腸チフス
IRE. 652,660 SMB. 163,173,601 IMD 1096 -~下痢の原因 .552 HIM 123t,128,814,814t,957
特徴
- 三類感染症
- 発熱、腹痛を特徴とする全身疾患。
- 発疹チフス typhusに症状が似ていることからtyphoid feverと命名されたが、のちに別の疾患であることが分かり、enteric feverが提唱された。現在typhoid feverも使用されている。
病原体
疫学
- 衛生水準の低い発展途上国に多い。
リスク
- 酸分泌抑制薬の服用、免疫抑制患者、初感染感染者?、予防接種なし
潜伏期間
- 1-2週。
- 平均10-14日。3-21日までばらつく。(HIM.957)
感染経路
- 糞口感染
経過
- 経口摂取された菌は小腸粘膜に侵入し、潜伏期を経たのち腸管粘膜下リンパや腸間膜リンパ節で増殖。リンパ管より血液中に侵入すると菌血症により悪寒高熱をきたす。高熱、白血球減少、脾腫、バラ疹などが特徴の症状が出現する。発症後1週間頃に血中に菌を検出、2週目以降に骨髄、脾臓、胆嚢、腸管リンパ組織、腎臓などに小膿瘍や肉芽腫を作り、菌は胆汁、糞便、尿、バラ疹部位に出現しする。後期には小腸のパイエル板の壊死が進み腸管出血・穿孔が発生しうる。(SMB.173)
症状
- 発熱(稽留熱)(38.8-40.5℃)(未治療で4週間持続) (HIM.957)(SMB.173)
- 初診時における症状:頭痛(80%)、寒気(35-45%)、咳(30%)、発汗(20-25%)、筋肉痛(20%)、全身倦怠感(10%)、関節痛(2-4%)。 (HIM.958)
- 消化器症状食欲不振(55%)、腹痛(30-40%)、悪心(18-24%)、嘔吐(18%)、下痢(22-28%)、便秘(13-16%)。 (HIM.958)
- 腸管出血(10-20%)、腸管穿孔(1-3%)は発症から3-4週目に起こる → サルモネラが回盲部のパイエル板に侵入し、過形成、潰瘍、壊死をきたすため。
- 神経症状:2-40%の患者でみられる。髄膜炎、ギランバレー症候群、神経炎、神経精神症状(muttering delirium, coma vigil)
身体所見
- 初期でみられる身体所見:バラ疹 rose spots、肝脾腫(3-6%)、鼻出血、比較的徐脈(relative bradycardia at the peak of high fever) (HIM.958)
- 舌苔(51-56%)、脾腫(5-6%)、腹部圧痛(4-5%) (HIM.958)
- バラ疹は30%までの患者で発症後1週間後にはあきらかとなり、その後2-5日で痕跡を残さずに治癒 (HIM.958)
合併症
- 抗生物質の投与が遅れた場合に出現しやすくなる稀な合併症:播種性血管内凝固、血球貪食症候群、膵炎、肝膿瘍、脾膿瘍、肉芽腫、新内mくえん、心外膜炎、心筋炎、orchitis、肝炎、腎盂腎炎、糸球体腎炎、溶血性尿毒症、重症肺炎、関節炎、骨髄炎、parotitis (HIM.958)
検査
診断
- 初診で発熱を訴えるのは75%、腹痛は30-40%である。診断には発熱の他に発展途上国への旅行歴が、腸チフスを疑うポイントとなる。(HIM.957)
治療
- 感染症専門テキスト 第I部 p.562
- シプロフロキサシン 300mg x 2回/日 10-14day
- レボフロキサシン 500mg 1回/日 10-14day
- セフトリアキソン 1-2g 1回/日 10-14day
参考
- 感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について 腸チフス
-typhoid fever