エタンブトール
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エタンブトール
|
IUPAC命名法による物質名 |
(2S,2′S)-2,2′-(ethane-1,2-diyldiimino)dibutan-1-ol |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
B |
法的規制 |
? |
投与方法 |
Oral |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
Well-absorbed from GI tract |
血漿タンパク結合 |
20 to 30% |
代謝 |
Liver |
半減期 |
3-4 hr (increased in impaired renal function) |
排泄 |
Renal |
識別 |
CAS登録番号 |
74-55-5 |
ATCコード |
J04AK02 |
PubChem |
CID 3279 |
DrugBank |
APRD00957 |
KEGG |
D07925 |
化学的データ |
化学式 |
C10H24N2O2 |
分子量 |
204.31 g/mol |
エタンブトール(英: ethambutol)とは結核の治療に処方される静菌性の抗抗酸菌薬の一つ。エタンブトールは一般にイソニアジド、ピラジンアミド、リファンピシンのような他の結核治療薬と併用される。1961年にアメリカ合衆国のWilkison、Thomasらによって合成された。[1]MyambutolやServambutol、日本ではエブトール(科研製薬)[1]、エサンブトール(サンド)[2]の商品名で市販されている。
副作用[編集]
体内の亜鉛とキレートを形成することから、亜鉛欠乏症により以下の副作用が引き起こされる。
- 視神経炎
- 赤緑色覚異常
- 末梢神経障害
- 関節痛
- 垂直性眼振
脚注[編集]
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- エブトールとは。効果、副作用、使用上の注意。 結核をおこす結核菌の発育や増殖を阻害する作用がある薬です。 肺結核 、 その他の結核症 の治療に用いられます。 イソニアジド系製剤 は、結核菌に対する抗菌力が ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
エブトール125mg錠
組成
有効成分 (1錠中)
- 日本薬局方エタンブトール塩酸塩125mgを含有する。
添加物
- 結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ヒプロメロース、マクロゴール6000、リボフラビン
禁忌
効能または効果
本剤に感性のマイコバクテリウム属
肺結核及びその他の結核症、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス (MAC) 症を含む非結核性抗酸菌症
[肺結核及びその他の結核症]
- 通常成人は、エタンブトール塩酸塩として1日量0.75〜1gを1〜2回に分けて経口投与する。
年齢、体重により適宜減量する。
なお、他の抗結核薬と併用することが望ましい。
[MAC症を含む非結核性抗酸菌症]
- 通常成人は、エタンブトール塩酸塩として0.5〜0.75gを1日1回経口投与する。
年齢、体重、症状により適宜増減するが1日量として1gを超えない。
- 肺結核及びその他の結核症に対する本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
- 本剤をMAC症を含む非結核性抗酸菌症に使用する際には、投与開始時期、投与期間、併用薬等について国内外の各種学会ガイドライン1〜3)等、最新の情報を参考にし、投与すること。
- 本剤の体重別1日投与量の目安は次表のとおりである。
- 〈参考: 体重別1日投与量〉
- 肺結核及びその他の結核症
注) 体重別の1日量はエタンブトール塩酸塩15〜20mg/kgの範囲内で算出している。
注) 体重別の1日量はエタンブトール塩酸塩約15mg/kgで算出している。
慎重投与
[蓄積を起こすことが報告されている。]
重大な副作用
視力障害
- 視神経障害による視力低下、中心暗点、視野狭窄、色神異常等の視力障害(頻度不明※1)があらわれ、発見が遅れ高度に進行すると非可逆的になることがあるので、視力検査等を定期的に行い、異常が認められた場合には、投与を中止すること。
重篤な肝障害
- 劇症肝炎等の重篤な肝障害(頻度不明※1)があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
ショック、アナフィラキシー様症状
- ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明※1)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫等)、蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎、好酸球性肺炎
- 間質性肺炎、好酸球性肺炎(いずれも頻度不明※1)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症 (Toxic Epidermal Necrolysis: TEN)、皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson症候群)、紅皮症 (剥脱性皮膚炎)
