感染症法

正式法令名
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
略称法令名
感染症予防法
本wiki名称
感染症法
Infectious Diseases Prevention Law
感染症ウイルス細菌法令

感染症類型の定義

参考5,6
感染症類型 定義 主な対応
一類感染症 感染力、罹患した場合の重篤性等に基づく総合的な観点からみた危険性が極めて高い感染症(現在7疾患) 原則として入院
二類感染症 感染力、罹患した場合の重篤性等に基づく総合的な観点からみた危険性が高い感染症(現在5疾患) ・必要に応じて入院。
・消毒などの対物処置
三類感染症 感染力、罹患した場合の重篤性等に基づく総合的な観点からみた危険性は高くないが、特定の職業への就業によって感染症の集団発生を起こし得る感染症(現在5疾患) 食品製造等特定業務への就業制限
四類感染症 動物又はその死体、飲食物、衣類、寝具その他の物件を介して人に感染し、国民の健康に影響を与えるおそれのある感染症(現在42疾患) 動物の輸入禁止、輸入検疫
五類感染症 国が感染症発生動向調査を行い、その結果等に基づいて必要な情報を国民や医療関係者等に提供・公開していくことによって、発生・拡大を防止すべき感染症(現在16(全数)+25(定点)疾患) 発生動向の収集把握と情報の提供
指定感染症 既知の感染症の中で一類から三類に分類されていない感染症において、一類から三類に準じた対応の必要性が生じた感染症で、1年を限度として政令で指定(現在指定なし) 原則として入院
新感染症 人から人に伝染すると認められる疾病であって、既知の感染症と症状等が明らかに異なり、その伝染力及び罹患した場合の重篤度から判断した危険性が極めて高い感染症(現在指定なし) 政令で指定する


区分 類型 届出(届出先は最寄りの保健所長になります)
全数把握感染症 一類から四類感染症 対象感染症に該当する患者等を診断した医師は、直ちに届け出ることになっています(現在59疾患)。
五類感染症の一部 対象感染症に該当する患者等を診断した医師は、7日以内に届け出ることになっています(現在16疾患)。
定点把握感染症 五類感染症の一部 保健所管内の人口に応じて選定した指定届出医療機関(定点)で、対象感染症に該当する患者等を診断した医師は、毎週(一部感染症では毎月)届け出ることになっています(現在25疾患)。


