- 英
- bile pigment, bile-pigment
- 関
- 胆汁
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/06/05 15:58:20」(JST)
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この項目では、化学物質について説明しています。言語については「ビリン語」を、民族については「ビリン人」をご覧ください。 |
ビリン(英語: bilin)(ビラン又は胆汁色素)はポルフィリン類の代謝物としてたくさんの臓器で生成される生化学的な色素である。ビリン(ビリクロムとも呼ばれる)は、ヒトの胆汁(バイル)から名付けられたが、これらの物質はより下等な脊椎動物、無脊椎動物、紅藻、緑色植物、シアノバクテリアからも発見されている。ビリン類は、赤色、オレンジ色、黄色、茶色、青色、緑色を呈することができる。
目次
- 1 構造
- 2 ビリンを持つ生物
- 3 主な種類
- 4 出典
- 5 外部リンク
構造
化学的にはビリン類は4つのピロール環(テトラピロール)が直線状に連なっている。ヒトの代謝においてはビリルビンはヘムの分解生成物である。ヒドロキシメチルビランは、ポルフォビリノーゲン(PBG)と(ポルフォビリノーゲンデアミナーゼとして知られている)ウロポルフィリノーゲンI合成酵素との生化学反応の主要生成物である。
ビリルビンは代表的な胆汁色素であり、破壊された赤血球から遊離したヘモグロビンのタンパク質部分から切り離されたヘムが、肝臓の細胞で黄色のビリルビンに変化したものである。ヒトに一般的なビリン系統のその他の胆汁色素は、尿中のウロビリン(黄色)、ヘム分解の最初の代謝物であるビリベルジン(緑色)、大便中のステルコビリン(茶色)などがある。
ビリンを持つ生物
紅藻、植物中の光合成色素フィコシアニンの発色団であるフィコシアノビリンは動物で発見されている。植物においてもビリン類は光受容体タンパク質であるフィトクロムの光色素として利用されている。
無脊椎動物のビリンの例として、ツユグモの緑色のもとであるミクロマタビリンがある[1]。
主な種類
- ビリルビン
- ビリベルジン
- ウロビリン
- ステルコビリン
- フィコビリン
出典
- ^ Oxford, G.S. & Gillespie, R.G. (1998). Evolution and Ecology of Spider Coloration. Annual Review of Entomology 43:619-643. doi:10.1146/annurev.ento.43.1.619
外部リンク
- Bilin - the US National Library of Medicine Medical Subject Headings (MeSH)
テトラピロール |
ビリン
(線形) |
ビリルビン · ビリベルジン · ステルコビリノーゲン · ステルコビリン · ウロビリノーゲン · ウロビリン
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フィトビリン |
フィトクロム
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フィコビリン |
フィコエリトロビリン · フィコシアノビリン · フィコウロビリン · フィコビオロビリン
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大員環化合物 |
コリノイド |
メチルコバラミン · アデノシルコバラミン · シアノコバラミン
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ポルフィリノーゲン |
ウロポルフィリノーゲン (I, III) · コプロポルフィリノーゲン (I, III)
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ポルフィリン |
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クロリン |
プロトクロロフィリド · クロロフィリド · クロロフィルa · クロロフィルb · バクテリオクロロフィルc
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バクテリオクロリン |
バクテリオクロロフィルa
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 急性期病態におけるBile pigmentの生理的役割
Related Links
- 中村宜司、佐藤克行、秋葉光雄「胆汁色素代謝物ウロビリノーゲンの抗酸化作用」中村 宜司 『日本農芸化学会誌』2001年3月5日、75巻、144ページ。胆汁 - J-GLOBAL; ^ NAKAMURATakashi; SATOKatsuyuki; AKIBAMitsuo; OHNISHIMasao (2006).
