- 英
- ligament injury, athletic injury
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/03/15 07:18:24」(JST)
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前十字靭帯損傷
Anterior cruciate ligament injury |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
S83.5 |
ICD-9 |
844.2 |
eMedicine |
pmr/3 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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上図で黄色の部分が後十字靭帯。下図では奥(上)に見える黄色が後十字靭帯、手前の黄色が前十字靭帯
靭帯損傷(じんたいそんしょう)は靭帯が外力などにより、損傷を受けた状態である。代表的なものとして、膝関節の十字靭帯断裂(じゅうじじんたいだんれつ、英:rupture of cruciate ligament、独:Rupture der Kreuzbänder)がある。これは、膝関節にある前十字靭帯、後十字靭帯のいずれかが単独で損傷、もしくは双方が複合的に損傷し、連続性を失うものである。
目次
- 1 十字靭帯断裂(膝)
- 2 側副靭帯断裂(肘)
- 3 参考文献
- 4 関連項目
§十字靭帯断裂(膝)
膝関節の前側、後側、内側、外側には、前十字靭帯(anterior cruciate ligament, ACL)、後十字靭帯(posterior cruciate ligament, PCL)、内側側副靭帯(medial collateral ligament, MCL)、外側側副靭帯(lateral collateral ligament, LCL)がそれぞれ配置されている。
前十字靭帯、後十字靭帯における十字靭帯断裂では、スポーツ、交通事故による損傷が増加している。前十字靭帯の断裂はバレーボール、バスケットボールなどの着地時、ジャンプ時、また疾走中に急激に速度を緩めた時などに減速損傷 deceleration injury として発生することが多い。
- 前十字靭帯損傷の詳細は前十字靭帯を参照
一方、後十字靭帯の断裂はダッシュボード損傷 dashboard injury のように、屈曲位で上端下端に強い力が作用した時に起こりやすい。いずれの場合も、十字靭帯の単独損傷ではなく、複合損傷となることが多い。
症状として引き出し症状や回旋不安定性などが見られるが、後十字靭帯断裂では膝屈曲位で下腿の後方への落ち込み sagging が見られる。主に行われる引き出しテスト以外にも Lachman テスト、jerk テスト、pivot shift テストなど、多種類の検査法が発表されている。治療の前段階で正確に診断を下すことが必要で、ストレスX線、関節造影、関節鏡などを併せて総合的に行う。新鮮外傷で2週間以内に縫合すれば優れた効果が期待できるが、陳旧例になると再建術が必要になることが多く効果も低下するため、早期治療が重要である。
また十字靭帯の他、内側側副靭帯は膝を外反強制された時に損傷しやすく、損傷の頻度が高い。外側側副靭帯は膝を内反強制された時に損傷しやすいが、単独での損傷はほとんど見られない。
§引き出し症状
引き出し症状(英:drawer sign、独:Schubladensymptom)は十字靭帯断裂時に見られる症候である。前十字靭帯は大腿骨に対し脛骨の前方への移動を制御しているため、断裂した場合には大腿に対して下腿が異常に前方に移動することが他覚的に確認される。これとは逆に後十字靭帯は大腿骨に対し脛骨が後方へ落ち込むのを制御しているため、断裂した場合には下腿が後方に移動することが確認される。
前方引き出し、後方引き出しなどの症状を検査する具体的な引き出しテストには2つの実施方法がある。被検者を仰臥位として股関節を45度屈曲し、膝関節は90度屈曲位にして十分に力を抜かせ、足背が動かないように固定する。この状態で両手を下腿上方に当て、前方もしくは後方へ移動させて変位を診察する。もう1つの方法は被検者を椅子などで座位にし、下腿を下垂させて行うものである。いずれの場合も必ず両側を検査して比較することが重要である。
§側副靭帯断裂(肘)
肘関節の内側、外側には、内側側副靭帯 ulnar collateral ligament of elbow joint、外側側副靭帯 radial collateral ligament of elbow joint がそれぞれ配置されている。他に肘関節に位置する靭帯としては橈骨輪状靭帯 anular ligament of radius、方形靭帯 quadrate ligament of radius がある。このうち、内側側副靭帯が断裂した際に再建手術として行われるのがトミー・ジョン手術である。
- 肘関節における内側側副靭帯損傷の詳細はトミー・ジョン手術を参照
§参考文献
- 『南山堂 医学大辞典』 南山堂 2006年3月10日発行 ISBN 978-4-525-01029-4
§関連項目
スポーツ障害 |
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頭・脳の障害 |
脳挫傷 - 脳震盪 - パンチドランカー
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首の障害 |
外傷性頸部症候群 - バーナー症候群
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肩の障害 |
ベネット損傷 - SLAP損傷 - 野球肩(三角筋炎 - 腱板炎 - リトルリーガーズショルダー) - 水泳肩 - テニス肩 - ゴルフ肩 - バレーボール肩 - バドミントン肩 - 投擲肩
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上腕の障害 |
上腕二頭筋長頭腱炎
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肘の障害 |
離断性骨軟骨炎 - 野球肘 - テニス肘 - ゴルフ肘 - 水泳肘 - 岩登り肘 - バドミントン肘 - 卓球肘 - 投擲肘