感染症法に定められる感染症一覧

一類感染症 エボラ出血熱
クリミア・コンゴ出血熱
痘そう
南米出血熱
ペスト
マールブルグ病
ラッサ熱
二類感染症 急性灰白髄炎
結核
ジフテリア
重症急性呼吸器症候群(病原体がSARSコロナウイルスであるものに限る)
中東呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属MERSコロナウイルスであるものに限る。)
鳥インフルエンザ(H5N1)
鳥インフルエンザ(H7N9)
三類感染症 コレラ
細菌性赤痢
腸管出血性大腸菌感染症
腸チフス
パラチフス
四類感染症 E型肝炎
A型肝炎
黄熱
Q熱
狂犬病
炭疽
鳥インフルエンザ(H5N1を除く)
ボツリヌス症
マラリア
野兎病
ウエストナイル熱
エキノコックス症
オウム病
オムスク出血熱
回帰熱
キャサヌル森林病
コクシジオイデス症
サル痘
ジカウイルス感染症
重症熱性血小板減少症候群(病原体がフレボウイルス属SFTSウイルスであるものに限る。)
腎症候性出血熱
西部ウマ脳炎
ダニ媒介脳炎
チクングニア熱
つつが虫病
デング熱
東部ウマ脳炎
ニパウイルス感染症
日本紅斑熱
日本脳炎
ハンタウイルス肺症候群
Bウイルス病
鼻疽
ブルセラ症
ベネズエラウマ脳炎
ヘンドラウイルス感染症
発しんチフス
ライム病
リッサウイルス感染症
リフトバレー熱
類鼻疽
レジオネラ症
レプトスピラ症
ロッキー山紅斑熱
五類感染症<全数> アメーバ赤痢
アメーバ赤痢
ウイルス性肝炎
カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症
急性弛緩性麻痺
急性脳炎ウエストナイル脳炎西部ウマ脳炎ダニ媒介脳炎東部ウマ脳炎日本脳炎ベネズエラウマ脳炎及びリフトバレー熱を除く)
クリプトスポリジウム症
クロイツフェルト・ヤコブ病
劇症型溶血性レンサ球菌感染症
後天性免疫不全症候群
ジアルジア症
侵襲性インフルエンザ菌感染症
侵襲性髄膜炎菌感染症
侵襲性肺炎球菌感染症
水痘
先天性風しん症候群
梅毒
播種性クリプトコックス症
破傷風
バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症
バンコマイシン耐性腸球菌感染症
百日咳
風疹
麻疹
薬剤耐性アシネトバクター感染症
五類感染症<定点>インフルエンザ定点(週) インフルエンザ(鳥インフルエンザを除く)
五類感染症<定点>小児科定点(週) RSウイルス感染症
咽頭結膜熱
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
感染性胃腸炎
水痘
手足口病
伝染性紅斑
突発性発しん
ヘルパンギーナ
流行性耳下腺炎
五類感染症<定点>眼科定点(週) 急性出血性結膜炎
流行性角結膜炎
五類感染症<定点>性感染症定点(月) 性器クラミジア感染症
性器ヘルペスウイルス感染症
尖圭コンジローマ
淋菌感染症
五類感染症<定点>基幹定点(週) 感染性胃腸炎(病原体がロタウイルスであるものに限る。)
クラミジア肺炎オウム病を除く)
細菌性髄膜炎髄膜炎菌肺炎球菌インフルエンザ菌を原因として同定された場合を除く。)
マイコプラズマ肺炎
無菌性髄膜炎
五類感染症<定点>基幹定点(月) ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
薬剤耐性緑膿菌感染症


(定義)

第6条

  • 10 この法律において「疑似症患者」とは、感染症の疑似症を呈している者をいう。


(疑似症患者及び無症状病原体保有者に対するこの法律の適用)

第8条

  •  一類感染症の疑似症患者又は二類感染症のうち政令で定めるものの疑似症患者については、それぞれ一類感染症の患者又は二類感染症の患者とみなして、この法律の規定を適用する。
  • 2 新型インフルエンザ等感染症の疑似症患者であって当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のあるものについては、新型インフルエンザ等感染症の患者とみなして、この法律の規定を適用する。
  • 3 一類感染症の無症状病原体保有者又は新型インフルエンザ等感染症の無症状病原体保有者については、それぞれ一類感染症の患者又は新型インフルエンザ等感染症の患者とみなして、この法律の規定を適用する。


 第三章 感染症に関する情報の収集及び公表


(医師の届出)

第12条

  • 医師は、次に掲げる者を診断したときは、厚生労働省令で定める場合を除き、第一号に掲げる者については直ちにその者の氏名、年齢、性別その他厚生労働省令で定める事項を第二号に掲げる者については七日以内にその者の年齢、性別その他厚生労働省令で定める事項最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届け出なければならない。
  • 一  一類感染症の患者、二類感染症、三類感染症、四類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の患者又は無症状病原体保有者及び新感染症にかかっていると疑われる者
  • 二  厚生労働省令で定める五類感染症の患者(厚生労働省令で定める五類感染症の無症状病原体保有者を含む。)
  • 2  前項の規定による届出を受けた都道府県知事は、同項第一号に掲げる者に係るものについては直ちに、同項第二号に掲げる者に係るものについては厚生労働省令で定める期間内に当該届出の内容を厚生労働大臣に報告しなければならない。
  • 3  都道府県知事は、その管轄する区域外に居住する者について第一項の規定による届出を受けたときは、当該届出の内容を、その者の居住地を管轄する都道府県知事に通報しなければならない。
  • 4  厚生労働省令で定める慢性の感染症の患者を治療する医師は、毎年度、厚生労働省令で定めるところにより、その患者の年齢、性別その他厚生労働省令で定める事項を最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届け出なければならない。
  • 5  第二項及び第三項の規定は、前項の規定による届出について準用する。この場合において、第二項中「同項第一号に掲げる者に係るものについては直ちに、同項第二号に掲げる者に係るものについては厚生労働省令で定める期間内」とあるのは、「厚生労働省令で定める期間内」と読み替えるものとする。
  • 6  第一項から第三項までの規定は、医師が第一項各号に規定する感染症により死亡した者(当該感染症により死亡したと疑われる者を含む。)の死体を検案した場合について準用する。

