ロキソプロフェン
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ロキソプロフェン
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|
IUPAC命名法による物質名 |
(RS)-2-{4-[(2-oxocyclopentyl)methyl]phenyl}propanoic acid |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
Red Stripe(ブラジル) |
投与方法 |
経口、経皮貼布 |
薬物動態的データ |
血漿タンパク結合 |
97% |
代謝 |
肝臓 グルコヌリド化 |
半減期 |
75分 |
排泄 |
腎臓 |
識別 |
CAS登録番号 |
68767-14-6 |
ATCコード |
M01AE |
PubChem |
CID 3965 |
KEGG |
D08149 |
化学的データ |
化学式 |
C15H18O3 |
分子量 |
246.302g/mol
304.314 g/mol(ナトリウム塩) |
ロキソプロフェン(loxoprofen)は、プロピオン酸系の消炎・鎮痛剤。先発品として、ナトリウム塩が「ロキソニン」(Loxonin)の商品名で、第一三共が提供しているほか、後発医薬品として各社から発売されている。
目次
- 1 概要
- 2 消化管障害に関するアップデートされた報告
- 3 適用
- 4 種類・薬価
- 4.1 医療用医薬品
- 4.2 後発医薬品
- 4.3 一般用医薬品
- 5 用法
- 6 禁忌事項
- 7 一般的注意・副作用
- 8 脚注・注釈
- 9 関連項目
概要
プロドラッグであり、体内ですみやかに活性の高いtrans-OH型に変換される。発熱や炎症を引き起こす原因となるプロスタグランジンの生合成を抑制することで炎症を鎮め、腫れの抑え、鎮痛、解熱作用などを示す。薬理的にはプロスタグランジンの合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することによる。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一種で、鎮痛作用が強く消化器への副作用が少ないのが特徴である。
現在日本で最も使用されている抗炎症薬である。
消化管障害に関するアップデートされた報告
NSAID服用による消化管障害はよく知られているが、このほど、本剤の胃・十二指腸潰瘍の発現率に関する国内臨床データが発表された[1]。
対象と方法:40~74歳の健康成人に対し(試験前に内視鏡検査で胃・十二指腸潰瘍がないことが確認されている)、COX-2選択的阻害薬であるセレコキシブ bidとロキソプロフェン tid、およびプラセボを2週間投与し、投与終了後、内視鏡検査を実施し、胃・十二指腸潰瘍発現率について検討した。
結果:内視鏡で確認された胃・十二指腸潰瘍の発現率
- セレコキシブbid群→1.4%(1/74例)
- ロキソプロフェンtid群→27.6%(21/76例)
- プラセボ群→2.7%(1/37例)
セレコキシブ群はロキソプロフェン群よりも、胃・十二指腸潰瘍の発現率が有意に低く(p<0.0001、Cochran-Mantel-Haenszel検定)、プラセボ群と同程度であった。
結論:この試験では、対象が健康成人であること、試験期間が短期であるという限界はあるものの、胃・十二指腸潰瘍発現率に関して、セレコキシブはロキソプロフェンに対する優越性が認められた。副作用に関しては、セレコキシブ群が31.6%(24/76例)、ロキソプロフェン群が50.0%(38/76例)、プラセボ群が18.9%(7/37例)であった。各副作用の重症度はいずれも低かった。
適用
変形性関節症、慢性関節リウマチ、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎、筋肉痛、腰痛、急性上気道炎、歯痛、手術後の鎮痛[2]。
種類・薬価
種類としては以下の通り、内服薬(錠剤・散剤・液剤)と貼付剤がある。
従来は医療用医薬品のみであったが、市販薬へのスイッチOTCが認められ、2011年1月21日にはロキソプロフェンを含有した解熱鎮痛薬「ロキソニンS」(第1類医薬品)が発売され、薬局で自分で購入することが可能になった[3]。なお、第1類医薬品であるので、購入時には必ず薬剤師がいる薬局での相談が必要となる[4]。
医療用医薬品
- ロキソニン60mg錠 23.3円(1錠)
- オロロックス内服液0.6% 3.0円(1ml)
- ロキソニンパップ100mg 50.8円(1枚)
- ロキソニンテープ50mg 33.0円(1枚)
- ロキソニンテープ100mg 50.8円(1枚)
後発医薬品
- リンゲリーズ錠60mg 7.8円(1錠)…陽進堂製造
- ロキソプロフェンナトリウム錠60mg「CH」 5.6円(1錠)…長生堂製薬製造
他
一般用医薬品
- ロキソニンS(第1類医薬品)12錠 680円(税込)[5]
用法
-
- 1回60mg、原則として1日3回。(急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)の場合は1日2回/1日最大180mgを限度とする。)
- 1日180mgが限度[2]。
- 医療用医薬品の貼付剤は1日1回貼付。
- 一般用医薬品の内服薬は1回1錠、2回まで[5]。
禁忌事項
- 鎮痛薬や解熱薬で喘息を起こしたことのある者[2]。
- 消化性潰瘍のある者[2]。
- 高齢者には慎重に用いる[2]。
- 重い肝臓病、心臓病、妊娠後期[2]。
一般的注意・副作用
- 発疹、かゆみ、皮膚障害、胃部不快感、腹痛、まれに間質性肺炎やアナフィラキシー様症状、肝障害や腎障害などが報告されている。また消化管出血、穿孔などを起こすこともあり、注意が必要。また、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の患者および既往症のある者に対しては、症状を悪化させる可能性があるため充分な注意を必要とする。その他、劇症肝炎の報告や鬱血性心不全も報告されている[2]。
- 他の薬との飲み合わせに注意が必要。メトトレキサート(抗リウマチ薬)、キノロン系抗菌薬、ワルファリン(抗凝血薬)、チアジド系利尿薬、糖尿病薬その他[2]。
- アルコールは肝臓、胃などへの副作用を増幅する[2]。
報告されている副作用
一般的な副作用は次の通りである:吐き気、消化不良、消化器潰瘍・出血、肝臓酵素増大、下痢、ふらつき、塩および体液停留、高血圧[2]。
まれな副作用は次の通りである:食道潰瘍、心不全、高カリウム血症、腎臓障害、昏迷、気管支痙攣、発疹[2]。
脚注・注釈
- ^ Sakamoto, C. et al.: Aliment Pharmacol Ther 37(3): 346-54, 2013