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★リンクテーブル★
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- 関
- bilin、bilirubinoid
[★]
- 関
- bile pigment
[★]
- 関
- 黄疸、胆汁、ビリルビン、ウロビリノゲン
- 赤血球中のHbは間接ビリルビンとなり、肝臓でグルクロン酸抱合されて、直接ビリルビンになる。尿中には直接ビリルビンが排泄される。
直接ビリルビンは胆管から腸管に排泄されて腸内細菌によりウロビリノーゲンとなり、血中再吸収後、一部は尿中へ排泄される。
尿中に出てくるウロビリノーゲンと抱合型ビリルビンの変動でどこが悪いか分かる。
- ビリルビン↑、ウロビリノーゲン↑:黄疸(肝細胞性)、肝炎、肝硬変やアルコール性肝障害など
- 肝細胞傷害により直接ビリルビンの排泄が妨げられる。また胆汁中に排泄された直接ビリルビリンはウロビリノゲンに転換された小腸で再吸収されるが、肝臓での再吸収が妨げられる。このためにウロビリノゲンが上昇する。
- ビリルビン↑、ウロビリノーゲン→:黄疸(閉塞性)、腫瘍や結石による胆道閉塞、胆汁うっ滞
- 肝臓で産生された直接ビリルビンは、胆汁として排泄できないために血液中に直接ビリルビンが排泄され、そのまま尿として排泄される。このため、ウロビリノゲンはかわらずウロビリノゲンのみ上昇する。
- ビリルビン→、ウロビリノーゲン↑:黄疸(溶血性)、溶血性貧血などによる赤血球破壊の亢進
- 血管内で産生された間接ビリルビンはにより、血清ビリルビリンは経度上昇するが、肝機能は正常であるために大量のウロビリノゲンが産生され排泄される。このため、ビリルビンは軽度上昇、ウロビリンは著明に上昇する。
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- 英
- acholuric jaundice
- 関
- 溶血性黄疸
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- 英
- bile
- 関
- 肝臓、胆嚢、胆管
- 0.5-1.0 L/day, pH 8.0-8.6
- 消化酵素を含まないアルカリ性の分泌液である
分泌部位
部位 胆汁 割合
肝細胞 毛細管胆汁 2/3
胆細管 胆細管胆汁 1/3
分泌経路
- 肝臓胆汁が総肝管を経由して胆嚢にいたり、ここで濃縮を受けて胆嚢胆汁となる。
機能
- 胆汁酸により、直径1μm以下の脂肪滴が形成され、表面積拡大によりリパーゼと反応しやすくなる。
- ミセルの直径5nm。胆汁酸は両親媒性であり親水基と疎水基を持つ。
- 親水性: OH基,ペプチド結合,カルポキシル基
- 疎水性: 上記部分以外
- 胆汁に含まれる胆汁酸とリン脂質により、モノグリセリド・脂肪酸とミセルを形成することができる。
- 3. コレステロールとビリルビンの排出
- 4. 胃酸の中和
組成
1. 胆汁酸
- see HBC.236
1次胆汁:コレステロールより合成
コール酸
キノデオキシコール酸
2次胆汁:1次胆汁の腸内細菌による代謝(7位の部位のOH基が除去される)
デオキシコール酸
リトコール酸
3次胆汁:肝臓から分泌される状態(可溶性)
タウロコール酸(タウリンと抱合)
グリココール酸(グリシンと抱合)
2. 胆汁色素
ビリルビン:Hbの代謝産物
間接型(不溶性)
↓←グルクロン酸抱合
直接型(水溶性)(抱合型ビリルビン)
↓
ウロビリノーゲン(腸管)
↓
ステルコピリン(腸管)
↓
排泄
3. 脂質
リン脂質(主にレシチン)
不溶性であるが胆汁酸存在下でミセル形成(可溶性)
コレステロール
不溶性であるが胆汁酸存在下でミセル形成(可溶性)
4.電解質成分
陽イオン:Na+(主)、その他K+,Ca2+
陰イオン:Cl-,HCO3-(アルカリ性)
胆汁の分泌と排出
1. 毛細管胆汁
1-1. 胆汁酸依存性胆汁
胆汁酸と水分の分泌:胆汁酸の腸肝循環に依存。
腸肝循環:肝臓から分泌された胆汁が小腸で吸収され、門脈を経て肝臓に戻り、再び排泄されること。
タウロコール酸・グルココール酸
陰イオンに解離しやすく吸収されやすい。
リトコール酸
非解離型なので糞便中に排泄される。
分泌された胆汁酸の95%は腸肝循環により再利用される。
1-2. 胆汁酸非依存性胆汁
胆汁酸以外の分泌:Na+,K+,Ca2+,Cl-,HCO3-,ビリルビン(有機陰イオン)
等張性 :Na+,Cl-,HCO3-は血漿濃度に類似
2. 胆細管胆汁
2-1. Na+,HCO3-(高濃度),水の分泌---セクレチンによる
2-2. Na+,Cl-の吸収
3. 胆汁の濃縮(胆嚢)
電解質吸収(Na+,Cl-の能動的吸収)とそれに伴う水の吸収→5-50倍に濃縮
4. 胆汁排出
食後30分で胆嚢収縮開始。液性の調節機構による排出が主である。
4-1. 液性
十二指腸内食物→CCK分泌→オッディ括約筋弛緩・胆嚢収縮
十二指腸内食物→セクレチン分泌→CCKの作用に拮抗
胃内食物→ガストリン分泌→胆嚢収縮
4-2. 神経性
迷走神経性反射→オッディ括約筋弛緩,胆嚢収縮(関与の程度不明)
臨床関連
- 胆道系に形成された結石。半数以上は無症状SilentStoneである
- 食後3時間程度で痛痛発作、黄痘などを呈する事がある。
- コレステロール系結石(全体の70%):コレステロールの過飽和による。
- ビリルビン系結石(全体の30%):黒色石+ビリルビンCa石
- その他:炭酸カルシウム石など
-
- 1. ビリルビンの生成過多
- 2. 肝細胞によるビリルビンの取り込み減少
- 3. グルクロン抱合障害
- 4. 胆汁へのビリルビン分泌障害
- 5. 胆管閉塞
[★]
- 英
- dye、pigment、dye stuff
- 関
- 染色、ピグメント、染める、着色料、組織染色剤