 第四章 健康診断、就業制限及び入院


(健康診断)

第17条

  •  都道府県知事は、一類感染症、二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者に対し当該感染症にかかっているかどうかに関する医師の健康診断を受け、又はその保護者(親権を行う者又は後見人をいう。以下同じ。)に対し当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者に健康診断を受けさせるべきことを勧告することができる。
  • 2 都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、当該勧告に係る感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者について、当該職員に健康診断を行わせることができる。
  • 3 都道府県知事は、第一項に規定する健康診断の勧告をし、又は前項に規定する健康診断の措置を実施する場合には、同時に、当該勧告をし、又は当該措置を実施する理由その他の厚生労働省令で定める事項を書面により通知しなければならない。ただし、当該事項を書面により通知しないで健康診断の勧告をし、又は健康診断の措置を実施すべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。
  • 4 都道府県知事は、前項ただし書の場合においては、当該健康診断の勧告又は措置の後相当の期間内に、同項の理由その他の厚生労働省令で定める事項を記載した書面を交付しなければならない。

(就業制限)

第18条

  •  都道府県知事は、一類感染症の患者及び二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の患者又は無症状病原体保有者に係る第十二条第一項の規定による届出を受けた場合において、当該感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該者又はその保護者に対し、当該届出の内容その他の厚生労働省令で定める事項を書面により通知することができる。
  • 2 前項に規定する患者及び無症状病原体保有者は、当該者又はその保護者が同項の規定による通知を受けた場合には、感染症を公衆にまん延させるおそれがある業務として感染症ごとに厚生労働省令で定める業務に、そのおそれがなくなるまでの期間として感染症ごとに厚生労働省令で定める期間従事してはならない。
  • 3 前項の規定の適用を受けている者又はその保護者は、都道府県知事に対し、同項の規定の適用を受けている者について、同項の対象者ではなくなったことの確認を求めることができる。
  • 4 都道府県知事は、前項の規定による確認の求めがあったときは、当該請求に係る第二項の規定の適用を受けている者について、同項の規定の適用に係る感染症の患者若しくは無症状病原体保有者でないかどうか、又は同項に規定する期間を経過しているかどうかの確認をしなければならない。
  • 5 都道府県知事は、第一項の規定による通知をしようとするときは、あらかじめ、当該患者又は無症状病原体保有者の居住地を管轄する保健所について置かれた第二十四条第一項に規定する協議会の意見を聴かなければならない。ただし、緊急を要する場合で、あらかじめ、当該協議会の意見を聴くいとまがないときは、この限りでない。
  • 6 前項ただし書に規定する場合において、都道府県知事は、速やかに、その通知をした内容について当該協議会に報告しなければならない。

(入院)

