- 英
- monteplase
- 商
- クリアクター
- 血栓溶解薬;遺伝子組換えプラスミノーゲン活性化因子
Japanese Journal
- 薬物的予防・治療法--抗凝固療法,血栓溶解療法 (焦点 静脈血栓塞栓症の予防ケア) -- (静脈血栓塞栓症の予防ケアと治療法)
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- 2005年8月2日 ... 注」(一般名:モンテプラーゼ(遺伝子組換え))について、2005年7月25日付の「不安定な 血行動態を伴う急性肺塞栓症における肺動脈血栓の溶解」の効能・効果の追加承認書 を受領しました。本剤には、「クリアクター (R) 注40万」「クリアクター ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
クリアクター静注用40万
組成
- 本剤は、1バイアル中に次の成分を含有する白色の凍結乾燥物で、用時溶解して用いる注射用製剤である。本剤を日本薬局方生理食塩液で溶解したときのpH及び浸透圧比は以下のとおりである。
有効成分
- モンテプラーゼ(遺伝子組換え) 40万IU(IU:国際単位)
添加物
添加物
添加物
添加物
添加物
禁忌
- 出血している患者:消化管出血、尿路出血、後腹膜出血、頭蓋内出血、喀血
〔出血をさらに助長し、止血が困難になるおそれがある。〕
- 頭蓋内あるいは脊髄の手術又は障害を受けた患者(2カ月以内)
- 頭蓋内腫瘍、動静脈奇形、動脈瘤のある患者
- 出血性素因のある患者
- 重篤な高血圧症患者
〔2.〜5.出血を惹起し、止血が困難になるおそれがある。〕
効能または効果
- ●急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)
- ●不安定な血行動態を伴う急性肺塞栓症における肺動脈血栓の溶解
- 急性肺塞栓症の診断は肺動脈造影などにより、血栓、塞栓あるいは血流の障害を確認すること。実施が困難な場合は、臨床症状から不安定な血行動態を伴う急性肺塞栓症が強く疑われ、かつ、低酸素血症、右心負荷の増大などの検査所見を確認した患者に対して投与すること。
- 急性肺塞栓症においては、ヘパリン投与などによる抗凝固療法を基礎治療として行うこと。
- ●急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)
- 通常、成人には体重kgあたりモンテプラーゼ(遺伝子組換え)として27,500IUを静脈内投与する。
- ●不安定な血行動態を伴う急性肺塞栓症における肺動脈血栓の溶解
- 通常、成人には体重kgあたりモンテプラーゼ(遺伝子組換え)として13,750〜27,500IUを静脈内投与する。なお、1回最大投与量は27,500IU/kgまでとすること。
- 投与に際しては、1mLあたり80,000IUとなるように日本薬局方生理食塩液で溶解し、1分間あたり約10mL(800,000IU)の注入速度で投与する。なお、本剤の投与は発症後できるだけ早期に行う。
- 急性肺塞栓症患者に投与する場合、本剤の出血に関する有害事象の発現は用量依存的であるので、危険性と有益性の両面から慎重に投与量を決定すること。慎重投与に該当する患者など、出血の危険性が高い患者へ本剤を投与する場合には、低用量(13,750IU/kg)の投与を考慮すること。
慎重投与
- 65歳以上の高齢者(「重要な基本的注意」の3.の(1)及び5.の(3)参照)
- 大手術、臓器生検、血管穿刺(動注療法、動脈穿刺等)後日の浅い患者(10日以内)
- 外傷後日の浅い患者(10日以内)
- 脳血管障害の既往歴のある患者
- 消化管潰瘍、消化管の憩室炎、大腸炎のある患者
- 活動性結核のある患者
- 月経期間中又は分娩・流早産後日の浅い患者(10日以内)
- 糖尿病性出血性網膜症又は他の出血性眼疾患のある患者
〔2.〜8.出血を惹起するおそれがある。〕
- 左心房内血栓の疑いのある患者(心房細動を伴う僧帽弁狭窄症患者等)
〔脳塞栓を惹起するおそれがある。〕
- 亜急性細菌性心内膜炎又は急性心膜炎のある患者
〔脳塞栓又は心のう液貯留を惹起するおそれがある。〕
- 脳梗塞のある患者
