レゴラフェニブ
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- 2013年3月25日、抗悪性腫瘍薬のレゴラフェニブ水和物(商品名スチバーガ錠40mg)が製造承認を取得した。適応は「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」であり、用法・用量は「成人、1日1回160mgを食後に3週間連日投与し ...
- - 3/3 - スチバーガ ®錠(レゴラフェニブ)について スチバーガ ®錠(有効成分:レゴラフェニブ)は、血管新生、腫瘍形成、腫瘍微小環境の維持といった腫瘍 増殖と腫瘍進行にかかわる機序において、さまざまなキナーゼを阻害する ...
- バイエル薬品は、3月25日に「スチバーガ錠 40mg」(一般名:レゴラフェニブ水和物)について、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の適応症で厚生労働省から製造販売承認を取得したことを受け、プレスセミナーを開催した。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
スチバーガ錠40mg
組成
成分・含量
- 1錠中,レゴラフェニブ40mg(レゴラフェニブ水和物として41.49mg)を含有する.
添加物
- 結晶セルロース,クロスカルメロースナトリウム,ステアリン酸マグネシウム,ポビドン,軽質無水ケイ酸,三二酸化鉄,黄色三二酸化鉄,大豆レシチン,マクロゴール4000,ポリビニルアルコール(部分けん化物),タルク,酸化チタン
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
効能または効果
- *治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌,がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍
- 臨床試験の対象となった患者の前治療歴等について,「臨床成績」の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で,適応患者の選択を行うこと.
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
- 本剤の一次治療及び二次治療における有効性及び安全性は確立していない.
- 本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない.
*がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍
- イマチニブ及びスニチニブによる治療後の患者を対象とすること.
- 本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない.
- 通常,成人にはレゴラフェニブとして1日1回160mgを食後に3週間連日経口投与し,その後1週間休薬する.これを1サイクルとして投与を繰り返す.なお,患者の状態により適宜減量する.
- 本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用について,有効性及び安全性は確立していない.
- 空腹時に本剤を投与した場合,食後投与と比較して未変化体のCmax及びAUCの低下が認められることから,空腹時投与を避けること.また,高脂肪食摂取後に本剤を投与した場合,低脂肪食摂取後の投与と比較して活性代謝物のCmax及びAUCの低下が認められることから,本剤は高脂肪食後の投与を避けることが望ましい.[「薬物動態」の項参照]
- 副作用があらわれた場合は,症状,重症度等に応じて以下の基準を考慮して,本剤を減量,休薬又は中止すること.減量して投与を継続する場合には,40mg(1錠)ずつ減量すること(1日1回80mgを下限とすること).
手足症候群
皮膚毒性のグレード:グレード1
- 発現回数/用量調節及び処置:本剤の投与を継続し,対症療法を直ちに行う.
皮膚毒性のグレード:グレード2
- 発現回数/用量調節及び処置:1回目:
本剤の投与量を40mg(1錠)減量し,対症療法を直ちに行う.改善がみられない場合は,7日間休薬する.休薬によりグレード0〜1に軽快した場合,投与を再開する.7日以内に改善がみられない場合は下記参照.
発現回数/用量調節及び処置:7日以内に改善がみられない場合又は2回目若しくは3回目:
グレード0〜1に軽快するまで休薬する.本剤の投与を再開する場合,投与量を40mg(1錠)減量する.
発現回数/用量調節及び処置:4回目:
本剤の投与を中止する.
皮膚毒性のグレード:グレード3
- 発現回数/用量調節及び処置:1回目又は2回目:
対症療法を直ちに行い,グレード0〜1に軽快するまで少なくとも7日間は休薬する.本剤の投与を再開する場合,投与量を40mg(1錠)減量する.
- 発現回数/用量調節及び処置:3回目:
本剤の投与を中止する.
肝機能検査値異常
肝機能検査値異常の程度:ALT(GPT)又はAST(GOT)が正常基準値上限の5倍以下
- 発現回数/用量調節及び処置:本剤の投与を継続し,検査値が正常基準値上限の3倍未満又は投与前値に回復するまで肝機能検査を頻回に行う.
肝機能検査値異常の程度:ALT(GPT)又はAST(GOT)が正常基準値上限の5倍を超過,かつ20倍以下
- 発現回数/用量調節及び処置:1回目:
検査値が正常基準値上限の3倍未満又は投与前値に回復するまで休薬する.投与を再開する場合,投与量を40mg(1錠)減量し,少なくとも4週間は肝機能検査を頻回に行う.
発現回数/用量調節及び処置:2回目:
本剤の投与を中止する.注1)
肝機能検査値異常の程度:ALT(GPT)又はAST(GOT)が正常基準値上限の20倍を超過
- 発現回数/用量調節及び処置:本剤の投与を中止する.注1)
肝機能検査値異常の程度:ALT(GPT)又はAST(GOT)が正常基準値上限の3倍を超過,かつビリルビン値が正常基準値上限の2倍を超過
- 発現回数/用量調節及び処置:本剤の投与を中止する.注1)
ジルベール症候群注2)の患者においてALT(GPT)又はAST(GOT)の上昇が発現した場合は,本欄のビリルビン値の基準によらず,上欄で規定するALT(GPT)又はAST(GOT)の基準に従う.
