- 英
- degrees Celsius, degree C
- 関
- 華氏
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セルシウス度(セ氏温度)
仏 degré Celsius
英 degree Celsius |
|
記号 |
°C |
系 |
国際単位系 (SI) |
種類 |
固有の名称と記号で表される一貫性のある SI 組立単位 |
量 |
温度 |
定義 |
ケルビン(K)で表した熱力学温度の値から273.15を減じたもの |
由来 |
水の凝固点を0度、沸点を100度とする温度 |
語源 |
アンデルス・セルシウス |
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セルシウス度(セルシウスど、英語: degree Celsius、記号: °C)は、温度の単位である。国際単位系では、次のように定義されている[1]。
(引用 始め)
- 以前に用いられた温度目盛の定義に由来して,熱力学温度(記号 T)を表すのに,参照温度 T0 = 273.15 K(氷点)からの差を用いて表す方法が,今も広く使われている.この差はセルシウス温度(記号 t)と呼ばれ,次の量方程式により定義される.
- t = T − T0
- セルシウス温度の単位はセルシウス度であり,記号は℃ で,定義によりケルビンの大きさに等しい.温度の差または間隔はケルビンまたはセルシウス度のどちらによっても表すことができ(第 13 回 CGPM,1967-1968年,決議 3),その数値は同じになる.ただし,セルシウス度で表したセルシウス温度の数値はケルビンで表した熱力学温度の数値に対して次の関係を持つ.
- t/℃ = T/K − 273.15
(引用 終わり)
すなわち、「セルシウス度」(degree Celsius)は単位の名称であり、ケルビンの大きさに等しい温度間隔を表す。一方、「セルシウス温度」(Celsius temperature)は量の名称であり、(ケルビンで計った値と273.15だけ異なる)温度の高さを表す。しかし、一般にはこの違いが意識されず、混同されることが多い。
目次
- 1 定義
- 2 用法
- 3 歴史
- 4 単位の換算
- 5 符号位置
- 6 注釈
- 7 引用
定義
日本の計量法での定義は、「ケルビン(K)で表した熱力学温度の値から273.15を減じたもの」[2]である。計量単位令にあるとおり、単に「度」と表記した場合は、セルシウス度を意味する。
その記号は、「℃」 と定められている[3]。
元々の定義は水の凝固点を0度、沸点を100度とするものであった(詳しくは歴史を参照)。
用法
日本の計量法体系では、例えば、「15セルシウス度」、「15度」の表記、又は単位記号の「℃」を付して「15 ℃」(読みは、じゅうご ど)の表記が可能である。
しかし、「セ氏15度」や「摂氏15度」と表記することは計量法上は許されない[注釈 1][4][5]。
場合によっては、同じく「度」という表現を用いる角度や、ファーレンハイト度(カ氏温度)と混同される恐れがある。英語では“fifteen degrees Celsius”と読み、“15 deg C”と略記することがある。アメリカ合衆国では、“fifteen degrees centigrade”と読まれることがある。
セルシウス度は、国際単位系(SI)における取り扱いが、他の単位と異なる点がある。
- その定義は、温度のSI基本単位の一つである、熱力学温度ケルビンの項でなされている[6]。
- 一方で、セルシウス度は、「固有の名称と記号で表される一貫性のある SI 組立単位」であるとされ、つぎのように掲げられている[7]。
- 組立量 :セルシウス温度
- 名称 : セルシウス度(注e)
- 記号 : ℃
- 他の SI 単位による表し方 : K
- SI 基本単位による表し方 : (なし)
- (注e) セルシウス度はケルビンの特別な名称で,セルシウス温度を表すために使用される.セルシウス度とケルビンの単位の大きさは同一である.したがって,温度差や温度間隔を表す数値はどちらの単位で表しても同じである.
- 計量単位の名称のつづりには全て小文字を用いることになっている。しかし、セルシウス度(℃)だけは例外であり、その名称のつづりは degree Celsius である(単位 degree は小文字の d からはじまり、その修飾詞である Celsius は人名に由来するので大文字の C からはじまる)[8]。
- 「量の値の書式」では次のようになっている。 数値は常に単位の前に置き,数値と単位を分割するために空白(space)を用いる.この原則は,セルシウス度(degree Celsius)についても適用され,セルシウス温度 t の値を表現するときには,その単位記号である℃ の前に空白を挿入する[9].
