- 英
- tissue culture
- 同
- 細胞培養 cell culture
- 関
- 培養
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2018/09/30 13:23:08」(JST)
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組織培養(そしきばいよう、英: tissue culture)は、生物学関係において動物や植物といった組織分化の著しい多細胞生物の組織(片)を維持・培養することである。一方、多細胞生物でも菌類や藻類といった、組織分化の程度の低い生物の培養は組織培養とは呼ばない。
生物学・医学では細胞・胚など。農学では細胞・胚・葯・花糸・カルスなどを対象にして行われる。目的は研究材料確保・疫学的調査・多量繁殖などである。
培養は主に培養液(培地)を入れたシャーレや試験管・培養機の中で行われる。多くの場合、培養過程でカビや雑菌の混入(コンタミネーション)が問題になるため、サンプルの選定や殺菌・滅菌の手段が重要である。また、培養する組織が必要とするもの(例:栄養・ホルモン(植物ホルモンを含む)・温度・光など)を満たす必要がある。
動物における組織培養
植物における組織培養
概要
動物と違い植物の細胞には分化全能性が備わっているため多くの組織培養方法が研究されている。植物における組織培養はラン科植物におけるメリクロンが有名。葉などの器官を培養する器官培養。茎頂を培養する茎頂培養(成長点培養)。未熟胚を培養する胚培養。葯を培養する葯培養。プロトプラストを培養するプロトプラスト培養などがある。通常のクローン繁殖である挿し木や株分けよりも突然変異が現れやすい傾向があるとされている。
現在、商業利用されているのはウイルスフリーなどの無病の個体の作出、あるいは培養過程での変異出現が多いことを利用した新品種の作出、無病個体や有利な形質を持つ個体を増殖するための大量増殖である。これはラン科植物におけるメリクロンからはじまり、イチゴ、ジャガイモやカーネーションなどが後に続いた。正確な統計は取られていないが、2015年現在、先進国では栄養繁殖性の草本性作物(サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、サトウキビ、イチゴ、カーネーション、ユリ、キク、ランなど)においては、営利栽培のほぼ100%が培養苗由来の種苗であると思われる。しかしオートクレーブやクリーンベンチといった高額器械を使用しなくてはならず、苗が高額になり、苗が高価でも販売できる先進国以外では一概には言えない。作物以外では、コストをある程度無視できる希少植物の大量増殖にも用いられる。植物体再生が容易なユリ類では自生地で減少してしまったヤマユリなどの花糸などを用いて培養し増殖されている。培養には花器を用いるため親株はそのまま自生し続けることが出来る。また比較的安価な培養苗が出回るため盗掘が減り自生地保護のためにも効果がある。
また、胚培養や葯培養、プロトプラスト培養なども育種年限の短縮などに利用されている。
培養方法
培養段階は外の植物から無菌の器内に導入する初代培養、それをある程度増殖する継代培養、大量に増殖する大量増殖、増殖した種苗を器外で生存できるように慣らす順化の4段階に分けられる。大量に増殖する必要がないときは継代培養や大量増殖培養の段階を省くことがある。ウイルスフリーにするための茎頂培養は初代培養時に、遺伝子組み換えやプロトプラスト培養などは継代培養時に行うことが多いが、必ず、ではない。
参考文献
関連項目
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外部リンク
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Japanese Journal
- 工学研究科発 バイオ燃料植物ジャトロファの組織培養法の開発
- 実験観察の勘どころ カーネーションの茎頂培養とその教材化 : ウイルスフリーから始められる組織培養実験
- 宮城県農業・園芸総合研究所研究報告 = Bulletin of the Miyagi Prefectural Agriculture and Horticulture Research Center (83), 1-6, 2016
- NAID 40020813807
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- バイオの基盤は細胞培養技術にあります。 ... 細胞培養基盤技術コース制度 ※2015年度開催予定 【※細胞培養基盤技術コース受講条件に関する変更】 本細胞培養基盤技術コースの受講は日本組織培養学会会員を対象としております。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組織培養不活化狂犬病ワクチン
組成
製法の概要
- 本剤は、ニワトリ胚初代培養細胞に馴化した狂犬病ウイルス(HEP Flury株)を、伝染性の疾患に感染していない鶏群(SPF鶏)から採取した発育鶏卵のニワトリ胚初代培養細胞で増殖させ、得たウイルスをベータープロピオラクトン0.02vol%で不活化し、濃縮・精製し、安定剤を加え分注した後、凍結乾燥したものである。
- 細胞の培養に用いる培養液TCM-199には、抗生物質として1mL中カナマイシン硫酸塩を100μg(力価)及びエリスロマイシンラクトビオン酸塩を30μg(力価)含む。また着色剤としてフェノールレッドを6μg含有する。
