テガフール、ウラシル
- 関
- テガフール・ウラシル合剤
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UFT(ユーエフティー)とは、抗悪性腫瘍剤の一種。商品名は、ユーエフティ。
目次
- 1 組成
- 2 効能・効果
- 3 副作用
- 4 作用機序
- 5 参考資料
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組成[編集]
本剤は、テガフールとウラシルの合剤である。
効能・効果[編集]
頭頚部癌、胃癌、結腸・直腸癌、肝臓癌、胆嚢・胆管癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、膀胱癌、前立腺癌、子宮頚癌
副作用[編集]
骨髄抑制、溶血制貧血等の血液障害、肝障害、脱水症状、腸炎、白質脳症等の精神神経障害、狭心症、心筋梗塞等の心障害、急性腎不全、ネフローゼ症候群、嗅覚脱失、間質性肺炎、急性膵炎、口内炎、消化管潰瘍・出血、スティーブンス・ジョンソン症候群、ライエル症候群など。
作用機序[編集]
- テガフール
- 体内で代謝され、5-FUになる。これがDNAの合成阻害、RNAの機能障害を引き起こす。
- ウラシル
- 体内での5-FUの分解を妨げ、5-FUの濃度を高く維持する。
参考資料[編集]
- 『ユーエフティTM』添付文書・第11版(大鵬薬品)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 抗がん剤を知る--薬剤選択のための知識(2)ティーエスワン(S-1),ユーエフティ(UFT)
- SF-049-3 進行再発大腸癌患者に対するIrinotecan (CPT-11)とユーエフティ(UFT)および経口leucovorin (LV)の併用療法
Related Links
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- I.テガフール・ウラシル通常療法の特徴 1.テガフール・ウラシル通常療法 ユーエフティはbiochemical modulationにより癌selective toxicityを高めた抗癌剤です。 1) ユーエフティはbiochemical modulationの理論により初めて製剤化された ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
成分・含量
- 1カプセル中
テガフール 100mg
ウラシル 224mg
添加物
- 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、ゼラチン、酸化チタン
禁忌
- 重篤な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制の増悪により重症感染症を併発することがある。]
- 重篤な下痢のある患者[下痢が増悪して脱水、電解質異常、循環不全を起こすことがある。]
- 重篤な感染症を合併している患者[骨髄抑制により感染症が増悪することがある。]
- 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
- テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中の患者及び投与中止後7日以内の患者(「相互作用」の項参照)
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
テガフール・ウラシル通常療法
次の疾患の自覚的並びに他覚的症状の寛解:
- 頭頸部癌、胃癌、結腸・直腸癌、肝臓癌、胆のう・胆管癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、膀胱癌、前立腺癌、子宮頸癌
ホリナート・テガフール・ウラシル療法
- 術後補助療法におけるホリナート・テガフール・ウラシル療法の有効性及び安全性は確立していない。
テガフール・ウラシル通常療法
- 通常、1日量として、テガフール300〜600mg相当量を1日2〜3回に分割経口投与する。
子宮頸癌については通常、1日量として、テガフール600mg相当量を1日2〜3回に分割経口投与する。
他の抗悪性腫瘍剤との併用の場合は上記に準じて投与する。
ホリナート・テガフール・ウラシル療法
- 結腸・直腸癌に対して通常、1日量として、テガフール300〜600mg相当量(300mg/m2を基準)を1日3回に分けて(約8時間ごとに)、食事の前後1時間を避けて経口投与する。
ホリナートの投与量は通常、成人にはホリナートとして75mgを、1日3回に分けて(約8時間ごとに)、テガフール・ウラシル配合剤と同時に経口投与する。
以上を28日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1クールとして投与を繰り返す。
販売名 |
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1日量(通常):
テガフール300〜600mg相当量 |
1日量(通常): (子宮頸癌の場合) テガフール600mg相当量 |
ユーエフティ配合カプセルT100 |
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3〜6カプセル |
6カプセル |
ユーエフティE配合顆粒T100 |
0.5g分包 |
1.5〜3.0g |
3.0g |
ユーエフティE配合顆粒T150 |
0.75g分包 |
1.5〜3.0g |
3.0g |
ユーエフティE配合顆粒T200 |
1.0g分包 |
1.5〜3.0g |
3.0g |
ホリナート・テガフール・ウラシル療法の場合:
- ホリナート・テガフール・ウラシル療法は食事の影響を受けるので、食事の前後1時間を避けて投与すること(「薬物動態」の項参照)。
- 1日の投与スケジュールは以下を参考とする。
慎重投与
- 骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増強するおそれがある。]
- 肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害が悪化するおそれがある。]
- 腎障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 感染症を合併している患者[骨髄抑制により、感染症が悪化するおそれがある。]
- 心疾患又はその既往歴のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
- 消化管潰瘍又は出血のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
- 耐糖能異常のある患者[耐糖能異常が悪化するおそれがある。]1)
- 水痘患者[致命的な全身障害があらわれるおそれがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 他の化学療法、放射線治療を受けている患者[下痢、骨髄抑制等の副作用が増強されるおそれがある。]
- 前化学療法を受けていた患者[下痢、骨髄抑制等の副作用が増強されるおそれがある。]
重大な副作用
骨髄抑制、溶血性貧血等の血液障害