- 例:t = 30.2 ℃
- 不適例:t = 30.2℃
- 不適例:t = 30.2°C
歴史
セルシウス度はスウェーデンの天文学者でウプサラ天文台の創始者であるアンデルス・セルシウスが1742年に考案したものに基づいている。ただし、彼は現在のものとは逆に、1気圧下における水の沸点を 0 ℃、凝固点を 100 ℃としてその間を100等分し、低温領域に伸ばしていた。これは自然環境下(0度以下の環境下)においても温度が負数にならないという利点がある。
しかしその後、セルシウスの死の直後の1744年、凝固点を0 ℃、沸点を100 ℃とする現在の方式に改められた[10]。この改善については、誰か一人の功績によるものではなく、セルシウス、セルシウスの後任のsv:Mårten Strömer、計器制作者のsv:Daniel Ekströmの3人の貢献によるものである[11]。 なお、セルシウス度に最初期に注目し、実際に温度計をsv:Daniel Ekströmに製作させたカール・フォン・リンネの功績によるものではない[12]。
水の沸点と融点の間に100の目盛があることから、この体系のもともとの名称は“centigrade”(「百分度」の意)であった[要出典]。しかし1948年の第9回国際度量衡総会にて、名称が正式にセルシウスへと変更になった。これには、セルシウス自身の認知のためとSI接頭辞であるセンチ(centi)との衝突からくる混乱(centigradeがgradeという単位の100分の1と勘違いされる)を避けるという目的があった。ただし、現在でも“centigrade”でも通じる。
日本や中国では、摂氏度(せっしど)と呼ばれたことがある。摂氏の語源は、セルシウスの中国音訳「摂爾修斯」(繁体字:攝爾修斯、簡体字:摄尔修斯、ピン音:Shè'ěrxiūsī)から「摂」+人名に付ける接尾辞「氏」で、「摂氏」「温度」になった。
その後の物理的な計測方法の進歩と熱力学温度の採用により、現在の定義は「ケルビン(K)で表した熱力学温度の値から273.15を減じたもの」となっている。つまり水の三重点を0.01 ℃とし、水の三重点と絶対零度の温度差の273.16分の1を1 ℃としている。「273.16分の1」という数字は、セルシウス度における1度の温度差をそのままケルビンの1度の温度差として使用するためのものである。すなわち、セルシウス度とケルビンの目盛の幅(1度の温度差)は等しい。なお、現在の国際温度目盛(ITS-90)では、水の沸点はちょうど 100 ℃ ではなく、約 99.974 ℃ となっている。
セルシウス度は世界的に使用されるようになっている。イギリスやアイルランドの放送メディアにおいても、センチグレードを用いず、セルシウスと呼ぶようになっている。なお、アメリカ合衆国では日常生活の全般を通じて、依然単独でファーレンハイト度(カ氏温度)を用いるか、「センチグレード」との表現で併記している。
単位の換算
-
- −40°Cと−40°Fは等しく、上の式は次のようにも表せる。
温度の単位の比較
|
ケルビン |
セルシウス度 |
ファーレンハイト度 |
ランキン度 |
ドリール度 |
ニュートン度 |
レオミュール度 |
レーマー度 |
絶対零度 |
0 |
−273.15 |
−459.67 |
0 |
559.725 |
−90.14 |
−218.52 |
−135.90 |
地球表面の最低気温(※1) |
183.95 |
−89.2 |
−128.56 |
331.11 |
283.8 |
−29.436 |
−71.36 |
−39.33 |
ファーレンハイトの寒剤 |
255.37 |
−17.78 |
0 |
459.67 |
176.67 |
−5.87 |
−14.22 |
−1.83 |
水の融点(標準状態下) |
273.15 |
0 |
32 |
491.67 |
150 |
0 |
0 |
7.5 |
地球表面の平均気温 |
288 |
15 |
59 |
518.67 |
127.5 |
4.95 |
12 |
15.375 |
人間の平均体温 |
309.95 |
36.8 |
98.24 |
557.91 |
94.8 |
12.144 |
29.44 |
26.82 |
地球表面の最高気温(※2) |
329.85 |
56.7 |
134.06 |
593.73 |
64.95 |
18.711 |