〔出血性脳梗塞を惹起するおそれがある。〕
- 重篤な肝障害、腎障害のある患者
〔代謝・排泄能の低下により、本剤の作用が増強することがある。〕
- 血液凝固阻止作用を有する薬剤、血小板凝集抑制作用を有する薬剤及び他の血栓溶解剤を投与している患者(「相互作用」の項参照)
- 本剤又は蛋白製剤に対して過敏症の既往歴のある患者
重大な副作用
重篤な出血
- 脳出血、消化管出血(0.1〜5%未満)、肺出血(頻度不明)等の重篤な出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
また、出血の増大に伴い、輸血を要する場合や出血性ショックに至ることがあるので注意すること。
心破裂、心室中隔穿孔、心タンポナーデ
- 心破裂、心室中隔穿孔(0.1〜5%未満)、心タンポナーデに至る心のう液貯留(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心室細動、心室頻拍
- 再灌流不整脈として心室細動、心室頻拍(0.1〜5%未満)等の重篤な不整脈があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。(「その他の副作用」の注2)参照)
ショック
- ショック症状を起こす可能性は否定できないので観察を十分に行い、血圧低下、発汗、脈拍の異常、呼吸困難等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
作用機序
- 本薬はフィブリンに対して親和性を有し、そのプラスミノゲン活性化能はフィブリンにより増強される。このため、本薬は血栓部位でプラスミノゲンをプラスミンに活性化させることによりフィブリンを分解し、血栓を溶解する。6)
血栓溶解作用
- イヌ冠動脈血栓モデルにおいて、本薬は急速静注で用量に依存した血栓溶解作用を示し、閉塞冠動脈を再開通した。血液凝固線溶因子のフィブリノゲン、プラスミノゲンの変動は軽度であった。7)
ブタ冠動脈内皮傷害モデルにおいて、本薬は閉塞冠動脈の再開通を示した。8)
イヌ冠動脈血栓モデルにおいて、本薬の閉塞冠動脈再開通によって左室機能は速やかに回復した。9)
マウス肺塞栓症モデルにおいて、本薬は致死抑制効果を示した。10)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- モンテプラーゼ(遺伝子組換え)
Monteplase(genetical recombination)
本質
- ヒトmelanoma細胞より得られたmRNAをもとにクローン化されたヒト組織プラスミノゲン活性化因子遺伝子のシステイン84をコードする塩基配列をセリンをコードする塩基配列に改変したヒト組織プラスミノゲン活性化因子誘導体遺伝子よりベビーハムスター腎細胞で産生されるアミノ酸527残基(C2569H3896N746O783S39;分子量:59,009.49)及び530残基(C2580H3916N752O786S39;分子量:59,293.80)からなる糖蛋白質
(分子量:約68,000;二本鎖型80%以上;527残基のもの約80%)
性状
- 本品は無色澄明な液で、においはない。(クリアクター原液)
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- pulmonary thromboembolism, PTE
- 同
- エコノミークラス症候群
- 関
- 肺塞栓症、肺動脈血栓症
概念
- 肺動脈内腔に1次性に形成された血栓により閉塞された病態を肺血栓症、静脈系から肺動脈へ流入した物質により肺動脈が閉塞された病態を肺塞栓症という。
- 両者をまとめて肺血栓塞栓症と呼ぶが、臨床的には肺塞栓症が大半である。
- 塞栓物質として静脈系血栓、腫瘍、脂肪、羊水、空気、造影剤などが挙げられるが、頻度として下肢および骨盤の深部静脈血栓が80%と圧倒的に多い(深部静脈血栓症 DVT)。
- 肺動脈の閉塞により末梢肺組織が出血性壊死に陥ったものを特に肺梗塞と呼ぶ。
疫学
- 発症率は人口 10万人に対して 2.8人(1996年統計)。
- 男女比は1:1.3。あらゆる年齢層に発症するが、60-70歳代がピーク。
