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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/01/01 11:14:41」(JST)
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選択(せんたく、英語:selection)とは、進化において、生物個体や形質などが世代を経ることによってその数や集団内での割合を増していくこと。逆に、割合を減少させていくことを淘汰(とうた)という。
このような変化が実際に起こることを選択が働く(選択される)、または淘汰が働く(淘汰される)といい、この差を生む要因を選択圧または淘汰圧という。英語ではselectionで、選択のほうが直訳に近い。淘汰とも訳される。選択と淘汰は表裏一体である。そのためこの二つのメカニズムを総称して選択(または淘汰)という場合もある。ただし文脈によっては選択と淘汰を区別しなければならないこともある。選択と淘汰を区別せず、割合を増していくことを正の選択または正の淘汰、割合を減らしていくことを負の選択または負の淘汰と呼ぶこともある。単に選択や淘汰といった場合、メカニズムを指しているのか、実際の増減を指しているのか明らかではないからである。
選択と淘汰は世代を超えて起こる現象であり、一個体の生死に対しては使わない。選択は適応と同じ意味で用いられることがある。数や集団内での割合を増していくことを、「適応度が高い」、その逆を「適応度が低い」とも言う。
目次
- 1 選択の分類
- 1.1 選択の要因
- 1.2 選択の単位
- 1.3 その他の選択
- 2 生物以外への応用
- 3 関連項目
選択の分類
選択の要因
- 自然選択 自然環境によって起きる選択。広義には以下の選択は全て自然選択に含める。
- 狭義の自然選択 自然環境には気候や地形などのほか、同種の個体の密度、食糧や宿主の質・密度、捕食者や寄生者の質・密度など、選択を受ける実体を除くあらゆる要因が含まれる。
- 性選択 有性生殖を行う生物で、オスとメスの間の社会関係によって引き起こされる選択。
- 社会選択 性選択の延長の概念。ある個体の社会的評価がその個体の適応度、特に繁殖成功度に関わるという説。
- 人為選択 人が意図的に行う選択のこと。
選択の単位
- 個体選択 古典的なダーウィニズムでの選択の単位。実際に生きたり死んだりするのは個体であり、観察が容易であることから近似として用いられる。
- 群選択 選択の単位を群れ(時には種や亜種)とするもの。
- 形質選択(形質集団選択)ある形質の影響下にある個体全てを選択の集団とみなす立場。
- 種選択 選択の単位を種とする物で群選択とは異なる。
- 遺伝子選択 個体は一世代限りのユニークな存在だが、遺伝子は長い世代にわたって存続するため、実際に選択される単位は遺伝子(あるいは遺伝子によってコードされた個々の形質)と考えるべきだという立場。
- 血縁選択 遺伝子選択の元となった理論。血縁関係にある個体は同じ遺伝子を持つ可能性が高いため、血縁集団単位で選択が働くとするもの。個体選択の拡張と考えることができる。
- マルチレベル選択 選択は様々な階層に起きるものであり、それぞれ別個に検討しなければならないとする立場。
その他の選択
適応景観との関係では、
- 安定性選択 最適形質が集団の形質分布の中心にあり平均的な形質から離れた個体が淘汰される、
- 方向性選択 最適形質が集団の外にありそこに向かって集団の形質が変化する、
- 分断性選択 景観に複数のピークがあり集団がそれらの周りの複数の集団に分断されるなどがある。
そのほかには、
- 密度依存選択 物理的な密度が選択圧となって選択が起きること。
- 頻度依存選択 遺伝子プール内での割合が選択圧となって選択が起きること。
生物以外への応用
選択は、生物以外でも、遺伝的アルゴリズムでも行われる。
関連項目
集団遺伝学 |
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主要概念 |
ハーディー・ワインベルクの法則 / 遺伝的連鎖 / 連鎖不平衡 / フィッシャーの基本定理 / 中立進化説 / プライスの共分散方程式
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選択 |
自然 / 性 / 人為 / 生態学
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ゲノム変異への
選択の効果 |
遺伝的ヒッチハイク / バックグラウンド選択
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遺伝的浮動 |
少ない個体数 / ボトルネック効果 / 創始者効果 / 合祖理論 / バルディング・ニコルズ・モデル
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創始者 |
ロナルド・フィッシャー / J・B・S・ホールデン / シューアル・ライト
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関連項目 |
進化 / 小進化 / 進化ゲーム / 適応度地形 / 遺伝子系図 / Template:population
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- 調剤薬局の制度疲労は頂点 患者不在の経営・政策のツケ (特集 薬局解体 : 国民負担10兆円を取り戻す)
- 無人企業も現実に 経営者こそ淘汰の危機 生き抜く5つの条件 (特集 動き出す無人経済)
Related Links
- とうた【淘汰】とは。意味や解説、類語。[名](スル)1 水で洗ってより分けること。転じて、不必要なもの、不適当なものを除き去ること。「不良企業は―される」2 環境に適応した生物が子孫を残し、他は滅びる現象。選択。3 流水 ...
- 淘汰 【意味】 淘汰とは、不適当なものや不必要なものを除き、良いものを残すこと。自然の中で環境に適した生物が残り、適しないものは滅びる現象。選択。 【淘汰の語源・由来】
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- selection、choice、option、select、choose、opt、selective、elective、optional
- 関
- 選ぶ、選挙、選択肢、選択性、選択的、任意、オプション、選抜、セレクション、選定、待期的、随意
- 淘汰
[★]
- 英
- theory of natural selection
- 関
- 自然選択説
[★]
- 英
- artificial selection、artificial culling
[★]
- 英
- Darwinian selection
- 関
- 正の淘汰
[★]
- 英
- natural selection
- 関
- 自然選択