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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2020/04/19 09:12:29」(JST)
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授産所(じゅさんじょ、英: Sheltered workshop)は、心身に障害を抱えた人々を他より隔離された環境において雇用する事業所や団体である[1]。援助付き雇用と異なるのは、これが一般雇用から切り離された部門で行われる点である[1][2]。授産所の設置は生活保護法を根拠とし、保護施設の一つとして、おもに政府機関や社会福祉法人などの団体によって行なわれている。2006年までは、おもに障害者関連の法律(身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、精神保健福祉法)に基づいて作られている法定授産施設と、それ以外のいわゆる小規模授産施設の2種類に大きく分けられていた。2006年の障害者自立支援法施行後は、法定授産施設は障害者自立支援法を障害福祉サービスを提供する施設、事業所に移行した。旧法における身体障害者授産施設、知的障害者授産施設、精神障害者授産施設は経過措置として、2011年まで特定旧法指定施設として、従来の規定により運営可能である[3]。
設置根拠
- 生活保護法第38条 保護施設
- 5 授産施設は、身体上若しくは精神上の理由又は世帯の事情により就業能力の限られている要保護者に対して、就労又は技能の修得のために必要な機会及び便宜を与えて、その自立を助長することを目的とする施設とする。
- 設置基準 第27条
- 授産施設は、利用者に対し、作業を通じて自立のために必要な指導を行なわなければならない。
授産施設を設置できるのは、生活保護法40条、41条により、都道府県、市町村、地方独立行政法人、社会福祉法人、日本赤十字社に限られる。
特徴
授産施設は、障害者に対し生活指導および作業指導を行う点に特徴がある。この作業指導は入所者の労働を必然的に伴うものであり、入所者の労働に対しては工賃を施設から支払うよう、通知という形での行政指導がなされている(設置基準24条)。ただしこの工賃は通常の労働に対して支払われる給与ではなく、入所者の労働によって施設が収益を上げた際に入所者に支払われる配分金という性格のものであり、施設が収益を上げていない場合は支払われないことも多い(設置基準24条)。
課題
授産施設の課題として指摘されるのが、収益性の極端な低さであり、その結果としての工賃の金額の極端な安さである。これについては、授産施設の売り上げには税制上の優遇措置がある上、指導員の給与は別途公費でまかなわれていることから考えても、本来ならば一般企業以上の収益率を達成しうるとの指摘がある[4]。こうした収益率の低さの原因としては、収益事業を経営する能力が乏しい授産施設の施設長が多く、結果として「生産される財の品質が低く、市場での競争力が無い」「障害の特性に見合った生産事業ではない為に生産性が低く、労働コストが過剰となって市場での競争力を持ち得ない」「商品の流通ルートの開発が立ち後れている」といった状況が発生しているとの見方がある[4]。
脚注
- ^ a b ロバート・ポール・リバーマン 『精神障害と回復:リバーマンのリハビリテーション・マニュアル』 星和書店、2011年3月26日、Chapt.7。ISBN 978-4791107650。
- ^ 授産施設制度改革の基本提言 (Report). 全国社会福祉協議会・全国授産施設協議会・授産施設制度改革推進委員会. (1992-04). http://www.ipss.go.jp/publication/j/shiryou/no.13/data/shiryou/syakaifukushi/444.pdf.
- ^ 身体障害者福祉法 附則41条、知的障害者福祉法 附則58条、精神保健福祉法 附則48条
- ^ a b 京極高宣 『障害を抱きしめて:共生の経済学とは何か』 東洋経済新報社、2002年、79-82頁。
参考文献
- 救護施設、更生施設、授産施設及び宿所提供施設の設備及び運営に関する基準 - e-Gov法令検索
関連項目
- 障害者
- 地域活動支援センター
- 職業リハビリテーション / 援助付き雇用
- その他
- 野中広務 - 政治活動を行いながら、授産所「京都太陽の園」を運営していた。
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Japanese Journal
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- 次の文を読み、61-63の問いに答えよ。
- 17歳の男子。言動の変化を心配した両親に伴われて来院した。
- 現病歴: 1年ほど前から高校を休みがちになり、1日中自分の部屋で過ごすことが多くなった。朝はなかなか起きず、昼過ぎになりやつと起きてくる。母親が声をかけると「うるせえな」と反抗的になった。1か月前から、わけもなくニヤニヤすることや、「ちくしょう」、「ばかやろー」などと急に叫ぶことが増えてきた。身なりも不潔になり、入浴もしなくなった。
- 既往歴[ 特記すべきことはない。
- 生活歴: 同胞2人の二男として出生。精神運動発達に異常を認めず、手のかからない子供であった。中学校までは明るい生徒で成績も優秀だった。高校入学後は課外活動をせず、成績は徐々に下がってきた。
- 家族歴: 母方の叔父が精神科病院に入院中である。
- 現症 : 意識は清明。身長175cm、体重63kg。体温36.2℃。脈拍72/分、整。血圧112/68mmHg。表情は硬く、緊張が強い。自発的に話をすることはなく、質問に対する返答に時間がかかり、答えも短い。時々一点を見つめたまま反応がなくなることがある。また、聞き耳を立てるような動作も認める。神経学的所見に異常を認めない。
- 入院治療を勧めると、「死んだほうがましだ」と叫んで興奮し入院を拒否して帰宅を申し出た。
- 2か月の入院治療で症状は落ち着き、同室者とテレビゲームをしたり読書する姿もみられるようになった。
- 退院後の社会復帰のために最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104E062]←[国試_104]→[104E064]
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- 30歳の男性。大学在学中に被害妄想と幻聴とに支配された行動のため精神科病院に入院した。2年前に退院して外来通院しているが、就職しても長続きせず、1年前からは自宅で無為に過ごすことが多い。家族の受入れは良好である。
- この患者に適した施設はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097I009]←[国試_097]→[097I011]
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- 英
- institution、facility、institutional
- 関
- 設備、設立、能力、機関