- 死亡率は14%。心原性ショックを呈した症例では30%(うち血栓溶解療法を施行された症例では20%、施行されなかった症例では50%)、心原性ショックを呈さなかった症例では6%である。
産婦人科
産科
- 産褥期、特に帝王切開術を経た患者に多い。(G10M.318)
症状
急性肺血栓塞栓症
- 参考1
症状
|
長谷川ら (n=224)
|
肺塞栓症研究会 (n=579)
|
呼吸困難
|
171(76%)
|
399/551(72%)
|
胸痛
|
107(48%)
|
233/536(43%)
|
発熱
|
50(22%)
|
55/531(10%)
|
失神
|
43(19%)
|
120/538(22%)
|
咳嗽
|
35(16%)
|
59/529(11%)
|
喘鳴
|
32(14%)
|
記載なし
|
冷汗
|
19(8%)
|
130/527(25%)
|
血痰
|
記載なし
|
30/529(6%)
|
動悸
|
記載なし
|
113/525(22%)
|
症状と病態との関係
- 1. 頻度の高い症状:急に発症する呼吸困難(約70-80%)、胸痛(約40-50%)。
- 2. 広範な塞栓の場合にみられる症状:不整脈(約30%)、狭心症様の胸部重苦感(約10%)、失神(約10%)、右心不全によるショック(10%以下)。
- 3. 肺梗塞・肺水腫を伴う場合に多い症状:胸膜炎様胸痛(約30%)、咳嗽(約10-40%)、発熱(約10-50%)、血痰(約5-10%)。
- 4. 特徴的発症状況:安静解除直後の最初の歩行時、排便・排尿時、体位変換時。
検査
- 参考1
-
- 胸部単純X線写真
- 心電図(右側胸部誘導の陰性T波、洞性頻脈、SⅠQⅢTⅢ、右脚ブロック、ST低下、肺性P、時計方向回転)
- SⅠQⅢTⅢ:Iでs waveがあり、IIIでQ waveがあり、なおかつT waveが陰転
- 肺動脈造影
- 肺シンチグラフィ(換気, 血流)
- CT
- MRA
- 経食道心エコー
診断
- 頻呼吸、頻脈、低酸素血症、胸痛など肺血栓塞栓症が疑われる症状があれば、酸素投与、ルート確保、血液検査(動脈血液ガス検査)、胸部XP、胸部CT、12誘導心電図を速やかに施行する。
- 可能であれば、ベットサイドエコーで右心不全徴候、特に右室が左室を圧排していないかどうか確認する。
- Dダイマーが高値であれば、PTEの尤度を上げることができる。
- 下肢のcompression testが陽性であれば、有無を言わさず胸部造影CTをやるしかない。
- 速やかに検査が可能であり、確定診断が可能なのは胸部造影CTである。
鑑別診断
- 胸痛や呼吸困難を来す疾患が鑑別となる。
合併症
治療
- 方針:呼吸管理(酸素投与)、循環管理(昇圧薬(ドパミン、ドブタミン、ノルエピネフリン))
- 抗凝固療法:ヘパリンから始め、ワルファリンの内服を開始。
- 抗血栓溶解療法:右心不全例(抗凝固療法に加えてウロキナーゼやtPA(モンテプラーゼ)を投与)
- (急性循環不全)カテーテルインターベンション、外科的血栓摘除術
- 経皮的心肺補助装置:循環が保てなくなった場合
ガイドライン
参考
- 1. 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_andoh_h.pdf
- 2. 学際領域の診療 Interdisciplinary Practice 肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症 - 日産婦誌
- http://www.jsog.or.jp/PDF/56/5610-382.pdf
- 3. E.婦人科疾患の診断・治療・管理 10.10)深部静脈血栓症・肺塞栓症 - 日産婦誌61巻11号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/61/6111-591.pdf
- 4. LITFL ≫ ECG Library ≫ ECG Basics ≫ T wave
- http://lifeinthefastlane.com/ecg-library/basics/t-wave/
国試
[★]
- 英
- puller
- 関
- ガラス電極製作器