45.36 |
37.268 |
水の沸点(標準状態下) |
373.15 |
100 |
212 |
671.67 |
0 |
33 |
80 |
60 |
チタンの融点 |
1941 |
1668 |
3034 |
3494 |
−2352 |
550 |
1334 |
883 |
太陽の表面温度 |
5800 |
5526 |
9980 |
10440 |
−8140 |
1823 |
4421 |
2909 |
- ※1:南極・ボストーク基地、1983年7月21日
- ※2:アメリカ合衆国・カリフォルニア州デスヴァレー、1913年7月10日
符号位置
記号 |
Unicode |
JIS X 0213 |
文字参照 |
名称 |
℃ |
U+2103 |
1-1-78 |
℃
℃ |
セ氏度記号 |
注釈
- ^ 計量法第3条と別表第1、第8条は、「法定計量単位」を明確に定めており、温度の法定計量単位は、「ケルビン セルシウス度又は度」及び「カ氏度」(計量単位令別表第7)である。この規定のゆえに、「セ氏度」、「摂氏度」、「華氏度」の表記は計量法の違反となる。通産省のブックレットは、「計量法では 用語の使用を明確には規定していませんが、・・・」(新計量法とSI化の進め方、通商産業省、SI単位等普及推進委員会、1999年3月発行、、p.31 Q21とA21)と記述し、計量法上の「物象の状態の量」の用語の使用を規定してはいないことを表明している。このことは、「計量単位」については、その使用を明確に規定しており、規定外の計量単位(の名称)を使用することは、法に違反となることを示すものである。なお、計量法は「取引又は証明に用いる」計量単位について規制しており、これらの用途以外における「非計量単位」の使用は計量法の規制外である。
引用
- ^ 「国際文書第8版(2006) 国際単位系(SI)日本語版」[[1]] 2.1.1.5 熱力学温度の単位(ケルビン)、pp.24-25
- ^ 計量単位令 別表第1 第5号 温度 「セルシウス度又は度」の欄
- ^ 計量単位規則 別表第2 「温度・セルシウス度又は度」の欄
- ^ 計量単位令 別表第1 第5号 温度 「セルシウス度又は度」の欄 の表現のとおり
- ^ 1958年にアルコール専売法の第2条第2項中の「摂氏十五度」を「温度十五度」に改める法律改正がなされている。計量単位の統一に伴う関係法律の整備に関する法律第9条
- ^ 「国際文書第8版(2006) 国際単位系(SI)日本語版」[[2]] 2.1.1.5 熱力学温度の単位(ケルビン)、pp.24-25
- ^ 「国際文書第8版(2006) 国際単位系(SI)日本語版」[[3]]表 3 固有の名称と記号で表される一貫性のある SI 組立単位、pp.29
- ^ 「国際文書第8版(2006) 国際単位系(SI)日本語版」[[4]] 5.2 単位の名称、p.43
- ^ 「国際文書第8版(2006) 国際単位系(SI)日本語版」[[5]] 「5.3.3 量の値の書式」、p.45
- ^ Anders Celsius 1701-1744 ウプサラ天文台による解説、第6段落目
- ^ History of the Celsius temperature scale ウプサラ天文台による解説、第5段落の後半部分、Pehr Wargentin(Secretary of the Academy of Sciences、Royal Swedish Academy of Sciences)の1749年の論文による
- ^ History of the Celsius temperature scale ウプサラ天文台による解説、第5段落の後半部分、「Linné is not mentioned at all.」
約物 |
|
空白類 |
|
|
記述記号 |
- 「、」
- 「。」
- 「・」
- 「:」
- 「,」
- 「…」
- 「‥」
- 「.」
- 「!」
- 「?」
- 「؟」
- 「‽」
- 「⁉」
- 「⁈」
- 「¿」
- 「¡」
- 「;」
- 「/」
- 「\」
- 「|」
- 「¦」
- 「‖」
- 「_」
- 「‾」
|
|
ハイフン類 |
|
|
音声記号 |
|
|
括弧類 |
- 「「 」」
- 「『 』」
- 「( )」
- 「[ ]」
- 「{ }」
- 「〈 〉」
- 「‘ '」
- 「“ ”」
