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Selective Mutism (SM) | |
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分類および外部参照情報 | |
診療科・ 学術分野 | 精神医学, 心理学 |
ICD-10 | F94.0 |
ICD-9-CM | 309.83 313.23 |
MedlinePlus | 001546 |
eMedicine | ped/2660 |
MeSH | D009155 |
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場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)、選択性緘黙(せんたくせいかんもく、英: Selective Mutism,SM)とは、家庭などでは話すことが出来るのに、社会不安(社会的状況における不安)のために、ある特定の場面・状況では話すことができなくなる疾患である。 幼児期に発症するケースが多い。治療法や支援法については、「場面緘黙症#治療」を参照。
精神医学的障害の一種である。
場面緘黙症の判断基準について、2つの主流の分類を以下に示す。
選択性緘黙とは、話す際に著しい、感情的に断固とした選択性があるのが特徴であり、子供がある若干の状況で言語能力を示すが、別の(定義可能な)状況では話すことができないものである。この障害は、通常、社交不安障害、引きこもり、過敏症または治療に対する抵抗などを含む、際立った個性機能と関係している。
ただし以下は除外する:
場面緘黙症(選択性緘黙)
場面緘黙児のほとんどは、それ以外になんらかの不安に関連した病名を診断されている。多く見られるのが、社交不安障害、分離不安障害、完全主義的傾向、強迫的傾向などである[1]。また、病名はないが、特徴的な問題も含めて以下に挙げる。
社交不安障害の子供は、他人からの否定的な評価を恐れ、自分が何かみっともないことを言ったり、したりするのではないかと過度に気を遣う。具体的には、友達と遊ぶのを避けたり、人前で食べられなかったり、公衆トイレが使えなかったりする。治療法については、「社交不安障害#治療」を参照。
これは、先生に許可をもらうこと、皆の注目を集めることなどが場面緘黙児にとって不安を感じるためである。
場面緘黙症の子供の多くは、先天的に不安になりがちな傾向がある[2]。また、内向的な性格であることが多く、これは脳の扁桃体と呼ばれる領域が過剰に刺激されることによると考えられている[要出典]。この領域は、脅威の兆候を感知すると「戦うか逃げるか反応 (fight-or-flight response)」を引き起こす。場面緘黙症の原因が虐待・ネグレクト・心的外傷によるものとの関係は否定されている。場面緘黙症の子供は、全く話すことができない状態に症状が進行するケースもあり得るが、ほとんどの場合、場面によっては話すことができる。一方、心的外傷による緘黙は、通常、突然あらゆる場面で話すことができなくなる。
両親の母語が異なる子供や、言語の異なる外国に暮らす子供、幼少期に外国語にさらされた子供は、話すことが要求された言語について自信を失ってしまうことがある。いずれの場合も子供は内向的な性格を示すが、このような言葉の問題によるストレスは、子供を緘黙にしてしまうのに十分な不安の原因となる。
場面緘黙症は、必ずしも年齢とともに自然に改善されていくわけではない。そのため、低年齢のうちに治療を受けることがとても重要である。そのままにしておくと、周りの人はその子は話さない子と考えるため、緘黙症状そのものが強化されてしまい、話すことがますます難しくなってしまう。
治療プロセスとしては、まず治療方針を立てるためのアセスメントを行う[3]。ここでは、話ができる人・場所・状況の把握、それ以外の場面で発話が妨げられている要因の探索、発話を実現するためにどのような支援や環境整備が求められるかについての検討などが行われる。次に、本人との信頼関係の形成、および本人の不安についての心理教育が実施される[4]。その上で、随伴性マネジメント法、刺激フェイディング法などを包含した、認知行動療法的治療プランが展開される[5][6]。
このような治療プロセスにおいて本人の自信を育むことができるよう、成功体験を得られるようにしたり、結果だけではなくその過程における努力を認めたりすることが大切である[7]。
治療法の例として段階的曝露療法がある。これは、不安のある場面・状況で話してみることができるよう適切にサポートし、本人が「話してみたら実際は大丈夫であった・話してみたら楽しかった」「はじめは不安が強かったが、話してみると徐々に不安も収まっていった」という気付きを得られるよう支援する技法である。本人の気持ちを尊重しながら、話すことに対する不安が比較的少ない場面からはじめ、段階的に不安の大きな場面に移行していく。話すことに対する不安が比較的少ない場面から始めるのは、成功体験を得て自信を持ってもらうため、そして新しい人や場面で話しても恐れていることは起こらないということを実体験を通して気づいてもらうためである。また、不安が比較的大きな場面へのチャレンジを行う際は、あらかじめ本人と支援者でロールプレイをしてリハーサル(練習)をしておくことも可能である[8]。
上記の段階的曝露療法において、どのような段階でも、発話ができた場合に支援者が肯定的なフィードバック(承認・称賛・好きなものを与えること等)をすることが必要である。また、発話できなかったとしても責めてはならず、声を出そうとしていたり、一瞬でも声を出せたり、小さな声やささやき声でも何か発話できたりしたら、そのようなことを大きな一歩として認め褒めていくことが重要である[8]。
なお、社交不安症や分離不安症が併存する場合の治療法については、「社交不安症#治療」・「分離不安症#治療」も参照されたい。
何を言っても責められず温かく受け止められる、安心して発話できる環境づくりを行うことも必要である[9]。
また、場面緘黙は合理的配慮の対象であり、周囲は適切な支援・配慮を通して本人をサポートしていく。周囲が認識する困りごとと、本人の困りごとは一緒とは限らないため、どのような支援や配慮を必要とするか、支援者は本人に相談することが大切である。場面緘黙に関わることだけではなく、日常生活全体で本人が困っていることや配慮してほしいことを丁寧に聞き取り、温かく受け止め、適切な支援や配慮を展開していく[10][11]。
合理的配慮の具体例としては、発話を強制せず、筆談や身振り手振りなど本人にとって負担の少ない形でのコミュニケーションを大切にしていくことが考えられる[12][13]。話さなくても参加できる活動にしたり、得意なことを生かして活躍できる場を用意したりすることも重要である[13]。
1877年(明治10年)にドイツの医師であるアドルフ・クスマウルがDie Storungen der Sprache : Versuch einer Pathologie der Sprache において、“Aphrasia voluntaria”(随意性失語症)という症状を報告した。これが場面緘黙症に関する最も古い報告と見られる。
わたしの同僚がある日、十歳の児童を恐らく緘黙症であらうと廻してきた。成程、訊いても答へない。幾度か尋ねても、たまに単語を答へる程度である。家庭では口をきくし、両親の話によると、可成りに陽気であるらしい。学校でも友達とは口をきく、それもたった一人の友達とだけである。[14] — ジルベール・ロバン著、吉倉範光訳、『異常児ーその鑑別と保導』
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精神と行動の障害(ICD-F - 290-319) | ||||||||||||||||
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