- 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、紅皮症 (剥脱性皮膚炎)(いずれも頻度不明※1)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血小板減少
- 血小板減少 (頻度不明※1) があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 結核菌に対して強い抗菌力を示し、人型結核菌H37Rv株に対し、1%小川培地、Dubos液体培地では2.5〜5μg/mLで発育を阻止する11〜13)。
- イソニアジド、ストレプトマイシン等の他の抗結核薬との間に交叉耐性はない11〜13)。
- 結核菌の核酸合成を阻害し、細胞分裂を抑制することが認められている11〜13)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
- エタンブトール塩酸塩 (Ethambutol Hydrochloride)
化学名:
- 2, 2'-(Ethylenediimino) bis[(2S )-butan-1-ol]dihydrochloride
分子式:
分子量:
融点:
旋光度:
- [α]20D: +5.5〜+6.1°(乾燥後、5g、水、50mL、200mm)
- エタンブトール塩酸塩は、白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。
水に極めて溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
エタンブトール塩酸塩1.0gを水20mLに溶かした液のpHは3.4〜4.0である。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- ethambutol EB EMB
- 化
- 塩酸エタンブトール ethambutol hydrochloride
- 商
- エサンブトール、エブトール
- 関
- 抗結核薬、結核
特徴
- 結核菌に特異的に強い抗菌力を有する
- 他の抗結核薬と交差耐性を示さない。
- 多剤併用により耐性菌の発生を防ぐことができる
構造
作用機序
薬理作用
- 1. 結核菌に対して強い抗菌力を示し、人型結核菌H37Rv株に対し、1%小川培地、Dubos液体培地では2.5~5μg/mLで発育を阻止する8~10)。
- 2. イソニアジド、ストレプトマイシン等の他の抗結核薬との間に交叉耐性はない8~10)。
- 3. 結核菌の核酸合成を阻害し、細胞分裂を抑制することが認められている8~10)。
抗菌スペクトル
動態
- エブトール125mg錠/エブトール250mg錠
1. 血中濃度
- エブトール125mg錠を経口投与(4錠、エタンブトール塩酸塩500mg)した結果、最高血中濃度(Cmax)は1.7μg/mL(血漿中)、最高血中濃度到達時間(Tmax)は2.8時間であった (健康成人男子、空腹時投与) 1)。
- また、エタンブトール塩酸塩は血漿タンパクとはほとんど結合しない (in vitro )。なお、エタンブトール塩酸塩250mg経口投与時の血球内濃度は血清内濃度に比して高値を示した (肺結核患者) 2)。
2. 分布
- エタンブトール塩酸塩0.5g経口投与後、肺組織中濃度は血清中濃度に比して同等ないしは高値を示した (肺結核患者) 3)。
- 25mg/kg経口投与後、喀痰中に高濃度のエタンブトール塩酸塩が認められた (肺結核患者) 4)。
3. 代謝・排泄
- 14C-エタンブトール塩酸塩25mg/kg経口投与後の尿中累積排泄率は、24時間後54~61%、48時間後60~67%であった。糞中には48時間後までに12~19%が排泄された。
- 尿中代謝物の大部分が未変化体で、一部は酸化物であるアルデヒド体並びに酸であった (肺結核患者) 5)。
- (注) 本剤の承認された用量は1日量0.75~1gを1~2回に分けて経口投与である。
効能又は効果
- エブトール125mg錠/エブトール250mg錠
適応菌種
適応症
注意
禁忌
- エブトール125mg錠/エブトール250mg錠
原則禁忌
- エブトール125mg錠/エブトール250mg錠
- 1. 視神経炎のある患者[視力障害が増強するおそれがある(「眼障害予防の具体的方法」の(2)の項参照)。]
- 2. 糖尿病患者、アルコール中毒患者[既に視神経障害を起こしている場合があり、症状が増悪するおそれがある。]
- 3. 乳・幼児[視力障害の早期発見が極めて困難である。]
副作用
- 視力障害は用量依存性で、投与量50mg/kg/dayの患者では15%、投与量25mg/kg/dayの患者では5%、投与量10mg/kg/dayの患者では1%にみられる。視力障害の程度は投与期間と関連がある。副作用の発見するために定期的な視力検査と色覚検査を行う。エタンブトールの使用中止により視力障害から回復する。
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/6225001F1036_1_10/6225001F1036_1_10?view=body
[★]
抗結核薬
商品