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- 関
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/12/31 14:03:16」(JST)
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イノシトールトリスリン酸 |
|
IUPAC名
[(1S,2R,3S,4S,5R,6S)-2,3,5-trihydroxy-4,6-diphosphonooxycyclohexyl] dihydrogen phosphate
|
識別情報 |
略称 |
InsP3, IP3 |
CAS登録番号 |
85166-31-0 |
PubChem |
55310 |
- C1(C(C(C(C(C1OP(=O)(O)O)O)OP(=O)(O)O)OP(=O)(O)O)O)O
|
特性 |
化学式 |
C6H15O15P3 |
モル質量 |
420.1 g mol−1 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
イノシトールトリスリン酸(英: Inositol trisphosphate, IP3)は、ジアシルグリセロールと共に、細胞のシグナル伝達においてセカンドメッセンジャーの1つとして生体に利用されている。また、脂質メディエーターとしても使われる。
細胞膜に存在するリン脂質であるホスファチジルイノシトール4,5-ビスリン酸がホスホリパーゼCによって加水分解されると、 IP3とジアシルグリセロールが生成する。このうち、比較的脂溶性の高いジアシルグリセロールは細胞膜の中に存在するのに対し、IP3は水溶性であるため細胞質に拡散する。
目次
- 1 作用
- 2 機能
- 2.1 ヒト
- 2.2 ショウジョウバエ
- 2.3 ウニ卵
- 3 脚注
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
作用
IP3は小胞体、または筋小胞体の膜にあるIP3受容体に結合、活性化し、カルシウムチャネルを開く。するとCa2+が細胞質、または筋形質に放出される[1]。
機能
ヒト
主な機能は貯蔵細胞小器官からのCa2+の動員と、細胞増殖およびその他の細胞反応の調節である。
平滑筋細胞では、細胞質のCa2+濃度を上昇させることで筋細胞(筋繊維)が収縮する[2]。
詳細は「カルシウム」を参照
ショウジョウバエ
キイロショウジョウバエでは、IP3は眼細胞での光認識の細胞内伝達に利用されている。
ウニ卵
ウニの遅い多精防止反応はホスファチジルイノシトール4,5-ビスリン酸 (PIP2)のセカンドメッセンジャーによって仲介されている。結合受容体の活性化によりホスホリパーゼCを活性化し、卵細胞膜のPIP2を加水分解して、卵細胞の細胞質にIP3を放出する。IP3は小胞体に拡散し、カルシウムチャネルを開く。
脚注
- ^ Ferris CD, Snyder SH. IP3 receptors. Ligand-activated calcium channels in multiple forms. Adv Second Messenger Phosphoprotein Res. 1992;26:95-107. PMID 1329896
- ^ Somlyo AP, Somlyo AV. Signal transduction and regulation in smooth muscle. Nature. 1994 Nov 17;372(6503):231-6. PMID 7969467
関連項目
- イノシトール
- イノシトールリン酸
- イノシトールペンタキスリン酸
- イノシトールヘキサキスリン酸
- イノシトールトリスリン酸受容体
- ITPR1
- ITPKC
外部リンク
- Inositol 1,4,5-Trisphosphate - the US National Library of Medicine Medical Subject Headings (MeSH) (英語)
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Japanese Journal
- カルシウムにより惹起される心病態 (特集 不全心筋におけるカルシウムイオンの役割の多様性)
- 中山 博之,藤尾 慈
- 日本薬理学雑誌 = Folia pharmacologica Japonica : くすりとからだ : ファーマコロジカ 140(6), 270-274, 2012-12-00
- NAID 40019498555
- Ca2+-mediated pathogenesis in the heart
- 廣瀬 謙造
- 日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA 127(5), 362-367, 2006-05-01
- 細胞内カルシウムは,筋収縮,神経伝達物質放出,シナプス可塑性,発生分化,免疫といった様々な生理機能の制御において重要な役割を果たす.その細胞内動態は,蛍光プローブを用いたイメージングにより解析されており,時間,空間的に特徴的なパターンを持つことが示されている.特徴的な時間的パターンとしてカルシウム振動が挙げられる.これはカルシウム濃度上昇が間欠的かつ律動的に起こる現象である.また,空間的パターンと …
- NAID 10018061715
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- inositol 1,4,5-trisphosphate
- 同
- イノシトール三リン酸 inositol trisphosphate、IP3
- 関
- イノシトール、myo-inositol 1,4,5-trisphosphate
- 細胞内二次メッセンジャー;カルシウム遊離
- シグナル伝達に関わる。
[★]
- 英
- myo-inositol 1
- 関
- イノシトール三リン酸
[★]
- 英
- inositol 1
- 関
- イノシトール三リン酸
[★]
- 英
- inositol trisphosphate
- 関
- イノシトール三リン酸
[★]
- 英
- inositol 1,4,5-trisphosphate receptor
- 関
- イノシトール三リン酸受容体、イノシトール1,4,5-三リン酸受容体、イノシトール3リン酸受容体、イノシトール3リン酸レセプター
[★]
イノシトール1,4,5-トリスリン酸受容体
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- inositol, Ino
- 同
- イノシット inosite、ヘキサヒドロキシシクロヘキサン hexahydroxycyclohexane
- イノシトール (inositol) はシクロヘキサンの各炭素上の水素原子がひとつずつヒドロキシ基に置き換わった構造(1,2,3,4,5,6-シクロヘキサンヘキサオール)を持つ、シクリトールの一種である。組成式は C6H12O6、分子量は 180.16。甘味を持つ。
- 無色の結晶であり、生体成分として広く存在し、生体内でグルコースより生合成される。
- 6個のヒドロキシ基がすべてリン酸化されたのがフィチン酸であり、植物組織内でリン酸の貯蔵形態として存在する。
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%82%B7%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AB
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義
[★]
- 英
- phosphoric acid
- 関
- PO4
- pKa1=2.12
- pKa2=7.21
- pKa3=12.67