- 注1)肝機能検査値が正常範囲又は投与前値に回復するまで,肝機能検査を頻回に行う.
- 注2)本剤はUGT1A1によるグルクロン酸抱合を阻害するため,ジルベール症候群の患者においては間接型ビリルビンが上昇する可能性がある.
*高血圧
高血圧のグレード:グレード2(無症候性)
- 用量調節及び処置:本剤の投与を継続し,降圧剤投与を行う.降圧剤による治療を行ってもコントロールできない場合,本剤の投与量を40mg(1錠)減量する.
高血圧のグレード:グレード2(症候性)
- 用量調節及び処置:症状が消失し,血圧がコントロールできるまで休薬し,降圧剤による治療を行う.
投与再開後,降圧剤による治療を行ってもコントロールできない場合,本剤の投与量を40mg(1錠)減量する.
高血圧のグレード:グレード3
- 用量調節及び処置:症状が消失し,血圧がコントロールできるまで休薬し,降圧剤による治療を行う.本剤の投与を再開する場合,投与量を40mg(1錠)減量する.
投与再開後,降圧剤による治療を行ってもコントロールできない場合,本剤の投与量をさらに40mg(1錠)減量する.
高血圧のグレード:グレード4
その他の副作用
- グレード3以上の副作用発現時は,グレード2以下に軽快するまで休薬し,投与量を40mg(1錠)減量し再開する,又は投与の中止を考慮すること.
- *グレードはCommon Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)に準じる.
慎重投与
- 重度の肝機能障害のある患者[使用経験がない.「薬物動態」の項参照]
- 高血圧症の患者[高血圧が悪化するおそれがある.「重要な基本的注意」,「重大な副作用」の項参照]
- 脳転移のある患者[脳出血があらわれるおそれがある.]
- 血栓塞栓症又はその既往歴のある患者[心筋虚血,心筋梗塞等があらわれるおそれがある.]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重大な副作用
*手足症候群
(49.4%)
- 手足症候群があらわれることがあるので,皮膚症状があらわれた場合には対症療法,減量,休薬又は投与の中止を考慮すること.
*中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.2%),多形紅斑(0.6%)
- 中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群,多形紅斑があらわれることがあるので,本剤投与中は観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
*肝不全(0.5%),肝機能障害(2.7%),黄疸(0.5%)
- AST(GOT),ALT(GPT)の著しい上昇を伴う肝機能障害,黄疸があらわれ,肝不全により死亡に至る例が報告されている.本剤投与中は観察を十分に行い,異常が認められた場合には減量,休薬又は投与を中止し,適切な処置を行うこと.
*出血
(9.8%)
- 消化管出血(1.1%),喀血(0.3%),肺出血(0.3%),腹腔内出血(0.2%),腟出血(0.2%),脳出血(頻度不明),鼻出血(6.2%),血尿(0.9%)等の出血があらわれることがある.重篤な出血においては,死亡に至る例が報告されているので,本剤投与中は観察を十分に行い,重篤な出血があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
血栓塞栓症
- 心筋虚血(0.2%),心筋梗塞(0.2%)等の血栓塞栓症があらわれることがあるので,本剤投与中は観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
*高血圧(32.1%),高血圧クリーゼ(0.2%)
- 高血圧があらわれることがあるので,本剤投与中は観察を十分に行い,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと.なお,コントロールできない重症の高血圧が認められた場合には休薬すること.また,高血圧クリーゼがあらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
*可逆性後白質脳症
(0.2%)
- 可逆性後白質脳症があらわれることがあるので,痙攣,頭痛,錯乱,視覚障害,皮質盲等が認められた場合には投与を中止し,血圧のコントロールを含め,適切な処置を行うこと.
消化管穿孔(頻度不明),消化管瘻(0.2%)
- 消化管穿孔,消化管瘻があらわれることがあり,死亡に至る例が報告されている.本剤投与中は観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
薬効薬理
*抗腫瘍効果6,7,8)
- レゴラフェニブは,結腸・直腸癌及び消化管間質腫瘍由来腫瘍を移植したマウスにおいて,経口投与で腫瘍増殖を抑制した.
*作用機序6,9,10)
- レゴラフェニブは,腫瘍血管新生(VEGFR1〜3,TIE2),腫瘍微小環境(PDGFR,FGFR)及び腫瘍形成(KIT,RET,RAF-1,BRAF)に関わるキナーゼを阻害する(in vitro).また,変異型KIT(V560G,V654A,D816H,D820Y及びN822K変異)の活性を阻害する(in vitro).レゴラフェニブは,腫瘍を移植したマウス又はラットにおいて,腫瘍血管新生を抑制し,腫瘍細胞増殖のシグナル伝達経路を阻害した.
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- レゴラフェニブ水和物(Regorafenib Hydrate)JAN
(regorafenib)INN
化学名
- 4-[4-({[4-Chloro-3-(trifluoromethyl)phenyl]carbamoyl}amino)-3-fluorophenoxy]-N-methylpyridine-2-carboxamide monohydrate
分子式
分子量
性状
- 本品は白色〜微淡赤色又は微帯褐色の粉末である.
本品はエタノール(99.5)に溶けにくく,水にほとんど溶けない.
★リンクテーブル★
[★]
- 化
- レゴラフェニブ水和物
- 商
- スチバーガ
[★]
- 英
- hydrate
- 関
- 水和、水分補給