - MIH
|
脳下垂体後葉 |
バソプレッシン - オキシトシン
|
脳下垂体中葉 |
MSH(インテルメジン)
|
脳下垂体前葉 |
αサブユニット糖タンパク質ホルモン(FSH - LH - TSH) - GH - PRL - POMC(ACTH - エンドルフィン - リポトロピン)
|
|
副腎 |
副腎髄質 |
副腎髄質ホルモン(アドレナリン - ノルアドレナリン - ドパミン)
|
副腎皮質 |
副腎皮質ホルモン( 鉱質コルチコイド - 糖質コルチコイド - アンドロゲン)
|
|
甲状腺 |
甲状腺 |
甲状腺ホルモン(T3 - T4 - カルシトニン)
|
副甲状腺 |
パラトルモン
|
|
生殖腺 |
精巣 |
テストステロン - AMH - インヒビン
|
卵巣 |
エストラジオール - プロゲステロン - インヒビン/アクチビン - リラキシン(妊娠時)
|
|
その他の内分泌器 |
膵臓 |
グルカゴン - インスリン - ソマトスタチン - 膵ポリペプチド(英語版)
|
松果体 |
メラトニン
|
|
内分泌器でない器官 |
胎盤:hCG - HPL - エストロゲン - プロゲステロン - 腎臓:レニン - エリスロポエチン(EPO) - カルシトリオール - プロスタグランジン - 心臓:ANP - BNP - ET - 胃:ガストリン - グレリン - 十二指腸:コレシストキニン - GIP - セクレチン - モチリン - VIP - 回腸:エンテログルカゴン - 脂肪組織:レプチン - アディポネクチン - レジスチン - 胸腺:サイモシン - サイモポイエチン - サイムリン - STF - THF - 肝臓:IGFs(IGF-1 - IGF-2) - 耳下腺:バロチン - 末梢神経系:CGRP - P物質
|
誘導タンパク質 |
NGF - BDNF - NT-3
|
|
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- バソプレシン/バソトシンの浸透圧調節作用からみた脊椎動物の環境適応と進化
- ニワトリの脳下垂体後葉抽出液およびアフリカツメガエルの脳下垂体抽出液によるニワトリの産卵誘起実験
Related Links
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- 下垂体後葉ホルモン バソプレシンが低下すると多尿に 下垂体後葉ホルモンは実際には後葉で作られるのではなく、その上部の神経細胞で作られ、下垂体後葉に貯えられ、血液中へ放出されます。後葉ホルモンにはバソプレシン ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- pituitary gland (Z), hypophysis (Z)
- ラ
- glandula pituitaria
- 同
- 脳下垂体
- 図譜では矢状断のものしか載っていないが、前頭断で見ると意外に横に長い、みたい。
発生学(L.413)
- 胎生第4週に下垂体前葉と下垂体後葉が接する。Rathke嚢の細胞は、活発に分裂して前葉を形成し、内腔は殆ど閉鎖する。成人ではコロイドを満たした小嚢胞として前葉と後葉の間に認められる。
画像
- MRI T1:(高信号)下垂体後葉 > 下垂体前葉 ← 脂肪濃度を反映しているのですかね?軸索が多いでしょ?
[★]
- 英
- posterior pituitary (Z), posterior lobe of hypophysis
- ラ
- lobus posterior hypophyseos
- 同
- 神経下垂体 neurohypophysis (Z)、神経性下垂体
- 関
- 下垂体
発生学的由来
- 第三脳室が突出したもの(PT.408)
- 間脳腹側部の神経上皮の一部より生じる
解剖
機能
-神経性下垂体
-neurohypophysis
[★]
- 英
- (植物)leaf、leaves、plant leaf、plant leaves、blade、(動物)lobe、lobus、foliage、foliar
- 関
- 葉状、刃、ローブ
[★]
- 英
- posterior lobe
- 関
- 下垂体、小脳