ミアンセリン
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/06/13 21:09:06」(JST)
[Wiki ja表示]
ミアンセリン
|
IUPAC命名法による物質名 |
IUPAC名
(±)-2-methyl-1,2,3,4,10,14b-hexahydrodibenzo[c,f]pyrazino[1,2-a]azepine
|
識別 |
CAS番号
(MeSH) |
24219-97-4 21535-47-7(塩酸塩)
|
ATCコード |
N06AX03 |
PubChem |
CID: 4184 |
KEGG |
D08216 |
化学的データ |
化学式 |
C18H20N2 |
分子量 |
264.365 |
ミアンセリン(英:Mianserin)は、抗うつ薬として用いられる有機化合物の一種。分子式は C18H20N2。においは無く、味は苦い。水、メタノールにやや溶けやすくトルエンに溶けにくい。
シナプス前α2アドレナリン受容体を阻害することにより、神経シナプス間隙へのノルアドレナリンの放出を促進し、受容体への刺激を増進することにより、抗うつ作用を示す。抗コリン作用は極めて弱い。
四環系抗うつ薬の一種で、塩酸塩が1966年にオランダのオルガノン社(当時、現シェリング・プラウ)により開発された。日本では1983年に上市された。2010年現在シェリング・プラウ製造販売、第一三共販売でテトラミド®という商品名で発売されている。うつ病・うつ状態の治療薬に使用される。
目次
- 1 適応症
- 2 禁忌
- 3 慎重投与
- 4 用量・用法
- 5 種類
- 6 副作用
- 7 参考
適応症
うつ病・うつ状態
禁忌
慎重投与
用量・用法
うつ病・うつ状態の者に通常、成人にはミアンセリン塩酸塩として1日30mgを初期用量として、1日60mgまで増量し、分割経口投与、あるいは夕食後または就寝前1日1回経口投与する。なお年齢や症状に応じて適宜増減する。
種類
副作用
重大な副作用としては
がある。
参考
- レメロン/リフレックス…この薬の炭素1個を窒素1個に置き換えただけであるが飛躍的に効果が上がった。
|
この項目は、薬学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:薬学/Portal:医学と医療)。 |
抗うつ薬 (N06A) |
|
再取り込み阻害薬 |
|
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRIs)
|
フルオキセチン フルボキサミン パロキセチン セルトラリン エスシタロプラム
|
|
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (SNRIs)
|
デュロキセチン ミルナシプラン ベンラファキシン
|
|
ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (NRIs)
|
アトモキセチン
|
|
ノルアドレナリン・ドパミン再取り込み阻害薬 (NDRIs)
|
ブプロピオン
|
|
|
|
受容体拮抗薬 / 再取り込み阻害薬 |
|
セロトニン2受容体拮抗・再取り込み阻害薬 (SARIs)
|
トラゾドン
|
|
ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬 (NaSSAs)
|
ミアンセリン ミルタザピン セチプチリン
|
|
ノルアドレナリン・ドパミン脱抑制薬 (NDDIs)
|
アゴメラチン フリバンセリン
|
|
|
|
三環系抗うつ薬 と 四環系抗うつ薬 (TCAs/TeCAs) |
|
三環系: アミトリプチリン クロミプラミン イミプラミン ノルトリプチリン アモキサピン 四環系: マプロチリン ミアンセリン ミルタザピン セチプチリン
|
|
|
アザピロン と 5-HT1A阻害薬 |
|
アリピプラゾール タンドスピロン
|
|
|
サプリメント |
|
ω-3脂肪酸 S-アデノシルメチオニン
|
|
|
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- B-31 RA における塩酸ミアンセリン錠の二重盲検比較試験による有用度の検討
Related Links
- MAO阻害剤 併用しないこと:発汗,不穏,全身けいれん,異常高熱,昏睡等が現れるおそれがある アルコール摂取 併用に注意すること:相互に作用を増強することがある バルビツール酸誘導体 併用に注意すること:相互に作用を増強する ...
- テトラミド(塩酸ミアンセリン) 概要 脳内における神経シナプス間隙へのノルアドレナリン放出を促進することにより、うつ病・うつ状態に伴う不安、いらいら、不眠などの症状を改善する。通常、うつ病・うつ状態の治療に ...