- 「« »」
- 「〽」
|
|
準仮名・漢字 |
- 「ー」
- 「〃」
- 「〆」
- 「々」
- 「ゝ」
- 「ヽ」
- 「ゞ」
- 「ヾ」
- 「〻」
- 「〳」
- 「〴」
- 「〵」
- 「〼」
- 「ヿ」
- 「ゟ」
- 「𪜈」
|
|
学術記号 |
|
|
単位記号 |
- 「%」
- 「°」
- 「′」
- 「№」
- 「Å」
- 「℃」
- 「℉」
- 「ℓ」
|
|
通貨記号 |
- 「¤」
- 「฿」
- 「¢」
- 「$」
- 「€」
- 「₵」
- 「₲」
- 「₭」
- 「£」
- 「₦」
- 「¥」
- 「₩」
- 「₪」
- 「₮」
|
|
一般的な記号 |
- 「&」
- 「@」
- 「*」
- 「•」
- 「†」
- 「‡」
- 「#」
- 「º」
- 「ª」
- 「¶」
- 「§」
- 「⁑」
- 「⁂」
- 「☞」
- 「♢」
- 「※」
- 「®」
|
|
SI単位 |
|
基本単位 |
- アンペア
- カンデラ
- ケルビン
- キログラム
- メートル
- モル
- 秒
|
|
|
組立単位 |
- ベクレル
- クーロン
- セルシウス度
- ファラド
- グレイ
- ヘンリー
- ヘルツ
- ジュール
- カタール
- ルーメン
- ルクス
- ニュートン
- オーム
- パスカル
- ラジアン
- ジーメンス
- シーベルト
- ステラジアン
- テスラ
- ボルト
- ワット
- ウェーバ
|
|
併用単位 |
- 統一原子質量単位
- 天文単位
- 日
- デシベル
- 度
- 電子ボルト
- ヘクタール
- 時間
- リットル
- 分
- 分 (角度)
- ネーパ
- 秒 (角度)
- トン
原子単位系
- 自然単位系
|
|
関連項目 |
- SI接頭辞
- 単位系
- 単位の換算一覧
- 新しいSIの定義
|
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Category:SI基本単位 |
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Japan Pharmaceutical Reference
販売名
炭酸水素ナトリウム注射液T7%
効能または効果
・薬物中毒の際の排泄促進(ただし、pHの上昇により尿中排泄の促進される薬物に限る)
・アシドーシス
・下記疾患又は状態に伴う悪心・嘔吐及びめまい
・急性蕁麻疹
- ・薬物中毒の際の排泄促進、動揺病等に伴う悪心・嘔吐及びめまい並びに急性蕁麻疹には、炭酸水素ナトリウムとして通常成人1回12〜60mEq(1〜5g)を静脈内注射する。
- ・アシドーシスには、一般に通常用量を次式により算出し、静脈内注射する。
- 必要量(mEq)=不足塩基量(mEq/L)×0.2×体重(kg)
- なお、いずれの場合も、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 心停止のある患者[炭酸ガスが蓄積し、細胞内アシドーシス発現の誘因となるおそれがある。]
- うっ血性心不全のある患者、重症高血圧症の患者[循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。]
- 腎障害のある患者[水分、ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。]
- 末梢及び肺浮腫のある患者[浮腫が悪化するおそれがある。]
- 妊娠中毒症の患者[水分、ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、妊娠中毒症を悪化させるおそれがある。]
- 低カルシウム血症の患者[症状が悪化するおそれがある。]
- 低カリウム血症の患者[症状が悪化するおそれがある。]
- 新生児(「5.小児等への投与」の項参照)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
分子式
分子量
性状
- 白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、特異な塩味がある。
水にやや溶けやすく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
湿った空気中で徐々に分解する。