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前腕の障害 |
コーレス骨折 - ボウリング腕
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手の障害 |
腱鞘炎(ド・ケルバン病) - キーンベック病 - TFCC損傷
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腰の障害 |
腰椎分離症 - 腰椎すべり症 - 椎間板ヘルニア - 梨状筋症候群 - 筋筋膜性腰痛 - 卓球腰 - サーフィン腰 - スノーボード腰 - サイクリング腰 - スキー腰
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大腿の障害 |
大腿骨頭すべり症 - 筋断裂 - 肉離れ
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膝の障害 |
離断性骨軟骨炎 - ランナー膝(オスグッド・シュラッター病 - 腸脛靭帯炎 - 棚障害 - 鵞足炎) - ジャンパー膝 - サッカー膝 - 平泳ぎ膝 - バレーボール膝 - バスケットボール膝 - テニス膝 - ジョギング膝 - ウォーキング膝 - サーフィン膝 - スノーボード膝 - 卓球膝 - スキー膝 - 膝蓋骨脱臼 - 半月板損傷 - 靭帯損傷(外側側副靭帯損傷 - 内側側副靭帯損傷 - 前十字靭帯損傷 - 後十字靭帯損傷) - 関節軟骨損傷
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下腿の障害 |
シンスプリント - コンパートメント症候群 - アキレス腱炎(アキレス腱周囲炎 - アキレス腱滑液包炎) - アキレス腱断裂
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足の障害 |
フットボール足 - サッカー足 - フットサル足 - サイクリング足 - スケート足 - テニス足 - 足底筋膜炎 - 踵骨骨端症 - 捻挫 - モートン病
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その他の障害 |
疲労骨折 - 筋痙攣 - イップス - ハンガーノック
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- 足関節靭帯損傷における新たな展開 アスレティックリハビリテーションの進歩と成果 : 重心動揺性からみた足関節機能的不安定性への対策 (Team Doctor & Trainer Meeting 2011)
- 足関節靭帯損傷における新たな展開 診断技術の進歩と治療への応用 (Team Doctor & Trainer Meeting 2011)
Related Links
- 1度は狭義の捻挫で、靭帯の明らかな損傷を伴わないものです。顕微鏡的な断裂を伴う こともあります。腫れはほとんどないか、あっても軽度で、損傷靭帯直上に圧痛があり、 靭帯を伸張させると痛みが誘発されることがあります。関節不安定性を残すことは ...
- 膝靭帯損傷。膝靭帯損傷とはどんな病気か 膝には、関節の内側、外側、中心に、 それぞれ内側側副(ないそくそくふく)靭帯、外側側副(がいそくそくふく)靭帯と2本の十字( じゅうじ)靭帯(前(ぜん)十字靭帯と後(こう)十字 gooヘルスケア 家庭の医学。
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★リンクテーブル★
[★]
- a 屈曲変形は自然矯正される。
- b 回旋変形は自然矯正される。
- c 短縮変形は自然矯正される。
- d 靭帯損傷を合併することが多い。
- e 骨幹部は骨幹端部よりも自家矯正能力が高い。
[正答]
※国試ナビ4※ [104I010]←[国試_104]→[104I012]
[★]
- 関
- 骨折
- 小児は成人に比べ骨折の頻度が高い。
- 骨膜は厚く骨形成が旺盛、骨癒合が早い、骨膜が厚いために不完全骨折となることが多い(若木骨折)、自家矯正能が高い(屈曲変形は5歳までは30°、8歳までは20°の屈曲があっても完全に矯正されるが、回旋変形に対しては自家矯正力はほとんど働かない。長骨の短縮に対しても矯正能力があるが、過成長が長じやすい。骨幹端部の方が骨幹部よりも自家矯正能が高い)、靭帯損傷や脱臼はまれである(SOR.641改変)。
- ほとんどの骨折では保存的治療でよい。
- 骨折のうち多いものは上腕骨顆上骨折である。この骨折では骨片が回旋転位するため手術を行う。
[★]
靱帯損傷、靭帯損傷
- 関
- ligament injury、sports injury
[★]
靱帯損傷、靭帯損傷
- 関
- athletic injury
[★]
- 英
- anterior cruciate ligament injury
- 同
- 前十字靭帯断裂 rupture of anterior cruciate ligament、前十字靭帯断裂症候群 tornanterior cruciate ligament syndrome
- 関
- 前十字靭帯
[★]
- 英
- medial collateral ligament injury, MCL injury
- 関
- 内側側副靭帯
[★]
- 英
- injury, lesion
- 同
- 傷害
- 損傷 injury:組織の生理的な連絡が絶たれる、または機能が傷害された状態 → 機能障害が含まれる。
-
- 機械的なエネルギーにより生じた損傷。
- 外力によって生じた組織損傷を総括して創傷と言うが、皮膚や粘膜の連続性が離断した開放性損傷を<創>、連続性が保持された閉鎖性損傷を<傷>と区別して用いることがある(SLE.12)
分類(SLE.106)
-
-
参考
- http://www.jaam.jp/html/dictionary/dictionary/word/0906.htm
- http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/legal.dir/lectures/newest/node4.html
[★]
- 英
- ligaments, ligament
- ラ
- ligamenta, ligamentum
- 同
- 靱帯
[show details]
靱帯 : 約 231,000 件
靭帯 : 約 2,330,000 件
[★]
- 英
- wound
- 関
- 創傷、傷つける