- ^ a b c d e f g h i j k 厚生労働省 医療用医薬品添付文書情報 - ロキソニン 2012年7月21日 閲覧(2011年8月12日時点のアーカイブ)
- ^ “頭痛、生理痛薬に「大型新人」 医療用から「寡占市場」に参入”. J-CASTニュース. http://www.j-cast.com/2011/01/18085710.html 2011年1月19日閲覧。
- ^ そのため、薬剤師が薬局にいない場合は、購入が不可能である。
- ^ a b “ロキソニンS製品情報” (プレスリリース), 第一三共ヘルスケア, http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_loxonin-s/product/ 2011年1月19日閲覧。
関連項目
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ウィキメディア・コモンズには、ロキソプロフェンに関連するカテゴリがあります。 |
- イブプロフェン
- ナプロキセン
- アセトアミノフェン…古くからある薬品だが、ロキソニン並に強い効果の薬剤として、同成分を主とした「SG配合顆粒」が塩野義製薬から製造・販売されている(医師の処方が必要)。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)(主にM01A,M02A,N02BA) |
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サリチル酸 |
アセチルサリチル酸(アスピリン) Aloxiprin Benorylate Diflunisal エテンザミド サリチル酸マグネシウム サリチル酸メチル Salsalate サリシン サリチルアミド サリチル酸ナトリウム
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Arylalkanoic acids |
ジクロフェナク Aceclofenac Acemetacin Alclofenac Bromfenac Etodolac インドメタシン インドメタシンファルネシル Nabumetone Oxametacin Proglumetacin Sulindac Tolmetin
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2-Arylpropionic acids
(profens) |
イブプロフェン Alminoprofen Benoxaprofen カルプロフェン Dexibuprofen Dexketoprofen Fenbufen フェノプロフェン Flunoxaprofen フルルビプロフェン Ibuproxam Indoprofen† ケトプロフェン Ketorolac ロキソプロフェン Miroprofen ナプロキセン Oxaprozin Pirprofen Suprofen Tarenflurbil チアプロフェン酸
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N-Arylanthranilic acids
(フェナム酸) |
メフェナム酸 フルフェナム酸 メクロフェナム酸 トルフェナム酸
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ピラゾリジン誘導体 |
フェニルブタゾン アンピロン アザプロパゾン Clofezone Kebuzone Metamizole Mofebutazone Oxyphenbutazone アンチピリン スルフィンピラゾン
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オキシカム |
ピロキシカム Droxicam ロルノキシカム Meloxicam Tenoxicam Ampiroxicam
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COX-2選択的阻害薬 |
セレコキシブ Deracoxib‡ Etoricoxib Firocoxib‡ Lumiracoxib† Parecoxib Rofecoxib† Valdecoxib†
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スルホンアニリド |
ニメスリド
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局所適用製品 |
Bendazac ジクロフェナク Etofenamate フェルビナク フルルビプロフェン イブプロフェン インドメタシン ケトプロフェン ナプロキセン ピロキシカム スプロフェン
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COX-inhibiting nitric oxide donators |
Naproxcinod
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Others |
フルプロクアゾン
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太字はグループで初期に発見された薬物。†承認取消あるいは市場撤退した薬、‡動物用医薬品。
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Related Links
- リンゲリーズとは。効果、副作用、使用上の注意。解熱・鎮痛効果、炎症を抑える効果が強力な薬です。代表的なイブプロフェン製剤は、アスピリンより作用が強力で、効果が現れるのも速く、副作用も少ない薬です。 ナプロキセン ...
- リンゲリーズ錠60mg[陽進堂]の禁忌情報(飲み合わせ、妊娠、既往歴など)やお医者さんから言われた注意点、ジェネリックの有無などを紹介しています。
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- loxoprofen
- 同
- ロキソプロフェンナトリウム loxoprofen sodium、ロキソプロフェンナトリウム水和物 loxoprofen sodium hydrate
- 商
- ウナスチン、オキミナス、オロロックス、カンファタニン、ケンタン、コバロキニン、サンロキソ、スリノフェン、ツルメリン、ノブフェン、ポナペルト、リンゲリーズ、レトラック、ロキソート、ロキソニン、ロキソプロフェン、ロキソマリン、ロキフェン、ロキプロナール、ロキペイン、ロゼオール、ロブ、ロルフェナミン
- 関
- NSAID
- プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬;プロドラッグ
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3