- なお、本剤は製造工程でウシの血液由来成分(血清)、ウシの乳由来成分(ラクトアルブミン、エリスロマイシンラクトビオン酸塩)、ブタの膵臓由来成分(トリプシン)を使用している。
組成
- 本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)全量で溶解した液剤1mL中に次の成分を含有する。
有効成分
不活化狂犬病ウイルス(HEP Flury株)
添加物
乳糖水和物
添加物
L-グルタミン酸ナトリウム
添加物
ゼラチン
添加物
塩化ナトリウム
添加物
リン酸水素ナトリウム水和物
添加物
リン酸二水素カリウム
禁忌
(予防接種を受けることが適当でない者)
- 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。
- 明らかな発熱を呈している者
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
- 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
- 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
効能または効果
- 本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)の全量で溶解し、次のとおり使用する。
暴露前免疫
- 1.0mLを1回量として、4週間隔で2回皮下注射し、更に、6〜12箇月後1.0mLを追加する。
暴露後免疫
- 1.0mLを1回量として、その第1回目を0日とし、以降3、7、14、30及び90日の計6回皮下に注射する。
- その他
- (イ)子供の場合にも大人と同量を注射する。
- (ロ)以前に暴露後免疫を受けた人は、6箇月以内の再咬傷の場合はワクチン接種を行う必要はない。暴露前免疫を受けた後6箇月以上たって咬傷を受けた人は、初めて咬まれた場合と同様に接種を行う。
他のワクチン製剤との接種間隔
- 生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上、また、他の不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔を置いて本剤を接種すること。
- ただし、医師が必要と認めた場合には、同時に接種することができる(なお、本剤を他のワクチンと混合して接種してはならない)。
慎重投与
(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
- 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
- ゼラチン含有製剤又はゼラチン含有の食品に対して、ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、喉頭浮腫等)等の過敏症の既往歴のある者
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
- 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
- 過去にけいれんの既往のある者
- 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
- 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者
薬効薬理
- 狂犬病動物に咬まれた後でも速やかに抗血清(中和抗体)を注射すれば発病阻止に有効であるので、狂犬病ワクチン接種により産生される液性免疫(中和抗体)が有効となる。どのような免疫機構がワクチン接種によって発現し、有効に働いているかは明らかになっていない。
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- tissue culture
[★]
- 英
- tissue culture technique
- 関
- 組織培養、組織培養技術
[★]
- 英
- tissue culture technique
- 関
- 組織培養、組織培養法
[★]
- 英
- cell culture
- 関
- 細胞培養液、組織培養
[★]
- 関
- tissue culture technique
[★]
- 英
- freeze-dried inactivated tissue culture hepatitis A vaccine
- 商
- エイムゲン、乾燥A型肝炎ワクチン
[★]
不活化狂犬病ウイルス
- 関
- ワクチン類、狂犬病、狂犬病ウイルス
[★]
- 英
- freeze-dried inactivated tissue culture rabies vaccine
- 関
- 狂犬病ワクチン
[★]
- 英
- 50% tissue culture infective dose、TCID50
[★]
- 英
- culture、cultivation、incubation、culture、cultivate、incubate、cultural
- 関
- インキュベーション、インキュベート、栽培、習慣、信条、培養液、培養的、保温、温置、培養物、文化、文化的、起業支援、培養組織、養殖
[★]
- 英
- tissue
- ラ
- textus
- 関
- 何種類かの決まった細胞が一定のパターンで集合した構造の単位のこと。
- 全体としてひとつのまとまった役割をもつ。
分類