- 英
- biological concentration、biomagnification、bioconcentration
- 関
- 食物連鎖
- SUB.407
- 1. 難分解性:化学的に安定
- 2. 高蓄積性:脂溶性が大きい
- 3. 慢性毒性:毒性を呈するのに時間がかかること。
- SUB.407
参考
- http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=1492
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E7%89%A9%E6%BF%83%E7%B8%AE
国試
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/10/20 21:39:39」(JST)
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生物濃縮(せいぶつのうしゅく)は、ある種の化学物質が生態系での食物連鎖を経て生物体内に濃縮されてゆく現象をいう。生態濃縮、生体濃縮(せいたいのうしゅく)ともいう。
疎水性が高く、代謝を受けにくい化学物質は、尿などとして体外に排出される割合が低いために、生物体内の脂質中などに蓄積されていく傾向がある。特定の化学物質を含んだ生物を多量に摂取する捕食者では、さらに体内での物質濃度が上昇する。食物連鎖の過程を繰り返すうち、上位捕食者ほど体内での対象化学物質濃度が上昇する。
生物濃縮に類似して生物蓄積の用語があり、英語の Bioaccumulation の訳語とすることがある。これは生物蓄積が、有害物質が水などの環境媒体から生物体内へ濃縮される過程(生物濃縮・Bioconcentration )と食物連鎖により増強される過程( Biomagnification )とを合わせたものであるためである。
目次
- 1 環境問題
- 2 事例
- 3 応用
- 4 関連項目
- 5 出典
環境問題[編集]
生物濃縮による環境被害は、レイチェル・カーソンが著書『沈黙の春』でDDTなどによる生物濃縮問題を論じたことで、よく知られるようになった。すなわち、上記のような生物濃縮されやすい物質の性質を、たとえば一部の農薬や重金属も持っているということである。農薬の場合、水に溶けにくいことや分解しにくいことは、実際に農地に散布した場合にその効果が長く保てることから、優れた性質と考えられていた面がある。その最初の例であるDDTもこの性質を持っていたため、高次消費者に高濃度で蓄積する結果を招いた。つまり、人為的な廃棄物の中では微量であったものが、重要な影響を与えうる濃度にまで上昇する、というものである。
カーソンの指摘の後、様々な論争があったが、少なくとも農薬に関しては残留しにくいものをできるだけ少量を効果的に用いる、という方向に変換された。
事例[編集]
魚介類中のドコサヘキサエン酸、フグやイモリなどの毒、貝毒、季節的なカキの毒化などは、生息域の細菌や餌となる生物によって合成された化学物質が生物濃縮で取り入れられたものである。
除草剤や殺虫剤などに含まれる人工的な化学物質が生物濃縮されて致命的な毒性を現すことがある。1949年、カリフォルニア州クリア湖でユスリカの駆除のためにDDD(ジクロロ-ジフェニル-ジクロロエタン)が散布された際、数年後にクビナガカイツブリが多く死亡した[1]。のちの調査により、湖水と比較して80000万倍の濃度のDDDが水鳥に蓄積されていることが明らかになった[1]。
海洋生態系の最高次生物であるクジラ類への生物濃縮はとくに深刻な場合がある[2]。北太平洋西部での調査ではスジイルカに残留するDDTおよびPCBの濃度が海水と比べてそれぞれ3700万倍・1300万倍も濃縮されていることが示された[2]。有明海のスナメリやアメリカ・地中海のハンドウイルカからも同様の化学物質の蓄積が確認されている[2]。クジラ類はアザラシと比べて出産や授乳によって母から子へ移行する化学物質の割合が高いことが指摘されており、クジラ類の寿命も長いことから、生物濃縮によるクジラ類の汚染は簡単には収束しないとされている[2]。
応用[編集]
生物濃縮を利用して環境汚染を調べる手法が開発されつつある。[3][4][5][6]
関連項目[編集]
- 食物連鎖
- 底質汚染
- ダイオキシン類
- 重金属
- 内分泌攪乱物質
- 放射性降下物
出典[編集]
- ^ a b 日本生態学会 『生態学入門』 東京化学同人、2004年8月26日。ISBN 978-4-8079-0598-0。
- ^ a b c d 中田晴彦 『第9章 海洋汚染と鯨類 村山司(編者)「鯨類学」』 東海大学出版会、2008年5月20日。ISBN 978-4-486-01733-2。
- ^ 2.4.11 海洋放射生態学研究部
- ^ D-2 海洋汚染物質の海洋生態系への取り込み、生物濃縮と物質循環に関する研究
- ^ 国立環境研究所ニュース18(5) イカ肝臓を指標としてみる海洋におけるダイオキシン類の分布
- ^ D-2 海洋汚染物質の海洋生態系への取り込み、生物濃縮と物質循環に関する研究(PDF)
Japanese Journal
- スルメイカ肝臓に含まれるビタミンB_<12>化合物の同定と含有量
- 石原 幸雄,宮本 恵美,竹中 重雄,薮田 行哲,渡辺 文雄
- 日本水産學會誌 = Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries 78(4), 749-751, 2012-07-15
- … 以上のことから,クロマグロ肝臓に含まれる多量のビタミン B12 は主に餌料であるスルメイカの肝臓に由来し,生物濃縮の作用により高濃度に蓄積された可能性を示唆している。 …
- NAID 10030499615
- くらしの泉 地球のための化学物質講座(7)生物濃縮と水俣病
- 連載:理学のキーワード : 第31回(放射能関連の特集)
- 下浦 享,小橋 浅哉,小池 真,中村 尚,川邉 正樹,永田 俊,三谷 啓志,井尻 憲一,山本 昌宏
- 東京大学理学系研究科・理学部ニュース 43(1), 6-11, 2011-05
- … 「原子核とその安定性」/「放射線と半減期」/「原子核分裂」/「セシウム137およびヨウ素131の環境化学」/「放射線に関する単位」/「大気中の物質拡散」/「海洋中の物質拡散」/「生態系における濃縮(生物濃縮)」/「放射線の生物影響」/「体外被曝と体内被曝」/「土壌中の汚染物質の拡散の数理と予測」 …
- NAID 120003039593
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- 解説 | 生物が、外界から取り込んだ物質を環境中におけるよりも高い濃度に生体内に蓄積する現象を生物濃縮という。生体内蓄積とも言われる。特に生物が生活にそれほど必要でない元素・物質の濃縮は 生態学 的にみて異常であり ...
- 生物濃縮 海の水にもわずかながらカルシウムが溶けている,という話を聞いたことはありませんか。 貝の貝殻は,炭酸カルシウムという物質でできています。このカルシウムは海の水から取り入れて体の中に貯め込んだものです。
- 世界大百科事典 第2版 生物濃縮の用語解説 - ある特定の物質が,外囲環境より高濃度となるように,生物の体内に選択的に蓄積されている現象,およびその過程をいう。海水中にはほとんど検出されないほど低濃度にしか存在しない ...
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- 関
- biological concentration、biomagnification
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- 関
- bioconcentration、biological concentration
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- 関
- bioconcentration、biomagnification
[★]
- 英
- enrichment、concentration、condensation、enrich、concentrate、concentrated、(aj,abrv)conc.
- 関
- 凝結、凝縮、集中、縮合、濃縮物、濃度
[★]
- 関
- 果肉、生物学、生物学的、生物体、肉、生物学上、肉体、生命体、生物的