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
テトラミド錠10mg
組成
- テトラミド錠10mg:1錠中にミアンセリン塩酸塩10mgを含有
添加物
- バレイショデンプン、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、メチルセルロース、リン酸水素カルシウム水和物、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタンを含有
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- MAO阻害剤を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
効能または効果
- 抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。
- ミアンセリン塩酸塩として、通常成人1日30mgを初期用量とし、1日60mgまで増量し、分割経口投与する。
また、上記用量は1日1回夕食後あるいは就寝前に投与できる。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 緑内障、排尿困難又は眼内圧亢進等のある患者[本剤は抗コリン作用を若干有するため、これらに影響を与える可能性がある。]
- 心疾患の患者[本剤は心機能抑制作用を若干有するため、症状に影響を与える可能性がある。]
- 肝・腎障害のある患者[代謝・排泄障害により副作用があらわれることがある。]
- てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣を起こすことがある。]
- 躁うつ病患者[躁転、自殺企図があらわれることがある。]
- 脳の器質障害又は統合失調症の素因のある患者[精神症状を増悪させることがある。]
- 衝動性が高い併存障害を有する患者[精神症状を増悪させることがある。]
- 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者[自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。]
- コントロール不良な糖尿病患者[耐糖能の低下がみられることがある。]
- 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児(「小児等への投与」の項参照)
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- QT延長又はその既往歴のある患者、QT延長を起こすことが知られている薬剤を投与中の患者、著明な徐脈や低カリウム血症等がある患者[QT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)、心室細動を起こすことがある。]
重大な副作用
Syndrome Malin(悪性症候群)
頻度不明
- 無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、直ちに投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全へと移行し、死亡した例が報告されている。
無顆粒球症
頻度不明
- 無顆粒球症(初期症状:発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状等)があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うことが望ましい。異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
QT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)、心室細動
頻度不明
- QT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)、心室細動があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
頻度不明
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-P、総ビリルビン等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
痙攣
頻度不明
- 痙攣があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- ミアンセリン塩酸塩のうつ病・うつ状態に対する作用機序は、脳内におけるノルアドレナリンのturnoverを亢進し、また、シナプス前α-アドレナリン受容体を阻害することにより神経シナプス間隙へのノルアドレナリン放出を促進し、受容体への刺激を増進することによるものと考えられている。
レセルピンに対する作用
- マウスでの眼瞼下垂、低体温4)、ネコでの外側膝条体における橋−膝条体−後頭野(PGO)スパイク発生5)等を指標とした実験で、レセルピンに対する著明な拮抗作用は認められていない。
カテコールアミンのturnover亢進作用
- ラットでのカテコールアミン合成阻害剤を用いた実験6)及び放射性同位元素で標識したカテコールアミン前駆物質を用いた実験7,8)で、ノルアドレナリンのturnoverを亢進することが示唆されている。
カテコールアミン放出の促進作用9)
- 3H-ノルアドレナリンを取込ませたラット大脳皮質切片での電気刺激によるノルアドレナリン放出に対し、促進作用が認められている。また、この促進作用はシナプス前α-アドレナリン受容体阻害によることが示唆されている。
カテコールアミン取込みに対する作用
- in vivoでのラットの脳についての取込み実験6,9)並びにin vitroでのウサギ脳切片10)及びラット脳細胞のシナプトソームを用いた実験11)などで、カテコールアミン取込みに対し作用を示さないか、あるいは弱い抑制作用しか示さないことが認められている。
その他の薬理作用
抗セロトニン作用
- マウス、ラット、ウサギでの行動観察6,12〜14)、体温測定14)及び脊髄ラットの後肢伸展反射12)を指標とした実験などで、トリプタミン、5HTP等に対する拮抗作用を示し、抗セロトニン作用を有することが認められている。
抗コリン作用
- マウスの行動観察13)でピロカルピン、トレモリン等に対し極めて弱い拮抗作用しか示さない。
また、ウサギでの脳波覚醒反応を指標とした実験15)で、フィゾスチグミンに対し拮抗しないなど抗コリン作用は弱いことが認められている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ミアンセリン塩酸塩(Mianserin Hydrochloride)
化学名
- 1,2,3,4,10,14b-Hexahydro-2-methyldibenzo[c,f]pyrazino[1,2-a]azepine monohydrochloride
分子式
分子量
性状
- 白色〜帯黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。メタノールにやや溶けやすく、水又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、アセトン、酢酸(100)又は無水酢酸に溶けにくく、トルエンにほとんど溶けない。
分配係数
- 0.7(pH1.2、水−オクタノール系)
2.8(pH6.8、水−オクタノール系)
融点
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- mianserin
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- serine, Ser, S
- 同
- 2-アミノ-3-ヒドロキシプロピオン酸 2-amino-3-hydroxypropionic acid
- 関
- アミノ酸
- 極性。無電荷。
- ヒドロキシル基(hydroxyl group)を有する。
- アラニンの側鎖にヒドロキシル基が付いた形をしている。
- 側鎖:
-CH2-OH
- Kinaseの標的となり、リン酸イオンが結合する。
-CH2-O-H2PO3
[★]
- 英
- mianserin
- 同
- 塩酸ミアンセリン mianserin hydrochloride
- 関
-
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義
[★]
- 英
- anserine
- 商
- テトラミド
抗酸化作用をもつジペプチド