第19条

  •  都道府県知事は、一類感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該感染症の患者に対し特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関に入院し、又はその保護者に対し当該患者を入院させるべきことを勧告することができる。ただし、緊急その他やむを得ない理由があるときは、特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関以外の病院若しくは診療所であって当該都道府県知事が適当と認めるものに入院し、又は当該患者を入院させるべきことを勧告することができる。
  • 2 都道府県知事は、前項の規定による勧告をする場合には、当該勧告に係る患者又はその保護者に対し適切な説明を行い、その理解を得るよう努めなければならない。
  • 3 都道府県知事は、第一項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、当該勧告に係る患者を特定感染症指定医療機関又は第一種感染症指定医療機関(同項ただし書の規定による勧告に従わないときは、特定感染症指定医療機関若しくは第一種感染症指定医療機関以外の病院又は診療所であって当該都道府県知事が適当と認めるもの)に入院させることができる。
  • 4 第一項及び前項の規定に係る入院の期間は、七十二時間を超えてはならない。
  • 5 都道府県知事は、緊急その他やむを得ない理由があるときは、第一項又は第三項の規定により入院している患者を、当該患者が入院している病院又は診療所以外の病院又は診療所であって当該都道府県知事が適当と認めるものに入院させることができる。
  • 6 第一項又は第三項の規定に係る入院の期間と前項の規定に係る入院の期間とを合算した期間は、七十二時間を超えてはならない。
  • 7 都道府県知事は、第一項の規定による勧告又は第三項の規定による入院の措置をしたときは、遅滞なく、当該患者が入院している病院又は診療所の所在地を管轄する保健所について置かれた第二十四条第一項に規定する協議会に報告しなければならない。


医師の届出のまとめ

SUB12.280改変
一類感染症(患者又は無症状病原体保有者)
二類感染症(患者又は無症状病原体保有者)
三類感染症(患者又は無症状病原体保有者)
四類感染症(患者又は無症状病原体保有者)
新型インフルエンザ等感染症(患者又は無症状病原体保有者)
新感染症(疑診者)
医師の届出 直ちに 氏名、年齢、性別その他厚生労働省令で定める事項
五類感染症(全数把握) 診断後7日以内     年齢、性別その他厚生労働省令で定める事項
五類感染症(定点把握) 指定届出機関の管理者 翌月曜日。翌月初日  


感染症と入院・就業制限など
類型 入院 就業制限 対物措置 届出
基準 期間 届出先
1類感染症 全数把握(医師が届出) 直ちに 最寄りの保健所を経由して都道府県知事へ
2類感染症
3類感染症 ×
4類感染症 × ×
5類感染症
全数把握
× × × 診断後7日以内
5類感染症
定点把握
× × × 定点把握(指定届け出期間の管理者が届出) 次の月曜日まで/翌日初日まで

感染症患者とみなす場合

感染症法における疑似症の取扱は感染症法#第8条感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行令#第4条
感染症患者とみなすので、直ちに保健所に届出の義務が発生する
  疑似症患者 無症状病原体保有者
一類感染症
二類感染症
(結核重症急性呼吸器症候群鳥インフルエンザ)
 
新型インフルエンザ等感染症

参考

  • 1.
<click2in>http://www.jsrae.or.jp/annai/yougo/31.html</click2in>
  • 2.
<click2in>http://www.city-kumamoto-kansen.jp/kansensyo/newlaw/index.html</click2in>
  • 3. SMB.569
  • 4. 国立感染症研究所 感染症情報センター 病原微生物検出情報
<click2in>http://idsc.nih.go.jp/iasr/index-j.html</click2in>
  • 5. 厚生労働省 感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について
<click2in>http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01.html</click2in>
  • 6
<click2in>http://www.kenkou.pref.mie.jp/kansensyoutte.htm</click2in>
  • 7. 感染症報告数 年別一覧表 - 国立感染症研究所
感染症の年度別報告年数の推移を見たいときによい。
<click2in>http://idsc.nih.go.jp/idwr/ydata/report-J.html</click2in>

法令

  • 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年十月二日法律第百十四号)
<click2in>https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/viewContents?lawId=410AC0000000114_20160401_426AC0000000115</click2in>
  • 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行令(平成十年十二月二十八日政令第四百二十号)
<click2in>https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/viewContents?lawId=410CO0000000420_20160401_427CO0000000392</click2in>
  • 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則(平成十年十二月二十八日厚生省令第九十九号)
<click2in>https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/viewContents?lawId=410M50000100099_20171215_429M60000100131</click2in>