- 汎血球減少(0.1%未満)、無顆粒球症(0.1%未満)(症状:発熱、咽頭痛、倦怠感等)、白血球減少(3.1%)、血小板減少(1.1%)、貧血(0.8%)、出血傾向(0.1%未満)、溶血性貧血(0.1%未満)等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
劇症肝炎等の重篤な肝障害(「警告」の項参照)12)
肝硬変
- 長期投与においてAST(GOT)、ALT(GPT)の明らかな上昇を伴わずに肝硬変があらわれることがあるので、観察を十分に行い、プロトロンビン時間延長、アルブミン低下、コリンエステラーゼ低下、血小板減少等が認められた場合には投与を中止すること。
脱水症状
- 激しい下痢があらわれ、脱水症状まで至ることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、補液等の適切な処置を行うこと。
重篤な腸炎
- 出血性腸炎、虚血性腸炎、壊死性腸炎等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、激しい腹痛・下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。13)
白質脳症等を含む精神神経障害
- 白質脳症(意識障害、小脳失調、痴呆様症状等を主症状とする)14)や意識障害、失見当識(0.1%未満)、傾眠(0.1%未満)、記憶力低下(0.1%未満)、錐体外路症状(0.1%未満)、言語障害(0.1%未満)、四肢麻痺、歩行障害(0.1%未満)、尿失禁、知覚障害(0.1%未満)等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
狭心症、心筋梗塞、不整脈
- 狭心症(0.1%未満)、心筋梗塞、不整脈(心室性頻拍等を含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、胸痛、失神、息切れ、動悸、心電図異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。15,16)
急性腎不全、ネフローゼ症候群
- 急性腎不全(0.1%未満)、ネフローゼ症候群(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
嗅覚脱失
- 嗅覚障害(0.1%未満)(長期投与症例に多い)があらわれ、嗅覚脱失まで至ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
間質性肺炎
- 間質性肺炎(0.1%未満)(初期症状:咳嗽、息切れ、呼吸困難、発熱等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、胸部X線等の検査を行い、副腎皮質ホルモン剤の投与など適切な処置を行うこと。
急性膵炎
- 急性膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、腹痛、血清アミラーゼ値の上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重篤な口内炎、消化管潰瘍、消化管出血
- 重篤な口内炎、消化管潰瘍(0.1%)、消化管出血(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)
- 皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
抗腫瘍効果44〜49)
- Walker-256、吉田肉腫、腹水肝癌(ラット)及びSarcoma-180、Ehrlich腫瘍、Lewis肺癌、B-16メラノーマ(マウス)等の各種皮下移植腫瘍、また、ヒト胃癌、乳癌、膵癌皮下移植腫瘍(ヌードマウス)に対して腫瘍増殖抑制効果を示し、さらにL-1210移植担癌動物(マウス)に対しても延命効果を示した。
作用機序50〜57)
- ユーエフティの抗腫瘍効果は体内でテガフールから徐々に変換される5-FUに基づいている。
5-FUの作用機序は活性代謝物であるFdUMPがdUMPと拮抗し、thymidylate synthaseを抑制することによるDNAの合成阻害と、FUTPがRNAに取込まれることによるRNAの機能障害に起因するものと考えられている(in vitro)。
ユーエフティに含有されるウラシルによるテガフールの抗腫瘍効果の増強はリン酸化及び分解酵素に対する5-FUとウラシルの酵素親和性の差により5-FUの分解が抑制されることに起因し、特に腫瘍内において5-FUとそのリン酸化活性代謝物が高濃度に維持されることによるものと考えられている(in vitro)。
有効成分に関する理化学的知見
テガフール
一般名
化学名
- 5-Fluoro-1-[(2RS)-tetrahydrofuran-2-yl]uracil
分子式
分子量
融点
性状
- 白色の結晶性の粉末である。メタノール又はアセトンにやや溶けやすく、水又はエタノール(95)にやや溶けにくい。希水酸化ナトリウム試液に溶ける。メタノール溶液(1→50)は旋光性を示さない。
ウラシル
一般名
化学名
- 2,4(1H,3H)-Pyrimidinedione
分子式
分子量
融点
性状
- 白色の結晶又は結晶性の粉末で、におい及び味はない。水に溶けにくく、メタノール、エタノール(95)又はアセトンに極めて溶けにくく、酢酸エチル又はクロロホルムにはほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- tegafur/uracil mixture
- 商
- ユーエフティUFT
- 関
- テガフール ウラシル
作用機序
- ユーエフティ配合カプセルT100/**ユーエフティE配合顆粒T100/**ユーエフティE配合顆粒T150/**ユーエフティE配合顆粒T200
- ユーエフティの抗腫瘍効果は体内でテガフールから徐々に変換される5-FUに基づいている。
- 5-FUの作用機序は活性代謝物であるFdUMPがdUMPと拮抗し、thymidylate synthaseを抑制することによるDNAの合成阻害と、FUTPがRNAに取込まれることによるRNAの機能障害に起因するものと考えられている(in vitro)。
- ユーエフティに含有されるウラシルによるテガフールの抗腫瘍効果の増強はリン酸化及び分解酵素に対する5-FUとウラシルの酵素親和性の差により5-FUの分解が抑制されることに起因し、特に腫瘍内において5-FUとそのリン酸化活性代謝物が高濃度に維持されることによるものと考えられている(in vitro)。
添付文書
- ユーエフティ配合カプセルT100/**ユーエフティE配合顆粒T100/**ユーエフティE配合顆粒T150/**ユーエフティE配合顆粒T200
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/4229100D3023_1_01/4229100D3023_1_01?view=body
-UFT
[★]
- 英
- antimetabolite
- 関
- 代謝拮抗物質、代謝拮抗薬、抗代謝剤
商品
[★]
- 英
- tegafur
- ラ
- tegafurum
- 商
- サンフラール、フェンタール、イカルス、ステロジン、ティーエスワン、テフシール、フトラフール、ユーエフティ、ルナシン
- 関
- ティーエスワン
[★]
- 英
- fluoropyrimidine
- 商
- ユーエフティ、フルツロン、ミフロール、ヤマフール
- 関
- テガフール・ウラシル合剤